シャングリア内戦/後編用過去ログ①

Last-modified: 2024-02-18 (日) 22:48:11

ここに本編の後編を貼っときます

EP16「穏やかな日々」


諸星澪という大きな星を失った彰達
しかしその闇を照らそうとする3人の人物がいる
その名はー


澪の死から1ヶ月近く経とうとした8月20日
彰は徴兵令で招集された人々の確認をしている
彰「(ん、次はサイレント、ベテルギウス、リゲルか…どこかで聞いた名だな…)」
すると
サイレント「ここですかー⁉︎軍事隊の本部は!」
いきなり議事堂に駆け込んできた
彰「っ…お前がサイレントだな?」
ここでテンパると総司令官としてのプライドがなくなるので冷静に答えた
信「おいお前!ここは軍事隊の中でも位の高い者しか入れないのだぞ!」
サイレント「それはすまないが、俺たちはここで全力を尽くしたいんだ!」
全く謝ってる気がしない
ベテルギウス「遅れましたー!ベテルギウスです!」
リゲル「俺も遅れました!よろしくお願いします!」
彼らは秩序を知らないのだろうか
信は失望したのか頭を抱えた
彰「…よろしく頼むぞ」
3人は喜んで去っていった
声が聞こえなくなったのを確認すると
彰「はぁ…世話が焼けそうな奴らだな」
ため息をついた
八重「スペーストリオなんて言われてますけどただのバカトリオですねw」
彰「(でも奴らには潜在能力を感じる…気のせいかな)」

午後、暑い日差しが隊員達を照りつける中射撃訓練が行われた
信「全員!構えよ!」
隊員が銃を構える
その中にはあの3人の姿も
信「放て!」
一斉に銃弾が60m先の的に向かって放たれた
しかし的に当たったのはわずか50発中6発
信「(あの3人は当てたのか…?)」
サイレント「案外余裕だったな」
ベテルギウス「60mなんて余裕だよ」
リゲル「さて、射撃訓練も終わったし兵器の開発に着手しますかな」
余裕の済ました顔で帰ってきた
信「侮って後悔したかも…」

その夜
信は今回のことを彰に報告した
彰「(予想が当たったか…)」
八重「案外やりますね」
彰「奴らはこれからおそらく大きな戦力となるだろう」

そして隊員たちの食堂室…
隊員1「すげぇなお前ら!今日入ってきたとはいえ一発で当たるなんて!」
サイレント「まぁな」
そこまで喜んではいない
ベテルギウス「(この国のやつらはそこまで強くないのか…)」
隊員2「そういやリゲルさんは?」
サイレント「あいつは今、実験室で新型の兵器を開発しようとしている」

リゲルは科学者から武器を見てもらっている
リゲル「なるほど、ではこのライフルを超射程武器に開発して見せましょう」
科学者「何日必要だ」
リゲルは1週間と答えた
科学者が部屋を出るとすぐさま作業の音が聞こえた

その音は夜の11時半を回っても聞こえている

隊員1「すげぇよ…徹夜でやってて疲れないんすかね?」
サイレント「あいつは昔から昼夜逆転でも生きていけるやつだった。心配するな」
その音は夜中2時半を過ぎるとようやく静まったのであった

一方その頃、ツルギ達の陣営…

渋川「流石に、1ヶ月近くも経てば士気は戻るよな…」
刺客からの情報を聞き、そう呟いた
ツルギ「だがこちらは依然として士気は上がったままだ。兵士たちの訓練も熾烈になっているからな」
渋川はしばらく沈黙した
ツルギ「どうした」
渋川「私は近々…戦車などを使った戦闘がしたいのです
ツルギ「ほぅ…その理由を聞いてもいいか?」
渋川「この国は9月になっても暑さは続く。兵士を使った戦闘をすれば、戦死する前に暑さでやられるだろう。だから兵器を使い、被害を大きくさせたいのだ」
本当は、スペーストリオとやらを早く潰しておきたいと言うことだが、それを軍全体には伝えたくない…
ツルギは快く了承した
ツルギ「よし、今日から兵士たちに戦車などの使い方を教えてやるか」

8月21日。今日もユートピア議事堂では訓練が行われていた
菜穂「…。」
香澄「なに黄昏てんの?菜穂」
菜穂はビクッとした
彼女が見つめていたのは春輝がいる北西の方向
香澄「はぁ…この軍事隊には恋してる人多すぎでしょ。(感嘆)訓練の指揮サボらないでよね」
菜穂「…うん」
香澄は静かに部屋を出てった

サイレント「おぉ、これが新型ショットガンか!」
サイレントは新たに開発されたショットガンを持つ
科学者「これは NSG-268といってリロード時間の短縮、撃った時の衝撃を小さくしたんだ」
ベテルギウス「それに、現時点ではこの武器が近距離武器としてはピカイチなんだってよ」
サイレントはこの武器を持っていき、リゲルのところに行った
サイレント「おいリゲルー?この武器さー量産してく…」
リゲルはライフル作りに一極集中していた
リゲルはサイレントの言葉を気にしてはいないかのように作業をしている
サイレントは何かを感じるとリゲルの元を去った

アマタノミコト「今日も張り切っているなぁ。隊員達は」
彰が見守っているところにやってきた
彰「…なんのおつもりで」
アマタノミコト「…澪が死んでから、まだ1ヶ月も経っていないのに、今や我が軍の士気も彼女が死ぬ以前の状態に戻りつつあるなぁ
その言葉に彰はピンと来た
彰「帝王様…澪の名はもう出さないでください」
アマタノミコトは失言したかのように捉えた
アマタノミコト「…すまない」
彼は、まだ彼女のことを思っているのだな…

やがて今日の訓練も終わり、隊員達は夜の休憩に入った
隊員3「あー毎日疲れるなー。戦がなけりゃいいんだけど」
信「悪いが、お前達がまた武器を持って戦うのも、そう遠くない」
隊員達「えぇ…さっさと終わらせてくださいよ。内戦を」
信は申し訳なさそうな顔で隊員たちの部屋を回った

23:01…坂谷タワーテラス…
春輝は屋上から坂谷の地を眺めている
神永「おやまぁ、奇遇だなぁ
春輝「っ⁉︎なんでお前がここに⁉︎」
神永「基地をこっそり抜け出してお前にとって忘れられない地に来ているのか。くだらん」
春輝「うるさいっ!お前にはわからないだろう!」
どうやらあのことがまだ脳裏に焼き付いているようだ
神永「…初めての人殺しに対するのは、後悔か…クックッ、いちいちそんなものに囚われてはこの先…」
春輝は大股でその場を去った
神永「魂が揺らいだね…」
薄ら笑いをした後、どこかへ消えた

春輝が基地に戻ると
渋川「なにをしている。ツルギ様がお呼びだ」
春輝が自分の個室に行くとツルギがいた
ツルギ「こんな夜中に呼び出してすまないな。お前にはあることをやってほしくてな
ツルギは春輝に地図を見せる
春輝「…地下道の、潜入⁉︎
ツルギ「ああ。アマタノミコトへの攻撃を仕掛ける前に、調査をして欲しいんだ。1人でね
春輝は息を飲んだ
同時に失敗してはいけないと言うプレッシャーに襲われた
場所はユートピアシティ廃下水道跡 そこからアマタノミコト達のところに潜入する
春輝「喜んで引き受けます」

翌朝
春輝はわずかな懐中電灯を持っていき、地下道へと向かった
しかしそうもいかないのが、アマタノミコトたち
サイレント「あーあ。こんな暗いとこを探索するなんて…何があるって言うんだよー!」
戦慄の邂逅3分前


つづく


次回予告
サイレント「俺はなんか周囲には冒険家って言われてるけど、地下道とか、そんな汚いところには行ったことないんだよね*1
サイレント「今回行ったところもすごい汚くてさ、あの出来事がなければかなり長い時間あの地下道にいたかも」
サイレント「次回、地下35mの邂逅。なんか使われてないみたいだけどね」

EP17「地下35mの邂逅」


一つの邂逅によって停滞していた時が動きだそうとしている
戦を知らす音が近づいている


数分前
アマタノミコト「…サイレントだっけな?お前に任務がある」
サイレント「ん?なんすか?」
アマタノミコトは地図を見せる
サイレント「えー?地下道から潜入?汚そうなのに?」
アマタノミコト「お前は静かなる守護者と聞いている。これから戦を起こすためにも敵の情報が必要なのだ!」
サイレント「(静かなる守護者は異名なんですけど…)」
アマタノミコト「頼む」
サイレントはしぶしぶ了承した
それで、今に至る

8月22日午前9時14分…
サイレント「予想通り臭いし、汚ねーなー」
弱々しい懐中電灯を頼りに地下道を進んでいく
真っ暗な地下道の中、聞こえるのは、わずかな足音と、水が垂れている音のみ
先に気づいたのはー
春輝「…うん?足跡?」
春輝は足を止めた
春輝「(まさか…いやまさか)」
ゆっくりと足を忍ばせる
その足跡は近づくたびに音が大きくなっていく
春輝の足跡にサイレントは気づいていない
サイレント「地図によればここを右にまわれば…」
そして、次の瞬間ー

