過去のパッチ情報
- v28.10 Sanity Update
- v28.16 Quality of Life+ Update
- v1.30 Ruins of War Update
- v1.31 Advent Ascendent Update
- v1.32 Picturesque Planets Update
- v1.33(アップデート名無し)
- v1.40 Total Subjugation
- v1.41 New World Update
- v1.42 Faith and Fire Update
- v1.43 Objective Reality Update
- v1.45 Eivonn’s Fine Update
- v1.50 Diplomatic Repercussions Update
- v1.51 The Hunt fer Booty Update
- v1.60 UI Horizons Update
- v1.61 Prelude Update
現在テスト中のバージョンです。
6月12日適用の正式バージョンはv1.61ページに。
開発チームは意見を募っていますが、異常動作や不具合が起こる危険があります。
→テストバージョンの説明と導入方法
→意見の送り方
(この項は翻訳ではありません)
開発者が公開した経緯と説明のまとめ
今回はAIプレイヤーを抜本的に改良するためのテスト。
新要素の先行公開ではなく、ユーザーと共同で開発を進めるのが目的。
未完成の部分も多々あるので、プレイして意見を送って欲しい。
AIプレイヤーの各制御プログラムを総括するARESというプログラムを作った。
戦略目標を作成、設定、状況に応じて再考し、惑星開発、艦隊操作、経済計画などの各制御プログラムに指示を出す。
戦略面の改良であり、個々のユニットや艦隊の動きはまだ手を加えていない。
戦略眼があり、柔軟に思考し、AIチート無しでも手強く面白いAIプレイヤーを作りたい。
注意:
ネットプレイは途中参加すると多同期バグが起こる。
途中参加機能を使わず、最初から全員揃ってから始める方法なら多分大丈夫。
(…と本文にはありますが、実際に試してみたら途中参加無しでもエラーが出ました)
新AIのデバッグウィンドウ

新機能としてデバッグモードを有効化してCtrl+Gを押すと各AIプレイヤーの「ARES」の戦略目標やその評価点数、Ctrl+Uを押すとARESがどんなものを生産しようとしているのか観測するタブが開く。
タブ最上位のメニューで監視AIプレイヤーを切り替える。
日本語版の標準フォント設定ではデバッグ項目が読めないほど小さく表示されるため、
sins2\fonts\debug_12.fontの"「height":」
の値を14か15に変えてデバッグモードの文字を大きくしたほうがいい。
初期は"「height":12」。
(以下翻訳(未完成)。読みやすいよう太字、色分け、改行、段落付けなどを施してあります)
v1.65.10アップデート(日本時間で6月11日テスト版に適用)
- 前回のテスト版を公開して以来、ARESには内密に様々な改良を加えてきました。その途中、他のプレイヤーを滅ぼそうすること以外一切構わないAIプレイヤーが出来上がり、再調整する羽目になっていました。
- 領土を広げてから他の陣営に攻撃を仕掛ける、その加減が上手くなった。
- 艦隊編成の選び方が良くなった。
- ユーザーには編集できない内部ファイルに記述していた値*1を一般データファイルに移し、MOD制作者にも編集できるようにした。
May 22nd v1.65.8 Hotfix
- AIボーナス付きでプレイできるようAI難易度を「難しい」と「勝利不可能」に分けた*2。
- ARESの出した陣地拡張ミッション中、「planet type colonization*3」でAIが長時間待機状態に入ってしまう問題を修正。
- 占拠可能な古代文明の要塞があると、AIが目標の艦隊兵站ポイントを過剰に計上する問題を修正。
- AIが占拠済みの破壊不能施設を攻撃しようとする問題を修正。
- AIプレイヤーが積極的に動こうとしない問題があります。次のアップデートで修正します。
v1.65 ARES: God of Warアップデート【日本時間2025年5月22日テスト開始】
テスト情報ページ
状態: テスト版として公開中
2026年6月*4に予定しているアップデート「Ares: God of War」を公開します。このv1.65テスト*5は、ゲームのAIシステム*6の改善に的を絞っています。そのため今月の変更点一覧は普通とは違う書き方になります。全員参加可能なテストなので、是非皆さんの考えを聞かせてください!
