フランシスコ事件

Last-modified: 2021-02-19 (金) 17:11:12

2015年に読売ジャイアンツがシーズン途中で獲得したフアン・フランシスコ*1を巡る一連の顛末。

概要

フランシスコはフレデリク・セペダ*2レスリー・アンダーソン亀井善行の不調、さらに阿部慎之助の故障離脱により4月下旬に緊急補強され来日。メジャーでの実績こそあったものの巨人は自前での助っ人調達能力が低いため今回もさほど期待されてはいなかったが、後にこの助っ人一人のせいで当時のGMのクビが飛ぶ事態にまで発展しようとは誰も思わなかったであろう。

主な事件

  • フランシスコ、ホームランを放ち屁も放つ
    来日して間もない二軍戦で初本塁打を放った直後、ベンチに戻った際にチームメートたちに挨拶代わりの強烈な臭いの屁を放ち、あろうことかそれをセペダのせいにするぐう畜っぷりを披露。
  • フランシスコ(インフィールドフライ)事変
    5月2日の対阪神戦(東京ドーム)が1軍初出場。阪神先発・藤浪晋太郎から決勝点となる初安打初打点を挙げたがその後の打棒はまるっきり振るわなかった。
    さらに5月4日の対広島戦(マツダ)の一塁守備ではサヨナラインフィールドフライ(後述)、名付けて「フランシスコ(インフィールドフライ)事変」を起こし、翌日には「ファールフライ落球後初回10失点」*3を起こし、翌々日には「バント処理で謎ムーブを行いオールセーフを2回」を起こすなど、想像を絶する拙守を連発。スポーツ報知には「守乱シスコ」呼ばわりされたり原辰徳監督に「野球選手じゃない」と言われる始末。
    結局ゴールデンウィーク終了と共に2軍落ち。結局わずか5試合の出場に留まり成績は18打席の内11三振と散々だった。
  • 原沢GM解任
    上記の広島戦から間もなく、フランシスコ獲得の責任を取らされる形で巨人・原沢敦GMは5月で解任された。
    5月末の球団取締役会、6月の株主総会を経ずに球団の編成トップが解任*4されるのは異例の出来事であった。しかしながらフランシスコが素行不良の問題児ぶりを理由に獲得リストから外されたのは数年前の話であり、年月が経ちケガの影響で練習不足になりすっかり太ってしまっていた*5ことなどを把握もせずに獲得を決めてしまったことは原沢氏のクビが飛んでも残当と言わざるを得ないかもしれない。
  • フランシスコ籠城事件
    問題児のフランシスコは二軍落ちしたことでますます振る舞いが酷くなり傍若無人に。二軍の他の選手に挨拶しないことは序の口で、首脳陣に対してもシカトを決め込む。そんなある日、打撃練習終了後にロッカールームに引き揚げると自身のスマホを使って大音量で音楽を流して若手たちを閉め出してロッカールームに籠城、やりたい放題で二軍のお荷物と化した*6
  • フランシスコ、セペダをイジめる
    誰に対しても傍若無人に振る舞ってたフランシスコだが、特に"キューバの至宝"セペダを目の敵にしていた。ヘルメットの上からバットで小突いたり、平手で脳天を数回たたいたりなどしていた(冗談のつもりだった可能性もある)
  • フランシスコ、球団職員ナンパに失敗する
    MLB時代から女癖の悪さでも通っていたフランシスコ。すれ違った女性職員に声をかけナンパして、断られると逆ギレ。職員の上司がこれを注意しに行くと「あの女が俺を誘惑してきた」と言う始末
  • 「野球選手じゃない」発言再び
    その後、交流戦前に記者から「DHフランシスコ」について尋ねられた原監督は「フランシスコ?野球選手じゃないでしょ。野球選手になってからじゃないと話にならない」とダメ出し。
     

フランシスコ事変(サヨナラインフィールドフライ)