春輝「!?」
サイレント「えっ!?」
春輝「(こいつは確か…最近アマタノミコトの新入りとして入ったスペーストリオの1人…サイレントか⁉︎なぜここに⁉︎だとしてもここでやらなければ…)」
突如起こった事態に0.1秒の自失
サイレント「(こいつは確か…敵軍の鳳城春輝…か⁉︎こいつは俺と同じ、超能力を持つものだった気が…ん?だとしたら)」
彼も0.1秒の自失
しかし次の瞬間
春輝「反転旋回(スクリュー)!!
サイレント「っ‼︎」
ドォン
衝撃音と共に地下道が爆発した
爆発したところは煙に包まれる
春輝「ふぅ…」
サイレント「おもしれーじゃん。お前の技」
煙の中から颯爽と歩いてきた
春輝「チッ(舌打ち)」
爆発の影響で明かりは天井から少し漏れている光が差し込むだけ
その中で両者が見合う
サイレントは一瞬で距離を詰めようとしたが春輝が腹部を殴る
サイレント「こいつ…反射神経もイケる口か!」
春輝は追撃をかけようとするがサイレントに阻止される
サイレント「殴られてばっかで…黙ってると思うなよ!
春輝を壁に投げつける
春輝は背中を打撲し、よろよろと前に出てきた
春輝「本気で戦ってやるよ!」
打撃を見極め、カウンターを打ち込む。激しい殴り合いとなった

サイレント「(くそっ…狭いところで戦うのは俺の分野じゃない…ここは一発!)」
春輝の目の前が急に光る
サイレント「ランバルトフラッシュ!
天井に突き刺す
そして天井が爆発し、空からの灯りが漏れた
春輝「うっ…眩しい…」
サイレントが光が差す方に飛ぶ
春輝「待てよおい!」
春輝もそれを追いかけ、天井から地上に出た瞬間ー
サイレント「ここを待ってんだよ!」
春輝を殴り飛ばす
春輝は15m飛ばされたが、体勢を立て直した
サイレント「チッ、当てどころが悪かったか…」
春輝はゆっくりと距離を詰めにくる
そして一気に走り、
春輝「流転旋回(ハリケーン)!!
それを真っ向から受けたサイレントは宙高く舞い上がる
サイレント「やるか!」
飛んできた春輝の頭を手で押さえ、地面に叩きつける
春輝「ぐっ…」
叩きつけられた衝撃で頭からは血が出た
すると右足でサイレントの額を蹴り、叩きつけられた状態を治す
サイレント「フッ…殴り合いといこうじゃあないか!」

31℃の真夏の日差しが照りつける中、廃墟と化している街では殴り合いの鈍い音が聞こえた
2人の体には汗と、血が流れている
サイレント「(ここで能力は使いたくない…なぜなら、この事を大ごとにしたくないから!それにこれは…俺だけの問題だ)」
気づけば、50分は殴り合っていた
お互い過呼吸になり、立っていられるも辛い状態となっていた
サイレント・春輝「(これ以上はきつい…ならば!)」
お互い拳に(エネルギー)をこめる
そして距離を詰め

ドゴッ

突然春輝はうつ伏せに倒れた
ベテルギウス「サイレント!大丈夫か⁉︎」
サイレント「ベテルギウス!!なんでここがわかった⁉︎」
ベテルギウス「地下道が突然爆発したからなんかあったと思って駆けつけただけだよ。まさか敵方のスパイと遭遇するとはね」
2人は倒れている春輝を見つめる
サイレント「さて…どうする?」
しかしサイレントは話していたところを目覚めた春輝によって蹴り飛ばされた
ベテルギウス「サイレンー」
ベテルギウスも春輝の手によって地面に叩きつけられた
春輝「ハァ…ハァ…舐めやがって」
しかし何かの走行音が春輝の耳を伝った
彰「そこまでだ!」
車から彰、信、菜穂の軍事隊のトップが降りてきた
春輝「ここらが潮時か…」
春輝はここから立ち去ろうとする
彰は無言で眺める
信は何か言いたそうだったが、察して倒れている2人を助けに行った
菜穂「待って春輝!」
遠くにいてよく見えないが、彼は振り向いた
菜穂「あの…そのー…なんでそっち側に行ったの?」
春輝は一瞬戸惑ったかのように見えたが、すぐに走り去ってしまった

信「ぉぃ…おい!大丈夫か!」
サイレント「ん?大丈夫っすよ…なぁベテルギウス?」
ベテルギウス「そうだよ」
お互い血がやや多くついているのにこの様子である
信「うっ…治療してやるから大人しくしてろ!」
すると担架で運んだ
菜穂はまた立ちすくんでいる
彰「(並大抵の兵ならあの場で降伏すると思うんだが…忠誠心があるようだな)さて、戻るぞ」
怪我人のサイレントとベテルギウスを台車に乗せ、議事堂に戻った

ユートピア議事堂午前10時53分…
彰「ただいま戻りました」
アマタノミコト「ご苦労であった」
彰「どうやらあちら側も敵の情報を探るために差し向けていたようです」
アマタノミコトは舌打ちをした
アマタノミコト「クソッ。やはりきびしいか…」
彰「やはり様子を見るべきでしたな」
アマタノミコトは守衛を強化する方針を決め、議事堂周辺の街に兵を置いた

一方、ツルギたちも同じような事をしていた

ツルギ「くそっ…忌々しい。こうなれば全面戦争だ!」
渋川「ツルギ様。落ち着きください。(アマタノミコト)を攻めるのには充分なのですが、一つある勢力をお忘れなのでは?」
ツルギはしばらく沈黙したが
ツルギ「…あの狼か

言い忘れていたが、8月13日にジェネレン地方は臨時政府として第二次ジェネレン共和政が誕生していた

8月23日
淳一「さて、クーデターを鎮圧した事だし、そろそろ外にも目を向けていくとするか」
配下「…といっても、やることは一つでしょう。侵攻
淳一は笑顔で頷いた
そして立ち上がり
淳一「私は前々から決めておった。これより、第二次南方征伐*2を開始する!」
配下たちは拍手をした
すると
配下2「淳一首相。どうやら、ツルギ様からの手紙が届いたようです」
淳一「手紙?なんのだ?」
淳一は手紙を開く
「淳一首相。如何お過ごしだろうか。今回私が貴方に手紙を出したのは、貴方と共に、兄…いや、アマタノミコトを征伐しようという話です。クーデターから1ヶ月が経ったので、そろそろ戦力も整ってきたからだと思います。もし大丈夫なようであれば、いつでもよろしいので、我々の本拠地、坂谷に来てください。会談をしましょう。待っています。ツルギ」
淳一「そう来たか…」
配下「首相!決断を!」
淳一「…この話、乗った!!出撃の支度をせよ!」

こうして、8月24日。淳一達はムーブタウンを出発した
ツルギ「これでいいのだな?渋川」
渋川「ええ。そして会談にて不可侵条約を結び、共にアマタノミコトを潰すことになります」
しかし、渋川の本来の目的は…

会議終わり、ツルギが1人で廊下を歩いている
???「ツルギ様。あのことは本当なんですか?兄さんが来ること
ツルギ「…帰蝶か」
少し下を向いた後帰蝶は
帰蝶「…追い返してください
ツルギ「えっ⁉︎」
その大軍は、今にも坂谷に迫ってきている
ツルギ「(何を言ってるんだこいつは…)」


つづく


次回予告
サイレント「隊長ー!ここの武器の扱い方がわかんないんすけど!」
菜穂「…。」
サイレント「なんで無言なんすか!教えてくださいよ!」
香澄「(小声)安心して、いつもあんな感じだから」
ベテルギウス「次回、狼は再び
リゲル「(うるさくて研究に集中できないんですけど)」

EP18「狼は再び」

ー2年前ー

淳一「お前の結婚相手が決まった」
帰蝶「…え?」
当時私はムーブタウンの秘書として働いていた
なんの前触れもなく、兄は私に言ってきた
淳一「…お前の相手は、帝王様*3の次男、ツルギ様とだ」
いろんな感情が錯乱した。なんで私なのか、なぜ私が選ばれたのか…
帰蝶「…わかりました。今すぐ準備を整えます」
でも私は準備に必要以上に時間がかかってしまった
帰蝶「一つ兄さんに言いたいことがあるのですが…」
淳一「ん?なんだ?」
帰蝶「お世話になりました。兄さんは兄さんで頑張ってください
帰蝶はそういうと荷物をまとめて部屋を出て行った
淳一「(兄さんは兄さんで…か。遠回しに言えば俺らとはもう関わらないって言いたいのか…)」

あの時、もう関わらないって言ったのに…


2つの勢力が手を組み、1つの勢力を攻めるのは当たり前のこと
あの狼が、帰ってくる
しかし、狼は一匹ではない事を忘れてはいけない


ツルギ「今更どうこう言ったってあいつらは引き返さないぞ!」
帰蝶「ならば意地でも追い返して見せます」
とっとと外へ出ていった
ツルギ「(…結婚した時からあいつは意地が強いんだよな…)」

8月24日13時24分。坂谷近くのT字交差点…
淳一「暑いと思うが、目的地までもう少しだ!頑張れ!」
すると淳一の目の先に映ったのは少し先の道路に1人で立っている人
淳一「…誰だ?」
よく目を凝らすと帰蝶だった
淳一「…帰蝶⁉︎なんでここに⁉︎」
帰蝶「…あなたなんで他の手を借りようとしたの?
淳一は何を言っているのかわからなかったが、思い出した
淳一「ああ…あのことね

そうだったな…俺は首相になった時からいつだって、自分で全て乗り越えてきた
他人の力は元々借りないタチだった
あいつ、まだそのこと根に持ってたのか…
帰蝶「いつも人の手を借りないあなたが借りると言うことは、よほどの異常事態ということですね?」
兵士「なんだあいつ!俺たちを侮ってんのか⁉︎」
ツルギ「まぁそう高ぶんな。あいつ気が強いからな」
ツルギ「これはなぁ。戦争なんだよ。人の手を借りるかりないなんて関係ないと思うが?」
すると帰蝶はしばらく黙り込んだ
兵士「(撃沈されたか…?)」

