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映像作品/【ヤルキエル】

Last-modified: 2019-01-19 (土) 20:49:26




FF:U Edit

異界紀元108年
魔術王ノスタルダムス、この地にヤルキエルの神を封じ、永遠の安息をもたらす。
人は思い出にのみ生きるべし。

23話でアイユウたち一行が訪れた世界「思い出(ノスタル)横丁」の外れに建っていた電波塔。
その実態は人間は思い出の中でのみ生きて行けば良いという思想を持った魔術王ノスタルダムスという名の人物が封印した神(邪神?)らしく、下半分は大樹の姿をしており、枝葉の部分が電波塔になっている。
根元には上記のような内容が異界文字で書かれており、これがこの塔が造られた経緯らしい。
 
「やる気」+「消える」というFF:Uでは割と多い安直な名前の通り、人々のやる気を奪う電波塔。
塔から発される電波を浴びたものは「思い出」が増幅され、過去の楽しかった記憶に囚われて童心に帰ってしまう。
リサは母親と過ごした思い出、シドはプラモデルでのごっこ遊び、ミィレスは花畑でカエルさんと追いかけっこ……と、正気をなくしていく大人たち。
あまりの事態に慌て、町に住んでいた謎の存在・モーグリと一緒にヤルキエルを止めに行くアイとユウだが、
「思い出」の少ない子供とは言え電波の効果を受けないわけではなく、結局2人も惚けた状態になってしまう。
 
結局、電波の影響を受けずに済んだのはの「相棒」を名乗る存在・モーグリと、我らが主人公たる風の二人だけ。
ユウが惚けた頃から機能停止していた風の魔銃だが、モーグリが頭のボンボンからパワーを送り込んで復活!
これで今回の話も解決
……と思った次の瞬間、頬を赤く染めた風の惚け顔。
「流石に主人公だし、シリアスキャラだからこういうところで崩れたりはしないか」と思っていた視聴者を爆笑させた。
別にギャグシーンではないはずなのだが、落差がすごすぎてギャグにしか見えない。
 
……しかし、風の幸せな思い出-「アウラ」と過ごした時間-はつかの間の幸せだったようで、
すぐにその思い出は「悲劇の思い出」へと変わってしまう。
再び目を覚ました風はパワーアップした魔銃でイクシオン零式を召喚、ヤルキエルは遂に破壊されるのだった。
 
なお、実際はこの世界そのものがヤルキエルが作り出した「懐かしい幻想」だったようで、
ヤルキエルが破壊された後はこの世界そのものがヒビが入るように崩れ去っていき、一行が潜航艇でやっとこ逃げ出した次の瞬間跡形もなく消滅してしまった。


風の頬染めシーンが強烈すぎて一気にギャグ化するかとも思われるところだが、
直後の「浸れるほどの量の幸せな思い出が無かった」という幕切れはなんとも物悲しさがあり、視聴者をシリアスに引き戻す。
12歳の子供であるアイやユウでさえ、十分に浸れる思い出があるというのに……
 
風の過去を知るモーグリとのやりとりも含め、シリアスとギャグを織り交ぜながら
これまで伏線を張っていた「過去」を自然な形で徐々に描いており、なかなかに見どころの多い放送回である。


説明を見て既視感に囚われた人もそれなりに多いと思われるが、
当時公開後1年ほどだった、名作映画『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』に筋がよく似ている。
もっとも、大人のみを標的にしており子供には効果がなかったあちらの洗脳と違い、
こちらは必要時間は長くなるものの12歳の子供であるアイ・ユウにもしっかりと効果を発揮していたが。
もしくは、永遠の5歳児であればヤルキエルの洗脳電波も無効化できるのだろうか。