異世界の刑事たち/会話

Last-modified: 2020-01-27 (月) 12:15:17
ネタバレ注意
1:異世界に迷い込んだ交通課職員
1:開始時

アンナ

──地上のダークエルフたちが、
何やら大規模な術を発動させようとしている。
そう聞いてダークエルフの村に向かっているものの、
ここまでは平穏そのものですね。

エイミー

そう判断するのは早いかもしれないです。
ちょっとだけですけど、空気が変わった気がします。

???

あ、そこの人たちー!
助けてー!

ゴブリン

ギャギャ! ニガサナイ!

アンナ

女性が魔物に追われているようです。
そこの方、こちらに!

???

やった! 言葉通じる!
もしかして助かった!?

エイミー

もしかしなくてもお助けします!
ですから、早くこっちへ!

???

はいはーい、って!
あなた、いい武器たくさん持ってるじゃない。
ねえねえ、銃とかってある?

エイミー

ありますけど……
どうするんですか?

???

一緒に戦うに決まってるでしょ。
襲われた仕返しは、しっかりしないとね!

エイミー

じゃあ、こちらを使ってください。

???

ありがとっ!
……って、うわ、けっこう重い!
んで、すっごくカッコいい!

エイミー

使えそうですか?

???

たぶんね。
よーし、これでみんなを援護するわよ!
1:終了時

アンナ

大丈夫でしたか?
ええっと……

???

あ、慌ただしくて、
まだ名乗る事も出来てなかったわね。
私は四ノ宮小町。あなたは?

アンナ

私はアンナです。
こちらは王子。
私たちを率いている方です。

王子

…………(こくり)

四ノ宮小町

えっ、王子様? 本当に?
もしかして私、スゴイ人に助けてもらっちゃった?

エイミー

いえ、凄いのは小町さんです!
感動しました!

四ノ宮小町

わわっ!
えっと、あなたは、さっき銃を貸してくれた……

エイミー

エイミーですっ!!

四ノ宮小町

ちょっ、エイミーちゃん?
近い近いっ!!

エイミー

あ、すみません!
小町さんがあの癖が強い銃を華麗に使いこなしていたので
ちょっと興奮してしまって。
お渡しした銃は、名のある鍛冶師の作品なのですが、
扱いの難しさから誰もその性能を引き出すことが出来ず
ほとほと困っていたのです。それなのに……

四ノ宮小町

ふふーん、百発百中だったでしょ?

エイミー

はいっ! 凄かったです!
手元にあった銃はそれだけだったので、
小町さんが使いこなしてくれてほっとしました。

四ノ宮小町

いや、ホッとしたのは自分なんだけど。
ていうか、ホッとしたからようやく言えるんだけど……
ここ、どこーーーーーーーっ!?
1:終了後

四ノ宮小町

そっか……。
私、別の世界に飛ばされちゃったんだ……。

アンナ

この世界には、たびたび別の世界から
迷い込まれる方がいらっしゃいます。
小町さんもその、先ほど伺ったデルーガ?
という怪物との戦闘中に、
こちらの世界に飛ばされたものと思われます。

四ノ宮小町

アンナさんたちは、こういうの初めてじゃないんだ……。
ちょっとホッとするかも。
これまでに来た人たちは、元の世界に戻れたのよね?

アンナ

はい。
ですから、小町さんも、きっと元の世界に戻れます。
ちなみに、先ほど伺った話によると、
クラリスさんという方も一緒にいたんですよね?
でしたら、その方も
こちらの世界に飛ばされている可能性が高いです。
小町さんがいた場所の近くにいる可能性もありますので、
これから探しに行こうと思います。
小町さんは、ここで休んでいてください。

四ノ宮小町

ううん。私も行くわ。
この世界にはさっきみたいな魔物がいるんでしょ?
だったら、少しでも助けになりたいもの。
助けられっ放しは、性に合わないしね。
それに、私の銃の腕はさっき見てくれたでしょ?

エイミー

はい、見ました! ハッキリと!
小町さんに使ってもらえるなら、
その銃も喜ぶと思います!

四ノ宮小町

ありがとう、エイミーちゃん。
この銃、しばらく借りるわね。
それじゃあ王子、
一緒にクラリスを探しに行きましょう!
2:銃の名手? の射撃術
2:開始時

四ノ宮小町

けっこう森の奥まで来たわね。
この辺って、どういう場所なの?

