概要
メッセージニュースレターとは、社員寮で信源分析を行った際に閲覧できる資料である。
メッセージニュースレター
ヘイムダル部隊
アカシア
アカシアがアニメやマンガ、ゲーム、そしてそのグッズを足の踏み場もないほど集めているのは、ヘイムダル部隊もよく知っている。
カロリンのアドバイスに従い、アカシアはそのお宝たちを保管するために社内の倉庫を借り、分析員でも開けないように鍵の権限まで変えた。
料金はアカシア本人のゲームチャンネルの広告収入で支払っている。
リフ
リフが初めて栄冠を手にしたヴァルキリーゲーム決勝戦では、多くのファンから「雷を纏った槍で圧縮恒星を貫いたあの凛々しい姿は、まるでオーディンの化身だった!」と評価された。
そしてオーディンの伝説に由来し、ファンからは「ウェンズデー」という称号が与えられた。*1
ニタ
もし一人で寮でホラー映画を見る勇気がなければ、ニタを誘うといい。もし一人で部屋の隅に現れた虫を処理する勇気がなければ、ニタに頼るといい。
ヘイムダル部隊の皆に認められたこの向こう見ずな娘は、チェルノが料理の支度をするところを見て、隅っこに隠れて震え始めた。
ユグドラシル社はヘイムダル部隊のメンバーに高額の給料を支給していると同時に、あらゆる福利厚生によって社員が日常生活でほとんど経費をかけずに済むよう工夫されている。
そのような状況にも関わらず、ニタは常にアルバイトの機会を探している。それどころか、ニタがカロリンに頼んで給料を前借したこともある。
一体ニタはその大金を何に使うつもりなのか?きっと大きな計画があるに違いない。
フリティア
フリティアにとって、科学者であり取締役であるボス・τの存在は、キャリアパスのアイドルだ。
フリティアは科学研究においてたくさんの実績をあげたが、一人前の大人の女性としてはまだまだだと感じている。
もう少し頑張ってみれば、きっとボスのように、何もかも予想通りに進めて、全てのバッドエンドを回避できるようになれると、フリティアは信じている。
マリアン
マリアンは、見た目からは想像できないスキルを持っている。それはあらゆる武器の特性、使い方、手入れの注意事項を熟知していることだ。ヘイムダル部隊内部の記録において、マリアンは銃の組み立て速度はトップ。
カソードテクノロジー*2のモデルとして、いつも新型武器を使いこなし、エレガントに商品の性能をアピールすることができる。
マリアンはアンドレオッチ家で開催する茶会の招待状をよく部隊の皆に送るのだが、参加者はほとんどいない。なぜならば、茶会参加者のほとんどが、政治家やスポーツ選手、有名な学者など「非凡な」人物ばかり。ヘイムダル部隊の皆はそのような厳粛すぎる場が苦手だからだ。マリアンは今までヘイムダル部隊員を誰一人招待できたことがない……
マリアンがヘイムダル部隊に加入する前、アンドレオッチ家の法律顧問は数十人ものチームを率いて、ユグドラシル社の法務部と激しく論争を交わした。
マリアンの安全のためにユグドラシル社の社員契約に14ページの内容を追加したうえ、電子契約書が主流となっている今、紙の契約書を要求した。
マリアンの社員契約は、現在アンドレオッチ家の銀行の金庫の中に保管されているらしい。
晴
晴の機械腕はユグドラシル社開発部によりカスタマイズされたものだ。正式名は「特殊作戦専用バイオニック義肢ティルヴィング」、それまでこれほどの機能を備えている商品はなかった。
晴の要望と試着した感想により、義肢の精度、素早さ、そして頑丈さが重点的に強化された。
しかしそれでも晴の高負荷の訓練では、バイオ義肢は故障してしまう。幸い晴はすでに基本的*3な修理方法を身につけている。
晴は優れた白兵戦能力を持っている。ヘイムダル部隊に入ってすぐに、晴は「戦神」の称号をつけられた。
しかし、晴は戦闘以外のことは苦手だ。たまに晴が浮かない顔で眉をひそめて、会話中に滑ったら何を話せばいいのかを考えているところを見る。
結局、話題はいつも仕事や戦いに戻るのだが。
チェルノ
チェルノの料理の腕が「ヤバイ」というのは周知の事実だ。そのため寮では、チェルノ個人による料理以外の料理活動はしないよう伝えられた。
だが実際……チェルノが個人で料理したものをみんなに振舞おうとすることが多々あり、その際は彼女を刺激しないよう話を逸らす程度しかできなかった。
そういえば、あんな色や形も変な料理、食べられるはずがないのは一目瞭然だろう?あれはわざとじゃないのか?
