【生物】/“竜喰らい”

Last-modified: 2022-08-16 (火) 15:18:26

アルファベット表記:Dragons Eater/Drawghoul
読み:りゅうぐらい/ドラウグール
分類:鎧殻類?
危険度等級:A~
生息地方:大陸全域
生息域:種による
発案者:tocoma110
Tag: 生物 危険度等級A 鎧殻類 戴冠種 砂棲類 火棲類 発案:tocoma110


概要

数ある鎧殻類の中でも群を抜いて恐れられる生物。
幼体ですら全長10mを下らない戴冠種種であり、その体躯に相応しい驚異的な生命力と身体能力を備え、縄張り意識の強さと旺盛な食欲を特徴とする。
しかし、本種の名を最も広く知らしめる理由は、「主食があらゆる竜類であること」に尽きる。
 
そう、この世界でも非常に稀有な、竜種の天敵である。

 

分布

大陸全域。
多くは秘境となるが、都市部などに出現することも稀にある。巣については発見されておらず、詳細は不明である。

 

形態

一言で表現するなら、その姿は「巨大なムカデ」といったところか。
厳密に言えばまるで違う姿をしているのだが、蛇のように長大で節で分けて構成される身体を持つため、往々にしてこのように説明される。
差異としては頭部を筆頭に随所が異なり、ともすれば竜種に見えなくもない独特の形状をしている。


頭部はやや鋭角で二等辺三角形に見える。
頭頂からは一対の角とも触覚ともとれる他節の部位が伸びる。これは感覚器官として機能し、主に大気の振動や流れ、精素の流れ、臭気をとらえる。
眼は二対存在し、明所・暗所の双方で機能する。
二つに割れる下顎の他に、捕獲用の顎腕と呼ばれる顎骨や牙の進化した器官を持つ。足のように節だった形状のそれは捕食・攻撃の双方で活用される。
牙・顎腕には毒腺が存在する。


胴体が40~50程度の節に別れ、それぞれが背面・腹面を甲殻で覆われる。
大抵、甲殻は腹部が蛇行移動に適した形態を持ち、背面部は強固で分厚い。
色味は種によって分かれるものも、背面甲殻に独自の紋様を持つ点で共通している。


胴節に一対の多関節脚が備わる。
鋭い爪を備えるそれらは、主要な移動用ではなく、高所へ上る際や獲物への攻撃が主な用途となっている。


また胴体の内、首周辺を筆頭に、いくつかの節には羽を収納する器官が存在する。
羽は純粋な飛翔器官ではなく波音器官であり、飛行や周辺精素の調整などに用いられる。場合によっては攻撃用の単純精術なども使用できるなど、非常に高度な機能を備えている。
ただし、羽自体は胴体などと比べて脆い。


尾先には大型の甲殻類に見られる尾扇が存在し、これを駆使し地中移動などに活用する。


平均全長は約300mとされるが、個体差が激しいためあまり当てにならない。

 

生態

肉食。それも、本来は竜種に限定される。
厳密には他の生物も捕食するが、そのほとんどは代替行為に近い。そのため、他種を捕食する場合は非常に多量となり、人間でいえば一つの都市程度の人口では足りない。
竜を喰らうためならばいかなる手段も問わないようで、執拗に狡猾に獲物を追い込み、必殺するまで決して逃さない。

  • この執着は野生動物としては異例なほどであり、獲物の動き次第では州の端から端まで追い掛けた記録が残るほど。
    そのため、本当に真っ当な生物なのかは議論の的となりやすい。

基本的には地中・水中・砂中を移動し、狩りなどの目的がある場合のみ、地上へ現れる。
一方で、地上へ出現する際は昼・夜を問わないため、彼らがどのような生活サイクルを持っているのかは不明。
獲物を求めているとき以外の生態は依然、謎が多い。

  • 同時に、竜類以外をただなぶるために暴れるようなこともある。
    こうした行動をとる時、規模の大きな集落・都市を好んで狙うという。

本種が活動した地域はしばらくの間、他種の生存に何らかの悪影響を及ぼすことで知られる。
土壌が痩せていき、種別問わずあらゆる生物から活力が失われ、また精素の量も減少してしまう。
明確な因果関係・能力は不明ながら、このような現象を伴う故に本種の活動は人類種は勿論、あらゆる生物にとっての危機となる。

  • 精素の減少が著しいことから、周辺の精素を一気に吸い上げる精素依存生物ではないかと、考える学者も存在した。
    が、これらは精素が乏しい場所でも平然と活動を続ける。そのため、本種の活動によって精素が減少する理由は不明である。

卵生であると考えられるが、巣は発見されておらず詳細は不明。
幼体も完全な出産時のものなどは不明で、目撃されている段階では10m以上のものになる。
寿命についても不明だが、戴冠種によくある通り数千~数万年を生きる可能性も示唆されている。


その性質上、竜類が多く住む場所を好むため、餌を求めて各地へ流浪を繰り返す。
五感のほか、大気中の振動や精素の動きなども観測しているようだが、それでは説明のつかない知覚を見せることがある。
一体何を感じ取っているのかは定かではないが、それにより、隠れ潜む獲物を容易く見つけ出す。

 

