脱獄

Last-modified: 2024-03-11 (月) 22:18:55

オリックス・バファローズから移籍することを指す言葉。
横浜を出る喜びネタ・地獄ネタの派生。


概要

2010年代のオリックスは、高宮和也桑原謙太朗坂口智隆伊藤光高城俊人金子千尋など、(経緯を問わず)オリックスを出てから開花したり復活を遂げる選手が目立ったこと、逆に井川慶東野峻鉄平トニ・ブランコ成瀬善久らのように、他球団で実績を残したがオリックスでは振るわない選手が目立った。人気・実力とも底を這いフロントすら迷走した当時のオリックスそのものを象徴する言葉として、「横浜を出る喜び」のように用いられることになった。

高城俊人の場合(2020~22年DeNA)

2018年途中にDeNAからトレード*1されたが、オリックスでは正捕手争いから脱落*2、その結果2019年で戦力外通告を受けオフにDeNAへ復帰復帰後の会見で横浜DeNAを外から見て「みんな楽しそうに野球をやっていた。みんなで束になって戦っているのが見えた」と発言*3
文字通りに受け取れば単に古巣愛を強調する発言に過ぎないが、オリックスの上記の事情に加え本人のオリックス時代の成績が散々だったこともあり、一部のファンには自身の結果を棚に上げて遠回しにチームを非難する言葉と受け止められてしまった*4
そして2020年シーズンはキャリアハイとなる3本塁打を達成、「脱獄の喜びを味わっている」とネタにされた*5


金子千尋の場合(2019年から日本ハム)

2018年オフに大幅な減額提示を受け、球団に自由契約を申し入れ退団。
給料を下げられたので日本ハムに来ました」とゲスの極み*6とも言える発言*7
2019年の対オリックス戦は5勝0敗、防御率0.49、特に京セラドーム大阪、ほっともっと神戸では4試合4勝0敗、防御率0.00と古巣に対してあまりに鬼畜過ぎる成績を残し、オリックスを出る喜びを感じていると言われた。
2020年以降は不振に陥り、2021年は6試合に先発登板したが未勝利(4敗)でシーズンを終え、2022年オフに日本ハムを自由契約、そのまま引退となった。


画像

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なお引退セレモニーではオリックス球団も全面協力しており、特段軋轢があったわけではないことが伺える。*8


留意すべき点

このように評価は人それぞれで、在籍経験のある選手らが口を揃えて文句を言っていたTBS時代の横浜とは異なり、選手から露骨に批判されるケースがあったわけではない。2021年からはリーグ三連覇や能見篤史の献身ぶりやFA補強の成功、人気の向上などがイメージを転換させ、現在では主に選手の見極めやフロントの編成戦略に欠陥があったという意味で2010年代の低迷期を指す言葉となった。


別用途

オリックスに所属歴のある人物が起こした刑事事件の際にも、本当の檻に入るということでこの言葉が用いられた。

オリックスに関係ない用例としては、近年暗黒と呼べるレベルの低迷*13を続けているロサンゼルス・エンゼルス所属選手について、2023年WBCにおいて、大谷を含む所属選手が各国代表チームに合流することを「脱獄(仮釈放と呼ぶことも)」、敗退してチームに合流することを「再収監」と呼ぶことが、日米両国のファンの間でちょっとした話題になった。

2023年WBC直後に亡命したジャリエル・ロドリゲスとの契約を中日が解除したことを伝えた現地記者のツイートの「received his release today from the Chunichi Dragons」の部分がGoogle翻訳機能を通じて「中日ドラゴンズから釈放された」と翻訳され、中日の悲惨な現状も相まってネタにされた。

関連項目


*1 高城+白崎浩之伊藤光+赤間謙のトレード。
*2 19年シーズンは一軍で正捕手の若月健矢打率.176と大不振。若月の守備力には定評があるとはいえ、この時期の正捕手争いのハードルは決して高くなかった。しかし高城はその間二軍ですら打率1割と若月以上に低迷し、チャンスを掴むことができなかった。2番手伏見の怪我の際にも高城の昇格でなく松井雅人のトレード獲得で対応されるほどであった。
*3 この発言から派生した「束になって襲いかかる」という表現も存在し、好投手(特に山本由伸)の勝利をエラー&打撃難で邪魔するオリックス野手陣の蔑称の一つとなっている。
*4 高城自身にオリックスを批判する意図があったかどうかは本人のみぞ知る所だが、一部ファンからはいなかった扱いを受けることになる。上記のトレードも高城の名前を黒塗りにして1人⇔2人のトレードとして扱われることが見られるようになった。また翌年オフには白崎も戦力外通告を受けており、オリックスとしては結果的に伊藤と赤間を放出しただけの大失敗トレードであった。
*5 この年の高城は最終的に打率.190、年間合計安打数わずか8ながら3本塁打5打点という極端な成績だった。
*6 金子はゲスの極み乙女。のボーカル・川谷絵音に似てると言われることがある。
*7 ただしこの発言は小学生から移籍理由を尋ねられた際の回答である。
*8 オリックスナインは特別Tシャツを着用して練習に参加した他、球団は平野・比嘉によるメッセージ動画を公式Xに掲載。公式インスタグラムには金子本人も登場した。また、金子もセレモニーピッチにてオリックス時代のユニフォーム姿でマウンドに上がった。
*9 特に2019年。大幅減俸を飲んだ2020年以降は許されつつある。
*10 阪神にFA移籍した西勇輝の人的補償。戦力のバランスや怪我の影響で阪神時代は3試合の登板に留まったが、オリックスでは先発陣の一角を担うように。特に2021年はVやねん!2021と対照的にオリックスのリーグ優勝に貢献したためネタにされた。2023年引退。
*11 2019年に金銭トレードで中日から移籍。中日では「第3の外国人野手」の立ち位置に留まっていたところ、ジョーイ・メネセスが契約解除となったことから急遽獲得が決まり、そのまま一軍の一塁レギュラーに定着して25年ぶりのリーグ優勝に貢献。2021年退団。
*12 横浜→オリックス→阪神。特に金本知憲政権時代にセットアッパーとして活躍した。2021年引退。
*13 2022年シーズンにマリナーズが北米4大スポーツ最長となる20年連続ポストシーズン出場なしに終止符を打ち、同じ年にフィリーズも11年ぶりポストシーズン進出を果たしたことで同じく2014年を最後にポストシーズン進出のないデトロイト・タイガースとともに最長ブランクとなっている。