帰蝶「ならこういうのはどうでしょう。今この場で条約を結ぶのは」
淳一「(よほど会わせたくないのか…)…よし、いいだろう。何か承認の紙はないか?」
帰蝶は配下から渡された紙を見せる
帰蝶「この紙にあなたの名前を書いてください」
淳一はその紙に名前を書いた
帰蝶「しかと受け取った。これをツルギ様にも書いていただき、条約成立とする」
淳一は黙って頷いた

ツルギ「…帰蝶の奴、よくあんなことできるよな…」
渋川「いいんじゃないか。ああ言う事をすることで、こちらとあちらの立場をはっきりと分けれるからな」
こうして、8月24日。不可侵条約が結ばれた
翌日、淳一は坂谷の拠点に入った
しかし、ツルギたちの方が上だと言う事を示された

ツルギ「それでは、今後の戦略についての会議を始める」
渋川「…と、言いたいところだが、こちらですでに決めてある」
淳一は驚いた
なぜなら、ここに来るまで作戦についてはなんの情報も聞かされていなかったからである
淳一は机を叩いて立ち上がり
淳一「ちょっと待ってくれ。このままじゃ俺たちがお前らに従うだけじゃないか。条約の意味なんてないじゃないか!」
ツルギ「誰も彼も従えなんて言ってないが?」
渋川「待て待て。せっかく条約を結んだのに、言い争っては意味がないではないか」
そういうと双方静まった
しかし淳一が席に座る時の音は少し荒かった

ツルギ「…続きだ。これから戦をするときには、淳一たち(貴方たち)が先鋒を務めてほしい」
淳一「(でしょうね…)」
想定内だったが、これ以上反抗しても意味がないため
淳一「…わかった。でもこちらから一つ条件を言わせてもらおう。お前たちは何を援助してくれるのだ?」
渋川「武器や食糧、戦車などを援助する。それだけで十分だろ?」
ツルギ「決行日は8月27日。我々が用意したN-MGO410の砲弾でユートピア議事堂を砲撃。そして…」

会談は夜の2時まで続いた
淳一「あー疲れた。最後の数分間で言ってたことなんて忘れちまったなぁ」
淳一が歩いていると
帰蝶「あっ」
淳一は肩を落とし
淳一「はぁ…まさかこんなところでお前と会うとはな」
しかし帰蝶は無視して淳一とすれ違う
淳一「おい、ちょっと待てよ!何も言わないのかよ!」
帰蝶は振り返ると
帰蝶「…私はもう、そっち側の人間じゃありません
すると大股で廊下を歩いていった
淳一「…。プライド高いよな…今も昔も」

8月25日。ユートピア議事堂に激震が走った
アマタノミコトは急いでミーティングルームに走った
ミーティングルームには彰、信、八重がいた
彰「やられましたな…先ほど情報が入り、ジェネレン臨時政府と反発軍*4が不可侵条約を結んだようです!」
信「あいつ…まだ懲りてなかったのか」
八重「とにかく、今のままでは挟み撃ちにされるので、我々も急いで対策を練らなばなりません!」
アマタノミコトは席につき、緊急会議が行われた

信「まず、今回の戦いからは戦車や爆撃機など、本格的な大型兵器を取り入れるべきだと存じます」
アマタノミコト「待て待て。それでは、戦場を変える必要がある。決まっているのか?」
彰は即座に地図を見せ
彰「戦場はルウク地方とジェネレン地方の境目にある赤ヶ原盆地が最適の地だと思います」
アマタノミコト「よし、赤ヶ原周辺の住民には避難指示を出そう」
そして八重は現在の大型兵器の現状について説明した
彰が見せた地図には赤い線がついているが、どう言うわけか二つに分かれている
アマタノミコト「この二つの線はなんだ」
彰「ここから赤ヶ原盆地へのルートなんですが、山ルートか沿岸ルートに分かれているのです」
どちらのルートもツルギ達の本拠点の坂谷を避けるルートとなっている
信「我々はどっちのルートを進めば良いか話し合っているのです」
アマタノミコト「何かどちらのルートにも危険なところがあるのか?」
信「沿岸ルートは平地になっており、敵にバレやすいところ。山ルートはとても険しく、奇襲されたら終わりだと言うとこですかね」
ミーティングルームには静かな空気が流れた
八重「やはりここは、リスクも伴いますが、安全な沿岸ルートの方がいいでしょう」.
信は定規で坂谷の拠点と沿岸ルートを測る
信「だが…沿岸ルートと坂谷の拠点の距離が近いのも問題なんだよな…」
彰「しかし見つかってしまえば全滅だ。二手に分かれていくのが最良だと思う」
アマタノミコト「…二手か」

それ以外の良作がなかった為か、赤ヶ原への進軍は二手に分かれて現地で合流することとなった
8月26日午前5時51分ユートピア議事堂前
太陽が昇っている
沿岸ルートは彰と八重。山ルートはアマタノミコト、信、菜穂となった
アマタノミコト「では、ご武運を祈る」
彰「牛島!後でな
信「応!」
こうして5時53分。二手に分かれてユートピア議事堂を出発した
沿岸ルートは15万人、山ルートは9万人
合わせて24万人の大軍を率いて赤ヶ原に向かう
彼らは道中、敵に気をつけて進軍した
だが幸いなことに、ツルギ達に見つかることはなかった
ツルギ達には…

同日、淳一達が会議終わりでムーブタウンに戻っているときだった
淳一「ふー、もうちょいだ。暑いな…」
隊員「首相。なんか海の方に軍隊がいますよ?」
日光でぼやけててよく見えないが、確かによく見える
淳一「…あれは?見てこい」
隊員達が目を凝らすとどこかで見たような人の姿が
隊員「えっ…もしかして、諸星軍事隊総司令官⁉︎」
淳一「これは…絶好の機会なのでは⁉︎」
偶然が引き起こした戦が始まる


つづく


次回予告
信「先輩、ハゲタカってガチで禿げてるんですか?」
彰「見てみろ。(写真を見せる)」
信「うわっ!ガチでハゲじゃん!可哀想…」
八重「どうせ貴方も歳を取ればハゲになるから…(ボソッ)」
彰「次回、啄木鳥包囲網
信「八重さん、今なんて言った?」
八重「た、ただの独り言よ!」

EP19「啄木鳥包囲網」

8月26日午前8時19分。地方境界の沿岸にて
雪月隊は彰達の軍勢を発見した
隊員「よっしゃ!奇襲のチャンスだ!」
淳一「落ち着け、気づかれてしまっては終わりだ」
慎重に銃を構える
淳一「静かに、静かにな」
狙いは160メートル先の彰たち
淳一は静かに手を上げた
次の瞬間、弾の連射音が彰たちの耳に響く
彰「何が起きた⁉︎」
弾丸はこちらから放たれている
八重「あちらからの軍隊…もしかして、雪月隊⁉︎
彰「(淳一達は条約を結ぶために坂谷に来て、戻るためにこの近くを通っているのは全然ありえない話じゃない。クソッ、運が悪い…)」
彰「逃げるぞ!ここから2km先に行けばこの沿岸は抜ける!」


偶然が引き起こした戦が始まった
目指すは、北に10km先の赤ヶ原盆地
獲物を決して、狼は逃さない


淳一「決して逃すな!撃ち尽くせ!!」
弾丸の嵐が彰達を襲う
彰「何か守るものは!」
隊員たちは戦車に逃げ込んだが、乗り遅れたものは撃ち殺されていった
サイレント「おい、何が起きたんだよ!」
戦車はサイレントとベテルギウスが操作している
ベテルギウス「どうやら帰りの雪月隊に出くわしたようだ。急いでここを突破するぞ!」
戦車のスピードが上がる
相変わらず戦車には弾が撃ちつけられる音が続く
ベテルギウス「るっせぇな…まぁ耐えられるとは思うんだが」

淳一「クソッ、やめだやめだ!そんなしょぼい銃じゃダメだ!ランチャーをありったけ撃ち込め!」
10数人の雪月隊員が大型ランチャーを構える
淳一の合図とともに発射され、戦車の近くに着弾した
着弾の衝撃で戦車は大きく揺れた
サイレント「ダメージ率12%…ジリ貧でやられないようにしないと」
ベテルギウス「やられてばっかで、黙ってると思うなよ!」
戦車の発射台の標的を雪月隊に向ける
ベテルギウス「発射!」
爆弾が数発撃ち込まれる
淳一「フッ…新入りも伊達じゃないってね。だがエイムはお粗末だ」
移動しながら爆弾を撃つことで時間を稼ぐ作戦だった
サイレント「まだか⁉︎」
彰「早いぞサイレント。まだ12kmもあるぞ」
爆弾を連発しながら沿岸を進んでいく
爆発戦の影響で砂は舞い、建物は崩れ落ちていった
その中には、建物の下敷きなった人々の姿もあった
彰「…すまぬ」
彰は手を合わせた
サイレント「現在のダメージ率31%!もちますかな…」
八重「構わない!ここを意地でも突破するんだ!君たちにかかってるんだよ!」
爆弾だけでなく、戦車の窓からライフルやミニガンを連射した
淳一「小賢しい…我々も怠るな!」
そんな中、1人の隊員が放った弾が戦車を貫通した
彰「…は?」

