じんちょうかん 神長官 Grand priest | ||
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家紋・丸に違い矢筈 | ||
現当主 | ||
79代神長官 守矢実忠 19xx年(天正xx年)1月10日 より | ||
敬称 | 神長官高閣下 神長官閣下 | 目次 |
His Holiness the Grand priest | ||
初代 | 守矢早安比古(諸説あり。安日公毘古とする説もある) | |
第一順位継承者 | 守矢実脩 | |
成立 | 詳細不明(土侯説、分家説など) | |
住居 | 古翠館 (信京府守矢京清和通山王坊下ル) | |
概要
神長官印 |
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神長官は五官祝の首座であり、古くは神長(かんのおさ)と称した。英語では「Grand priest」または「Jinchokan」と表記される。神長官は伝統的に守矢家が世襲する。神長官は大祝に秘儀をもって洩矢神を降ろし即位させる。神長官は「神降ろし」が出来る唯一の神官であり、大祝と神長官は非常に密接な関係にある。
大祝は御神体であるため、洩矢神を祭る神事の時には大祝が御座に座り御神体となり、神長官がそれをお祭りする。大祝は八百万の神と祖宗への祭主は行うが、洩矢神への祭祀は基本的に行わず、それら殆どを神長官含む五官祝が司っている。また、歴史的には守矢京から外に出られない大祝の代わりに京外での用をこなすこともあり、大祝を後ろ盾として強大な権力を握った。さらに大祝は神長官の秘儀無くして即位できず、伝承では勝手に即位した大祝が呪い殺されるなどしている。
守矢家には一子口伝の秘儀が多く存在する。例えば「守矢家の系譜」、「洩矢神の祭祀法」、「穴巣始の秘儀」、「即位式の秘技」、「秘薬の製造法」などが秘技として、当主のみが知ることが出来る秘密となっている。
出自
正史で初めに登場する神長は守矢安比古であるが、この前にも何人かいたとするのが通説となっている。これについて、守矢家は「系譜は一子相伝の秘事であり、公開することはできない。」としており、詳しいことは分からないが、守矢氏の出自に関しては現在主に以下の2つの説がある。
- 土侯説
土侯説は守矢氏の祖が瑞穂国の土侯(土着王)=瑞穂神話において最後まで大祝勢力に抵抗したとされる安日公毘古(あにこうのびこ、安日王とも。)であるとする説である。いくつかの野史、例えば『赤口社日記』などには「神長ハ安日王ノ裔ナリ」との記載があり、この説はこういった記述を根拠としている。ただし正史の神話では安日王は神代大祝に敗北し滅んだことになっており、神長官を安日王の後裔とする記述は一切ない。これについての仮説としては、正史は朝廷に都合よく書き換えられており、その過程で記述が削除されたと考えれば説明がつく。実際は安日王は劣勢であったものの負けておらず、大祝との和解の過程で「神長」という地位を確立したとされている。また大祝側も完勝できなかったがために守矢氏を懐柔することになった。こうして大祝が神子として君主に即位し神長官が君主を即位させる、という大祝と神長官の二重体制が出来上がったと言うものである。(また土着の王を取り込むことで支配を有利に進めたともされる。)。この説は近世前期に国学者が唱えたが、「正史が間違っているはずがない」とする一種のタブーから、唱えられた当時から近代に入るまでほとんど支持されなかった。現在は信京帝国大学を中心として唱えられる説で、現在最も優勢な説として紹介される。 - 分家説
分家説は守矢氏が大祝の一族の分家であるとする説である。この説では守矢氏と大祝はもともと同族であり、どこかから分家して大祝と神長官の役職が分離したとする。これは「大祝にとって面倒である“神長官がいなければ即位できない”という状況がなぜ生まれたか」に関する仮説が弱いことが指摘されている。大祝一族の分家であるならば、わざわざ大祝と神長官に職権を分離させた必要は何なのか、という点が解決されないからである。 これに関しては一族内で対立が起こり、2つの派閥がそれぞれの職権を分けたとする説や、元々、大祝が神官で神長官がシャーマンで、それぞれ別の土着宗教であったものが習合したとする説などがある。この説は近世前期に国学者が唱え、近代以降土侯説が主流となるまでは長らく主流派であった。国立近衛大学を中心として唱えられる説である。
この他に「大陸から侵略してきた大祝勢力に支配された土侯」であるという説の被支配土侯説、「大陸から渡ってきて大祝に仕えた帰化人」であるという帰化人説、「古来瑞穂島に存在した東側王朝が大祝の西側王朝に屈服した」とする安日公王朝説などがあるが、これらは少数派である。さらには「イスラエルの失われた10支族のうちの1支族の子孫」とする猶太説(ユダヤ説)など都市伝説に近いものも存在する。
称号
かつては「神長(じんちょう/かんのおさ)」と称した。大祝から「官」の字を賜ってからは、「神長官」を名乗るようになった。対外的には法王、大王、大君、国王などと称した。敬称は、歴史的には殿下、台下、高閣下または閣下を使うが、近代以降は主に高閣下(こうかっか)もしくは閣下が使われる。高閣下は、主に五官祝を特に敬って呼ぶ敬称である。
地位
神長官は洩矢神宮の神官であり、官職である。その地位は臣民であり、神長官含む五官祝は現制度上は太政大臣などと同列に列せられる。ただし神事では太政大臣など他官職よりも上位に列せられる。また、大祝に代わって神宮の実務を司る。
