アドミラル・ヒッパー級重巡洋艦3番艦 プリンツ・オイゲン

ドイツ海軍の中で数々の有名な海戦に参加し大きな戦果を上げつつも今もなおビキニ環礁での実験後曳航中に転覆した船体が水上から見られるという幸運艦であり武勲艦である。元となった「アドミラル・ヒッパー」と比べると、艦首の形状が異なりよりスマートになっている。

効果:主砲射程+4%、魚雷射程+4%、最大転舵速度+4%、海面発見距離-4%、EXPアップ+40%、シルバーアップ+40%
効果はヒストリカル迷彩と同じ。
Ver.7.0で小口径対空値が101から151に増加。
性能諸元
基本性能
※アップグレード済み、装備、迷彩、エリートなし
| 国 | ドイツ | |
|---|---|---|
| 艦種 | 巡洋艦 | |
| Tier | 8 | |
| 生存性 | 継戦能力 | 34220 |
| 抗堪性 | ・防郭防御12.50% ・火災浸水耐性12.50% ・装甲10.50% ・対水雷防御12% | |
| 主砲射程 | 11.90km | |
| 機動性 | 最大速力 | 32.23ノット[kt] |
| 最大出力への到着時間 | 17.36秒 | |
| 転舵速度 | 6.60度/秒 | |
| 転舵所要時間 | 9.60秒 | |
| 隠蔽性 | 9km | |
・兵装
| 主兵装 | 口径,搭載基数×門数 | 最大ダメージ(火災率)(防郭率) | 装填時間 | 砲塔旋回速度 |
|---|---|---|---|---|
| 203mm L/60 SK C/34, 4基×2門 | HE弾 590(6%) AP弾 991(200%) | 10秒 | 9度/秒 |
| 魚雷 | 口径,搭載基数×門数(片舷指向門数) | 射程 | 雷速 | 最大ダメージ | 装填時間 | 浸水率 | 魚雷管旋回速度 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 533mm, 4基×3門(6門) | 5.40km | 62.52kt | 3186 | 40秒 | 11% | 16度/秒 |
| 対空砲 | 種類 | 平均ダメージ | 射程 |
|---|---|---|---|
| 大口径 小口径 | 184 151 | 3.30km 1.80km |
・艦艇スキル
| 種類 | 効果 | 持続時間 | クールタイム | 使用可能回数 |
|---|---|---|---|---|
| ソナーⅡ | 4.5㎞以内の敵艦や魚雷を全て発見する | 25秒間 | 90秒 | 3回 |
| 精密照準装置Ⅰ | 砲撃精度+25% | 20秒間 | 75秒 | 2回 |
| 対空警戒Ⅰ | 大口径対空砲ダメージ+75%、小口径対空砲ダメージ+75% | 30秒間 | 75秒 | 2回 |
- HPが28,800から29,200に増加
- 転舵時間が10.2秒から9.6秒に短縮
ゲーム内説明
アドミラル・ヒッパー級のひとつで、1930年代で最も力強い重巡洋艦のひとつでもある。第二次世界大戦では強力な対空砲と、改良型の火器管制装置を搭載された。
解説
ツリー艦のアドミラル・ヒッパーの艦艇スキル「精密照準装置Ⅰ」の使用回数を減らし、その替わりにドイツ巡洋艦の共通の弱点である対空能力の低さを補うべく若干の小口径対空の増加と「対空警戒Ⅰ」を追加。これにより艦艇スキルを3つ保持する事になったため基本性能を若干下げてバランスを取った艦である。
具体的には
①HPが34456から34220に低下
②転舵所要時間が9.30秒から9.60に低下
③主砲射程が12.03kmから11.90に低下
④海面発見距離が8.70kmから9に低下
と、カタログスペック上は悪化している。
基となった「アドミラル・ヒッパー」は対巡洋艦の能力に磨きをかけ単発火力と貫通力にパラメーターを割り振った結果、砲数や総火力といった判り易い部分では他国同格に劣っており扱いがやや難しい類であった。本艦はその派生型として弱点である対空をカバーしたタイプ。ところがこの方向性があまり有効に働かず、その癖に基本性能が劣化している事から万人にはお勧めしにくい。以前は劣化した課金艦だの陰口を叩かれていたが、コレクションブック「ライン演習作戦」の必要条件となったので艦の性能以外の部分において所有するだけの価値が生まれた。また本艦は用意された迷彩の数が豊富でプレイスタイルに合わせて強化したい部分を選んだり、単純に見た目で選ぶことも可能となっている。