2015年5月4日での対広島戦で発生した珍事。
9回裏1死満塁の場面で広島のバッター・小窪哲也は投捕間の内野フライを打ち上げ、これに対して二塁塁審と三塁塁審がインフィールドフライを宣告。この時点で打球がファウルにならない限りバッターアウトは成立しているが、捕球を試みた三塁・村田修一(現巨人ファームコーチ)と一塁・フランシスコがフライをお見合いし落球。これに対し、各審判はインフィールドフライのジャッジを示し、走者はフォースの状態ではないから塁に留まるのがセオリーである。

ところが、村田が打球に触れたと判断*7し、なおかつこの時点でインフィールドフライを把握していなかった球審の福家英登(ふけ・ひでと)は、インフィールドフライの宣告をすることなくフェアジャッジ。また、三塁塁審のインフィールドフライ宣言をグラウンド上の誰よりも間近で聞いていたはずの三塁ランナー・野間峻祥何故かホームへ全力疾走*8

フランシスコは村田が落球したボールをすぐさま拾ったが、インフィールドフライが宣告されていることに気付いていないのか、野間にタッチするのではなくホームベースへの触塁を選択。福家はこれをフォースプレーと判断して自信満々のアウトコール。そして、フランシスコが一塁送球の構えを見せる間に全力でホームに突入していた野間はホームベースを踏むが、福家はこれも完全にスルー

しかし、インフィールドフライが宣告されているためフォースの状態は解除されており、フォースアウトは成立しない。三塁ランナーの野間に直接タッチしていないため、広島サイドの抗議を受けて判定が覆りセーフ。広島はなんとも珍しいサヨナラ勝ちを決めた。

球審の福家*9、野間*10、フランシスコ*11の三方がアレだったこと*12からこそ成立した劇的な珍プレーであるといえる。

ちなみに、1991年6月5日の横浜大洋ホエールズ対広島東洋カープ戦でも似たようなケース*13が発生しており、緒方孝市監督は選手としてこの珍しいケースを目撃、また三塁コーチャーだった石井琢朗(当時は忠徳)*14も大洋ベンチにいたためこのケースを熟知していた可能性が高く、審判への抗議がスムーズに行えたと言えるだろう*15

ただし「インフィールドフライ落球後はタッチプレーをしなければいけない」という事項は意外と見落とされがちで1991年のプレー当事者だった達川光男や当時の広島監督だった山本浩二もこの時は訳が分からず抗議に及んだが審判団から説明を受けてようやく納得している。掛布雅之もかつて同様のケースに遭遇したことがあり同僚から言われて気づいたとインタビューで述べている。
余談だが、インフィールドフライ宣告を見落として混乱を招いた福家球審は、翌々日の同カードで三塁審として出場。インフィールドフライの宣告を求められる場面が発生し、反省したのか大声かつ大きなリアクションで宣告して現地のファンとなんJ民から笑いを呼んだ。だがやはり審判部はお怒りで、翌カード以降懲罰降格、後半戦が始まるあたりまで2軍戦を担当することになった。

その後のフランシスコ

6月に入ると背中の張りで別調整、7月中旬に腰痛治療のために一時帰国しこのまま離脱と思いきやまさかの再来日。しかし2軍暮らしでこのシーズンを終えクビになった。

こうして「ドミニカに帰れ、デブ!」など罵声を受けまくった2015年を代表する迷外国人選手は日本を去った。原沢GMのクビが飛んだことやフランシスコが起こした数々のやらかしや騒動をまとめて「フランシスコ事件」と言う人もいる。

ちなみにこれだけのことをやらかしながら蔑称は先述の報知が用いた「守乱シスコ」や、なんJを始めとしたネット上でもあまり浸透しなかった「不安・フランシスコ」程度で、むしろ「フランシスコ」という名前そのものが蔑称かのように扱われる(当時としては)珍しいケースとなった。

一方で、当時を知る巨人ファンの中からは「本来のポジションじゃないのに守らせてたのがアホ*16」「三塁では好守もあった*17」「来日してすぐに出場させたのが悪い*18」など、貧打から破綻していたチーム状況を勘案した上での擁護意見も一定度あり、二軍落ちから一度も昇格せず塩漬けにされていたことについても同情を買っている。

