個体名 | 愚者の書 | 記録日 | 19●●年●月●日 | |
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クラス | セーフ | |||
記録者 | ■■■■・■■■博士 | 使用職員 | 3人 | |
記録 | 本の異常性は確認出来る範囲で一つと思われます。この本はページを開くと一つ以上の何かしらの知識がページ内に書かれます。書かれる知識の内容は曖昧ですが、概ね架空の物や創作と思われる現実とはかけ離れた知識が書かれます。 当該本の危険性の低さや異常性を鑑みた結果、確実な収容を行いつつも実験が行えると判断しクラスはセーフクラスとします。 実験記録-3で行われた実験時に発生した事件記録-1によって、改訂版の報告書が作成されました。事件記録-1の下にある報告書を利用して下さい。 |
実験記録-3 | 実験日 | 19●●年●月●日 | ||
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実験者 | ■■■■・■■■博士 | 使用職員 | 5人 | |
実験内容 | ||||
前回同様に*1愚者の書を職員1人につき20ページ開かせ内容を記録、これを5名に行う。 | ||||
実験記録 | ||||
1人目の職員がページを開く。208ページ目*2が開かれ、■■■■・■■■博士が内容を記録。事件記録-1の発生までこれが続く。 |
事件記録-1 | 発生日 | 19●●年●月●日 | ||
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責任者 | ■■■■・■■■博士 | 被害職員 | 1人 | |
事件記録ログ | ||||
■■■■・■■■博士:では、次のページを開いてください。 4人目の職員(今後職員Aと表記):分かったから急かすな…なあ、これ何の意味が ■■■■・■■■博士:私語は厳禁です。ページの内容を教えてください。 職員A:つれないねえ……[職員Aがページを開く。数秒凝視した後、考え込むそぶりを見せる]んー? ■■■■・■■■博士:職員A、どうしましたか? 職員A:……これに書いてある事だけどよ、最初は滅茶苦茶な落書きみたいなもんだったが*3どんどん具体的になってねえか? ■■■■・■■■博士:私語は…具体的とは? 職員A:具体的っつーか…見れば見るほど頭ん中で… ■■■■・■■■博士:職員A、異常を感じたのなら直ちに閲覧を止めて待機場所に戻って下さい。 職員A:分かってる…ああ?分かってる?何を…あああ![職員Aは激しく動揺し、頭を搔き毟る] ■■■■・■■■博士:職員A!…警備員は直ちに職員Aの鎮圧に向かってください!早く! | ||||
追記 | ||||
事件記録-1の発生後、職員Aは軽度の興奮状態を維持していましたが三日程で落ち着きを取り戻しました。本事件の発生を踏まえ報告書の改定、危険性及び異常性の再確認を他の博士らと行います。 ■■■■・■■■博士 |
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・どうして架空の物や創作と言い切れる?
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・知った気になって満足か?何も知らないのに?
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個体名 | 愚者の書 | 記録日 | 19●●年●月●日 | |
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クラス | セーフ | |||
記録者 | ■■■■・■■■博士 | 使用職員 | 17人 | |
記録 | 本の異常性は確認出来る範囲で二つと思われます。一つ目は、この本はページを開くと一つ以上の何かしらの知識がページ内に書かれます。書かれる知識の内容は概ね架空の物や創作と思われる、現実とはかけ離れた知識が書かれます。二つ目は、正確な発生原因は不明ですが恐らくある程度ページを読んだ者に発生するとみられる中度の興奮作用です。 当該本の危険性や異常性を鑑みた結果、確実な収容を行いつつ実験を継続する必要があると判断しクラスはセーフクラスとします。 実験記録-4で行われた実験時に発生した事件記録-2によって、改訂版の報告書が作成されました。下記の報告書を利用して下さい。 |
実験記録-4 | 実験日 | 19●●年●月●日 | ||
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実験者 | ■■■■・■■■博士 | 使用職員 | 1人 | |
実験内容 | ||||
前回同様の実験を職員Aに行う。非常時に備え通常の警備員2名を待機させた上、特別にテーザーガンを所持した警備員3名を配置、別室で待機させる。 | ||||
実験記録 | ||||