この船を買おうと思っているそこのあなた。最低でも通常ツリーの巡洋艦をティア7までは進めて、ある程度勝てるまでに技量を高めてからにしてください。それでもドイツ巡洋艦は癖が強いので、可能であれば通常ツリーの「アドミラル・ヒッパー」を設計図をフル強化した上でティア8戦場で扱ってみてからが良いでしょう。このゲームは「初心者がいきなり課金して高ティアの艦を購入しただけ」で勝てる程甘くはありません。高ティアには相応の古強者がひしめいており、その様な猛者が集う戦場に知識も経験も無しに乗り込んでも何の活躍もできずに港に還るのがオチです。
・主砲 203mm L/60 SK C/34 連装砲
203mm砲を連装で4基、計8門搭載。砲配置は艦首側に2基4門、艦尾側に2基4門という基本的な形。砲射程こそ平均的であるものの、8門の砲を搭載した艦の中では装填時間が10秒と短く、砲旋回も素で9度/秒とそこそこ優秀。AP弾ダメージは1発1000近くのダメージがあるので非常に強力。さらに貫通力も高めで対巡洋艦において有効なだけでなく、対戦艦においても距離によってはバイタルを貫通できる場合もある。反面HE弾ダメージは600に満たず、8門搭載の他国同格の中では最低の威力。さらに発火率も高いとは言えないため、砲の少なさも相まってダメージが出せずに火災発生の確率も低い。近距離の対駆逐戦闘においてはAP弾だと過貫通が発生しカスダメになってしまう事からHE弾を装填するのが一般的だが…現状の仕様ではAP弾でも命中箇所によってはきちんとダメージを出せるケースもある為、ある程度対抗可能であり無理してHE弾を装填しないという作戦もアリだろう(転舵読みや偏差射撃の腕がモノを言うので自分自身で試してみて欲しい)。なお、本艦は後述する舵の重さから敵弾・魚雷をヒラリヒラリと回避する運用には向いていない。よってなるべく敵とは距離を取って射撃戦を展開し、脅威度の高い敵駆逐に対しては味方と共同で当たるように心がけたい。
ちなみに余談だが、同型艦であるヒッパーと比べて第三砲塔の射角が改善されている。なので無理なく斉射出来るだろう。(元のヒッパーは第四砲塔の射角と第三砲塔の射角が異なり、防御姿勢を取ると3基しか撃てない。)
・魚雷 533mm G7a T1
射程は短く雷速も遅いが、射角が広く、また雷数が多い特長を持つ。
61cm魚雷をバカスカ撃ってくる日本巡洋艦と比べれば物足りないかもしれないが気がついたら近くに敵が…という時の切り札になる。
駆逐艦相手の牽制にも使用できる。汎用性が高いので使うタイミングを考えよう
・対空
素の対空値は335とドイツ巡洋艦らしく控えめ。しかし本艦は艦艇スキルの「対空警戒Ⅰ」を備えているので時間制限アリとはいえ対空値の上乗せが可能である。スキル使用中は大口径対空砲ダメージは322、小口径対空砲ダメージは264とそれなりに派手に対空砲を撃ち上げる事が可能。ところが肝心の大口径対空砲の射程が素で3.3kmとやや短く、艦隊の対空支援能力としては他国同格に比べてイマイチである。また、同格空母以上の艦載機に狙われて波状攻撃を受けた場合は単艦や弱対空艦との連携では対抗できない。このため試合開始時に敵空母の有無を確認し、敵空母の種類によっては対空戦闘が強そうな艦と一緒に行動する等、立ち回りを考えよう。
なお本艦は対空警戒Ⅰを艤装され、アドミラル・ヒッパー級の高対空仕様という立ち位置ではあるが、同郷同格のマインツやシルに対空値では劣ることを付記しておく(ちなみに前述の2隻は高対空艦ではない)。
・装甲
船体はそこそこ被弾面積が狭く、体力も多めで使いやすい。装甲自体は戦艦の砲撃には基本的に無力である。システムが本家と違ってがばがばなので正面向いていても抜かれたり側面を向いていてもはじいたりする。装甲に頼るよりも、弾を避けるほうが確実だろう。
・機動性
