2007年の任天堂NEWS11

Last-modified: 2010-10-31 (日) 06:26:45

米国任天堂社長「ソニーとマイクロソフトは戦略を誤った」

http://www.inside-games.jp/article/2007/11/07/24883.html
任天堂オブアメリカのレジー・フィーセメイ社長兼COOは、ニューヨークで開催されたBMOキャピタルマーケッツが主催する投資家向けのカンファレンスで講演し、任天堂のライバルであるソニーやマイクロソフトは戦略を誤り、開発するのが困難でお金がかかる高価なマシンを作ってしまったと述べました。

「我々のライバルが直面する問題は非常に意味深いものです。彼らはより性能が高く、高価なマシンを作ることで結果的にお金を失っています。彼らはゲームを開発し辛いものにしました。自ら袋小路に入り込んでいって、そこからどのようにして抜け出すつもりか私には分かりません」

ただし競争は緩和されたわけではありません。Wiiは発売から一年で全世界での売上台数でXbox360を逆転し、PS3にリードを保っていますが、10月の北米販売では『Halo 3』効果でXbox360に逆転を許しました。PS3も値下げやモデル変更で建て直しを図っていて、『マリオギャラクシー』『Wii Fit』など注目作品を抱えていても予断は許しません。

また、ソフトではライバルのプラットフォームホルダー以外にも自社のサードパーティとの競争も激しくなっています。品質も厳しく問われるようになっていて、THQでは年内の発売を予定していた『Stuntman』と『Juiced 2: Hot Import Nigh』の2タイトルを、十分な質が確保できていないとして来年に延期するという決定をしています。成功する任天堂プラットフォームでのリリース本数も増加傾向で、質と量のバランスを取る努力も求められそうです。

韓国でニンテンドーDSがブーム、だそうです。

http://www.inside-games.jp/article/2007/11/12/24964.html
KRN・SJC韓国ニュースは11月2日、韓国任天堂が1月に発売したニンテンドーDS Liteの売り上げが、9月末までに本体58万台、ソフト120万本に達したと報じました。10万本以上売れたソフトも5本存在し、『脳トレ』韓国版の『毎日毎日DS頭脳トレーニング』(約20万)、『NEWスーパーマリオブラザーズ』(約20万)、『聞いて書いて親しくなるDS英語三昧境』(約14万)、『ニンテンドックス』(約14万)、『マリオカートDS』(約11万)と報じています。

*関連URL
http://www.sjchp.co.kr/koreanews/koreatis_view.htm?num=5576&date=2007年11月02日(金)

韓国の市場規模を考えると、これはかなりの数字です。韓国メーカーでもネクソンが『メイプルストーリーDS』を開発しています。

そもそもPCオンラインゲーム大国である韓国で、日本のコンソールゲーム機は苦戦を強いられてきました。その背景として言われてきたのが、海賊版の存在です。記事でもDSの売れ行きが好調なため、韓国任天堂はWiiの発売をクリスマスから来春に延期したとしています。本当にDSは、この定説を覆しつつあるのでしょうか?

一方でG-STAR取材では、ホテルと会場の往復に地下鉄を利用したのですが、車内でDSを遊んでいるビジネスマンや女性、子供の姿を見かけることができました。DSだけでなくPSPを遊んでいる人もおり、韓国でも携帯ゲーム機が確実に根付いていることが感じられました。

ホテルのフロントで聞いてみると、アルバイト学生の一人がDSを所有していました。女性や子供に人気があり、やはり『ニンテンドックス』や『NEWスーパーマリオブラザーズ』などが売れているそうです。日本語学習向けに漢字検定ソフトなども(公式には発売されていませんが)隠れた人気があるそうです。

また、別件で韓国の出版エージェンシーの女性と話をする機会があり、そこでも尋ねてみました。彼女は「私の周りでは若い女性しかDSを買っていない」と話してくれ、一種の「ファッションアイテム」になっていると教えてくれました。ますますもって驚くべきことです。「単純だから、つい遊んでしまう」のだそうです。

これは、一度市場を自分の目で見てみなければなりません。そこで日曜日の午後に、韓国の秋葉原と言われるヨンサン地区に足を延ばしてみました。

ソウル駅から地下鉄で2駅の場所に、ヨンサン駅があります。以前はソウル駅で韓国鉄道に乗り換える必要がありましたが、地下鉄の1号線が新たに乗り入れて、とても便利になりました。複合型の大型ショッピングモールも完成して、駅ビルが一大商業施設になっています。

