瑞穂語(正仮名遣:みづほご、表音式仮名遣 : みずほご、正字体:瑞穗語、英語 : Ruisinese)または豊洲語(とよしまご)は、主に瑞穂国内や瑞穂人の間で使用されている言語である。
みずほご 瑞穂語 | ||
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瑞穂語の表記体系に沿って瑞穂語という語を記した例 | ||
話される国 | 瑞穂国 清洲国 バシリア聯邦共和国など | |
地域 | 瑞穂諸島 | |
民族 | 瑞穂民族 | |
話者数 | 約1億2000万人 | |
言語系統 | 瑞穂語族(孤立した言語?) | |
表記体系 | 漢字(瑞穂漢字) 仮名(平仮名・片仮名) | |
姉妹語 | 和暐語 | |
公的地位 | ||
公用語 | 瑞穂国(事実上) 嶺北州 | |
統制機関 | 瑞穂国 : 文部省国語審議会 耀国 : 学務掛耀語推拡司 嶺北州:学務局瑞穂語規範委員会 | |
言語コード | ||
ISO 639-1 | ry | |
ISO 639-2 | rsy | |
ISO 639-3 | rsy | |
SIL | RSY | |
瑞穂国は法令で公用語を定めていないが、法令その他の公用文は瑞穂語で記述され、各種法令において瑞穂語を用いることが規定され、学校教育においては「国語」として学習を課されるなど、事実上の公用語である。瑞穂語は方言が多様であるが、特に官話として守矢京で話される「京言葉」が標準化されたものを「標準語」と呼び、国語教育は標準語で行われる。
1億人以上の話者がおり、母語話者が世界で9番目に多い。瑞穂で生まれ育ったほとんどの人は、瑞穂語を母語とする。
概要
瑞穂語は、語順はSOV型で、膠着語に分類される。系統は明らかではなく、瑞穂語族または場合に寄って「孤立した言語」とされる。ただし、耀語(瑞穂語耀方言)や、海田市帝国で話される和暐語とは祖語を同じくすることが解っており、これらは瑞穂語族を形成している。また、ヘブライ語との関係があるとする説も存在するが、都市伝説の域を出るものではない。
瑞穂語は、古来からの内津言葉*1(うちつことば)、漢語、外来語、またそれらが混ざった混種語に分けられる。地方ごとに多様な方言があり、中でも耀方言は「耀語」と独立した言語とも考えられる程に顕著である。近代以降は全国で始まった学校の影響から、標準語が形成されるようになり、国民間での意思疎通に大きな弊害はない。
分布
瑞穂語は、主に瑞穂国内で使用される。瑞穂国で生まれ育ったほとんどの人は瑞穂語の話者である。
瑞穂国内には法令上、瑞穂語を公用語や国語と定める直接の規定はない。しかし、法令は瑞穂語で書かれており、裁判所構成法、治罪法、国民学校令などの法令には「国語」と言う語が登場し、裁判では瑞穂語以外の言語は認められていない。1946年の帝国議会では、質問を受けた当時の文部大臣が「諸法令に登場する国語と云ふのは瑞穂語であると認識してをります」と回答している。また、学校教育では瑞穂語が「国語」として教えられている。
瑞穂国外では、瑞穂人移民とその子孫が瑞穂語を使用する場合があるほかに、海田市帝国では瑞穂語と同系統に属する和暐語が使用されている。分化後の瑞穂語と和暐語はそれぞれの別の歴史を歩んできたが、会話や意思疎通は可能である。清洲国におけるそれは、瑞穂語とほとんど同じである。
発音
音韻
瑞穂語標準語では、ガ行が鼻濁音[ŋ]になる傾向がある。四つ仮名は「ぢ」、「じ」と「ず」、「づ」の2つの音に統合されている。また、助詞の「を」はヲ[wo]と発音し、オ[o]との区別がはっきりしている。
アクセント
疑問文の文末イントネーションが、語頭に疑問詞を置く場合は下降調に、置かない場合は上昇調になる。動詞の連用形に依頼の終助詞「て」が接続する場合、語尾に若干のゆすり音調が現れる。撥音にもアクセントが置かれる。連母音にアクセントを置くとき、後部拍に置かれる。さらに、頭高型で発音する動詞が中高型になることがある。
訓読み
訓読みは瑞穂国の固有語である中津言葉に由来し、漢字にその読みを当てはめたものである。字訓または単に訓ともいう。中国語の発音に由来する「音読み」と対照される。また、漢字の本来の意味と当てられた言葉が全く異なる意味を持つ場合もある。また、瑞穂語以外の言語の読みを漢字に当てる場合もあり、これも一種の訓読み(訳語)に分類される。