前述のようにネームシップから転舵所要時間が悪化しており、数値上は2番艦と全く変わらない。
最高速度は少々物足りないが、これを伸ばすよりは旋回を補いたい。旋回を装備品などで補うと、かなりくるくる回れるようになるが、戦艦の弾を中距離で避けるには物足りない。機動性は高くないことを頭においておくことが必要だろう。なお、砲塔旋回も一緒に上げておくことで、かなり使い勝手は向上する。
・隠蔽性
悪い。ただ、駆逐に一方的に視認されても、ソナーで魚雷自体はよけられることが多いので大した問題ではない。
・生存性
上述のような機動力、装甲により、巡洋艦の中では高い部類だといえるだろう。とはいえ、対戦艦では油断すれば大ダメージをもらうことには変わりないため、相手戦艦の位置には常に気を配ろう。
・消耗品
艦の長所を活かすなら高級船員食料、改良型ディーゼルエンジン、予防整備パックを推奨。
・艦艇スキル/艦長スキル
ドイツ巡洋艦お馴染みの「ソナーⅡ」を3回、「精密照準装置Ⅰ」を2回、そして「対空警戒Ⅰ」を2回使用可能。
艦長スキルはツリー巡洋艦の艦長をそのまま流用しても良いが、変更されたスキルを活かすのであれば専用艦長を配属し、LV4で「対空防御専門家」を取得したい。高tierツリー艦用の艦長はLV2で「戦場支援」を取得していないと思われるが、本艦の場合は対空警戒の数を増やすという意味で選択するのもアリだろう。また同様の理由でLV5で「超火力」を取得していない艦長も多いだろうが、本艦の場合は取得してようやく回数が標準に戻る。このため取得を推奨したい。一方で、LV7で「精密照準」を取得するかどうかは人によると思うので各人の考え方に従って決めて欲しい。
・装備
・兵装 主砲改良Ⅰ
・防御 転舵装置改良Ⅰ
・適正 転舵装置改良Ⅱ
※操舵装置改良Ⅰ・Ⅱの併用を基本として推奨するが、プレイスタイルに合わせて自分に合ったチューニングを施して欲しい。
・エリート艦艇特性
・新型砲塔 主砲旋回速度+20%
・改修済主装甲帯 装甲防御+5%、防郭防御+10%
・功績 EXPアップ+10%
・総論
元になった「アドミラル・ヒッパー」自体が、環境的にしわ寄せが来て強みを発揮しにくい艦となっている。本艦はその性能をやや劣化させ、スキル構成を変更した艦だが…変更したスキル構成自体が「元々対空を重視していないドイツ巡洋艦の対空をチョイ増しした程度」に過ぎず、強みになっていない。その上で元のドイツ重巡洋艦自体が対巡洋艦に能力を尖らせすぎた結果、対駆逐戦闘においては高度な間合いの取り方を強要されたり、非力なHE弾を使用すると処理に時間が掛かるという玄人仕様。当然、重巡砲で戦艦を相手取った際の攻撃力不足はそのままに、こちらが優位を取れる筈の隠蔽や機動力といった面でも劣化した部分をプレーヤーが腕で補ってやる必要があるため、運用においては「アドミラル・ヒッパー」よりも難易度がやや高くなっている。
つまりは強い艦を求める艦長向けではなく、通常艦では試合が退屈でよりスリルや高難易度を求めるというガチ勢向けの艦となっている。確かに対砲戦型巡洋艦という意味では強いが、このティア帯ではそもそも砲戦型巡洋艦に乗っているプレーヤーが相対的に少ない。つまり狩るつもりで乗っても自分は狩られる側になってしまうというオチである。環境的・艦の特性的に相当に繊細な運用を求められるので、それに耐えられる・それに喜びを感じられる艦長以外にはお勧めできない。とはいえ、冒頭にも書いたがコレクションブックの対象となったので、コレクションするだけなら普通の艦長でも安心して保持できるだろう。
戦闘名誉章
| レベル | 1 | 2 |
|---|---|---|
| 報酬 | アルティメットシルバーブースター×2 アルティメットEXPスーパーブースター×2 シルバー250k | スティール4 |
| ミッション内容 | 10戦プレイ | 一戦中に巡洋艦2隻撃沈 |
史実
1935年11月16日発注。1936年4月23日にキールのクルップ・ゲルマーニア造船所で起工。1938年8月22日に進水。その後1939年9月に第二次世界大戦が勃発し、ドイツはイギリスやフランスとの間で開戦し、就役前の1940年7月1日に、キールでイギリス空軍機による爆撃を受け軽微な損害を受ける。1940年8月1日就役。