さらにその後

他に類を見ないハズレ助っ人の存在も忘れかけていた9月30日、巨人で野球賭博が発覚笠原将生、福田聡志、松本竜也、高木京介*19と4人もの投手が処罰される事態となった。

この際に「巨人の二軍選手がロッカールームで賭け事を行うことが常態化していた」と報道されたことで、上記の若手無視やロッカールーム籠城についてはフランシスコなりの賭博へ対する抗議や妨害のためだったのでは?といった説がまことしやかに囁かれるようになり、一見すると傍若無人に見えたフランシスコの言動が「男フランシスコ、異国の地で無言の抗議」「音楽で賭博を妨害する聖人」「これは聖・フランシスコ」といった具合に皮肉を交わす流れとなった。

そんなこんなでNPBでは散々だったフランシスコだが2017年12月17日にはドミニカ・ウィンターリーグで通算62本目の本塁打を放ち、通算本塁打数のリーグ記録を塗り替えた。現在も記録は破られていない。

関連項目



Tag: 巨人 広島 ルール 絶許 審判


*1 NPB時代の表記はホアン・フランシスコ。
*2 成績はフランシスコ同様悪いが、フランシスコとは対称的に人格が非常の良いぐう聖な元巨人の助っ人外人。
*3 ただし10失点した直接の原因は先発杉内俊哉の大乱調である。
*4 尚、2017年においても成績不振のため当時の堤辰佳GMが解任されている。
*5 元々から太りやすい体質であり、ブレーブス時代にブライアン・マッキャンにその事をネタにされていたと言われている。
*6 なお「風俗で遊んでいた」という情報もあるが、このソースはサイゾーであることから信憑性には疑問がある。
*7 フランシスコが捕球態勢に入っていたが直前で放棄し反射的に村田が打球に反応。このため理不尽にも村田にエラーが記録された。
*8 後に自身のTwitterで「主審フェアーってゆったらいくでしょ」「インフィールドってゆってたらいかないし」(どちらも原文ママ)と発言しているが、野間が飛び出したのはフェアコールがされる直前である。
*9 選手を混乱させてしまう判定をする時点で論外だが、後に「もっとわかりやすく説明するべきだった」と、さもインフィールドフライを把握していたかのような発言をしている。
*10 三塁塁審の掛け声が小さかったからでは?との意見もあるが、野間よりもやや離れた位置にいた石井琢朗三塁コーチャーはインフィールドフライの宣告をきちんと把握している。
*11 バッターアウトは成立しているために一塁送球は無意味な行動だが、フランシスコがインフィールドフライ宣言を把握せず内野フライの落球→フェアプレーだと判断していたのであれば一応セオリー通りのプレーである。
*12 フランシスコばかりか村田もルールをわかってなかった可能性を指摘する声もあり、そうなるとフランシスコ・村田・野間・福家の四人四様で発生したプレーと言える。
*13 大洋・清水義之のインフィールドフライを広島・達川光男が落球。その後、達川がタッチプレーをしなかったことで三塁走者の生還が認められた。
*14 91年当時は投手。登録名を本名の忠徳から変更したのは打者転向した翌92年から
*15 ちなみにこの試合を受けて、広島は「知ってたもん勝ち」と書かれたTシャツを発売した。
*16 MLBでは主に三塁手であり、一塁はほとんど守っていなかった。
*17 一件の翌日である5月5日の広島戦では村田に代わって三塁守備に入ったが、弱いゴロをベアハンドキャッチから一塁送球するなどなかなかいい動きをしていた。一方でMLBではセイバー面でいい評価を受けていなかったものの、2017年加入のケーシー・マギーもMLBの低評価からNPBでUZRが+判定に変わった事象があるため、一概に下手とは言えない。
*18 入団発表が4月21日、来日・会見が同23日で、二軍調整ののち初出場は5月2日。よっておおよそ9日で出場するという超短スパンである。同年7月にはアレックス・カステヤーノス契約発表からわずか6日で一軍出場というとんでもないケースもあったため、この件では巨人の瑕疵を強く弾劾されることも多い。
*19 2018年に支配下登録に復帰。