音読み
音読みは華国語起源の漢字の読み方であり、呉音、漢音、宋音、唐音(華音)、慣用音がある。このため、同じ漢字にいくつかの読み方がある。
呉音は5-6世紀頃に、華国の六朝時代の呉から、朝鮮の百済を経由して伝わった音であるというのが通説である。実際には、漢音以前に既に瑞穂国に伝来していた読みがまとめて呉音とされている。漢音は隋唐代に、遣隋使や遣唐使、留学僧が、主に長安で学んだ読み方が輸入された。宋音は唐代末期から宋代、元代初期に禅僧などが輸入した読み方で、唐音は明代初期から清代中期に、国家間または民間の貿易や禅僧の留学によって伝わった。このうち、最も体系的なのは漢音と唐音である。和暐語では限られた語句とともに華国から輸入された唐音であるが、瑞穂語では体系的に輸入されたため、慣れないような漢字の読みをすることがよくある。宋音は単語ごと、断片的にしか輸入されていない。最も新しく輸入された唐音は華音とも呼ばれ、現代華国語の発音にもかなり近い。慣用音は間違って定着したと思われるものや体型に合わない音を指して呼ばれている。また華国語の声調は保持されていないので、同音異義語が多い。
音読表
宋音は少ないので割愛する。
漢字 | 呉音 | 漢音 | 唐音(華音) |
瑞穂*2 | ズイスイ | スイスイ | ルイスイ |
思華*3 | シケ | シカ | スウハ |
一 | イチ | イツ | イツ |
二 | ニ | ジ | ルウ |
三 | サン | サン | サン |
四 | シ | シ | ス |
五 | ゴ | ゴ | ウ |
六 | ロク | リク | リウ |
七 | シチ | シツ | チ |
八 | ハチ | ハツ | バ |
九 | キュウ | ク | キウ |
十 | ジュウ | シュウ | シ |
零 | リョウ | レイ | リン |
児 | ニ | ジ | ル |
南 | ナン・ナ | ダン | ナン |
北 | ホク | ホク | ペイ |
西 | サイ | セイ | スイ |
東 | ツウ | トウ | トン |
京 | キョウ | ケイ | キン |
男 | ナン | ダン | ナン |
女 | ニョ | ヂョ | ヌ |
学 | ガク | ガク | シ |
人 | ニン | ジン | ジン |
会 | エ・ケ | カイ | ホイ |
了 | リョウ | リョウ | リョウ・ラ |
国 | コク | コク | クオ |
我 | ガ | ガ | ゴウ・コウ |
先 | セン | セン | セン |
生 | ショウ | セイ | セン |
大 | ダイ | タイ | タ |
中 | チュウ・ヂュウ | チュウ・ヂュウ | チョン |
小 | ショウ | ショウ | ショウ |
不 | フ | フウ | プ |
上 | ジョウ | ショウ | シャン |
下 | ゲ | カ | ヤ |
天 | テン | テン | テン |
美 | ミ | ビ | メイ |
布 | フ | ホ | プ |
本 | ホン | ホン | ペン |
好 | コウ | コウ | ハウ |
日 | ニチ | ジツ | ジツ |
清 | ショウ | セイ | シン |
們 | ボン | ボン | モン |
命 | ミョウ | メイ | ミン |
你 | ニ | ジ | ニン |
今 | コン | キン | キン |
的 | チャク | テキ | テ |
無 | ム | ブ | モ・ウ |
家 | ケ | カ | カ |
都 | ツ | ト | ト |
公 | ク | コウ | コン |
共 | ク | キョウ | コン |
万 | マン | バン | ワン |
令 | リョウ | レイ | リン |
円 | ヱン | オン | ヱン |
是 | ゼ | シ | シ |
動 | ズウ | トウ | ドン |
星 | ショウ | セイ | シン |
臣 | ジン | シン | チン |
通 | ツ | トウ | トン |
文 | ブン | モン | ヱン |
目 | モク | ボク | モツ |
言 | ゴン | ゲン | ヱン |