テスト版に切り替える方法
- Epic版
- 「Sins of a Solar Empire II - Test Edition」をインストールして起動
- Steam版
- SteamライブラリーでSins of a Solar Empire IIを選ぶ。
- タブの右上歯車アイコンをクリック。
- プロパティ→ベータと選択
- ベータへの参加をtest_editionに変更
- 更新が始まります
v1.65
AI問題の原因と結果
対AI戦を長時間プレイしたことがあれば、ユーザーの批判が主にどんな点に集中していたのか想像できるのではないと思います。人間プレイヤーのように戦いを進めないAIプレイヤー。序盤、それなりの陣地を築いても、それ以降の段階では戦力を維持できない。資源は妙なにところに投入し、理屈に合わない浪費をする。惑星を覗けば人間プレイヤーなら絶対やらないような施設やアイテムばかり。艦隊の配置はなんだかおかしい。滅多に建てない特異資源精製施設、計画無しに無作為に選んだような研究課題。旧来のRTAと同じように資源を余計にやることで表現した高難易度AIは、強い敵と戦っているというより、人間プレイヤーのほうがわざわざ重りを付けて戦っているようなもの。*7
Sins2のAIを作るときに手を抜いたわけではありません。既存のAIは、様々な分野に特化した、上下関係のある無数の制御コントローラーで成り立っています。何を造るか決めるコントローラー、艦隊編成コントローラー、入植計画を決めるコントローラー、研究、防衛、その他諸々のコントローラーです。ゲームの内部では、各コントローラーが真っ当と考えた決定を別個に下します。この仕組みはSins2の発売以来、経済を発展させ、艦隊に援軍を送り、防衛施設を作り、敵に対処する等、見えないところでSins2を支えてきました。ゲームの中盤以降、AIプレイヤーが機能不全に陥っていたのは、制御コントローラーに欠陥があったからではありません。個々の制御コントローラーを統べ、AIプレイヤーが何のために行動すべきか大局を見て決める、最上位の制御が欠けていたからです。まとめ役が不在だった各制御コントローラーは、全体の方向性を考えず、それぞれの担当分野だけを見て最適な行動を選んでいました。
ARESの導入
発売から一年以上、開発チームはAIの問題を修正してきましたが、2025年の12月に至り、個々の問題を処理するのではなく原因の大元を潰す決断しました。各コントローラーの強さや不干渉レベルを調整するのではなく、戦略的視点を具えた単一のプログラムを導入し、個々の制御プログラムを束ねることにしました。
既存のコントローラーには課題を解決する機能はあっても、何故その課題に取り組むべきなのか考える仕組みがありません。そこで用意したのが全コントローラーを支配するコントローラー、Adaptive Reasoning & Execution System, 略してARESです。このARESが、取り組むべき課題を考える役目を担わせます。
ARESの設計は三つの理念に基づいています。
ARESが出すのは助言ではなく命令
ARESから届いた指示が各々の計画に合わないものであっても、各コントローラーに計画を再検討したり、無視して元の行動を続けたりする権限はありません。ARESが指示した目標があれば、艦隊を必ず向かわせます。ARESが精製施設を集めた惑星が欲しいと言えば、惑星のコントローラーは精製施設を建てるしかありません。
AIは目標に合わせて戦略を決める。事前に設定したルールに制約されるものにはしない
無数のif/then式のプログラム文に従って判断するのではなく、ARESは次に選択する戦略目標(Goal)の候補を並べ、それぞれに点数を付けます。戦略目標には領土の占領、他のプレイヤーとの境界の防衛、キャピタルシップの生産、研究レベルの速やかな開放などがあります。
ARESは原則として「敵艦隊>自軍の艦隊なら撤退」のような分岐式のルーチンに頼らず、「今の目標に向かって行動するより、もっと利益が期待できる選択肢は無いか」と考えます。
選択した目標が最も利益に適うなら目標そのまま示し続けます。各目標(goal)には、目標、コスト、成功確率、成功したときの利益が設定可能です。これにより、人間が事前に作成したフローチャートに従って動くゲームAIでは調整できない細部まで手を加えられます。