その頃、山ルートのアマタノミコトたち…
信「ダメです…通信に応答しません」
アマタノミコトと彰達は常にお互いの現状をトランシーバーで連絡し合っていた
最後の応答は8時12分
菜穂「きっと彼らの身に何かしらのことがあったとしか言いようがないですよ!」
アマタノミコト「そうだが…先に赤ヶ原に向かおう」
するとトランシーバーからノイズが聞こえる
「ガガー…聞こえガガーてガ、ますガガーか。我々はガガー今、雪月ガガー…(通信が途絶える)」
アマタノミコト「おい!雪月隊がいたのか⁉︎」
彰「現ガガー在、我々は今、ガガー交せ…(ノイズが走り途絶える)」
信「クソッ!淳一達の帰りにあったって感じか!」
菜穂「是非もないことです。私たちは進み続けて、彼らの幸運を祈りましょう!」
そういうと山の中の険しい竹藪を潜り抜けて進んでいった

彰「チッ」
戦車を貫通した弾丸は彰の額をかすった
八重「彰さん‼︎」
彰「問題ない」
彰は手で血が出ている額を拭いた
消耗しているのは、彰達だけではない

淳一「弾薬も少なくなってきたな…」
今回は偶々会議の帰りだったため、隊員は200人ほどしかいない
それに、先ほどの爆弾の影響で50人は削られた
淳一「ここは見逃して合流すべきか…否、あの手があった

坂谷の拠点午前9時16分…
ツルギ「はい、こちらはツルギです。ご用件はなんでしょうか」
ツルギ「…え?救援要請?」
渋川「つまり諸星達を殲滅させるためには自分たちの力では足りないと言うことですな」
渋川は断言するように言った
渋川「この機に、帝王様も殺してしまいましょう!」
ツルギ「一石二鳥…か」
午前10時50分。ツルギ達は3万2000人を率いて坂谷を出発した

淳一は出発の知らせを聞くと、攻撃をやめた
彰「ようやく乗り切ったか…?」
サイレント「ダメージ率52%…結構喰らいましたね」
彰達の進軍は一回止まり、休憩に入った
休憩では怪我をした者達の手当てをしたりした

午前11時16分。赤ヶ原にアマタノミコト達が到着した
いまだに彰達とは連絡がつかない
アマタノミコト「無事でいてくれ…」
菜穂「ひとまず、陣を張って臨戦体制をとりましょう」
アマタノミコト達は中心に本陣を置き、そこから円を描くような体制をとった

彰「残り3kmか…」
突然の戦闘と長い銃撃戦に兵は疲弊していた
八重「遅くても良いのでまずは安全に赤ヶ原につきましょう」
彰「それが最優先事項に決まってんだろ」
こうして、その日の夜に彰達は赤ヶ原に着いた

アマタノミコト「諸星!よく無事に来た!」
彰「いや私は無事でも…」
負傷した兵はざっと見て四百人は超えている
アマタノミコト「周りに警戒しながら、負傷兵の手当てに努めよ」
彰「承知いたしました」
負傷兵の手当てでその日は終わった
徹夜でアマタノミコト達は周囲を警戒したが特に何も起こらなかった

8月27日。赤ヶ原近郊の街…
ツルギ「なぜ救援要請を出した?我々の軍はタダで貸すつもりはないぞ?」
淳一は膝をつき
淳一「諸星総司令官率いる軍は赤ヶ原に向かっております。それに、あの時私たちが遭遇した軍は全てではないと思っております故…」
渋川「良いでしょう。その代わり、負担は貴方達が受けることで」
淳一は直ぐに承諾した
渋川「しかし、ただ攻めるだけでもつまらないし…雪月隊には赤ヶ原盆地の奥から攻めてもらいます」
同時に赤ヶ原盆地周辺の地図を見せる
渋川「ここは盆地。山に囲まれているから外からのものには気づきにくい。そこで先に雪月隊に北の方から攻め、後から私たちが南から攻撃する
ツルギ「それって…」
渋川「そう、私が名付けた啄木鳥包囲網だ。特段邪魔でも入らない限り、この作戦は失敗しないと思う」
しかし、その会話を春輝がこっそり聞いていた
春輝「(また人を殺さなければいけないのか…もうこの世の中は乱世に近づきつつあるかもな…)」
ツルギ「8月28日早朝。淳一達が後ろ側から攻める!」
渋川「その時の天気予報は霧が出ている。奇襲するのに最適だ」
淳一「そして短期決戦に持ち込む」
連合軍の間でついに決戦の余地がつけられた

23時11分。怪我人の手当てもだいぶ終わり、アマタノミコトが星空を見ていた頃だった
北の空から一つの流星が落ちるのをアマタノミコトは見た
アマタノミコト「…何か不吉なことが起きるかもしれない」
念のため、まだ起きていた彰を呼んだ
彰「どうなさいました。帝王様」
アマタノミコト「先ほど、流星が北の方から落ちてな」
彰「…淳一達の方角か…明日何か起こりますね。推測ですが。警戒を強化しましょう」

無音が続く丑三つ時。
盆地の北の方では淳一達が攻撃の準備をしている
8月28日。午前3時辺りから霧が出始めた
おかげで警戒が薄まってしまった
警備隊員「見づらいなー」
そして午前5時

淳一「朝日が昇り始めたな」
彼の前方には無数の兵が待ち構えている
淳一は手を前に突き出し
いざ、風の如く進め!

赤ヶ原の戦いが始まる


つづく


次回予告
アマタノミコト「父上は、乗馬も好きだったけど、星を見ることも好きだったんだ」
アマタノミコト「将星とかを見ることで、人の死とかがわかるとか言われてるけど、そういうのってわかるもんなのかなぁ」
アマタノミコト「次回、流星雨の降る夜に
アマタノミコト「そういえば、近々流星群が来るんだっけ…」

クリスマス特別編「Christmas that doesn't exist」

12月24日朝
サイレント「とうとうきてしまった…聖なる日が!
なんでこんなことを言ったのかと言うと、毎年クリスマスになれば、カップル共がクリスマスを色付ける
別に嫌いではないのだが、苦手なんだ。
サイレント「今年もあいつらと過ごすかー」
ベテルギウスとリゲルの2人と、いつも過ごしてきたから
???「あ、あのーサイレントさん?」
なんか聞いたことあるみたいだな…
サイレントは振り返ると
香澄「あの…サイレントさん。よ、よかったら今夜、いっしょにデー…じゃなくて、街を歩きませんか(?)?」
サイレント「…え?」
サイレントはとても困惑した
香澄は下を向いているが、とても赤面している
サイレント「…わかった。ちょっと2人に連絡するわ」

ベテルギウス・リゲル「えーーーーーーーーーーーーーーーーーーー⁉︎⁉︎
通知が来た瞬間、声に出して叫んだ
ベテルギウス「ついにサイレント(あいつ)にも彼女できたかー(できてない)」
リゲル「そっち側だったとはなー(そっち側とは)」
2人で笑い合っていると
???「おい、お前らは2人で過ごすのかよ」
ベテルギウス「は、春輝⁉︎」
春輝「まぁ、俺も誘われたんだがな(悪意はない)」
リゲルは少し苛立った
リゲル「だ、誰に誘われたんだよ」
春輝「フッ、言わない」
2人「チックショー!!」

温暖なルウク地方にも雪が降ってきた
彰「今年もやってきたか…」
軍事隊はクリスマス関わらず働く。当たり前のこと
彰「さて、今日も今日とて資料の整理でもしますかね」
ガララ
信「先輩っ!帝王様の声明で、全国民働かなくて良いそうです!」
彰「…マジか。」
信「大マジ。直ぐに外に出ましょう!八重さんも誘っときますね!」
彰は信がいなくなったのを確認すると、少し笑うと同時に上を向いた
彰「…できれば、お前と過ごしたかったよ…」

ユートピアセントラル公園午後18時16分…
サイレント「待ち合わせはここって言われても人混み多すぎない⁉︎」
ドッ
サイレント「いたっ。すいませ…」
春輝「え゛サイレント⁉︎」
サイレント「お前もここで待ち合わせてんのかよ」
春輝は自信満々に頷いた
菜穂「あ、春輝!待たせてごめんね!」
サイレントは声を出して驚いた
サイレント「えっ、お前の彼女一般隊隊長なん⁉︎」
春輝「お、おう」
サイレントは舌打ちをした
すると
香澄「サイレントさん。行きましょう!」
香澄はサイレントの手を取り、走り出す
その一部始終をベテルギウスとリゲルは見ていた

彰「あー寒。こんな寒かったっけ?ユートピアシティ」
信「気のせいっすよ。先輩」
すると奥から
八重「彰さん!行きましょ!」
八重が走ってきた
信「え?俺は?(実は誘ったのは信)」
八重は構わず彰とトコトコ歩いていった
※ちなみに泰樹は友達と一緒にいます

香澄「わーツリー綺麗だね!」
サイレント「ライトアップすげぇなー。眩し」
香澄はサイレントの顔を見て
香澄「(でも今は…貴方の方が…まぶ)」
ベテルギウス「や、サイレント」
サイレント「おお、ベテルギウス。奇遇だなぁ」
香澄はベテルギウスをバレないように少し睨んだ
リゲル「(小声で)おい、ベテルギウス。2人のロマンスを邪魔するんじゃないよ」
ベテルギウスは自分が空気を読めない行動をしたと気づき
ベテルギウス「あ、すまんすまん。俺急用思い出したからどっか行くわ」
リゲルとそそくさにどこかへ走り去った

信「先輩見てくださいよ!この通りの木のライトアップマジやばいっす!」
まるで子供のようにはしゃいでいる
彰「(31歳児か…)」
彰「でも、確かに綺麗だ」
この灯りは、風前の灯じゃないことを祈る

サイレント「そういや腹減ったなー。なんか屋台でも寄って食ってこうぜ。あ、俺お金出すわ」
香澄「あ、ありがと、ね…」
すごくテンパっている
サイレント「何ドギマギしてんだよ。何が良い?」
彼自身はすごく鈍感である
香澄「えっじゃあ…ココアと、フリフリポテト…」
サイレント「OK。直ぐ買ってくるから絶対にどっか行くなよ!」
通りすがりの一般人「(気配り完璧かよ…)」