ライン演習作戦
1941年5月、プリンツ・オイゲンは戦艦ビスマルクと共にライン演習作戦に参加する。18日、ゴーテンハーフェンを出撃、スカゲラク海峡を通って北海に出る。24日、2隻はデンマーク海峡でイギリス海軍の巡洋戦艦フッドと戦艦プリンス・オブ・ウェールズと交戦する。フッドはビスマルクの砲撃で爆沈し、プリンツ・オイゲンもプリンス・オブ・ウェールズに命中弾を与えた。その後、プリンツ・オイゲンはビスマルクと別れる。
6月1日、駆逐艦フリードリヒ・イン、ブルーノ・ハイネマン、エーリッヒ・シュタインブリンクに護衛されてブレストに入港した。7月2日、空襲で被弾。
ツェルベルス作戦
1942年2月、シャルンホルスト、グナイゼナウ、プリンツ・オイゲンをブレストからドイツ本国に帰還させるというツェルベルス作戦が実行された。この作戦は、フランスのブレストからドイツのブルンスビュッテルまで、ドーバー海峡というイギリスの目の前を通過するという作戦だった。
3隻は2月11日の夜にブレストを出航した。2月12日、ドイツ艦隊はイギリス駆逐艦の攻撃を受けた。この戦闘でプリンツ・オイゲンとグナイゼナウはイギリスの駆逐艦ウースターを大破させた。なお、この時シャルンホルストは触雷のため、2隻とは離れていた。2月13日、プリンツ・オイゲンは無事にドイツに到着した。
ノルウェーとバルト海
プリンツ・オイゲンのスクリュー。キール近郊のラーボエにあるラーボエ海軍記念碑のそばに置かれている
1942年2月21日、プリンツ・オイゲンと重巡洋艦アドミラル・シェーア、駆逐艦リヒャルト・バイツェン、パウル・ヤコビ、ヘルマン・シェーマン、フリードリヒ・インはノルウェーへ向かった[1]。Grimstadfjordに短時間立ち寄り、それからトロンハイムへ向かった。2日後、Trondheimsfjord沖を航行中にイギリス潜水艦トライデントがプリンツ・オイゲンを雷撃。艦尾に命中した魚雷によりプリンツ・オイゲンは大きな損害を受け操艦不能に陥った。プリンツ・オイゲンはLofjordへと曳航され、そこで数ヶ月にわたって修理が行われた。艦尾はすべて切り取られ、板で覆われて手動の舵が備え付けられた。
5月16日、プリンツ・オイゲンは自力でドイツへ向け出発した。キールへの航海中、イギリスの爆撃機19機と雷撃機27機がプリンツ・オイゲンを攻撃したが命中弾は無かった。10月まで修理のため戦列をはなれ、10月27日に公試を開始した。それから2ヶ月間はバルト海での訓練に費やされた。1943年1月初め、ドイツ海軍はノルウェーに展開する部隊への増援としてプリンツ・オイゲンにノルウェーへ戻るよう命じた。1月中に2度プリンツ・オイゲンはシャルンホルストとともにノルウェーへ向かおうとしたが、イギリス軍機に発見されたため引き返した。ノルウェーへの移動が不可能であることがあきらかとなると、プリンツ・オイゲンは練習艦隊に配属された。9ヶ月間、プリンツ・オイゲンはバルト海で士官候補生の訓練に使用された。
東部戦線においてソ連軍がドイツ軍を押し戻し始めると、プリンツ・オイゲンを砲術支援艦とする必要が生じた。そのため、1943年10月1日にプリンツ・オイゲンは戦闘任務に復帰した。1944年6月、プリンツ・オイゲンと重巡洋艦リュッツオウ、第6駆逐隊は第2任務部隊を編成し、それは後にティーレ任務部隊(Thiele Task Force)と改称された。8月19・20日、プリンツ・オイゲンはリガ湾に入り、トゥクムスを砲撃した。4隻の駆逐艦がプリンツ・オイゲンの搭載機Ar 196とともにそれを援護した。プリンツ・オイゲンによる砲撃はソ連軍の撃退に効果があった。
9月初め、プリンツ・オイゲンは要塞島、ゴーグラント島攻略作戦を支援したが、作戦は失敗に終わった。それからプリンツ・オイゲンはゴーテンハーフェンに戻り、フィンランドから脱出するドイツ軍を運ぶ船団を護衛した。6隻の貨物船からなる船団は9月15日にボスニア湾から出発し、第2任務部隊の全戦力がそれを護衛した。スウェーデン軍の航空機と駆逐艦が船団を追跡したが、妨害はしなかった。翌月、プリンツ・オイゲンは砲撃支援任務に戻った。10月11・12日、メーメルのドイツ軍に対する支援砲撃を実施。2日間にわたる砲撃で約700発の主砲弾を発射した。弾薬の補給後、再び砲撃に戻り、14日と15日にさらに主砲弾370発を発射した。
