チョコボシリーズ/【トード召喚】

Last-modified: 2020-11-25 (水) 19:51:45

チョコボの不思議なダンジョン2

通常パートナーキャラが睡眠混乱等のステータス異常に罹った際、不思議なハネを使って召喚獣を呼び出したのち戻すとステータス異常から回復した状態で復帰するが、カエル状態の時に同様の事をすると様々なバグが発生する。

手順1:キャラ登録

不思議なハネを使って召喚獣を呼びだした際のパートナーキャラ(=召喚獣と入れ替わりで消えたキャラ)が以後の「登録キャラ」となる。
パートナーキャラが死亡済み、ないしはショートカットフロア等で不在の場合「キャラ不在」として登録される。
なおこれまでに一度も召喚獣を呼びだしたことがない場合(=ゲーム開始時の初期状態)は「キャラ不在」が登録されている。
不思議なハネを使って召喚獣を呼びだす度にその時点でのキャラ(あるいは不在)が上書き登録される。

手順2:登録キャラの呼び出し

パートナーがカエルになった際に同じく不思議なハネを使って召喚獣を呼びだした後戻すと、本来のパートナー(以下:正規P)ではなく、手順1で登録したキャラがイレギュラーなパートナー(以下:イレギュラーP)として登場する。
「キャラ不在」が登録されている場合、パートナーキャラは消滅して戻って来ない。
通常のキャラ死亡と同じ扱いなのでテレポのしおりなどを使って入りなおせば正規Pの方が復活する。
 
これにより「本来シドタワーの最上階にしか登場しないシドタンクを通常フロアに呼び出す」とか、シロマを救うために進む山岳ダンジョンをシロマと一緒に進む」といった通常ではありえない状況を任意で発生させることが可能になる。

ダンジョンごとのポイント

  • 岬のダンジョン
    モーグリを登録できた場合、スカルハンマー戦で盗みを働けるかもしれない。
    しかし、この時点ではトードの罠の出現を祈るしかない。また、初回はイベントの都合上、シロマが戻ってきてしまうことにも注意。
  • シドタワー1回目
    ここでも基本はトードの罠が出るのを祈るしかないが、ジャックをレベルアップさせればトードカードを入手できる可能性はある。
    モーグリを呼び出せたなら、カウンターのクラや雷のクラ、ギャンブルのツメあたりを狙ってみたい。
    14Fで強制的にシドに替わるので、ボス戦ではイレギュラーPを使えない。(シドタンクはトード無効)
  • 海底遺構ダンジョン
    序盤にトードの床が多く出るので、呼び出しをできる機会は多い。部屋の入り口で罠確認をしながら進むといいだろう。
    モーグリで源氏のクラやツメマニアの首輪を盗めたらラッキー。
    シドの地雷でプリンを増やすのも一興か?(罠を回避するので、起爆はこちらからになるが)
    15F、22F、25Fでイベントがある点に注意。
    シドタンクの性質はオルトロス戦で役に立つが、シロマを登録するのも捨てがたい。
  • 山岳ダンジョン
    トードカード初登場。カエルのエキスにも同じ効果があるので、使える機会も多い。
    モーグリは難しいが、シロマぐらいなら簡単に呼び出せるので、グラスゴス戦に使ってみるのはいかが?
  • シドタワー2回目
    シーフがトードカードを落とすので、能動的に使う機会はある。
    …が、やることとしたらせいぜいシーフの出現しないエリアでモーグリにアイテムを盗ませるぐらいか。
    トイソルジャーの装備落としも使えないのは、サボテンダー・ゴーレム・グルモルボルの3体。毒よけのクラ以外はそんなに貴重でもない。
  • 時空要塞ダンジョン
    モーグリの手癖が悪くて困るなら、シロマやシドの出番があるかも。
    …とは言っても、盗みはアイテムの空きが少なくなれば使わないので、シドをわざわざ呼ぶ必要があるかと言われると疑問が残る。