その頃、菜穂と春輝は…
菜穂「ねぇ春輝。私前からこのレストラン行きたかったから行ってもいい?」
春輝「モチのロンで」
2人が並んでいると
彰「ここだっけ。八重が行きたかったレストラン」
信「お、俺が予約したところっすよ!」
八重「はい!」
菜穂は驚いて振り返る
菜穂「総司令官⁉︎」
彰「おお、お前もここにきていたのか」
信「八重さんが行きたかったレストランらしいですよ」
八重「キッショ。なんでわかるんだよ」
信「貴女が行きたいレストランってさっき言ったじゃないですか!」
八重「嘘嘘」

和気藹々と話しているうちに順番が回ってきた
菜穂と春輝は2人きりの席に入っていった
彰達は最大6人のテーブル席に座った
店員「あ!諸星総司令官!それに牛島副司令官!咲野親衛隊長!お疲れ様です!」
彰「おー。お前達もこんな時期にありがとな」
彰はチーズインハンバーグ、信はドリア、八重はカルボナーラを注文した
彰「おお。こんなうまいの食ったのいつぶりかな」
信「やっぱドリアはうまいっすね!チーズのびのび!」
八重は彰を見ながらスパゲティを食べている
彰「おい、今は食べるのに集中しろよ」
八重「はひっ!す、すいません!」

菜穂と春輝は楽しく会話しながら食事をしている
どうやら昔のことを話しているようだ
楽しそうでなにより

サイレント「お待たせ!熱々だから火傷すんなよ!」
サイレントが行ってきて15分後のことだった
香澄「ありがとう…」
サイレントは自分のケバブをむしゃむしゃ食べている
香澄がサイレントを見つめていたので
サイレント「あ、欲しい?やるよ」
ケバブを差し出した
香澄「あ、うん(そう言うわけじゃなかったんだけどな…)」
サイレント「その代わりココアちょーだい」
香澄の脳内は処理が追いつかなかった
香澄「(ちょっと待って!これって実質間接キスだよね⁉︎⁉︎?)」
躊躇構わずサイレントはココアを飲んだ
サイレント「あーあったかくてうまー!ま、そりゃそうか。腹も膨れたことだし、タワーでも行って夜景でも見に行きますかね」
香澄の手を連れ、走り出す

21時13分。ユートピアセントラルタワーには大勢の人が集まっていた
春輝「あれ、サイレントくんじゃぁないか」
サイレント「あれれぇ。君たちもタワーに登るつもりだったのかい。今日はよく会うなぁ」
彼らは悪意ゼロで話している
でも周りの人からしたらうるさい人たちである

彰達は22時から仕事があるため、帰っていった
冷たい風がサイレントらの頬を打ちつける中、頂上の200m地点の屋上に立った
サイレント「おお。寒。でも夜景がすげえな」
香澄「…あの。今日はアリガト」
サイレント「まぁな。たまにはこういう夜も、いいんじゃないかと」
香澄はしばらく黙り込む
風が流れる音だけがしばらく続く
香澄「…ねぇサイレントさん」
サイレント「ん?」

その瞬間、香澄の唇とサイレントの唇が軽く重なった
サイレント「…え?」
香澄「…突然ごめんね。これは、その…私からのXmasプレゼント?」
両者共々赤面している
サイレント「なんで俺を…?」
香澄「…そうやっていつでも周りに気を配ってるところだよ!//」
サイレント「でもよ…不意打ちはずるいだろ
香澄に近づき
香澄「えっ⁉︎ちょっと待って!心の準備がー」
一般人「(お幸せに…)」

23時59分。仕事終わりの彰は自分の部屋に戻ってきた
彰は何かのプレゼントを持っている
彰「澪、メリークリスマス」
そっと澪の遺影の前にプレゼントを置いた

日付が変わっても景色や人々は変わらず色づいている
こんな日々がいつまでも続けばいいのに

クリスマス特別編 終わり

EP20「流星雨の降る夜に」

淳一「いざ、風の如く進め!」
午前5時12分。日の出とほぼ同時に淳一達は赤ヶ原盆地の北方から侵攻を開始した
霧の中を雪月隊の兵士は進んでいくが、中々前方に部隊が見えてこない
しばらく進むと、広い平野に出た
霧が少し晴れるも、人の姿は見えない
淳一「…まさか!

一方その頃、ツルギ達の本陣…
ツルギ「霧が晴れてきたな」
すると遠くから足音が聞こえる
アマタノミコト「皆のもの!ツルギ達はあそこぞ!攻め立てよ!」
その足跡は近づいてくる
渋川「何が起きている?」
配下「も、申し上げます!アマタノミコト軍がこちらに攻め寄っています!」
ツルギ「計画にしては早くないか?」
突然の事態に渋川の脳内に出たたった一つの可能性
啄木鳥包囲網の失敗
渋川「今す戦車の準備をしろ!」
その場にいたものは唖然とした
渋川「わからぬのか⁉︎我々は今死地にいるんだぞ!」
渋川の必死の弁明も虚しく、防御体制には至らなかった
渋川「何故…どうやって見抜いた?」

ツルギ達の陣に真っ先に駆けてきたのは
スペーストリオの疾風(はやて)ベテルギウス
ベテルギウス「遅れをとるな!見破られて混乱してる今がチャンスなんだぞ!」
持ち前の刀を構えて飛び跳ね、ツルギ達の陣の直ぐ目の前に現れ、
ベテルギウス「その首、貰い受ける!」
その瞬間
ツルギ自ら抜刀し、ベテルギウスの刀を押さえ込む
ツルギ「悪いが、この首はまだ渡さん」
ツルギの腕力でベテルギウスを押し飛ばす
ベテルギウス「チッ」
春輝「ここは私が」

そうこうしている間にアマタノミコト本軍が迫ってきている
配下「渋川様!ツルギ様!戦車の準備が整いました!」
ツルギ「よし、こちらに迫ってきている奴らに放て!」
陣の前に4,5車戦車が現れ、発射準備をする
戦車指揮官「放てー!」
勢いよく発射された弾は本軍に直撃した
アマタノミコト「クソッ、こちらも撃ち返す部隊と突撃する部隊に分かれよ!」
午前6時1分。霧は無くなり、部隊の姿がはっきり見えるようになった
未だ、真っ先にかけてきたベテルギウス率いる先駆隊は奮闘している
渋川とツルギも自ら抵抗し始めた
ツルギ「いつまで続くんだこの状態は…」
渋川「ひとまず、雪月隊が合流するのを待ちましょう!」

春輝とベテルギウスは別の場所で戦闘している
刀では無く、拳で殴りあっている
ベテルギウス「ウチの馬鹿*5にちょっかい出したみたいだってな!」
春輝「あ?あれはそっちからやってきたんだろうが。悪いが通さないぞ」
次の瞬間、春輝の重い蹴りがベテルギウスを彼方へ飛ばす
ベテルギウス「へぇ。じゃあまじで相手してあげるわ!」
上空へ駆け上がり、瞬きもしないうちに春輝の腹へ殴り込む
春輝「やるじゃねぇの⁉︎」
カウンターとしてベテルギウスの袖を掴み、上空に投げ飛ばす
ベテルギウス「チッ、この風圧はきついな…」
春輝「それで終わりと思ってんのか?
さらに遠くへ投げ飛ばした
ベテルギウス「クソッ。いつか…」
それ以上の声は聞き取れなかった
春輝「ふぅ…これで一息」

淳一「急げ」
雪月隊は戦車や車を急いで走らせている
淳一「このままあの状況が続けば、最悪全滅だ。最悪な…」
配下「首相!トップスピードです!これ以上出せません!」
隊員全員焦りながら戦場へと急ぐ
午前6時34分。戦況はほぼ互角。ベテルギウスの撤退により、先駆隊は撤退した
アマタノミコト「(雪月隊が合流するのも時間の問題…)作戦変更だ!全軍突撃!」
アマタノミコト率いる4万5000人がツルギ達の本陣目掛けて走る
放たれる弾丸無視で突っ込んでいく
ツルギ「命知らずの人間め…」
彰「(果たして勝てるだろうか…いや、勝たねばならぬ!!)」
本陣の200m前まで迫り、戦はさらに激しくなった
信「あともう少しぞ!踏ん張れ!!」
しかしそこから戦況は変わることはなかった
ーそして、午前7時16分…
彰「畜生…ここまでかよ…」
八重「彰さん!どうやら我々の近くに雪月隊と見られる旗がいる模様です!」
彰は今はこれ以上の侵攻は不可能に近いと判断し、近くの黒臼山に撤退するよう指示を出した
アマタノミコト軍が撤退していくのを、雪月隊は見た
淳一「大丈夫だろうか…」

午前7時25分。ツルギ達の本陣は約4割程被害を受けていた
淳一「この度の失敗。申し訳ございませぬ。どうぞ、相応の罰を与えてくだされ」
ツルギ「そう自虐するな。是非もないことだ。安心しろ」
渋川「それに、今後の戦が重要だ」
渋川は黒臼山の方を見る
渋川「あそこはジェネレン地方に入る上で難所と言われる黒臼峠がある山…どう攻略しようか…」