体 | タイ | テイ | テイ |
者 | シャ | シャ | チェ |
善 | ゼン | セン | セン |
環 | ゲン | カン | カン |
之 | シ | シ | チ |
平 | ビョウ | ヘイ | ピン |
元 | ゴン | ゲン | ガン |
君 | クン | クン | クン |
要 | ヨウ | ヨウ | ヨウ |
財 | ザイ | サイ | サイ |
龍 | リュウ | リョウ | ロン |
皇 | オウ | コウ | ホン |
張 | チョウ | チョウ | チャン |
思 | シ | シ | スウ |
華 | ケ・ゲ | カ | ハ |
百 | ヒャク | ハグ | バイ・パイ |
黄 | オウ | コウ | ファン |
赤 | シャク | セキ | チイ |
相 | ソウ | ショウ | シャン |
牡 | ム | ボウ | ム |
合 | ゴウ | コウ | ホ |
駢 | ベン | ヘン | ピン |
文法
構造
英語の「I eat apples.」というSVO型の文章はは、瑞穂語では「私は林檎を食べる。」というSOV型の文章になる。また、英語とは異なり主語を省略することができる。例えば「I go to the market.」は「私は市場に行く。」であるが主語を省略して「市場に行く。」としても文脈から「誰が市場に行くのか」を読み取ることができれば意味が通る。
オノマトペ
物が発した音を字句で表現したものを擬音語、感情や状態などを字句で表現したものを擬態語といい、これらを総称してオノマトペや擬声語という。瑞穂語はこのオノマトペが多いことも特徴の一つで、その数は英語の4倍とも言われている。例としてはワンワン(犬の鳴き声)、カーカー(カラスの鳴き声)、ザーザー(雨の降る音)、しいん(何も音がなく静かな様子)、ズルズル(麺をすする音)など。
返し読み
口語体の文章であっても漢文や候文由来の返読をすることがある。主に文字数の削減、省略のために使われるもので、普通に書いても構わない。返し読みする文字としては「将(将読→読もう、将頼→頼もう、将帰→帰ろう)」、「被(被怒→怒られる、被言→言われる、被頼→頼まれる)」、「令(令帰→帰らせる、令謝→謝らせる、令怒→怒らせる)」、「不(不帰→帰らない、不言→言わない、不怒→怒らない)」等。例文としては「将帰としたら被止た→帰ろうとしたら止められた」等。読む時も漢文調に「まさに帰らんとす」、「止めらるる」ではなく口語調に「帰ろうとした」、「止められた」と読む。これらは極めて特殊な例なので全ての返読文字をこの形態で書くわけではない。不慣れなものがわざわざ使う必要もない。
語彙
表記
表記体系は多言語に比べ複雑であり、中国から伝来した漢字(瑞穂国で独自発展した国字も含む)、それを崩して作られた平仮名、片仮名が主たる文字であり、この他に必要に応じてローマ字、ギリシヤ文字等も使う。また、上から下への縦書きと左から右への横書き、右から左への横書きのいずれにも対応している。
仮名遣
仮名遣は主に伝統的な綴り方である正仮名遣と、1940年に国語審議会がまとめた発音に忠実に綴る方式の表音式仮名遣などがある。現在瑞穂国では正仮名遣を使用するのが主流である。
正仮名遣
伝統的仮名遣、歴史的仮名遣、正式仮名遣、古式仮名遣とも言う。正仮名遣は少なくとも中世頃から使用されていた。近世には国学者の研究によって規範化され、さらに仁政以降は国語教育における仮名遣として採用された。仁政以来、国語改革が唱えられ始めると、表音主義にもとづく仮名遣の簡易化を主張するものが現れた。これを受けて国語審議会は改革案を内閣に答申したが結局採用されず、現在まで最も主流な仮名遣として使われている。
正仮名遣には以下のような特徴がある。
- 語頭の「い、え、お」には「ゐ、ゑ、を」となるものがある。
- 語頭以外の「わ、い、う、え、お」の多くが「は、ひ、ふ、へ、ほ」となり、「ゐ、ゑ、を」となるものもある。
- 「おう、こう、そう、・・・」の多くが「あう、あふ、かう、かふ、さう、さふ、・・・」となる。
- 「きゅう、しゅう、ちゅう、・・・」の多くが「きう、きふ、しう、しふ、・・・」となる。
