航空機

Last-modified: 2019-11-09 (土) 21:09:24
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惑星衛星の大気圏内ではイオンスラスターは充分に機能しません。飛行するには対応したスラスターが必要です。また常に惑星の引力を受けるので飛行し続けるには宇宙とは異なる設計が必要になります。



解説

重力下で浮くために、各方向のスラスターのうち少なくとも一方向で重力加速度以上の加速度を発揮できることが最低限必要になります。

  • 上昇方向のスラスターの強さは実際に地表から上昇して試せば良いですが、計算で詳しく求めることもできます。(推力制御を参照)
    • 例えば、1.0G(約9.81m/s^2)の重力と釣り合う加速度を得るために必要な推力は質量1トンにつき9.81kN、概算して1トンあたり約10kNの上昇推力が必要となります。大気や高度による推力の変化・実用的な上昇速度・貨物への対応といった観点ではさらに余裕を持たせる必要があります。
  • 大気圏内で長時間推力を得る手段としては大気圏用スラスターが主力となります。高度が上がると推力が低下するので、低高度専用でない航空機ではそれも考慮する必要があります。
  • 宇宙船ならスラスターの消費電力が電力供給を超過して推力が落ちてもすぐには危機に陥りませんが、航空機は重力に逆らえなくなれば落下するので、上昇方向のスラスターを作動させながら水平方向のスラスターを作動させても超過しない発電能力が必要です。
発電力・消費電力の表

  • 重力によって下向きの力が働くため、迅速な降下を求めず極端な姿勢を考慮しなければ下降用スラスターを付けない選択肢もあります。(例:Atmospheric Lander mk.1
  • 背面飛行や垂直上昇、真上や真下を向いたホバリングなどを行うなら、通常姿勢の真下向き以外にそれらの姿勢に対応したスラスターを増やす必要があります。
  • 上昇スラスターのみ強力にしてそれ以外を弱く抑えると、機体を傾けた時に上昇スラスターによる横への力を打ち消せなくなるので、傾けた方向へ加速するヘリコプターのような挙動が可能です*1

  • 大気による揚力は存在しない仕様のため、純粋に上昇推力に依存します。

Tips

関連項目

コメント欄


*1 上昇以外なしでも可能ですが、ダンパーでの減速に頼れないので停止が面倒になります。