難易度を左右するのは、数や資源の多さではなくAIの判断力であるべき
高難易度のAIはクレジット収入を30%受け取れるから強い、というものではなく、戦場全体をしっかり見て、目標の優先順位を的確に定め、準備を重ねた上で計画を実行し、目標達成のためならリスクも負う、というものであって欲しいものです。これは今後の目標であって今はまだ実装できませんが、その下準備は整いました。
ARESは難易度別によって違うperception filterを通してゲームを認識します*8。そのフィルターがどれだけ情報を正確に伝えるか、評価の点数にどれくらいの揺れが出るか、今の目標に執着するか、計画をいくつまで同時に実行できるかを難易度別に数値で設定しています。
ただ、AIチートを完全に撤廃するつもりはありません。将来的にはどの難易度もAIチート無しで表現するのが理想ですが、倒すのに苦労するAIを作るため、あえてチートを許可したAIも用意するつもりです。つまり、勝利不可能AIは本当に勝利不可能にしようと思います。
新AI「ARES」の仕組み。
実際、上位AI「ARES」はどういう風に作動するのでしょうか。一定周期で起こる処理のタイミング(処理周期)ごとに、ARESがどのように思考しているのか、要点を紹介しましょう。
Perception: ARESは、難易度ごとに異なる「perception filter」を通してゲーム世界の情報を得ます。
perception filterは、ある重力圏の情報が見えるか否かの設定や、情報の時間的なズレ、「フェイズレーンの集まる要衝を認識できるか」、「敵陣営の資源収入を予測できるか」といった機能の有効、無効を切り替えるフラグ付けなどが設定されています。
低難易度のAIはフィルターで欠落した、または歪んだ情報を受け取るので、戦場を正確に認識できず、間違った推論をするのです。
World State: ARESはフィルターを通して得た様々な情報を一つに合わせ、現在試合がどんな段階にあるかを記した「現況のまとめ(snapshot)」を出力します。
大雑把な試合の進行段階や経済の発展度、その段階で実現できる資源生産力の最大値と自分の陣営の資源生産力の比較、近くの陣営に対する艦隊の強さ、兵站ポイントの占有度、戦力の消耗、前線や戦略的要衝の位置、拡張候補となる重力圏、敵陣営の脅威度、どの重力圏がどの陣営と接しているかなどを見ます。
Engagement Appetite: このようにして導き出したWorld Stateを考慮し、ARESはどれくらい攻撃的な方針を取るかを決めます。
例えば軍事力を行使しようとする程度、行動の結果発生する損失をどれくらい許容するか、リスクをどのくらい冒すか。
ここで出力した数値で次の過程の点数付けを左右します。
Goal Planning: ARESは候補となる目標(goal)に点数を付けていきます。
目標には軍事系(「〇〇の占拠」、「××の防衛」、「◇◇陣営の艦隊を撃破」)と経済系(「△△に入植」、「造船拠点を確立」)があります。
こうした目標を比べ、特に点数が高いものをAIごとに設定した同時実行可能な目標の上限まで採用し、実施を命じます。
一旦実施すると決めた目標は、目標を達成するか、あえて放棄するか、他に点数が著しく高い目標が出てくるまで消えません。
Directives: ARESは分野ごとに分かれた出力バス(output bus)指示を書きます。
指示には侵攻系、防衛系、編成系、経済系、研究系、入植系、外交系とあり、これをこれまでSins2のAIプレイヤーを動かしてきた個々のコントローラーに読み取らせます。
指示は、処理感覚ごとに再出力します。
指示は謂わば指標のようなもので、長期に渡って持続するものではありません。
長期的かつ絶対的な指令として機能するのは目標(goal)です。
Feedback: 次の処理周期の点数付けに入る前に、前回、各コントローラーに与えたのに遂行できなかった指示を確認します。
指定した課題が資源不足で研究できなかったとか、惑星開発のスロットが足りず施設が建設できなかったとか、生産を命じたユニットに必要な研究課題が終わっていないとか。