アンナ

ダークエルフの村へと続く森になります。
先ほど、小町さんと出会ったのも、とある調査のために
ダークエルフの村へと向かう途中でした。

四ノ宮小町

そっか。
王子たちがダークエルフの村に用があったから
私は助かったのね。
すっごい偶然。
そして、すっごいラッキー!
ちなみに、なんの調査のために
ダークエルフの村に向かってたの?

アンナ

それは……

エイミー

魔物の群れが接近中です!
小町さん、備えてください!

四ノ宮小町

おしゃべりしてる暇はないみたいね。
話の続きは、魔物を蹴散らしてからにしましょうか!
2:終了時

エイミー

小町さん、凄いです!
性能を引き出してもらえて、
銃が喜んでるみたいです!

四ノ宮小町

あ、やっぱりそう思う? えへへー。
……って、調子に乗りすぎかな?

アンナ

いえ、本当に素晴らしい活躍でした。
お陰さまで助かりました。

四ノ宮小町

いえいえ、どういたしました。
……で、戦闘前の話に戻るけど、
ダークエルフの村には何の調査で向かってたの?

アンナ

…………。
そうですね、小町さんには話しても大丈夫でしょう。
先日のことです。
ダークエルフたちが大規模な術を発動させるべく
儀式の準備を進めているという情報が入りました。
どのような術かは不明なのですが、
小町さんたちがこちらの世界に飛ばされたことと
関係があるかもしれません。

四ノ宮小町

そうね。
関係あるかも。
だとしたら、術の準備の段階で
時空に影響が出てるってことでしょ?
急いだ方がいいんじゃない?

王子

…………(こくり)

アンナ

そうですね。
クラリスさんの捜索をしながら、
出来る限り急ぎましょう。
3:洞窟と冒険心
3:開始時

四ノ宮小町

こんな洞窟初めて見た。
なんか、冒険って感じがする……。

エイミー

小町さんの住んでたところには、
洞窟とかなかったんですか?

四ノ宮小町

知識としては知ってたけど……、
洞窟も、本格的な森も、
どっちも見た事は無かったわ。
ずっと街暮らしだったから、
こういうの、ちょっとワクワクしてるかも。

ダークエルフ

止まれ!
さもなければ敵対行動とみなす!

四ノ宮小町

うわっ!!

アンナ

ダークエルフの皆さん、聞いてください。
私たちは話をしに来たんです。

ダークエルフ

貴様たちの話を聞いている余裕などない!
それでなくとも……
いや、そうか!
『あれ』 は、お前たちの策略か!
内と外から同時に……悪知恵の働く奴等だ。

アンナ

何を言ってるんですか?
私たちは何も……。

ダークエルフ

お前たちの言葉など聞く価値もない。
ただ我等に討たれるがいい!

四ノ宮小町

これは無理。
殺気立っちゃってる。
追い詰められた犯人とおんなじ。
とりあえず、適当に痛めつけて、
話を聞いてもらえる状況にしましょう!
3:終了時

ダークエルフ

くそっ! 卑怯な上になんという強さだ……。
全員引くぞ!

アンナ

待ってください!
話を! 話を聞いてください!

四ノ宮小町

そうそう。
話さないと何も始まらないわよ?

アンナ

先程、卑怯と言いましたが、
私たちは何も卑怯なことなどしていません。

ダークエルフ

はっ! よくぞそのようなことを言えたものだ。
貴様らはよほど面の皮が厚いと見える。
こちらには、貴様らと言い争っている暇など無い。
さらばだ!

四ノ宮小町

あー、行っちゃった。

アンナ

王子、ダークエルフたちは何やら焦っているようです。
後を追い、何が起きているのか確認しましょう。

四ノ宮小町

何もしてないのに卑怯者扱いのままじゃ悔しいもの。
すぐに追いかけましょう!
4:エルフの新米刑事
4:開始時

四ノ宮小町

ここがダークエルフの村かあ。
空気がピリピリしてる上に、
なんか騒がしいけど……。

???

だから、私は何もしてないって
言ってるじゃないですか!

ダークエルフ

ふん、貴様のようなエルフのいう事が信じられるか!

四ノ宮小町

あのダークエルフと言い争ってるのは……
クラリス!?
おーい、クラリスーーーーっ!!

クラリス・ツァインブルグ

小町さん!?
ほんと? ほんとに小町さんですか!?
助けて下さい、小町さーーーん!!

ダークエルフ

むっ、さっきの奴等か。
やはり術の準備を妨害したのは、貴様らだったのだな!

