自然重力のある惑星や衛星の地表と宇宙の行き来についての情報。
打ち上げ機
打ち上げ機には、重力に抵抗できる加速度の大きさと、重力影響範囲を抜けるまでそれを維持する稼働時間が必要となります。
仕様上はその天体表面の重力加速度を少し越えられる程度の推力でゆっくりと昇っていっても構いませんが、重力が効果を及ぼす範囲外までの距離を考えるとある程度速度を出すほうが効率的です。
- デフォルトサイズの惑星の場合、自然重力が影響する範囲の地表からの厚みは35,000~45,000mに達し、地表から常に最高速度(100m/s前後)で垂直上昇したと仮定しても350秒~450秒ほどかかります。
水素スラスター主軸
- 水素スラスターを使用した重力圏脱出は、スラスター推力が大気の影響を受けないため、最低限航空機のように地表から浮き上がることが可能な大きさがあれば全高度に対応でき、必要なだけの稼働時間を持たせることが重要な点になります。
- 最高速度に達した状態でスラスターを吹かすと、燃料を消費するだけで速度が伸びないため、効率面で損になります。この点は電力だけを消費する場合も同様ですが、燃料消費の激しい水素スラスターの運用ではより重要です。
- 逆噴射が行われないように慣性ダンパーをオフにし、最高速度に達しない程度に時々噴射を止めると、速度制限による無駄を減らすことができます。
- 質量や推力を計算して天体の重力加速度と釣り合うスラスター数を把握しておけば、目標まで速度を上げてから不要なスラスターを止めることで、噴射しっぱなしでも消費をある程度抑えることができます。
- 推力変化の特性から、重力と釣り合うだけの加速度を水素スラスターで確保して大気圏用スラスターを低高度の加速に併用すると、上記のような燃料節約を容易に行えます。
水素タンク1つあたりの噴射時間 | ||||
---|---|---|---|---|
大型船 | ||||
スラスター | 個数 | 推力[kN] | 秒数 | 備考 |
Large HT | 1 | 6,000 | 386.6 | |
2 | 12,000 | 193.3 | ||
Small HT | 1 | 900 | 2,362.2 | |
2 | 1,800 | 1,181.1 | ||
3 | 2,700 | 787.4 | ||
4 | 3,600 | 590.6 | ||
5 | 4,500 | 472.4 | ||
6 | 5,400 | 393.7 | ||
9 | 8,100 | 262.5 | 設置空間の断面積は1基のLHTと同じ |
水素タンク1つあたりの噴射時間 | ||||
---|---|---|---|---|
小型船 | ||||
スラスター | 個数 | 推力[kN] | 秒数 | 備考 |
Large HT | 1 | 400 | 154.6 | |
2 | 800 | 77.3 | ||
Small HT | 1 | 82 | 734.4 | |
2 | 164 | 367.2 | ||
3 | 246 | 244.8 | ||
4 | 328 | 183.6 | ||
5 | 410 | 146.9 | ||
9 | 738 | 81.6 | 設置空間の断面積は1基のLHTと同じ |
- データ/タンク→スラスター水素消費からの単純計算
- 表ページ
電気系スラスター主軸
- 大気のある天体で大気圏用スラスターとイオンスラスターを主に使う場合は、よほど切り詰めないかぎり燃料の心配はないでしょう。こちらは大気による推力の低下に対応する設計が重要な点になります。
- 推力変化の詳細は高度と推力などを参照してください。
- 大気圏用スラスターで推力を得られなくなる領域ぎりぎりでは、イオンスラスターはまだ100%の推力を得られません。8割弱程度の推力と水素スラスターの補助などでその高度の重力に抵抗できる必要があります。
- 高度変化による推力変化は、効率が悪化するのではなく消費電力も絞られる仕様になっています。このため、大気圏用スラスターは高高度でもイオンスラスターに電力推力比を追い抜かれるようなことはなく、途中でオフにする必要もありません。
- イオンスラスターは電力推力比が大気圏用スラスターに大きく劣るため、必要なときだけ作動させるのが効率的です。しかし、低高度でも使用不能にはならず30%程度の推力は発揮できるため、宇宙でデッドウェイトになる大気圏用スラスターを減らしたいが分離はしたくない、というような場合など、消費電力とのトレードオフで地表や低高度から併用することも選択肢に入ります。
その他
- 大気圏内で動き回らない打ち上げ機なら、水素スラスターとイオンスラスターの組み合わせが簡便です。
- サバイバルモードで惑星上からスタートした場合の序盤では宇宙用スラスターに使うプラチナが貴重なため、宇宙空間の運用にも水素スラスターを使うことになるでしょう。水素で運用する宇宙船については宇宙船のページも参照してください。
着陸船
着陸船においては、地表に激突せずに停止できることが最重要な点です。また、着陸地点を選ぶためには低高度での横方向の移動能力もある程度必要になります。
極論を言えば、空中停止を繰り返しながら少しずつ降下すれば時間は掛かりますが安全に降りることができ、逆に停止できる距離ぎりぎりまで落下してからスラスター・ダンパーを起動すれば降下時間や燃料を節約できます。
実際にはその折衷、降下の大半は減速せずに落下し、余裕を持たせた高度を目標に減速してから、微調整したり航空機として目標地点に移動して着陸することになるでしょう。
- 最高速度制限のため、現実のように高高度から長時間にわたって減速していく必要はありません。
- 着陸船の方式としては降下後の大きな移動を考慮せずに水素スラスターのみで減速するもの、大気圏用スラスターだけを使用するもの、飛行用の大気圏用スラスターと大きな減速度を確保する水素スラスターを併用するものなどが挙げられます。
- Atmospheric Lander mk.1のように大気圏用スラスターしか備えない場合、重力圏外で、重力圏に入る動きをしていない状態からは何もできないという欠点があります。
- 質量x倍の機体で同じ加速度を得るには推力もx倍すればいいので、実験や計算で着陸可能な基準を得てしまえば同じ天体で着陸するための設計は楽になります。
加減速に必要な時間と距離
- このゲームの船の最高速度である100m/sと静止状態の間の速度変化にかかる時間t[秒]を加速度から計算する場合は100[m/s]÷加速度a[m/s²]であり、その間の移動距離x[m]は、5000÷加速度a[m/s²]です。
- 例として上昇方向のスペック上の加速度から重力加速度を引いた余剰の加速度(実際の加速度)が1m/s²なら100秒・5000m、2m/s²なら50秒・2500m、5m/s²なら20秒・1000mといった風になります。
- 加速度[m/s²]は推力[N]÷質量[kg]です。(推力制御も参照)
- 例えば質量100tで1500kNの船は無重力なら15m/s²の加速度を持ちますが、ここから9.81m/s²(1.0G)を引いた余剰は5.19m/s²であり、この場合は1000m弱の移動距離で落下状態から静止したり、静止状態から最高速度まで上昇速度を引き上げることができます。
- 水素スラスター以外は大気による推力変化の存在も考慮する必要があります。
Tips
- 最高速度制限の仕様上、脱出速度のような要素はなく、宇宙との行き来は純粋に上昇推力で行うことになります。