イレギュラーPの詳細

基本的には正規Pと同様の行動をするが、幾つかイレギュラーP限定の症状があるため、ここに列挙する。
 

  • イベントの発生するフロア(シドタワーの10Fや海底遺構の15F他etc...)では強制的に正規Pが復活し、以後も正規Pが付いてくる。
    • このため、「バハムートに自分の出生の秘密を聞かされて驚くシド」とか「目の前でボムおばさんの自爆を目撃するシロマ」といった状況は起きない。残念
    • ボスフロアはイベントフロア扱いで、毎回正規Pに切り替わるが、戦闘中に正規Pをカエルにして幻獣召喚→戻しをすればイレギュラーPの方で戦うことはできる。
  • イベント発生済のフロアを通り過ぎる際、イレギュラーPは一旦姿を消してしまうが、次のフロアに移れば何事もなかったかのように復活して以後も普通に行動する。
  • 中庭のあるシドタワー10Fのみやや特殊で、まず10Fに上がった時点ではイレギュラーPは普通についてくるが、中庭フロアに出た時点で姿を消してしまう。
    その後左右どちらの部屋に進んでも(戻っても)姿を消したままで戻ってこない。
    以後は10Fを左右に移動している限りは消えたままだが、11Fに上がればやはり普通に復活する。
    • 消えたパートナーキャラは位置情報が狂ったところにある関係上姿が見えないだけで存在自体はちゃんとしている。
      その証拠としてマップカードを使うと画面の左上の突き当りにパートナーの存在を示す黄色い点滅が現れる。
      ただしその位置はホリーのツメクラッシュストーンを用いても決して掘削できない壁の向うにあるため掘り出して救助・救出の類は絶対にできない。
      まさに「いしのなかにいる」
    • この「消えたキャラ」を直接視認できるフロアもあり、時空要塞の14Fにいくと画面の左奥、地面も何もない空間に空中浮遊しているイレギュラーPの姿が見える。
    • 2P操作にすれば、チョコボの近くに呼び寄せられないかな?イベントフロアはしょうがないけれど。
  • ちなみに「登録キャラ」とそのダンジョンの「正規P」が同一のキャラである場合、仮にイベントフロアの前に「カエル→幻獣召喚→戻す」の手順を行っていたとしても、イベントフロアでは特に異状なく、ごく普通に後ろをついてくる。

シドタンク:制御不能の暴走戦車

基本的な部分では上記イレギュラーPの詳細と同様だが、シドタンクにはいくつか特有の症状があるため別記する。
 

  • チョコボに追従しない。
    シドタンク最大の特徴であり同時に問題点がこれ。
    他のパートナーキャラとは行動ルーチンが異なっており、チョコボの移動に関係なく勝手に動く。
    基本的には画面の左上に向かって進み続ける。
    途中に壁などがあるとそこでウロウロ立往生する。
    ホリーのツメやクラッシュストーン等で進路を作ってやると進み続け、最終的に画面の左上端に辿りつくと以後毎ターン何もない方に向かって砲撃をし続ける。
    よほど都合よく通路があるか、さもなくばプレイヤー自身が誘導してやらないとそこまでたどり着くことはないが、一旦その状態になると一歩歩くたびに「ズドーン」、一歩歩くたびに「ズドーン」と、そのフロアを抜けるまで延々やり続けるため非常に鬱陶しい。
    • 特にシドタワー10Fではデフォルトでその位置に(埋まって)いるため逃れようがない。
      もうさっさと階段を見つけよう。
  • 索敵範囲が広い。
    通常のパートナーキャラはチョコボや本人に隣接しない限りモンスターに攻撃を加えたりはしないが、シドタンクの場合敵が近づくと最優先でそちらに向かい攻撃を加える。
    極めて頼もしいが周囲に敵がいなくなればすぐに左上行軍に戻るうえに、シドタンクの砲撃は貫通性能かつチョコボの位置を無視するため下手をすると射撃攻撃に巻き込まれかねない。

実用性

実際のところこの裏技(バグ技)を通常プレイの範囲で有効利用できる機会は少ない。
 
まず第一にこのゲームではパートナーキャラ間の力量差、ないしは個体差というものがかなり少ない。
基本的にチョコボの力量充分ならパートナーが誰であれ攻略自体にはさほど影響はない。
仮に「謎のレバーの床抜けに巻き込まれた」とか「泥棒した際に死神に殺された」だとかいった不慮の事故で死亡してしまった場合に、「消えたパートナーを復活させる手段」というのであれば有用であっただろうが、あくまでもこの技は現行パートナーが健在であることを前提にしているため、あえて「今のパートナーを変えて別のパートナーにしたい」と思わせるだけの状況がないのである。
 
唯一の例外と思えるのがモーグリで、彼のアビリティたる「盗み」が本編中の各ダンジョンで行えたならいくつかのアイテムが比較的早い段階で楽に回収できたのだろうが、生憎と彼を登録できるのは本編のラストである時空要塞からであるし、その後のひみつのダンジョンは最初から自由にパートナーを選べるので意味が無い。

  • タイタンのハネが入手できれば、岬のダンジョンで登録することもできるはず。一応ツヤ出しカードが宝箱から出るし、4~5Fにも低確率でかまどが出るらしい。テレポと気絶(装備を落とす+しおり補充)を利用すれば延々鍛えることも不可能じゃない。スカルハンマー戦も2回目以降ならモーグリを連れていけるはず。

 
戦闘力という意味ではズバ抜けて強力なシドタンクも上述のような有様なので精々ボス戦ぐらいでしか活躍の機会がなく、そもそも登録機会がシドタワーの一回目と二回目のみであるため、以後登録を解除したら二度と再び呼び出せない等、条件としての縛りが厳しすぎる。
 
むしろ「キャラ不在」を登録することでひみつのダンジョンでニードルマスター相手に延々分裂カードを増殖する際、邪魔なパートナーキャラを確実に消し去る手段としては悪くないかもしれない。
 