チェルノが自分で作ったものを口にしたところなど、一度も見たことがない。
かつてユグドラシル社には、周りで鳴っている通信装置に無暗に出てはならないという噂があった……もし誰かがそれに出て返事をすると、すぐに切られて呪われてしまう──
「そんなデマ、誰が流してるの?はあ……チェルノちゃんが来たばかりの頃、ずっとボロボロの通信装置を持ってたから、ローカル用のをあげたの。それから噂が流れて、私たちは通信源を特定して、装置を回収したのよ。」
ファニー
ファニーは壁一面を飾れるほどの化粧品や美容機器を持っている。ロビーでうろうろしている時以外は、ファニーはきっと部屋でスキンケアのコツを研究しているのだろう。
先端技術でスキンケアできるほどの科学技術が発達しているのに、ファニーは今も根も葉もない民間療法を信じてしまう……
ある日のミッション出勤前、私たちは30分もかけて真っ黒な「日焼け防止マスク」を取るようファニーを説得しなければならなかった。
今週、ファニーはコスメ番組で学んだ「3分でできるツインロール」のコツをみんなに披露しようと張り切っている。少しでも髪が長ければ、リフでさえその「披露」から逃れることはできなかっただろう。
しかし彼女は午後の会議に遅刻し、髪を整えるのに時間がかかったと言い訳した……どうやらこのコツはあまり実用的ではないようだ。
肴
肴はマリアンの腕を認めているが、なぜマリアンが怪我することに夢中なのかは理解できないし、理解したくもない。同じスナイパーだが、二人の戦いぶりはまるで違うのだ。
肴は最高の視界を保つと同時に、極力怪我をしないために、いつも高所の狙撃ポイントに隠れる。それに対して、マリアンはよくスナイパーライフルを持って掩体から飛び出す。幸い、二人が同時に任務に参加することは滅多にない。
肴の健康備忘録:
朝起きて白湯を一杯と、数種類のビタミン剤を飲むこと。
午前中に、小袋入りのナッツ類を食べること。
昼ご飯は低脂質低塩分で、甘いものと辛いものを避け、野菜と良質なタンパク質を必ず摂取すること。昼ご飯の後30分昼寝すること。
午後、1時間トレーニングすること。
徹夜しないこと。寝る前に、足湯に浸かること。
週末に1回、おいしいものを食べること。
マーシル
無痛症になったマーシルは、無意味な損傷を避けるようにいつも用心深く、唐辛子さえ食べようとしない。
それでもうっかりする時は誰にでもある。診断記録によると、マーシルはかつて親知らずにより深刻な顎関節症になったことがある。しかし炎症が神経まで達し、軽度の顔面麻痺になるまで、マーシルは全く気づいていなかった。
後方支援スタッフの話によると、マーシルの部屋で働く掃除ロボットはいつも変なものを「誤飲」して壊れてしまうらしい。
今週の点検で、ロボットの中から発見された異常な内容物は、第1級汚染物とマークされたブローチ、2枚の汚染物らしい生体組織の切片標本、1本のまだ分類されていない植物の苗、など……
シーリス
あまりオシャレを意識していないせいだろうか。シーリスはほぼ毎回、会社のクリーニング部に送った服を取りに行くのを忘れる。
他の皆はよくシーリスに配慮して、彼女の服を見かけたら部屋まで運んであげた。
会社の同僚はよく、ヘイルダム部隊はシーリスの洗濯配達サービスだとからかう。
辰星