次の点数付け(goal planning)には、こうしたシグナルを加味して挑みます。
ARESの思考はこの循環を通じて機能します。
戦略的思考というものは、部下を一方的に責め立てることはせず、部下が動いた結果どうなったかを見るから成り立つのです*9。
こうして出来るのが、何でもかんでも手を出しまくるのではなく、計画を認識した上で採用、計画に必要な経済を築き、必要な艦隊を編成し、計画実行に向けて進むAIです。ゲームマップを観察すれば違いが分かると思います。艦隊は目標を持って動き、防衛施設は必要な重力圏に建て、研究は方針を決めて進めていく。力はあちこちに分散させず、定めた地点に集中させます。
未完成の部分
ARESはゲームAIとして機能し試合を進められる段階に達したのでテスト版として披露することにしましたが、まだ未完成です。
現在把握している、改善が必要な点を隠すことなく掲載します。
ゲーム後半の艦隊編成
ゲーム後半の艦隊編成
キャピタルシップやコマンドシップの生産を指示することはできますが、そのために資源生産を増やして蓄えておく量が、拡張が終了した時期~終盤の熟練プレイヤーに比べて不足しています。試合後半には序盤の戦力を拡大再生産した艦隊ではなく、ゲーム後半らしい編成を出して欲しいと思っています。この改善アップデートは近々適用する予定です。
交戦時の判断
攻勢を仕掛けるタイミングは決められるのですが、「もっと押すべきか、あるいは引くべきか。それとも援軍を呼ぶべきか」といった戦闘中の判断は、まだ現行バージョンの艦隊運用パターンに頼っています。【ARESはもっと押せと考えているのに、艦隊運用コントローラーが撤退を決めてしまう】状態にならないよう、今後、どこかの段階でこの決定権をAERSに取り込むつもりです。
認識能力で変わる難度調整
既に触れましたが、資源ボーナスに依存せずARESの思考の良し悪しでAIの難しさを決めるのが目標です。一部(認識する情報と実態の差、目標に付ける点数の誤り、同時に出せる目標(goal)、目標を再考する間隔)は導入済みですが、難易度を調整するための様々な調整は済んでいません。
チームプレイ
ARESは狂犬です。同盟プレイヤーと敵プレイヤーを上手く判別できないので、チーム戦では同盟プレイヤーを狙う戦略目標(war goals)を出てしまうことがあります。同盟プレイヤーの惑星を滅ぼす等の行動は実施できないので、結果として達成不能な目標を掲げたまま行動停止してしまいます。今後修正予定ですが、同盟のARESが不審な動きをしないか用心しておいてください。
様々な数値の調整
(scoring weights, posture thresholds, attrition limits, role templates, goal caps, demand profiles*10といった様々な数値はデータに基づいて決めなくてはならないので、テストにプレイヤーの試合を見て調整します。
マルチプレイヤー
プレイ可能ですが、途中参加するプレイヤーがいると同期問題が起こるので自己責任で試してください。シングルプレイヤーや、全員揃って準備室から始めるマルチプレイヤーは機能します*11。
終わりに
ARESは公開テストを通じて進化させていきます。この新AIを中途半端な状態で正式導入するつもりはありません。ユーザーからの意見や開発チーム内のテストで得たデータを参考に試行錯誤しながら調整していきます。完成した要素を体験してもらうためではなく、ARESの欠点を探すために力を借りるため、このテストを実施することに決めました。
ARESが異様に弱くなったら、説明不能な動きを見せたら、難易度設定に合わない強さだと感じたら、TECやヴァサーリ、アドベントなど、その陣営らしくない行動を取ったら報告をお願いします。そういった報告の一つ一つを今の開発チームは何よりも求めています。
どんな内部テストも実際のゲームプレイには敵いません。ARESが良い動きを見せたとき、または変な行動を取ったときのセーブデータかリプレイがあれば是非提供してください。できればdiscordサーバーによろしくお願いします。
いつもSins2を応援してくださり、ありがとうございます。ご意見、お待ちしています。