ゴーテンハーフェンへの帰投途中の10月15日にプリンツ・オイゲンはヘル北方で軽巡洋艦ライプツィヒに衝突し、ライプツィヒの乗員19人が死亡。この事故は濃霧により発生した。ライプツィヒは危うく分断されるところであり、2隻は14時間繋がったままであった。プリンツ・オイゲンはゴーテンハーフェンへ送られ、そこで1ヶ月にわたって修理が行われた。ライプツィヒも応急修理を受け、翌1945年には何とか自力航行が可能になるまで回復した。11月20・21日、プリンツ・オイゲンはソルベ半島のドイツ軍支援のため、主砲弾約800発を発射した。
1月中旬、プリンツ・オイゲンはザームラントのソ連軍砲撃に派遣された。プリンツ・オイゲンはケーニヒスベルクへ進撃するクランツのソ連軍に対して主砲弾870発以上を発射した。この時点でプリンツ・オイゲンは主砲の弾薬を使い果たしていたが、軍需品の欠乏のため3月まで港にとどまり、それからゴーテンハーフェンやダンツィヒ、ヘラ周辺のソ連軍に対して砲撃を行った。4月8日、プリンツ・オイゲンはリュッツオウとともにスヴィーネミュンデへ向かった。4月13日、34機のアブロ ランカスター爆撃機が港内の2隻を攻撃。だが、この日は厚い雲のため攻撃は失敗した。2日後に再び攻撃が行われ、リュッツオウが撃沈された[。それから、プリンツ・オイゲンはコペンハーゲンへ向かい、4月20日に到着。5月7日に退役し、翌日イギリス海軍に引き渡された。
戦後
プリンツ・オイゲンは激戦の続く中、終戦まで生き残った幸運艦であった。戦後アメリカ軍が接収し、「USS プリンツ・ユージン(USS Prinz Eugen, IX-300)」としてアメリカ海軍の艦籍に入る。ビキニ環礁での原爆実験標的艦として使用されたが、計2発の爆撃を受けても沈まず、調査と除染のためにクェゼリン環礁に運ばれた。しかし、原爆実験による浸水が増大したことから沈没を防ぐために浅瀬に座礁させられたものの、翌日転覆した。放射能汚染された船体が解体されて市場に出ることを避けるため、アメリカは解体せずに放棄することにした。浅瀬で沈没したために、船尾は海面上に出た状態で現在も放置されており、衛星写真などでも見ることができる。しかし、船体内部には燃料が大量に残されていること、放射能汚染が続いていることなど問題が残っている。
プリンツ・オイゲンのスクリューは海軍出身者による団体Deutscher Marinebundの尽力により1979年に回収され、ドイツ本国に帰還している。魚雷発射管1基はブレーマーハーフェンのドイツ海洋博物館に展示されている。また、船鐘はアメリカ海軍国立博物館に展示されている。
小ネタ
本艦の艦名の由来は神聖ローマ帝国の軍人であり、政治家でもある「プリンツ・オイゲン(プリンツ・ユージン)」こと「オイゲン・フランツ・フォン・ザヴォイエン=カリグナン(1663年~1736年)」から。なお姓にザヴォイエンとある様に、彼は現在のイタリア王家でもあるザヴォイア家に連なる家に生まれた。またザヴォイア公(世襲の君主号)の直系の男子である事から「プリンツ」の称号でもって呼ばれた。
彼は1663年にパリで生まれたが長男ではなかったために爵位を継ぐことはできず、軍人を志す。ところが生まれ故郷のフランスでは採用されなかったので神聖ローマ帝国レオポルド1世の下でオーストリア軍の将校となった。20歳で初陣、24歳で騎兵隊を指揮して手柄を挙げる。対外膨張政策を取るフランス王ルイ14世に対して欧州諸国は「アウグスブルグ同盟」を結成してそれに対抗、アウグスブルグ同盟戦争が発生するとオーストリアも同盟国の一員としてフランス軍と対峙。この後、生涯を通じて戦う事になるフランス軍との初の戦闘となった。この戦いではフランス軍が有利だった為目立った功績は上げられなかったが、それでも30歳で元帥に昇進。後にイタリア方面で指揮を執った際の才能を認められ、トルコ戦線の指揮を任せられる。
