ピカチュウ

Last-modified: 2023-11-13 (月) 12:09:48

原作『ポケットモンスター』の解説はポケモントレーナーのページを参照。


キャラクターについて


 もはや知らない人はいないであろう、世界的人気を誇る電気ネズミ。1996年のゲームボーイ向けソフト『ポケットモンスター赤・緑』で初登場した。「ポケモンを知らない人やそもそもゲーム自体をやらない人にもピカチュウは通じる」という辺りに知名度の高さがうかがえる。ミッキーマウスに次いで「世界で二番目に有名なネズミ」とも呼ばれる。
 『ポケモン』シリーズの顔であり、20年以上トップシーンを走り続けるゲーム(コンテンツ)業界屈指のスター。名探偵になったり、巨大化したりと活躍の場を更に広げているようだ。特にアニメ版主人公サトシの相棒として抜擢され、同アニメが終了する2023年3月までの20年以上を一気に駆け抜けてきたことは特筆すべきことであり、マスコット界隈の大スターといっても過言ではない。

 発売当初からある程度人気があったのは事実ではあるが、最初から今みたいな感じだったわけではない。発売当初、アイドル的人気があったのは実はピッピの方であった*1
 人気の火付け役となったアニメで、最初に使うポケモンとして選ばれたのは「最初の三つのポケモン(御三家)の中から一頭選ぶのは(視聴者にとって)不公平で可哀想」「電撃を使うのはアニメとしての演出的にも良い」であり、これらの条件を満たし、一定の人気を集めていたピカチュウに白羽の矢が立ったのである。もし、こうした配慮がされていなかったら、今でも一介のポケモンとして扱われていたかもしれない。

 原作ゲームではほぼ何かしらの手段で入手出来るポケモン。進化前なのでステータスは物足りなく、基本的にはライチュウという進化形態での運用がされる…というポケモンである。*2
 なお、ピカチュウの人気にあやかって、『ポケモン』シリーズでは新作が出る度にピカチュウによく似た電気ネズミの新ポケモンが必ず登場するのがお約束になっている。ピチューとか、『スマブラ』にも出てるデデンネやトゲデマルとかもその例である*3

CVはほぼ全ての言語版で共通して大谷育江氏が担当している。当初はセリフも考えられていたようだが、氏が見事に鳴き声だけで感情表現を行っていたため、現在のような形になったらしい。ピカチュウのあの可愛らしい鳴き声は全世界共通認識なのだ。

 完全に余談だが、昔のピカチュウはもっとぽっちゃり&丸っこい姿をしていた。『スマブラ』でも最初はこのデザインに準拠し、『DX』『X』でも徐々に引き締まりつつ路線が引き継がれ、『for』でようやく現行デザインに一新された。


『スマブラ』シリーズにおけるピカチュウ


 『初代64版』から出演している皆勤賞。ソフト表紙でも皆勤賞であり、『forWiiU』ではサムスと共に真ん中に配置されていた(サムスが上、ピカチュウが下)
 こう見えて、当時は一番若い作品の新参ファイターであり、『赤・緑』から発売から約三年で、プリンも含め二体も参戦出来たのも、(プリンは限られた容量内でモデル流用によりキャラをさらに増やせるという事情もあったが)当時のポケモン人気の高さの現れとも言える。
 以降、『ポケモン』シリーズからは最新作に至るまで毎回新ファイターが登場し続けている*4


性能評価


概ねどの作品でも初心者から上級者まで扱いやすい性能を持っている。
フォックスに負けず劣らず、弱キャラとして辛酸をなめたことはないエリートである。

前作『for』から強化された面が多いが、発売初期はあまり注目を集めていなかった。理由はほぼ上位互換ともいえる存在だったピチューがいたからである。
ver3.1.0でピチューに大幅な弱体化が施されたことや、ゲーム性が煮詰まり、全キャラの火力向上から拒否性能の高さを評価され、今作でも強キャラとして君臨している。

  • 長所
    ・ステップやダッシュなど機動力に優れる。
    ・技の発生や後隙がよい。かみ合わせもよく、しっかりコンボを完走できれば火力も高くなる。
    ・多段ヒット技が多く、ガード漏れに刺さったりジャスガを取りにくかったりとガードに対しても強気に技を振れる。
    ・扱いやすい飛び道具を持ち、相手を動かす能力が高い。
    ・体が小さく攻撃を食らいにくい。あらゆる場面で姿勢が低い*5ため、高打点技ばかりのキャラはそもそも差し込み、反撃の機会が極端に少なくなる。ガノンとか
    ・復帰性能が高い。それを活かした復帰阻止性能もまた高い。
    ・でんこうせっか(上B)の移動自由度が極めて高い。これを活かした拒否行動も強く、上手く立ち回れば体重の軽さをカバーして粘り強く戦える。
    • 移動の自由度が極めて高いため、この技を見てからリスクを付けるのは至難の技。いつ石火を出すのか、どこにどのように移動するのか、など「人読み」を行わなければならない。
    • そもそもこの技を出されてから動いてもとても追いつけない低機動力のキャラには、間合い管理の主導権を常に握ることができる。ガノンとか
       