最上階の9階にはeスポーツの会場があり、『スタークラフト』リーグ戦のテレビ収録が行われていました。会場には10代の観客が100名程度いて、ゲームの展開に応じて歓声を上げています。このあたりはPCオンラインゲーム大国の韓国ならではの光景です。少し安心しました。

そこでテレビゲーム売場を覗いてみると、ありました。どのテナントでもDSが一番目立つところに配置されています。しかも3〜4組の親子連れがDSを購入している姿を見かけることができました。子供たちがDSを買ってもらって、大喜びしています。ある子供は買ってもらったばかりの『星のカービィ 参上!ドロッチェ団』を夢中で遊んでいました。またPSPを購入している若い男性も見られました。

次にモールを出て、ヨンサンの電気街の方に足を延ばしてみました。細長いビルの地下にぎっしりとテナントが並ぶ、昔ながらのゲーム売場です。ここでもDS人気は本物のようで、親子連れや若いカップルがDSを買い求めている姿が見かけられました。ゲームソフトも韓国版の正規商品が大半でしたが、日本からの並行輸入品も2〜3割ほど存在していました。

おもしろいのは、DSやPSPを買うとお店がサービスで液晶の保護フィルムを張ってくれることです。たいてい筆者は失敗してしまうので、これはなかなか嬉しい特典です。

その夜、韓国のゲーム開発者と飲む機会があったので、昼間の光景について聞いてみました。彼は大手ゲームメーカーから独立して、新たに開発会社を起こしたばかりで、現在は横スクロール型のカジュアル・アクションゲームをPCゲームポータル向けに開発しています。投資ファンドから資金を引き出し、自らドット絵を打つ毎日だそうです。

彼は韓国でもDSがブームを巻き起こしていると話した上で、「若い女性の中には、流行っているからDSを買って、『NEWスーパーマリオブラザーズ』などを遊んでみたものの、難しくて止めてしまうことも多い」などと話してくれました。その上で「任天堂は非ゲームを多く発売しているが、これではゲームらしいゲームが売れなくなって、自分たちの首を絞めているようなものではないか?」などと質問してきました。この矛盾した反応が、いかにもゲーム好きという感じです。

彼は兵役時(日本と異なり韓国には徴兵制度があります)にもゲームボーイと『風来のシレン』を隠し持って入隊したほどの筋金入りのゲーマーで、ゲームらしいゲームが好きとのことです。ただし、そんな彼も最近ではPCオンラインゲームは仕事で遊ぶ時間がとれず、家庭用ゲーム機は起動するのが億劫で、もっぱらDSやPSPばかり遊んでいるとのことでした。自称「ゲームを遊んで日本語を覚えた」最後の世代だそうで、最近の『リネージュ』世代はゲームのおもしろさを理解していない、とぼやいています。

ただし、ゲーマーの中にはインターネット上でゲームROMのデータをダウンロードして、遊んでいる人もいるとのことです。今回は残念ながら確認できませんでしたが、いわゆるDSの「マジコン」がネット通販などで広がっているとのこと。「100in1」などの海賊版は店頭から消えたものの、問題は依然として顕在です。

ホテルのアルバイト学生も「中国製のマジコンがネットで買える。日本でもあるのか?」と聞いてきました。もちろん日本でも一部のユーザーの間で行われており、批判ばかりしてはいられません。

ヨンサン駅の駅前では、当たり前のようにワゴンがならび、大量の海賊版DVDが売られていました。このような状況で、韓国のコンソールビジネスが今後どのように推移していくのか、これからも注目していきたいところです。

米Autotext Technologiesが任天堂ら23社を提訴

http://www.inside-games.jp/article/2007/11/15/25085.html
BetaNewsが伝えるところによれば、米国デラウェア州のAutotext Technologiesが、コンピューターを使った文字入力インターフェイスに関する1994年の特許を侵害されたとして、任天堂オブアメリカを含む23社を訴えたということです。

リストに上がったのはアップル、AT&T、Helio、ヒューレットパッカード、HTCアメリカ、IBM、京セラ、LG電子USA、マイクロソフト、モトローラ、任天堂オブアメリカ、ノキア、ニュアンス・コミュニケーション、Palm、クアルコム、Research in Motion、サムスンアメリカ、北米三洋、ソニー、ソニーエリクソン、T-Mobile、ベライゾンワイヤレス、Zi Corporationの計23社。