1701年、スペイン継承戦争(1701年~1714年)が始まるとこの時点でオーストリア軍の有力な将軍の一人であった彼もスペイン継承戦争に投入される。1704年には「ブレンハイムの戦い」でフランス・バイエルン連合軍を撃ち破り、ドナウ川流域においてフランス軍の動きを封じる事に成功。また同盟側が終始劣勢であったイタリア戦線においてはトリノ包囲中であったフランス軍を「トリノの戦い」で破ってイタリア戦線からフランス軍を撤退させる。しかし1708年にフランス軍が反攻を始めると「マルプラケの戦い」では勝利を収めるもオーストリア軍の損害も大きく、彼も負傷した。この戦いの後に同盟側の動きは鈍くなり、フランスがイギリスに対して働きかけを行った事もありイギリス軍は本国からの引き上げ命令により軍を引き上げる。彼はオランダと共に戦い続けたがオランダも1713年に「ユトレヒト条約」を締結。最終的に残ったオーストリアも条件付きでアンジュー公フィリップをフェリペ5世として即位する事に承諾した(ラシュタット条約)。
彼はスペイン継承戦争の結果、新たにオーストリア領となったネーデルラントの総督となった。またその後も各地の紛争や戦争に参加して活躍を見せたが、流石に1733年の「ポーランド継承戦争」においては従軍はしたものの病気で活躍が無いまま終戦を迎える。1736年に72歳でウイーンで亡くなったが、生涯を通じてオーストリア軍の将軍・政治家として大きな影響力を誇った。
転覆した船体は現在もクェゼリン環礁に残されており、Googleアースで姿を確認する事が出来る。
スクリューはドイツに返還され、キール近郊のラボーに保管されている。
編集用コメント
- アップグレード表を追加しました! -- RaBa NeKo? 2018-05-07 (月) 14:08:04
- 迷彩を追加しといたゾ -- RaBa NeKo? 2018-05-07 (月) 14:55:37
- 機動性、生存性、総論を修正しました。 -- mt34812? 2019-01-16 (水) 16:49:08
- 性能と書式を修正。戦闘名誉賞を追加(報酬とか分からないけど)、搭載可能アプグレは削除。 -- 2021-06-02 (水) 02:25:42
- ヒストリカル迷彩の画像を追加。 -- 2021-07-27 (火) 04:08:32
- イーグル迷彩の画像と効果を追加。 -- Holy_Roman_Empire? 2021-10-20 (水) 14:18:14
- 主砲と対空について文章を増補 -- 2022-01-22 (土) 22:12:11
- 本文中の素の対空に関して一部を記載変更。 -- 2024-01-11 (木) 23:05:04
- アップデートにより、ヒッパーよりも小口径ダメージが高くなったことを冒頭に記載。また消耗品と艦艇スキル/艦長スキルの2項目の見出しを追加。 -- 2024-01-12 (金) 01:56:58
- 主砲射程が誤っていたので訂正。 -- 2024-01-14 (日) 19:07:50
- 「この船を買う前に・・・」の項目は、本艦に限らない非低tierプレミアム艦の殆どに言える内容であるので、格納した。 -- 2024-02-04 (日) 13:06:38
- 小ネタを記載 -- 2024-03-29 (金) 18:07:37
- 主砲項目を一部変更 -- 2024-06-26 (水) 19:25:35
- 専用迷彩「中秋節」のデータを記述。画像は購入された方に託します。 -- 2024-09-16 (月) 15:59:06
- 解説の冒頭部分を一部変更。2番艦実装後に本艦を好んで買う人はあまりいないと思うが念のため。 -- 2025-01-05 (日) 18:53:50
コメント欄
- 本当に助かる!!凄く参考になった!購入してみようと思いますありがとうございました! -- 質問者? 2019-06-16 (日) 22:51:20
- こいつ対水雷無駄に高くね?しむしゅっしゅで魚雷全部当てたのに沈まなくてくそ焦ったゾ。 -- 2020-06-01 (月) 09:32:26
