【超常存在】/オルム

Last-modified: 2024-02-01 (木) 21:28:38

アルファベット表記:O.L.M
分類:超常存在
現存・発見地方・国家:エルネセトア大陸各地
発案者:tocoma110
Tag: 超常存在 オルム 魔獣兵器 発案:tocoma110


概要

エルネセトア大陸各地で目撃例が存在する、巨大な怪物。
どす黒い巨体で各地を闊歩し世界を蝕む被害をもたらすことから、「黒い怪物」として各地の伝説や神話にその姿を残した。大陸歴以降でも数体が覚醒、破壊活動を行なっており、神話が真実であったことを示す端的な象徴とされる。

  • 加えて、世間一般での知名度も高い。
    特に大陸中を震撼させた第壱号、第二次魔北大戦で確認された第参号は別格。

極めて強大だが、その正体はわかっていない。
その強大さから理造神の一種と思われたが、理造展界を保持していない。
現在では魔北類を彷彿とさせる特徴も持つことから、超大型魔北類あるいは魔獣兵器の一種と考えられている。が、相違点も多く議論の種である。


名前の由来は、第壱号最初の観測記録が残るメルズ内海オード諸島の神話の怪物に由来。*1

 

能力・特性

非常に特異な戴冠種……のような何かである。
無数の特徴を共通して備え、その上で個体差の激しさを見せる。


最も特徴的なのは、その『進化能力』。
現出した個体はいずれも最初は共通した形態を持ちながら、活動の中で急激に変態を始め、やがて全く異なる形状・能力を獲得している。
それは状況に応じた変化のみならず、その上で先を見越したような能力・特性を得ることもある。中には、何らかの目的のためだけとしか思えない進化を遂げることもあり、僅か数体の観測例ながら千差万別。
真竜類もかくやという幅広さは、本種を語る上で欠かせない。

  • 実際、それによって手にする能力も真竜類に比肩する。

続く特徴は『汚染特性』。
彼らは活動どころか存在するだけで、周辺環境を蝕んでいく。
それは精素汚染とは異なり、妖魅の森極めて異様な神秘体験の類で見られるような、不可解なものとなる。
特に「生命・存在の在り様を歪める」という形が非常に強く、彼らの一部を受け継いでいくような形で外見・精神・方向性が変化してしまう。その結果、これの影響を受けた存在は
自身の変質特性を反映するように周囲に影響を及ぼす。
それは真竜類の名残から亜竜類などが生まれるのに似ているが、あちらのように画一的な種族の進化や、個体の超越的進化は起こらない。むしろ、個体ごとに歪な進化を遂げる。

  • わかりやすく言えば、黒い異形として変化する。
    形状は伝説に残るような化け物のように不揃いで、個体ごとに異なる形態や能力を得る。
    と同時に、汚染特性も一部受け継ぐ。その体液などは同質の環境汚染を引き起こす。

そして、戴冠種の例に違わず生命力も桁違い。
数万年を超えて存続していると思われ、戦略級の精術を受けても死なぬ恐るべき強靭さを誇る。精素汚染などにさらされることはなく、一般的な秘境でも快適に生きていくことが可能。
それどころか、死滅したと思っていた個体が突如甦る事例もある。
頭部が消し飛んでなお甦る不死性は、理不尽の一言。

  • 当然、肉体の出力もそれに比例する。
    数万tを超える自重を悠々と支え、音速に迫り速さで這い回り、真竜類の成体と肉弾戦で渡り合うほど。戴冠種としてもトップクラスに位置している。

それだけの能力・巨体を保つためか、食欲も旺盛。
大喰らいとしてしられ、生物を、鉱物を、精素を糧にする。
その中でも特に純度の高い精素を好み、精素の豊富な環境を好んで寝床・すみかに選ぼうとする習性がある。そのため、精素結晶鉱脈や第結晶の目立つ場所、また大気中の精素濃度が高い環境を狙う。
物質的補給を兼ね、生体精素の吸収も好み、生体精素を多く含む生物=大型種も好んで食する。
持ち前の能力で獲物をしとめ、絶滅させる勢いで襲い掛かった記録もある、

  • ならば小型種は安全かと言えば、そうではない。
    特に人類種は精素結晶を活用する文明がほとんどのため、精素資源の流通する都会は狙われやすい。

性質は攻撃的で獰猛、そして嗜虐的。
自身の邪魔をするものは一切の容赦なく攻撃し、敗走を始めてもつけ狙う姿は多数記録に残る。他種、というよりも他者に対して非寛容である、己に従う姿勢を見せる者ですら、慈悲の欠片もなく蹂躙する。
その一貫性はすさまじく、同族間ですらいがみ合う。


更に知能も高い。
真竜類同様に文明種的な形でこそ見せないが、分析能力・思考能力は高い。特に相対した相手の得手不得手、環境把握能力の高さは図抜けている。
これは先の進化特性にも深くかかわっており、その場を切り抜けるための能力獲得の際に、その先も見越した能力・特性を付与する点など、解りやすい例と言えよう。