- 「きょう、しょう、ちょう、・・・」の多くが「けう、けふ、せう、せふ、てう、てふ、・・・」となる。
- 「じ」には「ぢ」と、「ず」には「づ」となるものがある。
- 促音及び拗音の「つ」、「や」、「ゆ」、「よ」は基本的に小文字の「っ」、「ゃ」、「ゅ」、「ょ」を使用して区別する。また「わ」は小文字の「ゎ」としてもよいが、基本的には大文字の「わ」を用いる。
表音式仮名遣
新仮名遣、新式仮名遣、改定仮名遣とも言う。1940年に国語審議会が「仮名遣改定案」として内閣に答申した。国語審議会は当初、教育のさらなる充実のため仮名遣いを簡易化することが必要と考え、表音式仮名遣の普及を目指すとした。当時の新聞や論壇誌に盛んに取り上げられ、賛否両論様々な意見があったが、右翼団体(保守団体)や、高等学校や大学を初めとする教育界(特に国語科教員)からの強い反発を受けて内閣は告示を延期し、結局普及しなかった。1941年から1946年にかけて5年間、尋常小学校教科書で試験的に表音式仮名遣を使用したが、1947年の教科書改定で正仮名遣に戻された。現在も国語審議会は表音式仮名遣に関する研究を行っている。
表音式仮名遣には以下のような特徴がある。
- 「ワ」と発音する「は」「わ」が「わ」に一本化されている。
- 「イ」と発音する「い」「ひ」「ゐ」が「い」に一本化されている。
- 「ウ」と発音する「う」「ふ」が「う」に一本化されている。
- 「エ」と発音する「え」「へ」「ゑ」が「え」に一本化されている。
- 「オ」と発音する「お」「ほ」「を」が「お」に一本化されている。
- 「オー」、「コー」、……と発音する「あう」「あふ」「おう」「おふ」、「かう」「かふ」「こう」「こふ」、……の類が「おう」、「こう」、……に一本化されている。
- 「キュー」、「シュー」、……と発音する「きう」「きふ」「きゆう」、「しう」「しふ」「しゆう」、……の類が「きゅう」、「しゅう」、……に一本化されている。
.「キョー」、「ショー」、……と発音する「きやう」「きよう」「けう」「けふ」、「しやう」「しよう」「せう」「せふ」、……の類が「きょう」、「しょう」、……に一本化されている。 - 「カ」、「ガ」と発音する「か」「くわ」、「が」「ぐわ」が「か」、「が」に一本化されている。
- 「ヂ」「ジ」、「ヅ」「ズ」と発音する「じ」「ぢ」、「ず」「づ」が「じ」、「ず」に一本化されている。
- これらの変化は弖爾乎波(助詞)にも例外なく適用され、「を」は「お」に、「は」は「わ」に、「へ」は「え」に変化する。
- 促音及び拗音は小文字を使用する。
仮名遣比較表
正仮名遣 | 発音 | 表音式仮名遣 |
こんにちは | こんにちわ | こんにちわ |
をる(居る) | おる | おる |
ゐる(居る) | いる | いる |
いふ(言ふ) | ゆー | ゆう |
さういふ(さう言ふ) | そーゆー | そうゆう |
けふ(今日) | きょー | きょう |
てふてふ(蝶々) | ちょーちょー | ちょうちょう |
ちゃうちゃう(町長) | ちょーちょー | ちょうちょう |
ちぢむ(縮む) | ちじむ | ちじむ |
みかづき(三日月) | みかずき | みかずき |
あふぎ(扇) | おーぎ | おうぎ |
かうぢ(麹) | こーじ | こうじ |
あうむ(鸚鵡) | おーむ | おうむ |
いづみ(泉) | いずみ | いずみ |
はなさう(将話、話さう) | はなそー | はなそう |
しうとめ(姑) | しゅーとめ | しゅうとめ |
おほかみ(狼) | おーかみ | おおかみ |
おほはふり(大祝) | おーほーり | おおほうり |
くわがく(化学) | かがく | かがく |
ぐわいこく(外国) | がいこく | がいこく |
いうれい(幽霊) | ゆーれい | ゆうれい |
こうゑん(公園) | こーえん | こうえん |
じゐん(寺院) | じいん | じいん |
たいゐ(大尉) | たいい | たいい |
そうでせう(或然) | そーでしょー | そうでしょう |
さをとめ(早乙女) | さおとめ | さおとめ |
仮名文字
名称 | 字形 |
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五十音順 | |
