【ヒャダイン】

Last-modified: 2024-03-13 (水) 23:48:23

・ヒャド系呪文

【ヒャド】【ヒャダルコ】―【ヒャダイン】―【マヒャド】【マヒャデドス】

【ヒャドマータ】

概要

DQ3、DQ4などに登場する【ヒャド系】の中位呪文。
実はゲーム作品では敵側の使用者が誰もおらず、味方専用呪文である。
 
ほとんどの攻撃呪文は下級・中級・上級と3段階なのだが、なぜかヒャド系のみ4段階存在し、しかも最上位のマヒャドがグループ攻撃・ヒャダインが中位やや高めのダメージで全体攻撃と、一長一短の性能になっていた。
ややこしかったのか、DQ5以降はマヒャドが全体化する形で吸収され登場しなくなった。
DQMJやDQ9からは各系統が4段階に増設されヒャダイン復活なるかと思われたが、そのポジションを担ったのはマヒャデドスであり復活はしなかった。
その後、星のドラゴンクエストにて魔法戦士時のみ使用できる攻撃呪文として他のすべてのヒャド系との共演を果たした。
DQ11には似て非なる【マヒャダイン】という【れんけい技】が出たが、この呪文との関連性は特にない。
 
語感が良いためか、DQ黄金期に引退したからか、活躍期間の割に知名度は高い。
 
ちなみに、ミュージシャンの前山田健一は、タレント活動の際などに「ヒャダイン」の芸名を使っているが、これは後述する本呪文の数々の不遇を愛好することに由来している。勇者ヨシヒコと導かれし七人でもネタにされた。
彼は自身の声を女性のように加工して曲に組み込むことがあり、その際の声は「ヒャダル子」と呼ばれている。

DQ3

初登場。敵全体に60~79のダメージを与える。魔法使いと賢者が覚える。
 
消費MPは【イオラ】と同じ9だが、若干威力が高い代わりに覚えるのが遅いのが特徴。
FC版では設定ミスによりマヒャドと習得レベルが入れ替わってレベル32となっており、余計に遅くなっている。
先に上位呪文を覚えるためプレイヤーにとっては有利なのだが、ヒャダインにも全体攻撃の利点があるため本来どちらが上位で攻略本とどちらが間違いなのかは当初謎であった。
【ドラゴンクエストマスターズクラブ】内のコーナー「堀井雄二の DRAGON QUEST III Q&A」では、堀井自身がこの疑問に答えている。

〔Q〕
堀井さん、ウチの魔法使いったら変なんです。
ヒャダインより先にマヒャドを覚えたんですよ。
どの本を見ても、ヒャダインの方が先に覚えるって書いてあるし、
呪文を覚える順番は変わらないって言うでしょ。どーなってんの?
〔A〕
いやいやまいったな。なかなかスルドイところをついてきますね。
実は、ちょっとしたデータの入力ミスがあって、ヒャダインとマヒャドが入れかわっちゃったんですね。
だから、マヒャドを先に覚えちゃうんです。
本に書いてあるのが本当のデータなんだけど、どこかで入れかわっちゃったみたいですね。
本に書いてある順番は、ボクが書いたデータをもとにしているので、
あれが本来の順番なんですけどね。
とゆーわけで、こちらの入力ミスで順番が入れかわっちゃったので、
別にキミの魔法使いは変じゃないよ。

一応、ベギラゴンを覚えた直後は敵の陣形によってイオラと使い分けるのが普通であり、マヒャドとヒャダインについても両方揃った直後のタイミングであれば、同じように使い分けて運用できる点だけは想定通りと言える。ヒャド系としては待望の全体攻撃であり、FC版であっても覚えたての時期であればイオラより燃費の良いこともあってそれなりに使い勝手は良い。結果的に活躍できる期間が短いのが惜しいところ。
 
FC版の説明書には、このヒャダインについて「敵全体にヒャドをかける呪文」と書かれているが、そのまま解釈すると敵全体に30そこそこしかダメージを与えられないことになる。おそらく言葉不足なだけであり、「敵全体にヒャド系をかける呪文」といったところだろう。LV23で敵全体に60程度のダメージを叩き出すイオラを覚えるのに、こんな遅いタイミングでこんなショボい威力という肩透かしになるはずもない。
 