  • 短所
    ・技のリーチが短い。
    ・技の単発火力は低い。火力を伸ばすためにはずらしに対応しながらコンボを完走する必要がある。また技のカチ合いの際、多段ヒット技などは一発ごとのダメージも極端に低いため相殺すら起こらず一方的に負けることも多い。さらに連続で同じ技を振る必要があるのでOP相殺の影響をモロに受ける。
    ・技の判定が弱いので、カチ合いになると負けやすい。
    ・体重が軽く、撃墜されやすい。
    ・直接的な撃墜手段に乏しい。復帰阻止や大技が通らなければDAなどで寿命バーストを狙うしかなくなる。
    ・崖つかまりの姿勢がよくなく、頭が出やすい。崖つかまり非無敵2Fを狩られやすい部類。
    • 以上5点が合わさり、バ難になった際相手に逆転を許してしまいがち。パワーとリーチに優れる魔王様相手なら尚更。
    • 使い手も崖姿勢の悪さを認識しており、復帰の際に崖つかまりを避けて崖上に石火しようとする傾向が強い。
      ・地上の移動性能と比較すると、空中の横移動は遅め。空中で的確に技を置いてくる相手に対しては強く出れない。

火力をコンボで伸ばしてくるキャラクターのため、暴れ性能に乏しい魔王では一度まとわりつかれると一気に火力を稼がれる。
相手の攻撃は速く、一度コンボを始動された場合は反撃を諦め、ひたすらずらしとジャンプor回避に専念すべき。
立ち回りではでんげき(NB)をジャンプでよけながら空Nの壁を作って接近阻止を狙う。
浮かせた後は積極的に追撃して良いが、でんこうせっかでの拒否が強いため場合によっては地上で様子見もあり。
復帰阻止にも要注意。とにかく復帰の自由度が高いため、どんなルートからでも復帰阻止が狙える。
高度に余裕があるときは空上や空Nを置いてから復帰を心掛けたい。判定は強くないため追い払える。


要注意技 解説


 
  • DA(ジャンプずつき)
    撃墜技。差し込み手段であるDAで撃墜できるのはかなりの強みで、%稼ぎには困らないピカチュウにとっては
    なかなか撃墜できなくても最後にDAで差し込めば勝てる、という心理状態で戦える。
    150%を超えたあたりからは中距離の不用意な技置きは危険。後隙は長いため空振りは逃さないように。ガードされてもめくることはない。
    ただし、ガード硬直とノックバックが異様に長く、ガード時の反撃のタイミングや種類には注意。具体的にいうと不利Fは11fほどしかなく、反応が遅れれば魔王側の確反は無い。常に意識を尖らせておこう。
 
  • 上強(しっぽアタック)
    コンボ始動技にしてお手玉技。低%でヒットするとコンボ耐性0のおじさんには当然の如く無限お手玉編が始まる。さらにここから空Nや空上、空前などありとあらゆる技が繋がり、火力を稼がれる。
    ピカチュウがめくって着地した時や、密着している時は特に気をつけたい技。当たったら全力で回避・ずらしを徹底するべし。
 
  • 下強(あしばらい)
    地面を尻尾で振り払う。低%だと一定確率で転倒させられるので、あらゆる技が確定する。中%ならばDAが確定。高%だと今度はダウン・受け身展開になる、とコンボ始動や展開作りの起点として非常に優秀な技。
    回転率も良く、姿勢が低くなるのでガードしてしまった場合の反撃は諦めるべき。
 
  • 横スマ(ショートでんげき)
    撃墜技。ピカチュウの技としては発生が遅いが、後隙が短く置き技として使われる。
    ガード硬直差は-12Fが最長のため、魔王はガードしても良いことがない。発生が見えても近づかない方が良い。
    崖から出すと電撃部分が崖からはみ出すため復帰阻止でも使える。横B復帰で欲張ると返り討ちにあう。
 
  • 空N(ピカチュウショック)
    前作から一新された技。ミュウツーの空Nのような技で、自身の周囲を電撃で覆う多段技。
    発生の速さ(3F)からガーキャン行動としても強いが、この技の真価はコンボ性能にある。
    途中で急降下を入れることにより相手を地上に引きずりおろし、更に掴みや上強で浮かせて・・・とコンボパーツとしてとても強い。
    食らってしまったらお祈りしながらずらしと回避連打しておこう。
    高%でも空N着地→上スマでバースト手段となる。降り空Nは絶対にもらわないように。
 