アンナ

何を言ってるんですか?
私たちは何も……。

ダークエルフ

とぼけおって! そこのエルフのせいで
入念に準備してきた術が台無しではないか!

クラリス・ツァインブルグ

だから、そんなの知りませんってば!
小町さーん、助けてくださーい!

四ノ宮小町

わかったわ! すぐ助けるから!

アンナ

王子、まずはクラリスさんを助けましょう。
ダークエルフの誤解を解くのはその後です!
4:終了時

クラリス・ツァインブルグ

小町さーん! ありがとうございます~~~!

四ノ宮小町

よしよし、無事でよかったわ。

クラリス・ツァインブルグ

ふぇ~~~ん!
こまちざ~~~~~ん!!

アンナ

それで、この村で一体何が起きたんです?

ダークエルフ

ふん、白々しい!
すべては貴様らが仕組んだ事だろうに!
我等が準備した大規模術式を暴走させ、
この村を全滅させるつもりだったのだろう?
魔獣が暴れまわっているこの村を見ろ!
貴様らの目論見通りだろうが!
どうだ、気持ち良いか?

アンナ

私たちはそんなこと仕組んでません!

ダークエルフ

ふん! そのような言葉、子供でも信じぬわ。

四ノ宮小町

へー。
じゃあ、信じさせてあげようじゃない。

アンナ

……小町さん?

四ノ宮小町

ねえ王子? ホントにこれは、
王子たちの仕組んだことじゃないのよね?

王子

…………(こくり)

四ノ宮小町

だったら、秩序の回復は私たち警官の得意技ってね!
いいわね、クラリス!

クラリス・ツァインブルグ

はいっ!!
よくわかんないですけど!!
5:犬耳 VS ケモ耳軍団
5:開始時
──ある日、とある街にて。

カヨウ

狐耳の方が愛らしいに決まっておろう。

バシラ

猫耳の方が可愛いに決まってます!

カヨウ

……ふう。
言い合いでは埒が明かぬな。

バシラ

そのようです。
分かり切っていたことですが。

カヨウ

では仕方ないのう。
狐と猫の腕比べと──

イナリ

んー、争うのはやめた方がいいと思うけどなー。
どっちも可愛いに決まってるし。

フラフィー

そうですそうです。
王子さまは、争いを望んでないと思いますっ!

カヨウ

むむ……王子を出されると弱いのう。
では、第三者に判定を頼むとしよう。

エイダ

おっ、ちょうど通りかかった人がいる……
おーい、そこの人ー!

犬神

わふん? 何でありましょうか!

ウル

あんたは猫耳と狐耳、どっちが可愛いと思う?

犬神

そうでありますなあ……。
ボクは、犬耳が最高にキュートだと思うであります!

カヨウ

ほほう……。

バシラ

これは、私たちへの宣戦布告ですね……。

イズナ

あれー?
ケンカを止めるために王子を呼びに行ったら、
なんか違うケンカが始まりそうです?

ミネット

にゃにゃっ!?
みんな、見知らぬ犬耳ちゃんに、
襲い掛かろうとしてるみたいですっ!

アンナ

これは見過ごせません。
王子、仲裁に入りましょう。

王子

…………(こくり)
5:終了時

犬神

いやー、楽しかったでありますなぁ!

カヨウ

わらわも存分に愉快だったぞ。
くははっ、思わぬところに素晴らしい出会いが
転がっておるものよ。

バシラ

そうですね。
お手合わせありがとうございました。

犬神

しかし、皆さんお強いであります!
ボクも、もっと修行をしないといけないでありますなぁ!
狐耳の方々は、独特の体捌きと変幻自在の不思議な術が!
猫耳の方々は、俊敏でトリッキーな動きと狙いの正確さが!
それぞれ自分には無いものなので
たいへん勉強になったであります! わおーーーん!

カヨウ

お主の技も独特だな。
いったい、どこで身に着けた?

バシラ

それ、私も気になりました!

犬神

ボクの技は我流でありますから……。
どこで身に着けた、ということはないのであります。
恥ずかしい限りであります! わおーーーん!

カヨウ

くははっ、その遠吠えも面白いのう。
感情が高ぶると声に出るのだな。

犬神

そうなのでありますが……。
ヘン……で、ありますか?

バシラ

そんなことないです。
あなたの技と同じで、まっすぐな感じで……
私は好きです。

犬神

ふんすふんす! 照れるでありますっ!
嬉しいでありますっ! わおーーーん!!