大部分の企業は携帯電話向けのデバイスに関与していますが、IBMや任天堂などはその他のデバイスを製造・販売する企業です。

Autotextは安易な訴訟を多発していると非難を受けているAcacia Researchの子会社だということです。

ミツミ電機が中間業績発表―任天堂向け好調

http://www.inside-games.jp/article/2007/11/16/25121.html
ミツミ電機が発表した平成20年3月期の中間業績は任天堂向けの供給が好調で、中間期として過去最高の結果となりました。それによれば売上高は1535億2600万円(+23.0)、営業利益は192億8300万円(+183.9)、経常利益は188億4500万円(+213.7)、純利益は159億4600万円(+366.1)でした。

ミツミ電機ではWiiやニンテンドーDSの委託生産のほか、コントローラーなどの部品も供給しています。非常に好調に推移する2つのハードに引っ張られる形で好業績を記録しました。

また、厚生年金基金代行返上益92億4200万円も特別利益に計上し、純利益は159億4600万円(前年同期比466.1%)となったということです。通期でも売上高2980億円、経常利益300億円といずれも前期を大きく上回る見通しを示しています。

欧州版の『スーパーペーパーマリオ』のバグで交換プログラム実施

http://www.inside-games.jp/article/2007/11/20/25189.html
任天堂オブヨーロッパは、Wiiの『スーパーペーパーマリオ』の欧州版に収録される「英語」「ドイツ語」「スペイン語」版においてゲームがフリーズして進行が不可能になるバグが含まれていた件で、修正版を出荷すると共に、希望者には修正版との交換プログラムを実施すると発表しました。

ステージ2-2の開始地点でマネーラに出会うシーンがあります。プレイヤーはマネーラにフロアの最も遠い部屋にデアールが居ると伝えられ、その部屋に入って緑のスイッチを押します。すると、それは罠で、トゲのある天井が迫ってきます。そこで3Dに切り替えると鍵を見つけることができます。

ここで鍵を取ると何の問題も無いそうですが、鍵を取らずにマネーラに話しかけてしまうとフリーズし、Wiiを再起動しないと何の操作も受け付けずに、ユーザーは最後のセーブポイントまで戻されてしまうことになります。ただし、フリーズすることは本体自体には何の悪影響も与えないということです。

既にこの問題に対処した修正版が流通していますが、任天堂では修正版との交換プログラムを希望者を対象に実施するということです。希望者は0870 6060 247に電話する、もしくは「Super Paper Mario replacement」という題名でNintendoServiceCentre@codestorm.co.uk宛に連絡を取って欲しいということです。

任天堂では「不具合を発生させてしまったことを深くお詫びします」とコメントしています。

Wiiがオーストラリアで過去最速の普及速度で20万台を突破

http://www.inside-games.jp/article/2007/11/24/25280.html
任天堂オーストラリアによれば、豪州でWiiが発売から50週間で20万台を突破し、この地域で最も早いスピードで普及したゲーム機となったそうです。これは携帯型ゲーム機を含むものです。Wiiリモコンを使ったシンプルで直観的な操作性や、幅広いユーザーに受け入れられるラインナップが豪州でも浸透した結果と言えそうです。

データは独立系の調査会社であるGfKの提供するものです。

今後の発売予定としては11月29日に『スーパーマリオギャラクシー』が発売され、12月13日にはWiiザッパーを同梱した『リンクのクロスボウトレーニング』や『バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ』が登場します。来年には『フォーエバーブルー』や『宝島Z』なども計画されているということです。

英国でDSが過去最高の週間売上―19万1000台

http://www.inside-games.jp/article/2007/11/27/25342.html
MCVによれば、英国の調査会社ChartTrackは、英国市場でのニンテンドーDSの一週間の売上が先週19万1000台で一週間の数値としては過去最高を記録したそうです。またこれは携帯ゲーム機の一週間の売上記録でも、2005年9月第一週にPSPが記録した18万5000台を塗り替えて過去最高のものだそうです。

「私達はこの記録をとても嬉しく思っています。ニンテンドーDSの人気は更に高まりつつあり、ゲーム市場において過去最高の数字を記録できたというのはとても素晴らしいことです」と任天堂の担当者はコメントしているということです。