概要
株式会社レベルファイブ。
福岡県福岡市中央区に本社を置くゲームソフトメーカー。
DQシリーズではPS2版【ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君】、及び【ドラゴンクエストIX 星空の守り人】の開発を担当した。
DQ8の開発担当に抜擢されたことにより一気に知名度を上げた。
沿革
【日野晃博】によって1998年に設立され、『ダーククラウド』『ダーククロニクル』などのRPGで高い評価を獲得。
DQ8の成功をきっかけに、2006年からはそれまでのデベロッパー(開発担当)専業から、自らソフト販売も行なうパブリッシャーに転向。『レイトン教授』シリーズ、『イナズマイレブン』『ダンボール戦機』などメディアミックスを交えたヒット作を次々と送り出し、特に『妖怪ウォッチ』は社会現象レベルの人気を巻き起こした。
一方パブリッシャー転向以降は他社デベロッパーとしての活動はDQ9以外ではソニー・コンピュータエンタテインメント(当時)の『白騎士物語』くらい。
2008年よりレベルファイブの地元である福岡市の東平尾公園博多の森球技場(Jリーグ「アビスパ福岡」のホームスタジアム)の命名権を獲得し「レベルファイブスタジアム」(略称「レベスタ」)と呼ばれていたりと、一時は日本を代表するソフトメーカーの一つに登りつめた。
『妖怪ウォッチ』ブーム沈静化以降は迷走状態となる。2020年2月いっぱいをもってレベスタの命名権を返上し、同スタジアムは同じ福岡の企業名を冠した「ベスト電器スタジアム」となった。
『イナズマイレブン』の第3シリーズは2017年から2年間TVアニメ化されたものの、家庭用ゲーム機向けのゲームを出せないまま放送が終了してしまった。タカラトミーがアーケード向けカードゲーム『イナズマイレブンAC』を稼働していたが2020年9月をもって終了(筐体は翌月より【ドラゴンクエスト ダイの大冒険 クロスブレイド】に再利用されることとなった)。
DQとの関わり
DQ3の時代からDQのファンであった日野は、DQ7をプレイした際に【ふしぎな石版】がなかなか集まらないことに不満を感じてエニックスに出向いたところ、そのDQ愛を感じた同社スタッフが【堀井雄二】に会わせてくれたといい、これが後にDQの開発に携わるキッカケとなっている(『ファミ通.com』2018年12月8日付記事)。
また、かつてエニックス社員だった【渡部辰城】の発言(『ファミ通App』2014年12月27日付記事)によると、DQ8のプロジェクトが始まろうという時期、社内でエニックス作品のデバッグ作業をしている合間に自身が『ダーククラウド』にハマり、その際にレベルファイブとコンタクトをとった結果、日野とDQの話で盛り上がることになったという。
DQ8の制作開始にあたってはプロデューサーの【市村龍太郎】にもレベルファイブの話を持ち出したが、まずは従来の開発会社とのコンペが行われることに。そこでレベルファイブは2001年の年末から休日返上でプロトタイプを作り上げた。
そしてその作品を見た堀井雄二はその出来に衝撃を受け、その結果、レベルファイブの開発参加が決定した(『GAME WATCH』2005年1月11日付記事)。
【チュンソフト】出身の旧作スタッフと一切関係ない新興メーカーがDQに抜擢されたことは多くのファンから驚かれた。
DQ8は高評価を得るとともに「DQ史上初めて一度も延期せず発売できた」と、その開発の手際を【堀井雄二】に激賞されている。
なおその次に開発が始まった現在のDQ10(当初のDQ9)にもプロジェクト開始当初は関わっており、スタッフ合宿にも参加していたが、後に退くことになった。したがってDQシリーズへの開発参加はDSのDQ9が今のところ最後となり、リメイク作品にも関わっていない。
スマホ版と3DS版のDQ8は双方とも【トーセ】の開発となっており、レベルファイブ及び日野は著作権表記や主要スタッフクレジットに名を連ねておらず、スペシャルサンクスとして表示されるにとどまっている。
ただし、2017年のDQ30周年カウントダウン番組や、2019年のDQ9発売10周年記念の公式生放送には共にレベルファイブの面々が出演した。