カヨウ

くははっ。
では、また逢おうぞ。

犬神

はい、いずれまた。必ずっ!
6:魔獣の交通誘導
6:開始時

ダークエルフ

本当に我らの村を救うつもりだというのか?

四ノ宮小町

『救う』 なんて、大それたことじゃなくて、
まあ、言ってみれば暴動の鎮圧よね。
まずは、村の外に魔獣たちをおびき寄せて、
なるべく村へのダメージを抑えるように叩く!

クラリス・ツァインブルグ

すごいです、小町さん。
普段は交通課なのに!

四ノ宮小町

交通課だからこそ、
誘導処理はお手の物……ってね!

アンナ

……こうつうか?

四ノ宮小町

交通課って言うのは……ええと、後で説明するわ!
とにかく、魔獣を迎え撃つ準備をお願い。
逃げ遅れたダークエルフがいるみたいだから、
そののフォローもお願いできる?

アンナ

了解しました。
それでは王子、逃げ遅れたダークエルフを守りながら、
魔獣たちを迎撃しましょう。
6:終了時

四ノ宮小町

とりあえず、ひと段落ってところかな?

クラリス・ツァインブルグ

おびき出した魔獣に関しては、もう大丈夫みたいです。
やりましたね、小町さん!

四ノ宮小町

まー、ひやひやものだったけどね。
お疲れさま、クラリス。

ダークエルフ

我等の術を妨害したのは、
本当に貴様らではなかったというのか……。

四ノ宮小町

だーかーらー!
最初から、そう言ってるじゃない。
アンナさんの話をちゃんと聞けば良かったのよ。

アンナ

今回の件に関しては、
誤解は解けたと思ってよろしいでしょうか?

ダークエルフ

今回の件に関しては……な。

四ノ宮小町

まーでも、一件落着したんだし、
後の事はゆっくり話せばいいじゃない。

ダークエルフ

いや、ゆっくり話している暇など無い。
事態は今も村の奥で進行中だ。
悪いが、最後まで付き合ってもらう。
まさか……嫌とは言わぬだろうな?

王子

…………(こくり)
7:警官魂に負けない戦いを
7:開始時

四ノ宮小町

うわ、さっきより魔獣の数が多いじゃない!
これは全部、村の奥から来てるってわけ?

クラリス・ツァインブルグ

小町さん。悪い事は言いません。
今からでも引き返しましょう!

アンナ

小町さんとクラリスさんには、
十分活躍していただきました。
ここからは私たちに任せてください。

四ノ宮小町

そう言われて 「はい、そうですか」 って答える様なら、
最初から警官なんてやってないのよね。
それに……
この世界に来てから、妙に度胸がついちゃったみたい。
エイミーちゃんが渡してくれた、この銃のお蔭かな?

エイミー

小町さん……!

四ノ宮小町

でも、みんなで固まって行動するのも効率が悪そうね。
クラリス、悪いけど付き合ってもらえるかな?

クラリス・ツァインブルグ

うーん……
遊撃隊の方が多少はマシな気がしますし、
分かりました。お供させていただきます!

四ノ宮小町

ありがとう、クラリス。
それじゃあ二人で、警官魂見せてやろうじゃない!
7:終了時

クラリス・ツァインブルグ

つーかーれーまーしーたー!!
遊撃隊の方がマシとか、ただの幻想でした!!

四ノ宮小町

よしよし。
クラリス、よく頑張ったわね。

クラリス・ツァインブルグ

頑張りましたよ、ほんとに!
具体的に言うとボーナスが欲しいくらいです。

四ノ宮小町

それはまあ……あきらめて。

ダークエルフ

疲弊しているようだが、正念場は次だ。
行けるか?

四ノ宮小町

行けない……って言う訳にもいかないでしょ。
警官魂見せるって言っちゃったし。

アンナ

そう言っていただけると助かります。
気を引き締めていきましょう。

エイミー

小町さんなら、きっと大丈夫です!
クラリスさんも、その……頑張ってください。

クラリス・ツァインブルグ

なんか、ついでっぽい言い方は気になりますけど、
頑張ります! 主に自分の命のために!
8:異世界の怪物
8:開始時

四ノ宮小町

ここですか……。

クラリス・ツァインブルグ

あーっ!
ここって、私が目覚めた場所じゃないですか!