姫辰星は「監察員」としてヘイムダル部隊に派遣された。ほとんど全ての隊員があの冷たくて鋭い視線を思い知り、その並外れた記憶力に自分の過去を探られた。
その後は皆、姫辰星の人柄を知りながらも、本能的に敬遠してしまう。その無限の容量を持つ超記憶脳の中には、たくさんの人の黒歴史が記録されているからだ。
姫辰星は超記症候群を患っている。何もかも覚えられるが、何を思い出すかは自由にできない。
頭の中ではまるで画面が分割されている映画のように、それぞれの画面である時点の記憶の断片が再生されている。そのため、ヘイムダルの隊員たちが彼女に話しかけても返事をしてくれないことがよくある。
それは恐らく、その最中に意識がいつかの過去に戻っているのだろう。
辰星は紙の書籍を読むのが好きだ。それは名門出身で、伝統的教育を受けたからだと思う人が多い。しかし実際のところ、それは辰星の数少ない趣味の一つだ。超記憶症候群の無意識記憶のせいで、辰星は真実の記憶と妄想の記憶の区別をつけることができないのだが、紙に書かれている文字は確かに存在していて、容易に改竄されない。そのため、辰星は紙の書籍で知識や情報を得るのが好きなのだ。
姫辰星はいつも自分で編んだ複雑な縄結びをつけている。それは情報を記録し伝達する伝統的な方法で、一部の地域では縁起のいい象徴とみなされている。
辰星は縄結びを思い出の支えとし、同事に縄を結んで整理することをリラックスの方法としている。
無秩序な糸を整理する際に、頭の中の思い出も整理されるのだろう。
ユグドラシル社
カロリン
カロリンの見た目は14歳のまま止まっている。なぜかというと、その体は少女の姿をしているバイオ義体だからだ。
その人間の脳はカロリン・フォン・シュタウフェンベルクという成人女性のものだが、カロリンの第一頸椎には他にバイオ副脳が搭載されていて、莫大な情報を処理していることはほとんど知られていない。
人間のカロリンは2029年生まれ。かつては軍学校戦術指揮学部のエリートで、「李」という親友がいた。
学生時代の二人は激しく競争したことや、手を組んだことがあり、お互いに知り尽くしていた。その後バディを組んで大活躍したこともあり、軍の期待の新人となっていたが、あの壊滅的な災難、タイタン降臨に遭った後、全てが変わった。
災難の後、軍はカロリンを強制的に引退させた。
カロリンは脳と神経以外の全ての器官や組織が*4機能を失い、服役には適さないと判断したためだ。その後の2年、カロリンは消息を絶った。
人間としてのカロリンの身分、社会保険などの情報は本人の死により抹消され、没年28歳と記されている。そしてヘイムダル部隊に、少女の見た目をしている「カロリン」という情報官が現れた。
ギーちゃん
ギーちゃんはユグドラシル社が寮で使用しているスマート生活管理アシスタントだ。
かわいい名前をしているが、そのスマートパーソナリティには少し難点がある。
年中消極的なギーちゃんと話すと、みんなその「おっさん臭さ」に驚くだろう。
ある日、点検スタッフがギーちゃんのソースコードから、ユグドラシル社の定年退職した社員の名前を見付けた。おそらくそれが、ギーちゃんの消極的な感情の理由なのだろう。
ギーちゃんに組み込まれているソースコード内に埋め込まれていた名前をあなたは覚えているだろうか?