午前7時49分。黒臼山400メートル地点…
アマタノミコト「雪月隊の奇襲が失敗した以上、ここから正面衝突だな」
信「こっからが本番ってわけね」
彰「さて…幸運なことに、ここが攻め落とされるには、難所と言われる黒臼峠を登る必要があるみたいだ」
彰はそこら辺にあった周辺地図を見て言った
菜穂「獣道でも通らない限り、彼らは四つの登山道から来ると思います」
四つに分かれるか、一つに集中するか
八重「ひとまず、安全なところに陣を置き、山から地上を少数の兵に警戒させておきましょう」
彰「防御戦…ってわけか」
見晴らしのいいところに見張り兵を3,4人置き、赤ヶ原を監視することにした

その頃、ツルギ達も作戦会議をしていた
ツルギ「どう攻めるかか…」
沈黙だけが続く
渋川「あそこは高所だから登ってる途中な撃たれるのは確実」
淳一「…。ツルギ様。渋川さん、我々のランチャーなら遠方射撃ができますが」
渋川「ダメだな。ただの威嚇射撃になってしまう」
いいアイデアが出ないまま、午前8時を回った
するとツルギが
「ならばこういうのはどうでしょう。彼らはこちらから攻めに行くのを待っているので、それを逆手に取って我々もここにとどまる」
渋川「いわゆる兵糧攻めってやつか…」
ツルギは地図の黒臼山周辺を指で囲み
ツルギ「ここ一帯の様々な手段を断絶させる。水、食料、その他諸々…飢え殺しだ」
渋川「(ツルギ様もそのような考えを持つようになったか…)」
渋川「やってみるか…」

場所は代わり、アマタノミコトたちの本陣。いつまで経っても、ツルギ達は来ない
彰「どういうことだ?」
信「やはり、難所だということで、こちらから出るのを待つのでは?」
彰「…。もう少し待ってみるか」
そして夜、およそ半日待ったが向こうから攻めてくることはなかった
彰「…やはり、待っているのか。よし、出るぞ」
出発しようとしたその時ー
配下「総司令官!一大事でございます!我々が進む四つの登山道が塞がれた模様!さらに、ライフラインも遮断された模様!」
信「やられましたな…これは兵糧攻めだ」
警備兵も長い時間監視しているため、疲れている
彰「しくった…」

その頃、一般兵のテントでは…
サイレント「おい、俺たちはいつまでここにいればいいんだ?」
リゲル「どうやら、ライフラインも壊されたから、出るしかないだろ」
ベテルギウス「だとしたら、道なき道を進むしかない」
ベテルギウスは獣道を通るべきだと話した
サイレント「その話、上層部に伝えてもいいか?」
ベテルギウスは驚いたが、サイレントを信じ、了承した

彰「…。獣道か」
サイレント「危険性はとても高く、リスクはあると思いますが、この窮地を脱するにはこれしかないのです!」
彰はサイレントの必死な瞳を見つめる
サイレント「このままでは、何もできないままジリ貧で壊滅します!…ならば、この私が先陣をきります!」
アマタノミコト「…わかった。考えておく」
サイレントは礼をすると出ていった

彰「…星の道標か」
丁度、北の空に流れ星がたくさん降ってきた
アマタノミコト「空にいる父上からのメッセージかもしれないな」
その流星群は23時から24時にかけて降ってきた

8月29日未明
彰達は徒歩で獣道を通り、黒臼山を下っていった
先陣はサイレント、ベテルギウス、リゲル含める40人。
わずかな灯りを照らし、進んでいく
200m降りたところに、崖に遭遇した
八重「どう降りましょうかね…」
彰「遠回りしかないだろ。こんな崖危ない」
サイレント「それはどうかな⁉︎
サイレントは崖から降りる
傾斜は60度を超えている
ベテルギウス「存外、崖下りも楽しいぜ⁉︎」
急斜面をものすごいスピードで降りていく姿に全員は目を凝らすしかなかった
信「…使う手はないな!」
信は僅かな手勢を連れ、崖を下った
彰「…マジか」
信の行動に呼応したのか、次々と崖下りをする
アマタノミコト「皆がやるなら…私も!」
こうして、崖下りを使ったことで、時間を短縮できた

8月29日午前2時15分丑三つ時
ツルギ達の陣の位置を確認した後、全ての明かりを消した
彰「いいか?物音を立てないように」
ツルギ達の陣は護衛も無しに静まり返っている
少し近づいた後
信「放てーーーー!」
叫び声と同時にライフル、マシンガンの音が赤ヶ原に響き渡った
ツルギ「な、なんだ?」
配下「奇襲です!どういうわけか、アマタノミコトの軍が銃撃をしている模様!」
渋川「は?つまり、黒臼山を降りてきたってことか?」
同時に、渋川はこの戦はこの戦は勝てないと確信した
渋川「急いで明かりをつけてこの場から撤退するぞ!」
淳一「私が殿*6を務めます!」
淳一は撤退の準備を兵士に呼びかけた

午前2時23分。武器や貴重品などを放棄し、ツルギ達の軍は撤退していった
彰「あまり深追いするな!仲間割れする可能性もある!」
撤退する者たちにライフルを撃ち続けた
殿を務めていた者たちは次々と倒れていった
淳一「皆!こんなところで死ぬな!生き延びろ!」
7,8分撃ち続けた後、彰達はツルギ軍のテントに着いた

信「ひとまず、夜が明けるまでここにいよう」
ツルギ軍が残したテントにて、彰達は夜明けまでの時間を過ごした
そして、午前5時16分。東の空から赤色の光が赤ヶ原を照らした
香澄は両腕を大きく伸ばし
香澄「はぁー。寝てないから疲れたー」
サイレント「ほらよ、眠いならコーヒーが1番だ」
ツルギ軍のテントで兵士は休憩をした
戦の雰囲気は無くなった

一方、撤退を余儀なくさせられたツルギ達は散り散りになっていた
ツルギ「また、敗北か…」
どの部隊も敗北したことで戦意喪失していた
渋川「ツルギ様。お願いがあるのですが」
ツルギの耳に渋川はあることを話した
ツルギ「いいだろう。パスポートはしっかり持っていけよ
渋川「ありがとう御座います」

その頃、ツルギ軍の兵士は…
兵士1「最近こっちの戦績滅茶苦茶だし、見切りつけてあっち側につかないか?」
兵士2「いいね。卑怯と言われるかもしれんけど、これも仕方ないことだよ。わざわざ負ける側につきたくないよ!」
兵士3?「そうだな。他の仲間にも呼びかけとく」
坂谷近くの路地裏にて
兵士3「フフフ…ケヒッヒヒッ」
ビリビリビリ
神永「ケヒッ、まさか仲間割れまで起こすとは…内乱は愉快愉快。もっとやるとするか」
路地裏には彼の笑い声が響き渡った
神永「ケヒッ、最低でも2000人は…取り込んでやりたいな」

謎の人物・神永羅紗による陰謀が始まろうとしている


つづく


次回予告
サイレント「サイレントのいいところで山手線ゲーム!」
ベテルギウス・リゲル「イェーイ!」
ベテルギウス「頼もしい!」
リゲル「強い」
香澄「えっと…周りを見れる?」
菜穂「次回、理非曲直
香澄「3人の中では誰が1番モテたの?」
3人「そ れ は い わ な い お 約 束」

EP21「理非曲直」

9月に入った
依然暑さは続いており、渋川はあることをしに海外へいったため、戦闘は起きない
兵士1「なぁなぁ、見切りつけて裏切らないか?今、15人くらい集まってんだが」
兵士4「ごめんだけど、断っておく。てかお前、契約は?」
そう、ツルギ軍についたものは契約(書類)を結んでいる

契約の内容(一部を特別公開)
一。私利私欲に走るべからず
一。常に討死の覚悟を持て。自らの行動をよく考えること
一。仲間と支え合い、内戦をよい未来へ繋げること

兵士2「それがなんだ。ただの紙切れじゃないか。こんなもん破ってやるわ!」
兵士2は人目のつかないところで書類をビリビリに破ってしまった
しかしたまたまそこを通りかかった人物がいた
春輝「おい…お前、何やってんだよ」
静かに怒りが混じった声で言った
春輝が立ち去ろうとしたその時
ガシッ
兵士1「待てよ。伝えるんだろ?このことを」
春輝の胸ぐらを掴んでそういう
春輝「当たり前だろ。腰抜けが」
それに激昂したのか兵士1は春輝を壁に叩きつける
兵士「腰抜けで悪かったな…わかんねぇのか⁉︎ここにいても無駄死するだけだ!だったら辞めてやるよ!こんなクソなもの!
怒鳴るように春輝に言う
春輝はそれに共感しないように聞く
春輝「じゃあ逆に聞く。お前はなんで軍事隊(ここ)に入った?」
兵士1は手を離した
兵士1「ヒントだけ教えてやる。俺はなりたくてここに入ったんじゃないんだよ」
そういうと立ち去っていった

春輝「だからなんだよ」
春輝自身にはここに入ったそれなりの理由がある
俺は、軍師三人衆の乱*7で親を失った
親は軍事隊だった
俺はその時、初めて恨む感情を覚えた
なぜ内輪のゴタ付きで俺の親が死ななきゃいけないんだ
もっと役に立てるはずなのに
同時に俺は、軍事隊への復讐心の火がついた
だから俺は入った。こんな軍事隊に復讐するために
ずっとその機会を待っていたんだ
春輝「入ったならちゃんと責任持てよ…」
春輝はビリビリになった書類を回収した

9月4日。ツルギ軍を揺らす事件が起きた
見切りをつけて裏切ろうとしていた者たち40人ほどがツルギ自らの手によって幽閉されたことだ
これにより、裏切ることは難しいこととなった
しかし、ある噂がツルギ軍の兵士たちの中でも飛び回った
「春輝が今回のことをツルギに伝えたと言うこと」
春輝が廊下を歩いていると兵士の陰口が聞こえた
春輝「(意気地無しの奴らめ…)」
彼はそこまで気にならなかった
兵士3*8「ヒヒッ、計画通りにはならなかったがこれはこれで良い。作戦変更だな」