  • なお、コミュニケーションを取る意思を見せた個体は存在しない。
    威嚇、嘲笑、憤怒と思しい発露は見せても、意思疎通を図ろうという姿勢は皆無。
    言語コミュニケーションに応じた個体は1体だけ存在するが、それもまともな対話をしようというものではなかった。

 

基本種

全長888m~
体重88万t~

最初に目撃される姿。
紫がかった黒い蛇体の怪物で、見ようによっては蛇竜の類に見えなくもない。
全身は粗い質感の甲殻で覆われ、細かな節で分かれている。背骨のラインにはぎざぎざの隆起線があり、背びれのような様相を呈している。
一方で細かな脚や尾先のひれなどはなく、どちらかと言えば虫の類を連想させる。

  • 一部の甲殻は逆立った棘が生えている。

概ねは共通した形態だが、唯一頭部の形状だけは個体差がある。
竜に似たもの、複眼で虫を連想させるもの、形容しがたい異形など多種多様。
共通し紅い眼があるが、位置・個数・形状などは個々で異なる。
これらは進化後にも引き継がれる傾向にあり、多少の変化はあっても大まかな印象は変わらない。

 

観測された個体

大陸歴1500年代時点で8体確認されている。
この内、明確な個体変化を起こしたものはそれぞれ固有名が与えられ、進化個体とカテゴライズされている。


【各個体概要】

  • 第壱号“黒き呪炎”
    大陸歴19年に初観測された、最初にして最多出現個体。
    身長180m・全長350mと「最小」の強尾類型だが、重量は他種に遜色ない重量級。
    各地を襲ったほか、初討滅時の手法から精術忌避の一因を担うなど、大陸人類史とは切っても離せない存在。一方で魔北・同属問わず戦うため、時に人類の脅威となる存在とも戦う面を持つ。
  • 第弐号“長虫の王”
    秘境長虫の王墓?』そのものである討滅済み個体。
    全長8000mを超える最大級個体で、その形状から“竜喰らい”との関連を疑われる。
    現在は前述の秘境で生命活動を停止。しかし、完全な消滅に至っていないことから、復活を危惧されている。
    正式な初観測記録は大陸歴350年であるが、存在自体は大陸歴以前から知られていた。
  • 第参号“北の魔獣王”
    唯一、完全な死滅を確認された個体。
    初観測は大陸歴430年代だが、現在知られる姿になったのは第二次魔北大戦以降とかなり遅い。
    第二次魔北大戦前に魔北地方へ向かった基本種第参号が進化したもの。第二次魔北大戦中に突如魔北軍を支援するように出現、甚大な被害をもたらすが、壮絶な戦いの末に討ち取られる。
    その後は遺骸が置き去りとされていたが、大陸歴1600年代に思わぬ形で復活を遂げる。
  • 第肆号“”
    大陸歴550年代に初観測された個体。
  • 第伍号
    大陸歴620年代に初観測された個体。
  • 第陸号
    大陸歴800年代に初観測された個体。
  • 第漆号
    大陸歴1210年代に初観測された個体。
  • 第捌号
    大陸歴1500年代に突入してからようやく確認された個体。
    大陸秘境開拓時代においては最新の新規観測個体であり、休眠中。それ故に放逐され続けている。

 

関連するもの

その正体

その正体は……

その正体は、八頭魔竜?の八つの首。
大陸歴以前の栄州にて当代の七竜を筆頭とした人竜連合軍が討ち取った怪物、その首が独立した存在となったものである。
各地に分断・封印されたそれらが、何らかの要因で単独での生存活動を開始。個別の生命体として起動している。そのため、かつてのものからは一線を画した状態となっている。


始めは本体に集結し、復活することを目的としていた。
しかし、分断され弱体化し、また外界からの刺激に個別に対応せざるを得なくなった結果、元来持つ環境適応性が発動。それが強く働き、また摂取物などをもとに個別に改良を加えていったことで個性化してしまい、現在の状態に至っている。
そのため、もはや終結してもかつてのそれに戻ることは難しい。

  • 個性化の結果、首ごとの個我にも覚醒。
    これに伴い元来の侵略性と破壊性が「各個体で」形成されている。しかも「元に戻る」という意志はあるために、他の首を「命令に従わない暴走個体」と認識している。故に、同属であるオルム同士ですら争った事例が報告されている。

なお、大陸同盟などが危惧する、観測済みの8体外の個体は存在しない。
しかし、本体は依然として行方知れずであり、またこれの影響で変質した生物が同質の存在にまで進化しないとも限らない。故に、危惧の内容そのものは当たらずとも遠からずではある。

 

真に関連するもの

  • 【超常存在】/八頭魔竜?

 


相談コメント欄


*1 本来はもっと長い名前なのだが、「名前を呼ぶとやってくる」と考えられたことから、短縮呼称を用いられている。なお、大陸秘境開拓時代ではすでに本来の呼称を知るものは皆無となり、この略称のみが伝わる。