その名前を調べてみると、ギーちゃんのイメージデザイナーであることがわかった。ユニークな見解と豊かなデザイン言語を持つアーティストで、デザインには強いこだわりを持っている。
元々ギーちゃんのイメージ案として期待されていたものが可愛い小動物の姿だったが、そのこだわりに負けたという噂がある。
見た目について聞かれすぎると、ギーちゃんは「みんなセンスがない」と愚痴をこぼす。
なぜギーちゃんがユグドラシル社が主導的に開発したナビゲーター型AIとよく似た名前をしているのか、知りたい人はきっとたくさんいるだろう。
好奇心でギーちゃんの取扱説明書を書いたスタッフを取材した。
利用者の満足度を向上させるために、名前は分析員につけてもらったそうだ。分析員は頭を掻きながら、アイ、はなちゃん、ジャーヴィスなどの候補の中からギーちゃんという名を選んだ。ギーちゃんはレイギウスの、寮での応用形態だからだ。
「本当はニャー子と呼んでやるべきかな。いつも猫を誘うような声で私を呼ぶから」と分析員は言った。
役員
- τ
ある情報官によると、τは就任*5したばかりの分析員を重要視しているそうだ。高い権限を与えるのみならず頻繁に二人で会議しているため、おそらく会社の経営や管理をしてきた*6経験談を授けているのだろう。
τもよくあの分析員の任務報告や検診報告を人伝でなく自身で確認している。τが確かにこれほど気を遣うことはとても珍しく、後継者を育てていると疑われるのも仕方のないことだ。
ある後方支援スタッフの話によると、τはワーカーホリックだが、半年につき1週間か2週間ぐらい姿を消してしまう時期がある。
τは一体何をしに行ったのか知る人はおらず、τと連絡を取れる人もいない。
ただ、その後帰ってきた彼女の精神状態は好転したように見えるので、多くの人はτは旅行にでも行ってきたのだと思っている。
ヘイムダル部隊のあるメンバーの話によると、かつてある有名な医療機関に目上の人の見舞いに行った時、偶然τと会ったそうだ。だが利用者のプライバシーは保護されているため、τが参加した医療プロジェクトは公開されない。
他のメンバーの分析によると、τがあの医療機関に現れた時期は定期的に姿を消す時期と重なっているため、会社から出たのは、旅ではなく治療を受けに行っていた可能性が高い。
ユグドラシル社のいくつかの階層は最高レベルのセキュリティで守られ、権限のない者は立ち入り禁止となっている。
τの執務室と取締役会の専用会議室はそこに設置されており、向かうには専用のエレベーターに乗る必要がある。
τ以外の役員はほとんど会社に顔を出さず、ホログラム通信で会議するらしい。
取締役会が全員揃う機会があるとしたら、それは途轍もない事態に違いない。
- θ
θは社会医療保障体制への優れた貢献により、管区内にたくさんのティーン症候群患者の支持を集めた。
気前の良い行いも下層民衆の評判を得ており、親しみを込めて「θ様」と呼ばれている。それに公開された情報によると、今回の明灯新祭のために行った募金活動も、θが音頭を取ったそうだ。
θの趣味は旧時代の古物を集めることだ。これは彼女の出身に関係している。噂によると、彼女はある歴史の長い名家に生まれて、今でも密接に繋がっているらしい……
だがOLD6の他のメンバーはそれをあまり気にしていないようだ。事業を世界中に広げたいOLD6にとって、これは悪いことではないのかもしれない。
最近、 弊社は第62号 「新医療保険体制の実験エリア」の建設を進めています。
ご存知の通り、 「誰もが生命権を有すべき」 というのは、 弊社創設以来の大切な理念で、 その理念を確立したのは、 親愛なるθ様です。 このティーン症候群時代に、 生命権を保証するという唯一の目標を立て、全ての人の全ての時期を含む 「新社会生命医療保健体制」 理論を提唱したのもθ様です。
- OLD6:ユグドラシル社の理事会メンバー。τ、ω、θ、ε、π、δの6名。