ダークエルフ

そうだ。
我等が術式を準備し、完成直前にお前に歪められた。
ここが、その場所だ。

クラリス・ツァインブルグ

えー、それって本当に私が原因なんですか?
濡れ衣だと思うんですけど……。

ダークエルフ

もはや、原因などどうでも良い。
制御不能な魔界の門がいくつも開き、
強力な魔物が闊歩している現状こそが問題なのだ。

四ノ宮小町

確かに、さっきまで相手してた魔獣より、
ヤバそうな空気を感じるかも……。

アンナ

しかも、門の中からはさらに強力な存在を感じます。
王子、くれぐれも慎重な采配をお願いいたします。
8:戦闘中1

四ノ宮小町

デルーガ!?

アンナ

デルーガというのは、
小町さんやクラリスさんが戦っていたという……。

四ノ宮小町

そう。
正真正銘の 『怪物』 よ。

アンナ

魔獣たちが恐れていたのは、魔界の魔物ではなく、
この 『怪物』 だったのかもしれません。
小町さん、対抗手段はありますか?

四ノ宮小町

あいつは、地中を潜って移動するわ。
その間は、銃のような遠距離攻撃は不可能になるの。
だから、近接戦での足止めが必要になる。
リスクもあるけど、倒すには誰かがやるしかないわ。

アンナ

分かりました。
王子も今の言葉に気を付けて、采配をお願いいたします。


潜航状態のデルーガは、
倒されるとその場で復活し、
地上に上がってきます。
地上に出たデルーガは
攻撃がより強力になります。
8:戦闘中2:デルーガが地上形態へ移行

クラリス・ツァインブルグ

うわわっ!
傷ついたデルーガが、なんか凶暴に!?

四ノ宮小町

ああなったデルーガは危険よ。
近接戦で足止めするのは無謀かも……。

クラリス・ツァインブルグ

そんな感じがガンガン伝わってきます!

四ノ宮小町

だったら、遠くから仕留めるだけよ!
みんな、くれぐれも気をつけて!
8:終了時

四ノ宮小町

倒せちゃった……。
ウソみたい。

クラリス・ツァインブルグ

なに言ってるんですか!
ウソじゃなくて、本当ですよ!

アンナ

お二人とも、ありがとうございました。
今度こそ、一件落着です。
城に戻って、体を休めてくださいませ。

四ノ宮小町

そうね……。
まずはゆっくりしましょ。
元の世界に戻る方法とかは、その後……かな。

クラリス・ツァインブルグ

賛成です。
とにかく、お風呂浴びたいです。
……ていうか、 『元の世界』 って!
ここって第七共和国じゃなかったんですか?

四ノ宮小町

あははっ。
そっか、クラリスはそこからか。
話すと長くなりそうね。

アンナ

ふふっ、確かに。

クラリス・ツァインブルグ

なんか、二人して 「全部わかってます」 みたいな
微笑み交わすのやめてくださいよ。
不安になるじゃないですか!
長くなってもいいですから、
ちゃんと教えて下さいよ、小町さん!
9:ダークエルフの用心棒(?)
9:開始時

ダークエルフ

ありがとう。
貴様らにはどれだけ礼を言っても足りぬ。

四ノ宮小町

そうでしょう、そうでしょう。
感謝するといいわ。

ダークエルフ

貴様らが戦っている間に、我等の戦いも終わった。
我等の術は成功した。門の制御は可能となったのだ!

四ノ宮小町

え? なに?
何言ってるの?

ダークエルフ

制御可能な門を保有した今。
裏切者ども──魔界に移り住んだ同族たちに、
復讐の鉄槌を下すのは容易い。 くくっ、くくくっ!

四ノ宮小町

なにそれ。
もしかして、ダークエルフ同士で争ってるの?

ダークエルフ

同族ゆえに度し難いのだ。
奴等の愚劣な振る舞いがな!

クラリス・ツァインブルグ

うわー、ダークエルフ同士の同族嫌悪とか、
ぜっっっっっったいに、立ち入りたくないなー。

四ノ宮小町

エルフのクラリスが言うと重みがあるわね。
今は要らない重みだけど。
せっかく助かった命なんだから、
もっと平和に使った方がいいと思うわよ?

アンナ

そうです。
同じダークエルフなのですから、
話し合えば分かるはずです。

ダークエルフ

貴様らは恩人だが、我等の目的は変わらぬ。
目的達成の邪魔をするのなら、躊躇なく倒す。

クラリス・ツァインブルグ

うわー、目がマジなんですけど。

ダークエルフ

ああ、本気だとも。敬意を持って、本気で戦う。
魔界への侵攻の前哨戦として、
せいぜい派手にいかせてもらうさ。

アンナ

ダークエルフ同士の戦いとなれば、大きな犠牲が出ます。
これを見過ごすわけにはいきません。
王子、こちらも本気で行きましょう。
9:戦闘中

シフォン・マクドゥーガル

ここはどこでしょう?
よくわかりませんが、非常にお腹が空いています。
誰か、食料を分けては貰えないでしょうか?