リメイク版ではこれが本来習得すべきレベル26に修正されたものの、複数攻撃武器の台頭で苦しい立場に追いやられた感がある。
とはいえ、範囲攻撃武器は多くとも全体攻撃武器は少ないので、使ってみると案外使い勝手はいい。
特にメラ・ギラ・イオ系に微妙に耐性があり、なおかつ面倒くさいグループの分かれ方をして出現する【キラーアーマー】なんかは絶好の狙い目である(多少レベル上げを頑張らないと習得が間に合わないが)。
敵が分散していたら試してみよう。SFC版はエフェクトとSEも美しいので一見の価値あり。凝りに凝った演出でBGMが音飛びしたり画面が処理落ち気味になってしまうのはご愛敬。

小説版

魔法使いのリザが、大蛇化した【チコ】に至近距離で浴びせ、逆転のチャンスを作った。

DQ4

消費MP8、敵全体に60~80のダメージ。【ブライ】がレベル27で覚える。
 
ブライ唯一の全体攻撃呪文。
ブライには【バイキルト】を期待する場合が多いが、敵の数やグループ数が多いときはヒャダインの出番。
ヒャダルコの弱体化もあって一層出番が増えた。
ブライのレベルアップの遅さもあって習得が遅れがちだが、【メタル狩り】で有名な【王家の墓】を抜ける頃にはまず習得できているはず。
これを覚える頃には【マーニャ】がさらに強力な攻撃呪文を覚えているが、耐性面で炎熱系の呪文が効き難いモンスターに対してはこちらが有効な場合が多く、この時期に習得可能な全体攻撃呪文の中ではイオラを僅差で抜いて最高の威力を誇り、単体火力はバイキルトで底上げできるため、状況に応じた適切な作戦変更さえできれば決してマーニャにも引けを取らない活躍が期待できる。
学習状況にもよるが、ヒャダイン優先の場合は【ガンガンいこうぜ】、バイキルト優先の場合は【いのちだいじに】である程度使い分けができるので、ブライをスタメン起用する場合は活用してみよう。
 
FC版では【ギガデイン】との連携でかなり運が良ければ【アンドレアル】を1ターンで落とせるのでギャンブラーなら狙ってみるのもありかも…
ただし、素早さやAIの行動優先順位の関係で、ブライは勇者よりも先に行動してメダパニを使ってしまう場合がほとんどなので、ヒャダインを使わせること自体が難しい点には要注意。
まあ、その場合でも2ターン目のギガデインで片付けるのは容易ではあるが。

リメイク版

この呪文のエフェクトはDQ4限定で、DQ5~DQ7にも使い回されていないという優遇ぶりである。
【めいれいさせろ】の導入のおかげで、FC版に比べてブライの出番が増加したが、ブライは【バイキルト】を唱えるのに忙しいため、やはりあまり目立たない。
 
しかし、ブライの素早さが【マーニャ】より高くなっており、敵に先んじて全体攻撃呪文を唱えたいときや、モンスターの耐性の関係でイオラが通用しないようなときはこのヒャダインの出番となる。
もちろん両方が有効な場合はイオラとの連携で敵を一掃できるため、性能自体は決して悪くない。

トルネコ2

魔法使いが習得する魔法としてまさかの復活。しかもヒャド系最上位というマヒャデドスポジションに出世している。
消費HP40で部屋全体に50~80のダメージを与える。
周囲攻撃のヒャド系の中で唯一部屋全体を効果範囲とし、威力は【イオナズン】よりも高い。
 
部屋全体呪文はさらに上位に【ジゴスパーク】【ビッグバン】があるが、この2種は燃費が悪すぎるので、全体攻撃と言えばイオナズンかヒャダインかというぐらいの立場を得た。
 
【イエティ】【ブリザード】【ひょうがまじん】には一切効かないという弱点はあるものの、彼らが出るフロアは限られているのでそれほど気にならない(そもそも寒冷地のモンスターに氷が効くと思われることは無いだろうが)。
エフェクトも速いので大部屋で連打するには最適な呪文である。
もっとも、HPに余裕があれば氷系はおろか魔法系にも効く【ザラキーマ】で一発なのだが……。
また、【ばくだんいわ】は爆発してしまうので、隣接しているときは使わないように。