9月7日。ツルギは今後の為にと兵士たちに訓練要請を出した
訓練の総指揮官となったのは鳳城春輝だった
春輝「よーし、これから射撃訓練を始めるぞー」
兵士達は聞く耳も持たない
春輝「おい何してんだ。さっさと始めるぞ」
兵士4「聞くわけねーじゃん。仲間を捨てた奴の言うことなんてさー」
他の兵士もそうだそうだどう同調する
春輝は舌打ちをする
春輝「じゃあお前らで勝手にやってろ」
メモ用紙を地面に投げつけた
投げつけた音に兵士達は呆然とした

春輝「…クソッ」
春輝は隅っこで頭を抱えた
春輝「何がダメだったんだ…?俺はどこで間違えた」
小声で愚痴をこぼす
兵士3「ヒヒッ、今更そんなことを考えたってもうどうにもならないぞ?」
いつのまにか春輝の右に立っていた
春輝「なっ…⁉︎お前は誰だ⁉︎」
神永羅紗「どうせいってもお前は知らない名だ。お前はもうツルギ軍の中ではかなり悪評だ。離れることをお勧めするぜ?」
春輝「…お前に何がわかるんだよ」
神永はにやけて何処かへ消え去った

春輝なしで射撃訓練をしている中
「緊急、緊急、敵部襲来、反撃に備えよ」
サイレンがなった
兵士達はめんどくさそうに戦地に行く
ツルギ「敵はおよそ400メートル先。よし、銃弾を浴びせてやれ!」
兵士達はめんどくさそうな様子がバレないように戦闘した
兵士2「なぁいつ行くか?」
戦闘中にもあの会話をしている
春輝「お前ら!話してないで戦闘に集中しろ!」
サボっている兵士に怒鳴りつける
流石に我慢をきらしたのか兵士達も春輝に銃口を向けた
兵士5「ごちゃごちゃごちゃごちゃ五月蝿いんだよ!やりたくもないことにやらされてる俺らの気持ちもわからないくせに言うな!」
春輝「~~っ!!」
その日の戦いは引き分けに終わった
翌日からも小競り合いが続いた

そしてまたもやツルギ軍の兵士たちの中である噂が広がった
幽閉された兵士達は唆されたと
そそのかした人物はー
神永「フッ、鳳城春輝だっけ?なんでわかった?」
春輝「お前のその言動からだろ」
春輝の口調はイライラしているように聞こえる
神永「で?俺をどうすんの?」
春輝「最悪の場合今この場でお前を…」
手を下そうとした次の瞬間ー

ドンッ
大きな爆発音と共に春輝の目の前が煙に包まれた
神永「俺を殺すか…後悔するぞ?
春輝「後ろっ…!?」

サイレント「…妙だな」
ツルギ征伐軍の臨時指揮官を務めている彼はそう呟いた
リゲル「どう言う意味だ?」
サイレント「ここまで小競り合いが続くのはおかしい。あいつら、本気出してないみたいだな」
ベテルギウス「あいつらに何かあったのかな?」
戦闘を続けたが、彼らの頭の中には違和感が残った
なぜなら、いつもならしぶとく抵抗するはずが、夕方になると撤退してからだ
香澄「ツルギ軍の間に何かあったとしか言いようがないよね」
リゲル「一応伝えておいたぞ*9

彰やアマタノミコト達は翌日から戦闘を停止させ、様子を見ることを兵士達に伝えた
9月9日…
兵士2「あれ、そういや最近春輝いないな」
兵士4「いいよ。あんなやつなんていらね」
ツルギ軍の某所…
神永「所詮人間。これくらい予想できるさ」
神永の目の下には血だらけになって倒れている春輝の姿
春輝「…何がだ。」
神永「なにって…ああ。ちょっと唆せば仲間割れが起きるってことね」
春輝は怒りで殴りかかろうとするも、傷の影響で立てない
神永「そんなものか、裏切り者
残念そうにいうとどこかに消え去った
春輝「…逃す…か」
地面を這いつくばるも力尽きて気を失った

アマタノミコト「刺客を差し向けたいところだが、今の所9割9分失敗している。どうするか?」
信「帝王様。どうやらこの軍事隊に降伏してきた者がいるそうです」
アマタノミコトはただちに議事堂の中央広間に行った
広間の奥には1人で立っている兵士の姿があった
アマタノミコト「お前…名前は?」
謎の兵士「私は…夜嶋 湊と言います。私はツルギ軍の獄から命からがら逃亡してきた者です」
黒髪、高身長、どこにでもいそうな人間
アマタノミコト「なぜここにきた?」
湊「貴方達の方に得があると思ったからです。私は目的のためなら手段を選ばらないタチなので」
アマタノミコトは湊を見つめる
彰「己の目的のために裏切るとは愚か者め。さっさと立ち去れ」
湊はお辞儀をすると走り去った
彰は去っていく湊の姿を見て
彰「(なんか何処かで見たような気がする…)」

春輝「…ん?」
とても眩しい、消毒臭い…ここは病院か…
ツルギ「ようやく目覚めたか」
春輝のベッドの左にツルギが立っていた
春輝「俺は…なんで…」
ツルギ「仲間が病院に持ってきてくれたんだよ。よかったな」
ツルギはそういうと部屋を出て行った
日付を見ると9月11日午前0時1分。
約2日寝てたのか…
そして、こんな俺を助けた奴がいるのか…
しかしこの2日に事件は起きていた
9月10日朝。監獄人は牢屋を見てみるともぬけの殻になっていた
壁を見るとドライバーなどで穴を開けられたと思われる跡があった
このことで牢屋の中にいた48人全てが脱獄した

9月13日朝。傷もだいぶ治り、春輝は病院を退院した
戻ってくると、兵士達はまた話していた
春輝「(また俺の陰口か…)」
しかし午後から行われた訓練では真剣に取り組んでいた
ツルギ「やはりあの事件の影響だな…」
しかし春輝はどこか罪悪感を感じていた

その頃、ユートピア議事堂でも大規模な軍事演習が行われていた
9月11日から12日にかけて廃墟と化した街で大型兵器の実験をしたりしていた
しかし軍事隊の中でも裏切り者たちの扱いはひどかった
ある時は陰口を言われ、ある時はいじめられ…
彰「帝王様。この問題は私が解決させてください」
アマタノミコト「仲間割れを起こしたくないのはわかる。だが、お前だけが悩んでいるわけではない」
彰「お願いします。この通りです。もう2度と、あのような理不尽な目には誰にも会わせません」
アマタノミコトは彼があれらのことを根に持っていてよかったと思い、許可した

一般隊兵士1「なぁなぁ、あの夜嶋とかいうやつ、裏切り者のくせに馴染んでるよな」
一般隊兵士2「なんで同等扱いされなきゃ行けねぇんだよ。なんとかなんねぇかなー」
そこに
サイレント「おいコラ。なに陰気なことしてんだ」
2人は突然話しかけられビクッとした
サイレント「裏切り者っつー理由で避けんのはおかしいだろ?今は同じ奴らなんだから仲良くしてやれよ」
2人は反省した様子でその場を離れた
彰「サイレント」
サイレント「はひっ!」
突然肩を叩かれた
彰「…お前なら、任せられそうだ
彰は微笑むと去って行った
サイレントはしばらく固まる
サイレント「俺、総司令官に頼られちゃったーーーー⁉︎⁉︎⁉︎?」

サイレント「っていう事があってさー」
香澄「よかったじゃない!」
ベテルギウス・リゲル「ふーん」
ベテルギウスとリゲルは関心なさげに見つめる
少し気まずくなったが香澄がなんとかしてくれた
湊「や」
サイレント「お前が確か夜嶋だよな。よろしく」
湊「ああ」
挨拶をしにきただけのようにお辞儀して去って行った

9月14日。彰は「軍事隊法度次第」と呼ばれる法律を出した
全25ヵ条。今まで軍事隊に関する法律は国の法律で裁かれていたため、今後騒動があればこの法律で裁くと彰は説明した
この事があってか、軍事隊の雰囲気は徐々に高まって行った
9月15日。彰達は行き場のない国民のため、臨時避難所として地下壕の建設に入った
出入り口をユートピアセントラル駅、ユートピア議事堂の二箇所のみにし
深さ20メートル。強化コンクリートで造り始めた

同日、坂谷の路地裏…
春輝が1人で歩いていると
神永「おっ」
春輝の目先には神永が何か死体らしきものを持っている
春輝「…お前、なにしてんだよ」
神永「奇遇だねぇ。魅せてもらおうか。あれで終わりじゃないはずだと俺は思ってるぞ
春輝「その通りにさせてやるよ」
仄暗い路地裏で戦いが始まろうとしている


つづく


次回予告
春輝「信頼関係はすぐ崩れるけど、築くには膨大な時間がかかるって言った人は関係っていうものを積み木と例えたのだろうか」
春輝「次回、理非曲直-弍-
春輝「まぁバラバラになったものを接着剤でつけて長い時間乾かすみたいなもんか」

EP22「理非曲直-弍-」

6日前
春輝「後ろっ…⁉︎」
神永「流斬
春輝の右肩を刃が切り裂く
春輝「痛っ…」
左手で傷口を押さえる
神永「ヒヒッ」
きみ悪い声を聞いた瞬間、春輝は壁に押し込まれていた
春輝「ぐっ…」
春輝は力を振り絞り、流れを止めた