ユグドラシル社内部においても、OLD6の情報は極秘扱い。
多くの人は、その6つのコードの向こうにいる権力者は数え切れないほど入れ替わり、表に立つのは単なる操り人形に過ぎないと考えている。OLD6は何らかの方法で若さを保ち、ビジネス帝国を操っている……
もしそれが事実だとすれば、彼らは既に年寄りになっているはずだ。
会社
降臨事件の後、ユグドラシル社は何らかの原因によりヤドリギ宇宙ステーションとの接続が途切れてしまった。そのため、宇宙ステーションに建てられた無重力工場が使えなくなり、ティーン症候群を治療できるバルダー抑制剤が生産中止になった。
世界各地で大規模なデモ活動が行われ、ユグドラシル社の株価も暴落。世界的な金融危機になりかけた。
各方面のプレッシャーを受け、ユグドラシル社は生産技術を緊急改善し、バルダー抑制剤の生産を再開した。
ユグドラシル社はバルダー抑制剤の生産を再開。生産能力の拡大や価格の調整などを進めて騒きをおさめたが、疑いの声は絶えず存在している。
ユグドラシル社がバルダー抑制剤の主要な原材料を変更したために生産再開後の薬の効果は以前のものに及ばないという陰謀論を信じるものも少なくない。
生産停止前に生産された薬は「プロトタイプ抑制剤」と呼ばれ闇市で高額取引されている。そういった「プロトタイプ抑制剤」の真偽を知る手段は存在しない。
研究開発部はユグドラシル社で最も大きな部署である。研究開発部と呼ばれているが、実際は生物医療、宇宙航空、武器開発、電子製品などユグドラシル社の様々な主要産業もそれに所属している。
一部の研究員はユグドラシル本社で仕事をし、他の人は各工業エリアか支社に滞在する。
研究開発部に就職するには非常に高い能力が求められるが、待遇もかなりいい。この時代では最も社会的地位が高い職業の1つにもされている。
ユグドラシル社開発のスマートリング「シナトネリコ」。「未成年者の安全を監視・保護が目的」という理由でティーン症候群流行前は世間から強い反発があった。
流行後には売り上げが急増。身体状態を測定でき、ティーン症候群が発症した際には保護者及び周辺の医療センターに通知され、救助や診療を受けることができる。
ユグドラシル社内部の噂では、シナトネリコで集めたデータで覚醒者と、同時に覚醒者になりうる潜在的適合者を探している……らしい。
寮舎ロビーに配置されているスマートエリア温度制御システムはもともと、手動で温度を調節することができた。住人は必要に応じて、エリアの温度を調節することができる。しかし、ロビーの温度が低すぎて、健康に悪いと何度も苦情があった。その後の調査によると、ロビーの温度を下げたのはリフだった。そのため、社員寮管理人のギーちゃんはロビーの手動調節インターフェースを閉じることにした。
部隊装備
分子材料分野の発展につれて、現代の服はすでにその名にふさわしいスマート製品になった。
その中でも、スマート繊維の出現は特に大きな影響を及ぼした。スマート繊維には電子部品技術が集積されているため、服が環境を感知し、身体状況を観測し、体の温度を調節することができると同時に、データ保存や転送もできる。
ヘイムダル部隊の服はこの技術の集大成。
戦術装備は名前の通り、単体の兵士の作戦時に使用する着用式装備のことである。開発初期、軍はこの装備を用いるスーパー兵士部隊の設立を目論んだが、人体機能に制限された戦術装備は火力、防御力、俊敏性を兼ね備えることができなかった。度重なる実験によってこれの実戦投入は難しいという結論にいたり、一部の補佐ユニットだけが特殊部隊での運用を果たした。
覚醒者の出現によって、ようやく戦術装備の運用が可能となった。そのおかげで覚醒者の作戦能力が大幅に向上すると同時に、覚醒者の並外れた身体能力も戦術装備の能力特化に新たな可能性を示した。
- トーバルズ防護服:分析員が汚染地域で活動する際に着用する服
トーバルズ防護服商品紹介(一):
