大日本帝国の航空機の生産

Last-modified: 2024-04-17 (水) 16:31:22

この項では、第2次世界大戦にあたる1939年9月から1946年8月までの大日本帝国の航空機の生産の詳細について記載する。
ここでの記載は全て、機種ごとに表記し、攻撃機や爆撃機が偵察機や輸送機に機種変更を受けて生産されたものも全て、元の機種(爆撃機の輸送機型が生産された場合は、全て爆撃機として)の合計値となる。
また、満州で製造・組み立てが行われたものも日本のものとして記載する。(例:満州飛行機製造?など)
他国との比較はこちら

年度別航空機生産推移

全体図

機種1939年1940年1941年1942年1943年1944年1945年1946年合計
戦闘機129,031
爆撃機59,017
攻撃機45,674
偵察機7,898
飛行艇1,459
輸送機15,296
練習機60,587
その他4,275
合計6,77612,03020,37335,02354,83668,96981,65443,576323,237

※その他には、連絡機や試作機などを指す
この内、満州国で製造された航空機の数(機種問わず)は14,139機である。

1939年

機種別航空機生産推移

※正式名称:大戦中に生産された数(総生産機数)

戦闘機

機種1939年1940年1941年1942年1943年1944年1945年1946年大戦中
生産機数
総生産機数




一式戦--12,911
二式単戦--7,738
二式複戦---3,347
三式戦--53802,0422,8932,7411,8569,91710,036
三式双戦?--3,845
四式戦----814,1377,2322,38913,83913,970
四式複戦?----1,571
五式戦?-----5,0225,380
六式戦?------7423,127
陸軍機合計58,932






雷電1,6791,683
陣風3,982
天雷279
震電1,2391,357
陸風2,4072,435
閃電改1,6942,381
紫電3,7654,899




月光386
極光?118
電光?849866
白光?6271,430




零式艦戦---7,394
烈風--14,36814,598
陣風改---6,7016,888
旋風----4,1554,754
海風-----571,641




二式水戦?327
強風97
海軍機合計70,099
合計129,031

単発機

陸軍機

※[キ番号] 正式名称/愛称:大戦中に生産された機数(総生産機数)

  • [キ62] 一式戦闘機 隼
  • [キ63] 二式単座戦闘機 鍾馗
  • [キ61] 三式戦闘機 飛燕:8,361機(8,751機)
  • [キ84] 四式戦闘機 疾風
  • 六式戦闘機

海軍機

※[略符号] 正式名称:大戦中に生産された機数(総生産機数)
陸上戦闘機

  • [J2M] 雷電
  • [J3K] 陣風:3,982機(3,982機)
  • []震電

艦上戦闘機

  • [A6M] 零式艦上戦闘機:7,394機(7,394機)
  • [A7M] 烈風:14,368機(14,598機)
  • [A8M] 旋風:4,155機(4,754機)
  • [J3K-A] 陣風改:6,701機(6,888機)

水上戦闘機

  • [強風]
  • []二式水上戦闘機

ジェット戦闘機

  • []紫電

双発機

陸軍機

※[キ番号] 正式名称/愛称:大戦中に生産された機数(総生産機数)

  • 五式戦闘機 火龍:

海軍機

※[略符号] 正式名称:大戦中に生産された機数(総生産機数)
陸上戦闘機

  • [J] 陸風:3,982機(3,982機)

艦上戦闘機

  • [A6M] 零式艦上戦闘機:7,394機(7,394機)
  • [A7M] 烈風:14,368機(14,598機)
  • [A8M] 旋風:4,155機(4,754機)
  • [J3K-A] 陣風改:6,701機(6,888機)

水上戦闘機

  • [強風]
  • []二式水上戦闘機

ジェット戦闘機

  • []紫電

爆撃機

攻撃機/襲撃機

機種1939年1940年1941年1942年1943年1944年1945年1946年大戦中
生産機数
総生産機数




九九襲撃?
二式単戦?
二式複戦?
三式戦
四式戦
五式戦?
六式戦?






九七式艦攻
一式艦攻
流星




九六式陸攻
一式陸攻
泰山
富岳




晴嵐?
橘花?
合計45,674

特徴

日本の航空機生産には3つの特徴がある。
それは、双発機・四発機などのエンジンを多数搭載した機体が少ないこと、戦闘機が圧倒的に生産されていること、海軍機が大きな割合を占めていることである。

複数エンジン搭載機の割合が少ない

まず、日本の航空機の大きな特徴として、双発機・四発機の割合が単発機の機数よりも圧倒的に低いことである。
大まかな理由としては、資源が少なく希少であることに加えて、一機当たりの生産コストが増加し高級化してしまうことも挙げられる。
特に、資源が少ないことは大きな影響を与えており、大型の機体が非常に少ない生産数であることがそれを物語っている。
また、一機あたりの生産コストの上昇はほとんど問題にはならないものの、運用に当たって莫大な燃料を消費することもあり費用対効果において1機の双発機よりも2機の単発機のほうが優れていることも大きな要因であった。比較的航続距離を必要としなかった大陸戦線では、陸軍機の多くが単発機を運用していたのに対し、太平洋戦線では航続距離を求められ、双発の陸上攻撃機や爆撃機なども使用される頻度が高かったため海軍機は双発機の生産割合は平均的である。

戦闘機の生産割合が多い

次に、日本の航空機の特徴として、戦闘機の割合が非常に高いことがあげられる。
これは、日本の航空機運用思想に基づいており、陸軍では戦闘機による制空権の確保と爆撃機による陸上部隊の航空支援を行うために多数の戦闘機を必要としていた。また、海軍では空母運用を行う都合上、空母を護衛するために戦闘機を搭載する数を増やしたため、爆撃機や攻撃機と比べて生産機数が増えた他、各島々に航空基地を持ち戦闘機部隊を運用していたことも理由となる。
この、戦闘機の生産割合が高かったことは最終的に連合国の戦闘機戦力と拮抗することができ、特にインド戦役では圧倒的戦闘機群によって制空権を確保した。

海軍機に偏っている