現在
春輝「(奴は斬撃を使ってくる…あのとき俺が見たのはー)」
前方から飛んできた刃をかわす
神永が一瞬で近づいてくると春輝は宙に滞空した
春輝「あれは小型の斬撃。小さくする代わりに威力を高めてるんだな」
神永が上から蹴りをかまそうとするも春輝はそれを両手で受け止める
春輝はアビリティハンドをつけ
春輝「靁閃!!
神永の腹に稲妻が走る
神永「雷ねぇ…いいぞ!」
神永は地面に手を置き

斬撃により、地面が割れ、瓦礫により視界が見えにくくなった
そして追い打ちをかけるかのように
神永「シャドウミスト
春輝の視界は完全に真っ暗になった
春輝「(しくった、今ここで斬撃を放たれたら…)」
考えている最中、春輝の腰に手があたった感覚が通った
斬撃が通る瞬間
春輝「甘かったな!」
カウンターの蹴りをかます
神永「やるか!なぜそれをやらなかった!」
春輝「(思ったよりも脇腹の傷が深い…大きく動けないな)」
春輝は脇腹を強く抑える
すると次の瞬間
網目のような斬撃が春輝を襲う
神永「蜘蛛の糸

バシュッ
ツルギ「なんだ⁉︎」
坂谷の拠点に突然斬撃音が届いた
配下「音からおそらくこの斬撃は南西の方向から来た模様!」
ツルギ「様子を見に行ってこい!すぐにだ!」
配下「はっ!承知いたしました!」
10数人の兵と銃を持ってかの路地裏に向かった

神永「まだいたのか」
春輝「ふぅ、ふぅ」
深く呼吸をしている
あの網目状の斬撃を乗り切ったのだ。疲れているに決まってる
神永「2度目はないぞ?ここで殺す」
神永が手を出そうとした瞬間
ズォォォォォン
神永「な、んだ?」
春輝から凄まじい覇気が感じられる
春輝「ここまで来たなら仕方ない。やってやろうか
神永は心がゾクゾクした
神永「成る程な!勝負はここからってわけか。来てみろ」
春輝「開眼 究きょー
後ろから足音が聞こえた
配下「おい春輝!?大丈夫か⁉︎」
神永「チッ、潮時が来たみたいだな」
春輝は後ろを向いた
そこには10数人の兵を連れたツルギ直属の配下が立っていた
配下「おい!お前また血だらけになってんじゃねぇか!」
春輝の脇腹、額から少量の血が流れている
気づけば日は暮れ、すっかり真っ暗になっていた
神永が持っていた死体らしきものも消えていた
春輝「あー疲れた…」
次目覚めた時には病院にいた

一般隊兵士1「おい湊!どこ行ってたんだよお前!訓練中に抜け出すんじゃねぇ!」
湊「スマンスマン。ちょっと事情があってな」
数日も経たないうちに一般隊の兵士たちも慣れてきていた
その様子をサイレント達は見ていた
サイレント「住めば都だな」
ベテルギウス「バカ言うな、お前のおかげだろ?」
サイレント「フッ、まあそうかもしれんけど、1番はあいつらが意識してやってくれたおかげだろうよ」
沈む寸前の太陽を背に、そう語った

一方その頃、軍事隊探題部…
探題部員「部長ー。こんなの1日で終わりませんよー」
夜嶋杏奈「何を言ってるの!ユートピアシティはもはや壊滅状態。他の市街地の状況を確認しないと、戦争してる時に人を殺してしまうでしょ!」
私の名前は夜嶋杏奈。今年の6月から軍事隊探題部の部長を務めている
湊の一個上の姉で、彼がツルギ軍に裏切った時は困惑した
でも、ここ最近戻ってきたっていうから何があったのか彼の様子を見に行った
杏奈「…湊⁉︎」
湊「おう、久しいな」
違う、湊はそんな人物じゃない
湊「なんやかんやあってこっち裏切ったわ」
なんでそんなことを軽々しく言えるの?
杏奈は納得いかないものの、渋々返事をした
湊「んじゃ、俺は寮に戻るわ。おやすみ姉さん」
廊下にて
湊「感づかれたな…さすが探題部長
人目のつかないところで笑っていった

アマタノミコト「諸星。空爆機の調子はどうだ?」
彰「あ、見てみます?」
2人はユートピア議事堂地下、兵器倉庫の奥層へとすすむ
信「あっ先輩!震天ならもう出来上がってますよ!」
全長およそ8メートル、小型空爆機が目に入った
アマタノミコト「これを9月17日、坂谷への空爆に使うのだな?」
アマタノミコトの後ろから爆弾を積んだ台車が運ばれてくる
信「あとはこれを積むだけ。楽しみですな!」
意気揚々と眺める信、複雑な気持ちで眺める彰
何が彼らをそう思わせるのか

9月17日、早朝
震天に乗り込んだのはリゲル
アマタノミコト「勘違いするなよ、これはあくまで威嚇での空爆だ。やりすぎるなよ」
リゲル「わかってます。あのバカども*10と一緒にしないでください!」
リゲルはヘルメットを被り、震天に乗り込む
彰「では、ご武運を祈る」
午前6時1分。坂谷、ムーブタウンめがけて小型空爆機「震天」は離陸した
震天は200フィート上空を飛んでいった
リゲル「うおー…600mってこんな高かったっけ?」
独り言をごちゃごちゃ言ってるうちに、坂谷タワーが見えてきた
リゲル「爆弾準備OK。場所は…」

午前6時25分。坂谷タワー…
ツルギ「わかった。渋川は明日帰ってくるのだな」
ツルギはロジリック連邦にいる渋川と連絡をとっていた。そこに
配下「ツルギ様!2時の方向に謎の小型の飛行機が飛んでおります!拡大鏡で確認したところ、我々のものではないと思われます!」
ツルギは窓を見る
ツルギ「兄上…貴方はそういう手も使う人なのですね」
次の瞬間
ドンッ
高度550mから爆弾が落とされた
ツルギとその配下は黙って見ることしかできなかった
落ちてから15秒後

一瞬にして街は燃えた
運悪く風も吹いていたため、炎は広がっていく
ツルギ「……これが、戦争と言う名の所業なのか…」
ツルギ「ただちに民を避難させろ、空襲警報を出せ!」
午前6時26分。坂谷周辺に空襲警報が出された
しかし出した時点で遅かった。上空に空爆機はいなくなり、炎はさらに広がっている
ツルギは兵達を救助に向かわせた

午前7時1分。ムーブタウン*11
淳一「ん?これは緊急サイレン?」
外には謎の空爆機が一つ
淳一「撃墜させろ」
しかしその6秒後に爆弾は落とされた
激しく黒煙が空へと舞い上がる
淳一「…あの帝王、気が狂ったか?」
燃え盛る街を見ながら震天は600フィート上空を飛び、議事堂へと戻る

午前7時36分。震天は議事堂上のヘリポートに着陸した
サイレント「リゲル、お疲れ」
リゲルは少し下を向いていた
彰「今回の空爆作戦は、今後の戦において最も重要な作戦の一つだ。ああいう兵器をいずれ使う時のために今のうちに学んでおくのだ。いいな?」
彰はリゲルに向かって話す
アマタノミコト「(ああは言っても、諸星自身も複雑なんだろうな)」
アマタノミコトの脳内に溢れ出したのは、彰の若かりし頃の記憶
シャングリアの闇の歴史を知っている人物は彼含めて少ない人物しかいないからだ

リゲル「あーしんどすぎる。空爆すんのってメンタルが相当ないと無理だよー」
夕食の間際にそう呟く
ベテルギウス「なんか空爆の瞬間の動画も出回ってるわ。有名なとこでは5000万回再生超えてる」
香澄「つまり諸星総司令官が言いたいのは、これからの戦は今まで以上に激しいものとなるからそのための作戦なんだろうね」
サイレント「作戦…か」
一気にチューハイを飲んだ

9月18日。午前8時6分。渋川が約3週間ぶりに坂谷へ戻ってきた
渋川「…これは、なんだ」
瓦礫だらけの街。必死の救助活動をしているもの達
渋川は遺憾に思っているツルギを見て
ガシッ
渋川「なぜ撃墜命令を出さなかった。モタモタしていたから死人が出、被害が及んだんだぞ⁉︎」
渋川が必死に言うがツルギは黙り込んでいる
渋川「なぜ黙り込む⁉︎もっと深く噛み締めろ!シャングリア内戦(この戦争)は、お前が始めたものだろ
ツルギ「そんなことはわかってる。考えたのさ。こちらも、ある兵器を使えばいいって」
振り向いて言った
渋川「…?、まさかあれを!」

兵士1「おい春輝ーこの課題手伝ってくれよー」
春輝「そんぐらい自分で解いてくれよー。こっちはこっちで忙しいんだわ」
渋川は額から汗を流す
渋川「人間兵器と、あっち側の人間兵器を戦わせる?」
ツルギはそれを肯定するかのように外を見る
果たして、その争いには意味があるのだろうか、ツルギ'


つづく


次回予告
信「第1回、軍事隊への質問コーナー!」
彰「…。」
信「軍事隊上層部の私生活はどうなっているんですか?」
彰「そりゃまぁ…泰樹と一緒に家で暮らしてるが?たまに八重が来てくれるけどな」
信「はぁっ⁉︎」
八重「次回、反撃への供物
彰「そんなに驚くことか?」
信「な、なんでもないっすよ???!!」


*1 と言うかいきたくない
*2 第一次は鳥綱橋の戦い
*3 故ヤマタノミコト
*4 ツルギ派の仮称
*5 サイレント
*6 1番後ろの部隊
*7 2010年に起きた軍事隊内乱
*8 正体は神永
*9 軍事隊上層部に
*10 サイレント、ベテルギウス
*11 ジェネレン地方の中心都市