ダークエルフ

(なぜ魔界の門から女の子が?
分からないことだらけだが、彼女からは力を感じる。
味方につけておいて損はないか……)
そこの女。
あまり贅沢なものでなくて悪いが、
これを食べるといい。

シフォン・マクドゥーガル

かたじけない!
この御恩には、必ず報いてみせます!

クラリス・ツァインブルグ

ああ!
門から現れたシフォンさんが餌付けされてます!
これはマズいですよ!

四ノ宮小町

どうマズいの?

クラリス・ツァインブルグ

シフォンさんは、頑固で融通が利かないんです!
恩人に頼まれたなら、私たちが相手でも
容赦なく刃を振るうでしょう。
それどころか、戦闘になれば集中し過ぎて、
私たちに気づかない可能性もあります。

四ノ宮小町

マジ?

クラリス・ツァインブルグ

大マジです!
皆さん、シフォンさんの斬撃は強力です!
たとえ受けることが出来ても、
衝撃でしばらく動けなくなるかもしれません。
直接刃を交える人は、気を付けてください!


シフォンから攻撃を受けると、
即座に麻痺状態になります。
9:終了時

四ノ宮小町

なんとか……なった?

アンナ

はい……おそらく。

シフォン・マクドゥーガル

うーん……。
せめてもう一太刀……。

クラリス・ツァインブルグ

もう一太刀とか、絶対に要りませんから。
ほら、シフォンさん。ノーサイド。
ノーサイドですよ。

シフォン・マクドゥーガル

ノーサイドですか……。
それはスポーツマンシップにのっとった、
良い言葉です……。

クラリス・ツァインブルグ

シフォンさん、わかりますか?
私です。クラリスですよ。

シフォン・マクドゥーガル

クラリス……さん?
クラリスさんではありませんか。
お久しぶりです。

クラリス・ツァインブルグ

お久しぶりじゃないです!
さっきまで誰相手に刀を叩き込もうとしてたと
思ってるんですか!

シフォン・マクドゥーガル

まさか、クラリスさんに……?

四ノ宮小町

私もよ。

シフォン・マクドゥーガル

小町さんまで!
それは誠に申し訳ありません!
いったい、なんとお詫びすれば良いやら!

四ノ宮小町

いいわよ。
お互い無事だったんだし。
王子たちも、それで許してくれる?

王子

…………(こくり)

四ノ宮小町

ありがとう、王子。

アンナ

それでは、皆さん。
とりあえず、お城に帰りましょう。
……今度こそ、みんなで!
9:終了後

アンナ

みなさん、今回は本当にありがとうございました。

シフォン・マクドゥーガル

いえ、こちらこそありがとうございました!
温かいお風呂をいただいたばかりか、
美味しい食事までごちそうになり、かたじけないです!

四ノ宮小町

本当にお世話になったわね。
この世界に来て最初に出会った人が、
あなたたちで良かったわ。

エイミー

私も、小町さんたちに出会えて良かったです!

クラリス・ツァインブルグ

最初に出会ったのがダークエルフだった私は、
全然良くなかったですけど!

サイラス

クラリス殿の魔術とダークエルフの魔術。
この二つが世界を越えて共鳴したためダークエルフの術は
暴走し、クラリス殿たちは世界を飛び越えた。
いわば、クラリス殿は事態の中心にいたのだ。
核心の地に現れたのも仕方があるまい。

クラリス・ツァインブルグ

えっと……質問なんですけど、
世界を越えて共鳴しちゃうほど、
私の魔術って凄いんでしょうか?

サイラス

答えを聞きたいかね?

クラリス・ツァインブルグ

はい……できれば。

サイラス

では、答えよう。
答えは「否」だ。
君の魔術がダークエルフの魔術に匹敵するものであれば、
ダークエルフの村も、君の身体も、
どちらも消し飛んでいただろう。
君の魔術が『そよ風』のようなものであったからこそ、
ただ門を開ける鍵になり得た。
これはこれで、幸せな出来事だったのだろう。

サイラス

さあ、話は終わりだ。
旅人たちよ、門をくぐり元の世界に戻るがいい。

クラリス・ツァインブルグ

はい……。
皆さん、本当にありがとうございました!

編集