居住地
神長官は信京府守矢京の古翠館(こすいかん)と呼ばれる神長官邸に居住している。守矢家の当主一族が代々居住し、かつては武人としての役割も担ったことから近くには天守閣もある(現在天守閣は保存され国立公園になっており、一般向けに公開されている。)。神長官邸の特徴としては、近代化が進んでからも西洋館の建設を拒否し続け、他の四官が伝統家屋を西洋館に建て替えたのとは対称的に伝統的な瑞穂建築を残している。大祝の神殿と五官祝邸はまとまっており、この付近は近衛師団、禁衛警察が警備に当たっている。
三種神器
守矢家は鉄鐸、鉄鈴、陰陽石をミシャグジ様(洩矢神)の三種神器、また守矢家の家宝として継承している。鉄鐸は佐奈伎鈴(サナギ鈴)とも呼び、大御立座神事では大祝の代理として各地を回る6人の神使に御杖にサナギ鈴を付けこれを持たせ、神使は各地でこの鈴を鳴らして神を降ろす廻湛(まわりたたえ)を行う。サナギ鈴は「誓約のしるし」として使われ、古くは戦争の和睦、境界の確定等に神長官が金銭と交換で鈴を鳴らし、互いに約束を守ることを神に誓った。これを破ると洩矢神の祟があるとされた。大御立座神事で神事が鈴を鳴らすのにも、「洩矢神が土地の豊作を約束する代わりに、御礼として採れた作物の何割かを神宮へ奉納する」という誓約の意味がある。鉄鈴は、ハサミ型の鉄製品で、祈祷に用いる。陰陽石は、道具ではなく石であり、子安社の隣に安置されている。陰陽石は男根と女陰の形状をしており、縁結びや子宝、安産の象徴として崇拝される。
神長官一覧
初代(祖)は守矢早安比古(さやひこ)。これ以前にも何代かいたというのが通説であるが、解明されていない。初代より数代は実在が確認されておらず、氏名も後世の創作によるもので、実際に「守矢」と名乗っていた可能性も低い。正史が編纂されるまでは神名で呼ばれていたと思われる。また、10代辺りからは西暦での年代も特定できる。ここでは初代を守矢早安比古とし、それ以前の人物は代数を付けずに記載する。守矢氏の通り字は実(實)である。
代 | 当主 | 別称 | 出身 | 主な子 |
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?*1 | 安日公毘古 | 大国主神 安日王 | (国津神*2) | 安多洲侠毘古 |
? | 安多洲侠毘古 | 森山主神 | (国津神*3) | |
1 | 守矢早安比古 | 森山美穂神 | 神長官守矢家 | 守矢伊奈都 |
2 | 守矢伊奈都 | 居司埜神 | 神長官守矢家 | 守矢勇魚 |
3 | 守矢勇魚 | 八鹿神 | 神長官守矢家 | 守矢熊人 |
4 | 守矢熊人 | 豊洲治真部彦 | 守矢毛人 | |
5 | 守矢毛人 | 豊洲巨和彦 | 守矢実堂 | |
6 | 守矢実堂 | - | 神長官守矢家 | 1.守矢実盛 2.多杜角姫 3.模素乃姫 |
7 | 守矢実盛 | - | 神長官守矢家 | 1.守矢実弥 2.守矢実彦 |
8 | 守矢実彦 | 守矢円忠 | 神長官守矢家 | 1.守矢実幣 2.清済川姫 |
9 | 守矢実幣 | - | 神長官守矢家 | 守矢 |
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72 | 守矢 | - | 神長官守矢家 | 1.守矢実満 2.守矢範史 |
73 | 守矢実満 | - | 神長官守矢家 | 1.守矢はつ 2.守矢妙徳彦*4 3.守矢実燾 |
74 | 守矢実燾 | - | 神長官守矢家 | 1.守矢実睦 2.守矢タツ |
75 | 守矢実睦 | - | 神長官守矢家 | 1.守矢実靖 2.守矢慶邦 |
76 | 守矢憲実*5 | 守屋憲実 | 禰宜大夫守屋家 | 守屋寬実 |
77 | 守矢実靖 | - | 神長官守矢家 | 1.守矢多恵子 2.守矢実美 3.守矢秀通 4.守矢桐子 |
78 | 守矢実美 | - | 神長官守矢家 | 1.守矢美代 2.守矢佳代 |
79 | 守矢実忠*6 | 守屋和昭 | 御嶽守屋家 | 1.守矢実脩 |
家制度
守矢家には中世に成立し代々伝わる「守矢氏家訓」という家訓がある。ここには「守矢」を名乗るのは本家のみとし、分家は読みを同じとして別の漢字(「分家は「守屋」や「守谷」、「森屋」)などを当てることや、秘技は一子相伝とすること等が定められている。また近代以降には跡継ぎに関すること、分家に関すること、家族会議や親族会議に関することを定めた「守矢氏家訓追加」が定まった。瑞穂国の家制度は近代以降廃止されたものの、守矢家では独自に家制度を保持している。ただし法的拘束力は無い。後嗣家は現在宗家も以外に7家あり、これらの家系がさらに分家したものは宗家もしくは後嗣家が養子を取るなどしない限りは継承権を持たないとされる。このため宗家の場合は、長子以外の男系子孫は家庭を持った後も分家せず宗家に留まることが多い。
- 神長官守矢家(宗家)
- 禰宜大夫守屋家(守矢京)
- 左近守屋家(左京郡)
- 御嶽守屋家(御嶽県)
- 富州守舎家(富兵郡)
- 衛州守屋家(近衛県)
- 岩戸守谷家(岩戸県)
- 科埜森屋家(科埜県)
関連項目
関連項目
地方 | 地方区分 - 信京府(守矢京 - 左京郡? - 右京郡? - 居下郡? - 東亜郡 - 宮門郡? - 錦織郡? - 富兵郡?) - 耀国 - 祝部県? | |
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