  • 空前(でんげきドリル)
    低%で食らってしまうと連続で入り、崖外まで運送され最悪そのままバーストされる。
    掴みと並んで序盤に食らってはいけない技である。もし食らったら全力で外上ずらし&回避連打。
    間違っても攻撃で割り込もうとしてはいけない。
    着地姿勢が非常に低いのも厄介。ガーキャン掴みなどが姿勢避けされてしまうこともザラ。引き行動からの反撃を行う方が良い。
 
  • 空後(グライダー)
    この技も低%で食らうと連続で入ってしまう。空前より危険度は低いが注意。最終段でふっとばすようになったため、
    復帰阻止で空前ともども意識しなくてはならなくなった。魔王では先に空上空Nを置いておくぐらいしか対抗手段がない。
    序盤では3-5連ほど喰らう。完走時のダメージは30%前後と意外に大したことないが、空前同様ダメージよりもラインを一気に押されるのが魔王にとっては脅威。そのまま阻止展開となり、下手にジャンプするとそれを潰されそのまま帰れない…なんてことはザラ。
    これまた着地姿勢が冗談みたいに低いので、ガーキャン掴み等はまず入らないと考えて良い。着地隙自体はあるので、引いて差し返すのがベター。ガードした場合は読み合いだが仕切り直すと考えるのが無難。
 
  • 空下(でんげきスクリュー)
    メテオ技になったため、これも復帰阻止で強力な性能をほこる。地上でも魔王よろしくホッピングが可能かつ、
    急降下をいれる/いれないで着地時の判定を出す/出さないの読み合いもできる。
 
  • 掴み
    超優秀なコンボ始動パーツ。序盤で食らうと悲惨なことになる。序盤はガードより回避を多めにした方がよい。
    上投げは200%を超えてくると直接バーストが可能。また上投げ→かみなりも左右ずらしをしないと確定。
    どちらも要注意。
 
  • NB(でんげき)
    地を這う飛び道具。基本的にガードはNG。弾と一緒に走ることができるため、ガードしてもそのまま掴み確定の場面が存在する。
    必ずジャンプでかわすか、マリオのNB同様にこちらも技を被せて本体ごと潰そう。
    崖が壁上になるステージでは崖を這ってくるため魔王の復帰にとても邪魔となる。カロスなどはそもそも選ばないようにしたい。一度引っかかってしまった場合は事故に注意。
 
  • 上B(でんこうせっか)
    一瞬のため動作の後、高速で2回まで方向を変えて移動する。移動中には攻撃判定もある。
    前作まであった移動中の当たり判定の拡大がなくなり、拒否行動としてめちゃくちゃ強くなった。
    立ち回りでもこの技で突然差し込んでくることもある。その自由度の高さから完全にルートを読み切るのは不可能だが、
    判定自体はとても弱いためとりあえず見えたら空Nなどを振ってみるなどをしてみよう。
 
  • 下B(かみなり)
    雷雲にメテオ判定、落雷は強力なバースト力がある。ピカチュウに下を取られた場合は真っ先に警戒すべき技。
    落雷時に体が浮くため、崖外で出しても比較的安全に帰れる。こちらの復帰時におもむろに下に潜りだすピカチュウはまずこれを狙っている。
    雷の発生に気づいてからでは遅いため、縦軸を合わさないよう復帰するように。
    ジャンプ直後に出すと普通よりも高く飛べる。これを冷静に利用してくる場合、魔王さまの横B道連れからも余裕で帰ってくるようになる。錬度の高いピカチュウ使いには道連れを止めるように。

*1 完全に余談になるが、当のピッピの方はコロコロコミックを中心としたメディア展開の結果、当時の小学生男子に『よくばりで下ネタの多い芸人』のような認識をされてしまうことになり、アイドル展開の道がやりにくくなったというエピソードがある。
*2 専用のアイテムがあるので、それを使う場合はピカチュウで運用される。もっとも紙耐久なので基本ロマン枠。
*3 実は『スマブラX』のデータ解析で「pra_mai」なる没データが発見されており、名前からしてプラスル&マイナンが参戦する予定があったのかもしれない。
*4 登場以来、毎回増え続けているのは『マリオ』シリーズと『ポケモン』シリーズだけである。数は据え置きでも新ファイターが登場するのを含めるのなら『ファイアーエムブレム』シリーズも入る。
*5 特に空中攻撃の着地モーションはさながらギャグ漫画のような潰れ方をしており、ほぼ下段技しか当たらない。