平仮名 | あ い う え お か き く け こ さ し す せ そ た ち つ て と な に ぬ ね の は ひ ふ へ ほ ま み む め も や 𛀆 ゆ 𛀁 よ ら り る れ ろ わ ゐ 汙 ゑ を ん |
片仮名 | ア イ ウ エ オ カ キ ク ケ コ サ シ ス セ ソ タ チ ツ テ ト ナ ニ ヌ ネ ノ ハ ヒ フ ヘ ホ マ ミ ム メ モ ヤ イ ユ エ ヨ ラ リ ル レ ロ ワ ヰ 于 ヱ ヲ ン |
いろは順 | |
いろはにほへと ちりぬるを わかよたれそ つねならむ うゐのおくやま けふこえて あさきゆめみし ゑひもせすん |
五十音表には𛀆(以)、𛀁(江)、汙(紆)が掲載されているが、普段使うことはほとんどない。この表の他にも仮名文字には異体字が複数種類あり、それらはまとめて変体仮名と呼ばれる。変体仮名は書道、看板など限定的な場面でのみ使われる。
漢字
漢字は基本的にいわゆる康熙字典体を規範として正字体を採用している。1940年に国語審議会の答申を受け、内閣が告示した標準漢字表を「特に習得すべき漢字」の目安としている。ただしこの標準漢字表は漢字制限を設けるための表ではないため、表外の漢字だからといって公文書や新聞に使わないわけでは無い。政府は、表外漢字を使う場合はルビを振る等の配慮をすべきであるとしているが、一方で「混ぜ書き」は読み辛い、意味を把握し辛い等の短所から好ましくないとしている。そのため例えば「改竄」は混ぜ書きで「改ざん」ではなくルビを振り「改竄」と表記する。
文体
文は場面に応じて様々に異なった形態をとる。大きくは書き言葉である文語体と話し言葉である口語体に分類できる。
- 文語体
書き言葉で用いられる伝統的な文章形態。書き言葉は時代による変化の速度が遅いため伝統的で固い表現が多い。現在は法律や公文書などで用いられる。- 漢文
本来は古代中国語の文体をそのまま用いたもの。古来の瑞穂語には文字がなく、瑞穂語を文字で記す概念が存在しなかったために文章は漢文で書かれた。- 漢文訓読体
漢文を書き下して仮名交じりで記した文体。
- 漢文訓読体
- 国文体
古代末期~中世初期の口語に基づく文体。 - 宣命体
詔や祝詞を書く時に用いられる漢字だけで瑞穂語を記した文体。例えば「掛けまくも畏き」は「掛介麻久母畏伎(掛巻母畏伎)」と記す。 - 候文
文末に丁寧の助動詞「候(さうらふ)」を用いる文体。
- 漢文
- 口語体
話し言葉で用いられる文章形態。書き言葉であっても、話し言葉と同様またはそれに近い言葉遣いをする。近代以降、言文一致運動の影響により最も主流な文章形態となっている。- 普通体(常体)
いわゆる「だ・である体」。話し言葉では「だ・である」は使わないが、基本的には話し言葉と同様の言葉遣いをする。 - 丁寧体(敬体)
いわゆる「です・ます体」。話し言葉の丁寧形とほぼ同じ形態、言葉遣いをとる。
- 普通体(常体)
待遇表現
瑞穂語では、待遇表現が文法的・語彙的な体系を形作っている。とりわけ、相手に敬意を示す言葉(敬語)において顕著である。
方言
瑞穂語は地方ごとの方言が多様である。大きくは京言葉、岩戸方言(西信方言)、近衛方言(東信方言)、波岡方言(東北方言)、烏島方言(南方方言)、北洋方言(耀国方言)に大別でき、それぞれが更に細分化できる。仁政以降、守矢京で話されていた京言葉を基に標準語が確立され、教育では標準語が使われるようになったことで、方言の多様性が失われつつあり、方言の保護が課題となっている。耀国は瑞穂国内で最も進んだ方言保護政策をとる地域であり、近年実際に成果を上げはじめている。耀国では、1990年代に従来の同化教育を郷土教育に転換した。そのため1990年代よりも後に義務教育を受けた人間は耀国方言を「国語」の時間とは別個に教わり、耀国出身の多くの若者が耀国方言を理解し、話すことができる。ただし、現時点で方言の保護政策で一定の成果を上げたのは耀国のみであり、他の県では対応が進んでいないのが実状である。
耀国方言
