元読売ジャイアンツのエリック・テームズの蔑称。「痛テームズ」ないしは名前から「E.テームズ」とも。
【目次】
概要
テームズはKBOにてリーグMVP、MLBにて通算96本塁打の実績を残し、2020年オフに同じくMLB通算196本塁打の大砲ジャスティン・スモークと共に巨人へ移籍。推定年俸は単年1億2500万円。
2021年、新型コロナウイルスの影響による渡航制限から来日が遅れ、入国できたのが公式戦開幕後の3月29日。2週間の隔離期間と二軍での調整*1を経て、4月27日のヤクルト戦で6番・左翼で一軍初出場を果たす。
…のだが、3回裏1死1・2塁の場面で、ヤクルトのホセ・オスナが放ったライナー性の打球をワンバウンドで処理しようとジャンプした際、捕球出来なかった上に着地した直後倒れ込み悶絶。結果、救急車で病院に搬送。右アキレス腱断裂の重傷と診断されアメリカへ帰国し手術を受ける事となり、一軍デビュー戦でいきなり今季絶望の大怪我*2を負ってしまった。
結果的に2打数2三振、しかもマイク・グリーンウェル(元阪神)の7試合を超えて1試合で退団。
さらにテームズを起用するにあたり、
- 4月打撃好調だった香月一也を二軍に落とす*3。
- ここまでリードオフマンとして活躍していた松原聖弥をベンチスタート。
- 打率4割超えと絶好調だったゼラス・ウィーラーもベンチスタート*4。
- ここ数年のテームズは一塁専かつ、来日後の二軍戦でもDH・右翼での起用がメイン(左翼に入ったのは1試合のみ)なのに、一軍デビュー戦でいきなり左翼を守らせる。
と、かなりの無理をした上でこの結果になった事から「イテームズ」の蔑称が付けられるに至った。
その後
- MLBも観戦している巨人ファンからはスモーク、テームズ共に高齢かつ守備・走塁難であり、しかも両名ともに一塁専なため懐疑的な見方をされていた。入団時にはスモークの方が名前とかけて「煙*5のように消えそう」と言われていた。しかし、蓋を開けてみればテームズの方が出場1試合と圧倒的なスピードで一軍から消えてしまった。
- そのスモークは噂以上の超鈍足ぶりから「スモカス」呼ばわりされながらも一軍でそこそこ戦力となっていたものの、6月17日に「家族の来日の目途が立たず、会うことができない」事を理由に退団*6。翌日にはアメリカの自宅に帰宅した様子が夫人のTwitterにアップされ、こちらも本当に煙のように消えることになってしまった。24日には自由契約公示。
- テームズが担架で運ばれながら退場する際、この試合の実況だった竹下陽平アナは「せっかく組んだジャイアンツの最強打線、原監督理想の打線は、テームズの故障によって一夜限りということになってしまいました」と淡々とコメントした。
- テームズは病院に運ばれた後、自身のInstagramのストーリーに「Wow.」と一言掲載した*7。
- この翌日(4月28日)の試合前、テームズは松葉杖を突きながら神宮球場に姿を現し、手術でアメリカへ帰国することについて首脳陣やチームメイトに謝罪。今季中の復帰は絶望的とみられるが、再起を誓った。
巨人 アキレス腱断裂のテームズが帰国「申し訳ありません」と謝罪も再起誓う
https://origin.daily.co.jp/baseball/2021/04/30/0014287538.shtml - デイリースポーツ
テームズは期待の新助っ人として27日のヤクルト戦で来日初出場したが、守備の際に負傷。右アキレス腱断裂と診断された。翌28日に松葉づえを突きながらグラウンド入り口へ現れ、原監督とハグ、握手を交わしていた。アキレス腱断裂は一般的に復帰まで半年から1年がかかり、今季中の復帰は絶望的とみられている。
テームズは「首脳陣、チームメート、スタッフとともにこれから頑張っていこうという矢先に、不幸な出来事によって帰国することになってしまい、申し訳ありません。必ず手術を成功させて、直ちにリハビリに取り組むつもりです。一日も早くグラウンドに戻り、ファンの皆様に元気な姿をお見せしたいと思っています」などとコメントした。
- 球団はポストシーズンでの復帰の可能性があるとして支配下登録を続けていたものの、スコット・ハイネマン(前レッズ3A)*8や中田翔(前日本ハム)の加入で支配下枠が上限になる影響もあり、事件から4ヶ月近く経った8月23日に自由契約公示された。
- その後は米国で治療を続けているようで、9月にはかつて所属していたミルウォーキー・ブリュワーズの試合を観戦しているところを球場内に紹介されている。オフにはオークランド・アスレチックスとマイナー契約を結ぶものの開幕からわずか1ヶ月で解雇され、そのまま引退を決断した。
- 巨人はこの後前半戦こそ2位で折り返すものの、後半戦に歴史的な大失速をかまし借金1の3位に終わることになる。その原因の一端としてこのテームズの無理な起用からの故障が挙げられることも多い。また、原は第二次政権の最終年にも本職を無視した選手起用を行っていたため、当時を知る巨人ファンからも「全く懲りていない」と批判されることになった。
- 後に思うようにチームに合流できない中でのコンディション調整の難しさゆえかベストより10キロ増での来日であった事も判明し、その状態でスタメンを任されて重症を負ったテームズへの同情と、無茶な起用をした原監督・元木ヘッド両首脳への批判が集まった。
余談
- 類似した事例として、開幕戦の3打席2打数無安打1四球のみで終わったフランク・ハワード*9のケースがあるが、結果的に2打席2三振に終わったテームズはそれより更に短時間での離脱を余儀無くされたことになる。
- しかし上には上がおり、同年楽天に入団したルスネイ・カスティーヨは4月23日、来日初出場の試合の第1打席(初回)でハーフスイングで脇腹を痛め、1打席のみで故障離脱している。テームズ同様の流れになることを危惧されていた*10が、こちらは交流戦頃からファーム戦に出場、6月21日には無事一軍に合流したが結果を残せずシーズンオフに退団となった。