- イーグル迷彩+主砲改良3の集弾は異常。最近マインツに浮気しがちだけど艦縦してる巡洋艦にも問答無用でAPぶち込めるオイゲンも楽しい。 -- 2020-11-10 (火) 09:04:45
- 戦艦狙う時はHEの方がいいのかな?自分は基本はAPで空母が狙ってたり駆逐が魚雷流してたらHEというように使い分けているんだけど。 -- 2021-01-04 (月) 23:53:50
- ~ヨルク以外のドイツ巡洋艦でHE使うのは馬鹿すぎる -- 2022-11-10 (木) 13:01:32
- 戦艦狙う時は遠距離はHEで中、近距離はAPにしてる。 -- 2021-01-05 (火) 00:12:35
- ありがとうございます!参考にさせてもらいます -- 2021-01-05 (火) 06:59:44
- これは徒党になり得ますか -- 2021-04-12 (月) 17:06:55
- ヒストリカル迷彩つけたら射程が12キロを超える -- 2021-07-29 (木) 12:53:15
- 何でもできるから楽しい。 -- 2022-01-22 (土) 20:30:33
- ヒッパーと比較すると数値上劣っている点が目立ちますが、この艦のヒッパーにはない強みがありましたら教えてくださらないでしょうか。上手くはありませんがヒッパーが好きなので、造船所で交換しようか悩んでおり参考にしたいので回答してくださるとありがたいです。 -- 2023-01-01 (日) 20:34:43
- 使用感はほぼ一緒です。チタン25個も消費する価値無いのでやめときましょう。 -- 2023-01-01 (日) 21:09:39
- うーん、そうですね。悪い船ではないですが、チタニウム25は釣り合いとれる価値はないかもです。ヒッパーに永久迷彩と大した違いはないでしょう。 -- 2023-01-02 (月) 01:33:07
- お二人ともありがとうございます!参考にして交換しないことにしました。 -- 2023-01-04 (水) 19:01:10
- 高雄が得意なら買ってOK? -- 2023-02-03 (金) 15:44:14
- ヒッパーでよくね感が…
私なら買わない -- 2023-02-03 (金) 19:41:43- 専用迷彩を持ってるから使ってみたいです -- 2023-02-03 (金) 21:22:34
- コレクションブック「ライン演習作戦」の条件の一つなので、持っていても良いかも! 史実のオイゲンは人気艦だし、使いたい気持ちも分かる。 -- 2024-01-10 (水) 13:23:07
- ヒッパーでよくね感が…
- ヒッパーとの違いは3番主砲の射角がいい、この違いで使用感が同じであっても射角の善し悪しで使いやすい場面と使いにくい場面に違いがある。チタンの価値に見合うかは交換する人次第だが、余裕があるのならばヒッパーとの違いを乗り比べて見てほしい船ではある。あとデータベースではオイゲンの方が砲弾重量が少し重く設定されてるため貫通力が少し優遇されてると思われる。 -- 2023-02-03 (金) 21:13:55
- 乗ってる感じ差を感じない。が抜けましたm(_ _)m -- 2023-02-03 (金) 21:15:01
- こいつのイーグル迷彩持ってるのに本体を持ってない…誰かくれん?
(無理)-- 2024-05-25 (土) 23:38:19- 自分は本体あってイーグル迷彩ないから誰か迷彩くれない?状態() 一応、プレミアム艦ショップで12600ゴールドで販売されてるからどうしても欲しかったらそこで買うといいと思うよ ただ、ツリーのヒッパーとほぼ同じで環境的にも苦しめだから無理する必要はないかも... -- 2024-05-26 (日) 00:51:36
- 前の安売り迷彩と今回の本体安売りand迷彩ポイチャレンジ…
運営はオイゲンをなんだと思ってるの?-- 2024-05-27 (月) 13:36:28 - これ35連装砲になってるw -- 2024-06-26 (水) 13:37:15
- オースティンよりも化け物になったのか‥よかったなオイゲン -- 2024-06-26 (水) 14:30:07