耀国方言または北洋方言、耀語、北洋語は、耀国で話される言語である。現地ではやをくち(耀口)と呼ばれ、瑞穂国本土では耀語と呼ばれるのが常である。耀語は、耀王国の時代、長会を設置した安王(徳漢英)が、各地の長同士で意思疎通をはかるために多数存在した諸方言を統一し、共通語として完成させた。これを北平会方言と呼び、王国時代には北平会方言は王族と上流階級の公用語であった。この時代の公文書は全て北平会方言で書かれている。北平会方言は瑞穂国への併合と共に衰退し、瑞穂国に併合されると共に瑞穂語が標準語と定められ、耀国総督府が制定した耀国教育令による標準化教育によって学校教育では標準語が教えられ、同時に標準語の普及運動が進められた。また、瑞穂国政府は北平会方言を瑞穂語の「方言の一つ」であると規定した。学校現場では、方言を使用したものに「方言札」を掛けさせるなど、圧力を強めた。小規模な反対運動はあったものの、現地では方言が時代遅れであるとの意識が生まれ、現地の人々は標準語を話すように努めるようになった。耀語の話者が激減し消滅の危機に瀕すると、長会では耀語の保護についての議題が上がるようになり、耀国郷土教育令が制定された。ここでは、耀国の文化とやをくちの保護を掲げ、普及促進を図ることを定めた。現在、耀国の学校では、国語の授業とは別個に耀語の授業が行われ、大多数の耀国公民が簡単な耀語を理解できるまでに回復した。2006年、耀国総督府は、耀語は既に消滅の危機から脱した、と公表した。
耀国方言辞典
和語 | 耀国方言&用例 |
耀 | やを |
正月 | そーぐゎち |
嶺北方言
嶺北瑞穂語は、嶺北方言、嶺北弁または嶺北語とも呼ばれる嶺北州の方言である。嶺北瑞穂語は、嶺北州の学務局瑞穂語規範委員会が統制機関として存在する。基本的には標準語と大差ないものの、清洲国と接することから現代華国語からの借用語が多く、国際金融センターで外国人の駐在などが多い地域であることから、標準語のように意訳せず、外来語をそのまま片仮名表記する「カタカナ言葉」も多用する。発音の面では、標準語に見られる鼻濁音がなく、「ヲ」と「オ」の区別をしない。また、瑞穂国のような法令や公文書における文語体の使用を1959年に廃止しており、それ以外でも文語体の使用がほとんど廃れている。瑞穂国で文語体を使用するような場面では、普通体(常体)を用い、嶺北州基本法でもこれが採用されている。
嶺北方言辞典
和語 | 瑞穂語 | 嶺北方言&用例 |
アイスホッケー | 氷闘 | アイスホッケー |
スケート | 氷滑 | スケート |
野球 | 野球 | ベースボール |
卓球 | 卓球 | テーブルテニス ピンポン |
スケートリンク | アイスバーン 氷場 | スケートリンク |
アルコール | 酒精 | アルコール |
スポーツ | 体育 | スポーツ |
クリスマス | 基督聖誕祭 基督降誕祭 | 聖誕節 クリスマス |
旅券 | 御免之印 旅印 | パスポート 旅印 |
大同語
大同語(だいどうご)は、主に清洲国で話される瑞穂語と華国語のピジン言語である。瑞清語、協和語、ぽこぺん語、瑞清合弁語等とも呼ばれる。清洲国建国初期に多用され、以降華国語が清洲国の公用語になると華国語の使用が推奨された。現在大同語は瑞穂人との意思疎通のため利用されているが、体系化されておらず、詳細は不明である。
大同語辞典
和語 | 大同語&用例 |
私 | 我的(オーデ) |
貴方 | 你的(ニーデ) |
君知っているかい | 你的知道(ニーデチド)か |
(驚いた時の感嘆詞) | 哎呀(アイヤー) |
忙しい | 忙しいある |
とても嬉しい | 大歓喜 |
コロニア語
コロニア語は、バシリア聯邦共和国サンパウエル州の瑞穂人植民地で話される、現地の公用語ルシタニア語と瑞穂語の混合言語。ルシタニア語からの借用がかなり多く、多種多様な地域からの移民の方言が混合しており、また独特な漢語表現や、瑞穂国で死語とされた単語が使われるなど、本土の言葉とは大きく異なる。コロニア語は、主に瑞穂系バシリア人の会話、邦字新聞である『聖州報知』などで使用されており、1992年の近衛大学の調査では、瑞穂系バシリア人がルシタニア語の語彙を多用するような話し方をすると、本国の瑞穂人には理解することができない、との結果が出た。近年、特に移民三世以降は、ルシタニア語を母語とすることから、コロニア語の母語としての話者は減少傾向にあり、瑞穂人会、瑞穂人学校、青年会、婦人会などを通じて使用が奨励され、教育が行われている。移民四世以降のコロニア語では、敬語表現が廃れており、「着る」「付ける」「かぶる」といった表現についてもルシタニア語表現に影響を受けている(例:マスクをする→マスカリーリャを着る、または略してマスカを着る)。現地では、コロニア語で書かれた絵本、詩集なども発行されている。