バトルロード

主人公が【うみなりの杖】を装備すると使用することができる。
必殺技の【マヒャド】に繋げることもできる。
また【マジックダブルスキャン】で装備できる白色の賢者の杖は、これと【メラミ】を合体させた「メヒャド」を使用することができる。

魂の絆

【マトリフ】【ノヴァ】のスキルとして採用。
どちらも『ダイ』本編で使用したことはないが、マトリフは本作にやや先駆けて『勇者アバン』の方で使用している。
言語切り替え時の英語表記は「Kacrack」。
 
ヒャダイン(マトリフ)は、近距離狭範囲(つまり真正面のみ)に冷属性の貫通魔法ダメージを与え、自身が与える冷属性ダメージを短時間アップさせる効果がある。
強化に必要な「ヒャダインの書」は、ガチャで【白晶の杖】を引き当てると獲得できる。
 
ヒャダイン(ノヴァ)は、近距離狭範囲(つまり真正面のみ)に冷属性魔法ダメージを与え、対象の物理&魔法防御力をダウンさせる効果がある。
強化に必要な「ヒャダインの書」は、クエストでのドロップとなっている。

ウォーク

他のヒャド系から大きく遅れて、特級職の大魔道士で覚える魔法として実装された。
敵全体にヒャド属性中ダメージを与える。消費MPは22。
マヒャドとは2しか違わず、威力もマヒャドよりほんの少し低い程度。
敵の頭上に浮かんだ氷の結晶から、氷のつぶてを乱射するようなエフェクト。

ダイの大冒険

序盤の【ハドラー】襲撃の際、アバンのメガンテによる自爆を目の当たりにした【ダイ】が紋章を発動させて使用。ハドラーの放ったメラゾーマにこの呪文をぶつけて相殺した。
ヒャダルコやマヒャドが単純に吹雪を吹きつけるのに対し、ヒャダインは連続した魔法力の輪でより冷気を圧縮しているような演出となっている。
 
他にもパプニカ三賢者のエイミとマリンが【フレイザード】との攻防戦で使用。マリンの方はフレイザードに氷の体で吸収されてしまったが、
エイミの方は撤退の際に追手の【フレイム】達に使用、数匹を倒していた。
ダイ、エイミ、マリン、いずれの場合も、両手を揃えて突き出して呪文を放つという唱え方となっており、片手で放つ描写がほとんどである他のヒャド系呪文とはちょっと趣が異なっている
敵方では【ピロロ】が、炎上する【キルバーン】の体を消火しようと、ヒャド・ヒャダルコの下位2呪文と共に使用していた(台詞のみで描写は無し)。
 
14巻(ロモス武術大会編時点)のパラメータ紹介ではポップの習得呪文欄に掲載されているが、最後まで劇中で使ったことは無い。
【メドローア】生成時にヒャド系呪文のエネルギーを使うぐらいで、炎を吹き出す【殺しの罠】の「◇の9(ダイヤ・ナイン)」を抑える際には、下位の【ヒャダルコ】を使っている。

勇者アバンと獄炎の魔王

第19話で【マトリフ】強化キギロ(邪気ver)に対して使用したが、キギロの纏う邪気に弾かれてしまい全く効果がなかった。

ロトの紋章

ゲーム本編やダイ大とは一変して、敵サイドのキャラクター達が使用している。
 
アリアハン編で獣王グノンの配下、怪鳥将軍バークートが使用。
冷気を宿らせたマジックスピアで空中から攻撃し、【タルキン】達を翻弄。暴れドラキーを負傷させ、ポロンの戦意を喪失させている。
 
【アルス】【ジャガン】の一騎打ちではジャガンが使用。
主人公の放つ熱き【ベギラマ】をライバルの冷気が淡々と相殺するという、ダイ大とは逆の展開となった。
バークートはともかく、ゲーム本編では敵側の使い手がいなかったので「敵がヒャダインを使う」こと自体が珍しい。ましてライバルが主人公の攻撃を打ち消したとあって印象的なシーンであり、単なる敵ではないジャガンの正体の伏線と見ることもできるかもしれない。
 
ちなみに、ゲームでは同条件ならだいたいベギラマよりヒャダインの方がダメージで上回るので、相殺どまりだったジャガンのヒャダインは本来の威力が出ていないのでは…などと言われてしまうことも。あるいは実力差を見切って手加減でもしたか、アルスとジャガンの魔法攻撃ステータスの差が出たのかもしれないが。