あとは本編の大半を共に行動するのがシドであることから「汚いオッサンなんかと一緒にいたくない。可愛い女の子の方がいい。」とかいう拘りか、あるいは本来あり得ないところにあり得ないキャラを呼び出して「なんでここに〇〇が!?」をする一発ネタ程度の利用が精々と言ったところだろう。
まぁかの有名なリサイクルボックスのバグと異なり、どう利用したところでプレイの進行を妨げたり、ゲームを詰まらせたりはしない、実害のほぼない安全(?)なバグというだけでも御の字かも知れないが…
 
一方で通常でないプレイ、つまりはタイムアタックや低レベルクリア等ではかなり有用。
満足にチョコボを鍛えられない同プレイではシロマの回復やシドタンクの火力がボス攻略などに活用できるだろう。

原因

こうした事象が発生することとなった理由をある程度推察すると、
 
まず睡眠や混乱といった通常の状態異常はパートナーキャラのデータの上に追加されるカタチで管理されている。
一方カエルの場合はこれと異なり、一旦パートナーキャラのデータは削除され、「カエル」という特殊キャラの情報に丸ごと置き換えられる。
この際カエルになる前の元のキャラが「誰か」という情報は別の場所に保管されている。
カエル状態が解除された際に、その「誰か」の情報をもとにパートナーキャラが復帰するのである。
幻獣を召喚する際も同じくで、一旦パートナーキャラの情報を召喚獣に置き換え、パートナーキャラが「誰か」の情報は保管される。
当然召喚獣を戻した際はその保管した「誰か」の情報をもとにパートナーが復帰する。
これだけ見ればカエルも召喚獣も同じことをしているだけと言える。
 
ところがこのカエルになった際に保管される「誰か」と、召喚獣を呼びだした際に保管される「誰か」が同一ではなく、別個に保管されていたため、「カエルになった時」と「召喚獣を呼びだした時」が同時に起きると不具合が発生するのである。
 
例えば「登録キャラ」がシロマで現行の「正規P」がシドであると仮定しよう。
ここでシドがカエルになると、当然カエルになった時の「誰か」情報は「シド」として保管登録されることになる。
この時カエル状態からの復帰を待たずして召喚獣を呼ぶとどうなるか。
召喚獣を呼んだ時のキャラは「カエル」なのであるが、生憎「カエル」というパートナーキャラはデータとしては保管できず、また以前保管した情報を上書きもしない。
もちろん召喚獣を戻した際に参照すべき「誰か」の情報は「カエルになった時に保管されたキャラ(この場合シド)」であるべきなのだが、本作では召喚獣はあくまでも「召喚獣を呼んだ時に保管されたキャラ」しか参照しないため、保管されない「カエル」の情報を通り越して「以前登録保管した『誰か』」に該当するシロマの方を読み込んでしまうのである。
これにより「カエルになった時のパートナー(=正規P)」ではなく、「以前(直近で)召喚獣を呼んだ時のパートナー」がイレギュラーなPとして呼び出されてしまうことになる。
要は参照先データの設定ミスが引き起こすバグである。
 
ついでにもう一つ余計な例えを追加すると、
時折ネット上などで見かける「アスペ診断」的な画像で、
「少女Aが人形Aを箱Aに仕舞いその場を離れる。その後少女Bが来て先程仕舞われた人形Aを今度は箱Bに移す。戻ってきた少女Aが人形Aを取り出すとき、果たして開けるべきは箱AかBか」というもの。
メタな視点で考えれば開けるべきは移された先の箱Bであるが、そんなことを知るはずのない少女Aは当然箱Aを開ける。
この箱Aを空けているのが本作のプログラムである。
この時人間である少女Aは人形がないことを知って「別の場所を探す」などの手段を講じる余地があるが、プログラムは必要なレスポンスが返ってこない場合、あらかじめそうした事態を想定した処置でも施されていない限りそこで処理を中断してしまう。
つまりフリーズである。
ところが今回のケースでは箱Aの中に人形Aより以前に仕舞われた人形A-1とでもいうべきものがある。
人間の場合は「これはさっき仕舞ったモノじゃない(=求めているものと違う)」という判断ができるが、プログラムの場合は「とりあえずそこにあるならなんでもいい(≒そこにあるものが正しい)」という風にしか判断しないため、本来取り出すべき人形Aではなく、人形A-1の方を何の疑問も持たずに取り出してしまうのである。
 
これは本来取り出すべきデータが別の場所に移されることを想定していないプログラムの不備ではあるが、一方で致命的なエラーが発生するところを首の皮一枚で逃れ、様々な異状は発生すれどそのどれもがゲームを妨げることなく、フリーズという最悪の事態を間一髪で避けてもいる。
自己のプログラムの不備を別の不備が助けるという、さながらコンピューターのマッチポンプとでもいうべきなかなか興味深い事象である。