能力

竜種を捕食する、という性質の通り、単体生物としての強さは群を抜いている。
擬竜類は当然、亜竜類とも互角以上に渡り合い、成体以上となれば古竜級以上の真竜類さえ捕食するという。
それ故に外殻の強度は竜紋鱗と同格とされ、竜の爪牙でも容易く打ち破れない。当然、人類種の携行装備どころか攻城兵装でも撃破は難しく、本種の討伐には最新鋭の設備と最精鋭の狩人が不可欠となる。それですら万全とは言い難く、太古の超絶兵装があっても足しきれないことは珍しくない。


牙に含まれる毒素は非常に強力で、竜鱗を溶かす
物質腐食性の猛毒だが、恐るべきことに精素毒ではない。そのため、精術による対抗は出来ても精脱などで影響を軽減することは出来ず、治療は極めて難しい。
この毒素は牙による注入以外に、ブレスとしても使用することがある。
ブレス化して吐き出された毒素は環境への侵蝕性が高く、前述の環境衰弱化に拍車をかける。

  • さらに、この毒はことさら竜に強く働くのだという。
    擬竜類より亜竜類によく効き、また真竜類であってもそのダメージは後々まで尾を引くとされ、これにより死に絶えた個体の記録も存在する。

地中・水中・砂中を潜進するが、いずれの環境にも適応出来る高い生命力を誇る。
種によって得意とする環境に差異はあれ、生活不可能な領域は極めて少なく、中には火山地帯を回遊する種も存在する。
飛行能力も備えるため、陸・空・水のすべてに対応するが、飛行速度は竜類には及ばない。


波音器官を用いての波音術?も使用可能だが、細やかな制御は不得手であり、羽を用いての浮遊・飛行と、簡素な波術程度止まり。

 

種類

地方別に差異が生じるものも、主だった生息域で種を分けて考えられている。

“闇潜り”

Under Ghoul。やみもぐり。
最も一般的とされる“竜喰らい”。
黒色の背面甲殻、クリーム色の腹面甲殻、朱色の触角が特徴。地中潜行を主体とする陸棲種で、頭部がやや鋭角(あるいは竜に近似)になっている。甲殻も硬質。
目撃例が多い。

“山巻き”

Mountain Winder。やままき。
陸上での活動を得意とする、極めて攻撃的な種。
全体は“闇潜り”に酷似しているが、黒鉄色の甲殻に覆われ節が丸に近い楕円形で屈強。生命力・強靭さ・筋力は種の中でも屈指。そのため、真竜類を食い殺した記録を多数残す、稀有な存在。
記録されている限りの全長は2000mほど。その個体は上古竜と争ったと伝わる。

“砂色の王属”

Sand King。すないろのおうぞく。
砂漠に生息する砂棲類の“竜喰らい”。
名前の通り砂に隠れる色合い甲殻に覆われ、また摩擦対策なのかざらついた甲殻に覆われる。砂鯨“砂の王”に匹敵するほどの強者であり、砂海の食物連鎖では上位層に位置している。
また“竜喰らい”の中では珍しく、他種も積極的に捕食する。

“深みの蟲”

Deep Crowler。ふかみのむし。
海中に適応した種。
青黒い甲殻と黒い触角を備えた流線形で鋭角な頭部*1を持つ。また、圧力・打撃に極めて強い肉体を持ち、運動性とスタミナが優れている。また、大きさも“山巻き”と並んで巨大。
戯れに船舶に襲い掛かることがあるため、大多足や大ウミヘビ、そして海原の竜種と並び船乗りに恐れられる。
本種は波音で強烈な雷撃や天候干渉を起こすことでも知られている。

“河潜り”

Water Ghoul。かわもぐり。
水中での生活に優れた変種。
“深みの蟲”から派生したものとされ、形状が酷似している。装甲がやや明るい青になっている。
その性質上、“闇潜り”と並び目撃する機会が多い。

“紅蓮長虫”

Magma Deaper。ぐれんながむし。
黒の触角を持ち、赤黒い岩に酷似した甲殻に覆われる、火棲類の種。
平時は本種の中でも比較的おとなしい性格だが、感情が昂ぶると全身が赤熱し炎熱を放ちながら活動するようになる。そうした際は“竜喰らい”の中でも特に凶暴な性格に変貌する。
また、毒素の精製と利用が得意で、溶解性のものと真逆の凝固(石化)させるものの二刀流となっている。

“大竜喰らい”

Gigantic Earter。だいりゅうぐらい。
文字通り、極めて巨大化した“竜喰らい”の突然変異個体、その総称
極稀に現出するもので、全長が“山巻き”すらも凌駕するものとなる。故に単体で齎す被害はEX級上層にあり、たった数日で一つの国土を万年の死の国に変えかねない。
万単位の全長になるほど巨大化するため、その頑強性・膂力・運動性能は基本個体とは比較にならない。加えて、猛毒はほんの一息で一つの地方を壊滅させかねないほど強力になり、上古竜クラスでさえ耐えきれるか怪しいほどの力となる。
それ故にこれの出現は人類が対抗出来る域を超えており、天運に任せるほかないものとなっている。


これが出現すると大陸中の真竜類がざわめくことでも知られ、大抵、竜王“天銀の剣”が出向くことになる。
出現・討伐記録は大陸歴以前を含め数えるほどしかないが、一国が死の領土になる程度で済めばマシとされている。

 

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*1 シルエットだけで言えばエビなどに近い