瑞穂語辞典
和語では使われないが、瑞穂語では使われる漢語、俗語、国産英語(瑞穂英語、瑞穂国で生まれた英語に似た言葉。「ワイシャツ」、「ジェットコースター」など)、外国語の訳語(瑞訳、豊訳と呼ぶ)等も掲載する。和語と比べて、外来語をそのまま片仮名で表記する「カタカナ言葉」や「転写」を必要以上に用いることを、教養がなく程度が低いこととして避ける傾向にある。これは、外来語の程度が低いと言う訳ではなく、「外来語を適切に咀嚼して国語に言い換えられない」こと自体が程度が低いと捉えるからである。若者言葉や話し言葉ではカタカナ言葉を使うことも多いが、改まった場での言葉遣いや書き言葉では避ける。学生語などの位相語の場合はあえて使うこともあるが、これも改まった場では避ける。また、中国語以外の外国語の借用語では、独語と英語が多い。これは近代以降ドイツに技術等の支援を受けたことと、萊語(ライプシュ語、ドイツ語海田市方言)の影響によるものである。
瑞穂語辞典
和語 | 瑞穂語&用例 |
あいだ(間)、隙間 | あいさ |
あげる | くれる (花に水をあげる→花に水をくれる) |
あなたたち(貴方達)、なんじら(汝等) | 你們(にいもん)[主に文語で使用] |
アニメーション(英語:animation) | 動漫(どんまん、どうまん)、動漫画(どんまんが、どうまんが) |
いっぷくいっしょう(一腹一生) | 同胞共母(とんぽうこんもう) |
いやみったらしい(嫌味) | いやらしい (まったく、お前は嫌味ったらしいな→まあず、おめぇはいやらしいなぁ) |
いやになる(嫌) | やだくなる |
エネルギー(独語:Energie) | 英気、エネルギー |
かいこ(蚕) | お蚕様 |
カイザー(独語:Kaiser) | カイゼル、皇帝 |
かけっこ(徒競走) | とびっくら |
かえる(帰、変、替、代、蛙) | けえる (家に帰る→うち(家)にけえる)[「帰」のときは「けえる」、「変、代、替、蛙」のときは「けえる」] |
かさ(傘) | 蝙蝠(こうもり)、傘 |
ーかな | ーかやぁ (そうかな→そうかやぁ) |
ーかな | ーずら (そうかな→そうずら) |
(根気、やる気、根性、気力などを指す言葉。標準語で直訳できない微妙なニュアンスを含む) | ずく (怠け者→ずくなし)(やる気を出す→ずくを出す) |
ごちそうさまでした | いただきました |
しゅう(衆) | しょう (若いしゅう→若いしょう) |
しよう | するしない (鬼ごっこしよう→鬼ごっこするしない?) |
スキー(英語:ski) | シー(独語:ski) |
スケートリンク(英語:ice rink) | アイスバーン[独語:Eisbahn に由来]、氷場 |
すごく、とても、非常に | しゃら (とても面倒くさい→しゃらめんどくせぇ) |
スター・ウォーズ(英語:Star Wars) | 惑星大戦争[邦題。「スター・ウォーズ」とルビが振られることもある] |
ずるい | こすい (おまえずるいな→おめえこすいな) |
たいへんだ(大変)、難儀だ | えらい (昨日は大変だった→昨日はえらかった) |
だいたい、おおむね | なから |
たつ(建) | たたる |
たった(建) | たたった (空き地に家が建った→空き地に家がたたった) |
ちょうど(丁度) | ちょっきり |
つかれた(疲) | ごしたい |
手に負えない | ごた (手に負えない小僧→ごたっ小僧)(悪戯するな→ごたするな) |
デリカテッセン(独語:Delikatessen) | 惣菜店、惣菜屋、菜屋 |
とても | えらい(えらく) (とても待たせたね→えらい(えらく)待たせたな)*4 |
とりあえず | ときに |
ない | ありっこ (そんなことない→そんなことありっこ) |