本製品の防護レイヤーは高密度素材・重層構造を採用。構造内部を結晶水で填充しております。防護レイヤーの表部分が損傷しても、裏*7部分が一定の防御力を発揮します。
防護レイヤーの表面は特殊コーティングが施しているため、洗濯する際は必ず専用の洗浄機でドライクリーニングしてください。コーティングが大きく損傷する可能性があります。
トーバルズ防護服商品紹介(二):
本製品は圧力安定システム・構造運動システム・呼吸システム・温度調節システム・通信システム・生命維持システム・人体代謝物収集処理システムが含まれ、総重量は16kgになります。
使用する前に必ず、全システムが正常に作動していることをご確認ください。
トーバルズ防護服の商品紹介の中で、マスクの上についている触覚については全く説明していない。フリティアとマーシルの研究によると、この触覚の材質はかなり特別で、その硬度・剛性、そして強度も非常に高いことが分かった。しかし、制御・探査、あるいは通信などの機能は一切持っていない。
「もしかしたら、これは誰かを突き飛ばすためのものだったりして?」と、フリティアは茶化した。
神格
研究によると、覚醒者の性格と神格は関連している。例えば、リフとファニーの言動からその神格の特徴が窺える。
しかし、今までのデータでは両者の間に十分な関係性があると証明できず、ましてやほとんど人間の性格的特徴を持っていない神すらいる。
テストで覚醒後に獲得する神格を予測できると宣言している学者もいるのだが、まだ学会に公的に求められていない。
神格テストです。以下の文について、あなたはどう思いますか?当てはまる・やや当てはまる・どちらでもない・やや当てはまらない・当てはまらないの五つから選んでください。
1、強いプレッシャーを感じていても冷静でいられる。
2、自分が成し遂げることよりも、他人を助ける方が幸せに感じる。
3、人の論争を見るのが好きだ。
4、あまり自分の選択を疑わない。
……
その他
ティーン症候群
今世紀初頭、個人名義による宇宙開発産業が勢いを見せた。いくつかの企業が衛星とキャリアロケットを率先して打ち上げ、莫大な利益を得たことで人々に個人宇宙開発産業の*8明るい未来を示した。
ティーン症候群の感染が始まって以来、全世界の科学研究と生産ラインは医療と人工知能に力を注ぐことになり、かつての数々の先端技術と同様、宇宙航空産業は長い停滞期を迎えることになった。しかし程なくして、ユグドラシル社がヤドリギ宇宙ステーションで遂げた対ティーン症候群の特効薬の研究についての大きな進展を世に発表することで、宇宙航空産業に第二の春が訪れた。
個人と国は宇宙ステーションの増設と改築に力を入れ始め、スペースシャトルなどの輸送用宇宙航空機の製造技術は凄まじい発展を遂げた。宇宙航空は人工知能、生物医療と肩を並べ、経済発展を促す三大要素となった。
人工知能の躍進は、今世紀20年代の大規模言語モデルが出現したことで始まった。
莫大なデータと深層強化学習手法に基づいて迅速に進化し、ティーン症候群による人手不足を解消した。
そんな中、多くの学者が人工知能のこれ以上の発展を制限すべきだと訴え、最終的には巨大企業が「人工知能を自己生産できるようにする」という考えを断念させた。
今世紀30年代、ティーン症候群の脅威を前に、一部の科学者は人類の寿命を延ばす必要があると提唱した。
この考えがユグドラシル社に認められた結果、生物技術は人工知能開発と同等の優先度を得た。脳科学から遺伝子研究へ、人体から動物や植物へ、生物技術と医療技術は人類の進む道を切り拓いたのであった。
そのため、ラムセスグループやオークグリーンエネルギーのようないくつかの巨大企業も生物技術のプロジェクトまたはそれに関する研究を進めていた。もちろん、その頂点に立つのは相変わらずユグドラシル社である。