なるべく | なるたけ |
ノイローゼ(独語:Neurose) | 神経症、神経衰弱、ノイローゼ |
はしる(走) | とぶ (走ってこい→とんでこい) |
パスポート(英語:passport)、旅券 | 御免之印、旅印 |
パーティ(英語:party) | 政社[旧訳]、政党 |
まったく(感動詞) | まあず |
まえ(物理的に) | まえで |
もう、さあ、さてと(感動詞) | へえ (さあ、行くぞ→へえ、行くぞ) |
もやす(燃) | もす |
(リンゴやナシの水分が抜け、シャキッとした食感が失われて味が悪くなった状態) | ぼける |
わざと | むりと |
わたしたち(私達)、われわれ(我々) | 我們(ごうもん)[主に文語で使用] |
関連項目
関連項目
地方 | 地方区分 - 信京府(守矢京 - 左京郡? - 右京郡? - 居下郡? - 東亜郡 - 宮門郡? - 錦織郡? - 富兵郡?) - 耀国 - 祝部県? | |
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地理 | 架創遺産 - 国宝 - 神社(神宮) - 城郭 - 寺院 - 御殿 | |
歴史 | 国史 - 元号 - 耀王国 - 近衛京? - 安曇京? - 近衛幕府? - 木曾幕府? - 仁政維新? | |
政治 | 大祝 - 神室 - 王室 - 五官祝(神長官 - 禰宜大夫? - 権祝? - 擬祝? - 副祝?) - 政府 - 内閣 - 枢密院 - 議会(元老院 - 公議院) - 五官会議 - 裁判所? - 政党 - 官軍 - 陸軍?(憲兵? - 近衛師団?) - 海軍? - 海軍航空隊? - 空軍? - 海上保安隊? | |
組織 | 文部省? - 宮内省?(陰陽寮) - 神祇省? - 官立星学技術研究所? - 瑞穂専売公社? | |
経済 | 束 - 国立銀行? - 観光? - 企業 - 宇宙開発? - 発電所 - 鉄道? - 航空 | |
社会 | 瑞穂語 - 法令(憲法) - 学校 - 人物 - 栄典 - 神道? - 各種年齢? | |
体育 | 体育 - 大瑞穂体育協会 - 大瑞穂聯体委員会? - 瑞穂蹴球軍 | |
文化 | 神宮競技大会? - 文部省美術展覧会? - 神長官競書大会? - 官立高等学校柔剣道大会 - 名族協会? - 瑞穂赤卍字社? - 公議院書籍館? - 帝国図書館? - 東洋競技大会? | |
その他 | 架創国家連合(INC) - 瑞穂・ルイス宇宙機関 - 防衛聯合演習- 創作メンバー - 画像フォルダ - 関連項目 | |
清洲国 | ||
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国家 | 清洲国 | |
地方 | 地方区分? - 建京特別市? - 恵州特別市? - 龍河省? - 白山省? - 錦濤省? - 景徳省? - 董園省? - 馬公省? - 高隆省? - 江原省? - 彊化省? - 康安自治省? - 阿蒙省公署委員会? - 嶺北州 | |
地理 | 天地壇? - 革命烈士廟? - 建京神廟? | |
歴史 | 歴史? - 思華民国軍政府 - 思華民国革命政府? - 徳丹聯盟自治政府? - 松韻洞政務委員会? - 董園自治政府? - 高隆自治政府? - 馬公聯合委員会? | |
政治 | 執政 - 参議府? - 国民会議?(国民会議全国委員会 - 国民会議中央選挙委員会?) - 国務院? - 立法院 - 監察院? - 法院? - 政党(清洲国新民会) - 国軍(陸軍? - 海軍? - 空軍? - 憲兵?) - 先鋒隊(本隊? - 水師? - 飛行隊? - 侍衛処? - 中央倶楽部?) | |
経済 | 清洲国束? | |
社会 | 人物 - 法令 - 清洲国約法 - 清洲国政府組織法? - 清洲国組織法? - 嶺北州基本法 | |
文化 | 清洲国体育聯盟? -足球清洲国代表? - 清洲国紅卍字会? - 清洲国煙酒総公司? | |
行事 | 清洲国全国運動会? - 清洲国教育部芸術展? - 東洋競技大会? | |
その他 | 架創国家連合(INC)- 画像フォルダ - 関連項目 | |