ティーン症候群の感染が広がる危機の20年、人類のテクノロジーは偏った発展を遂げた。ティーン症候群の対処と生産力を向上させるためのテクノロジーが全世界から支援を受けて飛躍的に進歩し続ける一方、様々な分野の資源と労働力は削減され、長い停滞期を迎えた。40年代以降、様々な研究分野や産業がようやく再び発展の機会を得た。これがティーン症候群後時代の始まりとされている。
ティーン症候群後の時代では、人口不足の問題が日に日に浮き彫りになっていった。技術面では人工知能技術が飛躍的に発展し、それ以外の面では、「集約化」という概念が世に出て、2050年に大まかに完成し、いくつかの巨大都市にて実現した。
「集約化」というのは都市内の同一または類似した機能を持つ施設を指定エリアに集約させることである。それにより生活エリア、工業エリア、農業エリア、娯楽エリアなどのいくつかのエリアが立ち上げられ*9、各エリア間はお互い独立してる事により市内の交通網が一層重要視された。地下鉄駅をベースに、様々な交通ハブが建設されるのであった。
ティーン症候群により人口の増加は強く抑えつけられているが、不動産価格の上昇は止まらなかった。
住宅はスマートホームと高度に結合され、錠から風呂までスマート化が実現されている今、ユグドラシル社の寮もフルセットを搭載している。しかし、ヘイルダム部隊の中にも細かいところまで至る人工知能のことが苦手な人がいるため、よくそれをオフにしている。
娯楽とは人間の根強い欲求の1つである。ティーン症候群の危機に迫られた20~40年代、人々はそれをほとんど忘れていた。個人は己の種族のために犠牲を強いられ続ける20年を過ごし、ようやく危機が緩和された時代を迎えた人々は「娯楽が必要だ!」と声を上げた。
娯楽を求める世論が強くなっていくのに対し、各大企業は緊急で人員を集め、20年前の娯楽を参考にし数々のクラシックゲームを発表した。この間、時期を見計らって企業の方針を変え、エンタメ市場に躍り出た企業も存在した。藤原工ンターティンメントもその1つである。娯楽の需要が各大企業に労働時間の短縮と賃金上昇を促したが、娯楽の支出で富はまた巨大企業のもとに戻っていくのであった。
未分類
最初のタイタン降臨事件以降、世界各地に覚醒者が続出した。
ユグドラシル社は全員覚醒者で構成したヘイムダル部隊を作り、軍もそれを真似して覚醒者を集め、べーオウルフ中隊を作った。
双方は封鎖工リアの治安維持やタイタンへの抵抗などにおいて密接に協力しつつも、覚醒者の募集やタイタン研究などにおいては競争関係にある。
データマイナーは30年代に現れた新しい職業で、瞬く間に人数が最も多い職業となった。データマイナーの仕事内容はとても簡単で、入職条件を求められることもなく、頭部デバイスを通して自身の脳をインターネットに接続するのみ。データマイナーは膨大なデータを選別し、人工知能にできない不明瞭な画像の識別などの作業を行った。
データマイナーの給料は極めて低く、こなした仕事の量によって決まる。自分の生活費を賄うだけならさほど難しくないが、家族を養ったり、抑制剤の購入費まで稼ぐとしたら毎日14時間以上仕事することになる。
今でもなお、地下鉄は混んでいる。地下鉄の駅は次第に地上と地下を繋ぐ5階もある交通中枢に拡張され、その路線も都市全体をほとんど覆っていて、一般市民の最もよく使う交通手段となっている。
エリートたちは自動運転車に乗り、安全かつ効率的に目的地にたどり着ける。そしてヘイムダル部隊はどんな緊急事態にも迅速に対処できるよう、専用の地上・空中路線を持っている。
コメント
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社員寮、社員寮/家具、社員寮/メッセージニュースレター
莫大な利益を得たことで人々や個人宇宙開発産業に明るい未来を示した。
→莫大な利益を得たことで人々に個人宇宙開発産業の明るい未来を示した。 -- 管理人? 2023-12-04 (月) 19:29:59