前置きとして、今回の実験は職員Aが自ら実験への参加を提案してきた為、本来行われる前回同様の実験ではなく職員Aのみで行われる。 数十分に渡って職員Aがページを開いて確認し続け、●●●ページ開く。心拍数の増加等、興奮がみられるものの実験は継続。■■■■・■■■博士の指示で警備員が突入態勢に入り、それを確認した■■■■・■■■博士が次のページを見るよう指示した所、事件記録-2が発生した。 |
事件記録-2 | 発生日 | 19●●年●月●日 | ||
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責任者 | ■■■■・■■■博士 | 被害職員 | 1人 | |
事件記録ログ | ||||
■■■■・■■■博士:[■■■■・■■■博士が警備員の配置を確認]職員A、次のページを確認して下さい。 職員A:……[無言でページをめくろうとする] ■■■■・■■■博士:職員A?応答して下さい。職員A? 職員A:聞こえてるから何度も呼ばないでくれ… ■■■■・■■■博士:職員A、きちんと応答を返して下さい。出来ないのならその場の警備員に制圧させますよ。 職員A:分かった。アレで撃たれるのは御免だからな[ページをめくる] ■■■■・■■■博士:ではページの内容を……いえ、待ってください。職員A、何故警備員が銃を持っているとーーー 職員A:あああ!ああああああ![ページの内容を確認した職員Aが頭を抱えて暴れ回る。即座に警備員が取り押さえようとするも、職員Aはそれを躱し部屋から逃げ出す] ■■■■・■■■博士:クソっ!警備員! | ||||
追記 | ||||
直後にテーザーガンで制圧され拘束された職員Aは、インタビューを行う為に拘束したまま収監棟に移動させた。愚かな書に関しては、未知の異常性を鑑みて実験を一時停止。私の見立てが甘かった事で起こった事件だろう。職員Aの状態を正しく認識していれば防げた筈だ。 ■■■■・■■■博士 |
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・一体愚かなのはどっちなんだ?
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・何を基準に正しいと決める?博士の裁量か?
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個体名 | 愚者の書 | 記録日 | 19●●年●月●日 | |
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クラス | ソー | |||
記録者 | ■■■■・■■■博士 | 使用職員 | 17人 | |
記録 | 本の異常性は確認出来ない範囲の物も含めて複数あると思われます。この本のページを開くと一つ以上の何かしらの知識がページ内に書かれる(知識の内容は概ね良く出来た架空の物や創作と思われる、現実とはかけ離れた知識)、正確な発生原因が不明の興奮作用、異常な状況把握能力等。 当該本の未知の危険性や異常性を鑑みた結果、確実な収容に難がある為クラスはソークラスと判断します。 事件記録-3の発生によって、改訂版の報告書が作成されました。下記の報告書を利用して下さい。 |
事件記録-3 | 発生日 | 197●年●月●日 | ||
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責任者 | ■■■■・■■■博士 | 被害職員 | 6人 | |
事件記録、監視カメラログ | ||||
02:02:44・[職員Aは拘束されており、時折身じろぎをするものの意識は戻っていない] 02:07:39・[職員Aが大きく身じろぎをする。意識が戻ったものとみられる] 02:08:50・[職員Aが未知の手段で拘束を外す。拘束が外れた際に鳴る筈の警報に変化は無し] 02:10:05・[職員Aが室外に移動、カメラが切り替わる。カメラは移動を検知しているものの、警報は鳴らない] 02:13:37・[職員Aが移動を続け、収監棟の出口に到着する] 02:14:50・[監視所の警備員2名が職員Aを発見、身分を確認しようと近づく] 02:15:58・[職員Aが未知の手段で警備員1名を殺害] 02:16:45・[警備員が銃を抜いたと同時に職員Aが未知の手段で警備員の両腕及び喉を切断] 02:18:01・[職員Aが収容棟に向かう] 02:22:52・[両腕を切断された警備員が監視所に戻り警報を鳴らす。警備員は直後に絶命した] 02:25:19・[警備員数十名が収監棟に到着、被害状況の確認と職員Aの逃走を確認] 02:26:24・[■■■■・■■■博士が警報を確認した際に向かわせた警備員4名が愚者の書の保管場所に到着] 02:29:04・[職員Aが愚者の書の保管場所に到着] 02:29:30・[警備員4名が職員Aを確認、警告を行う] 02:29:58・[職員Aが警告を無視し前進。警備員4名が現場判断で発砲] 02:30:30・[職員Aは銃弾を受けつつも警備員3名を未知の手段で殺害] 02:30:41・[職員Aが未知の手段で警備員1名の四肢を切断。監視所の警備員と違い出血は見られない] 02:32:10・[職員Aが愚者の書が入った収容庫を開錠] 02:33:21・[職員Aが愚者の書と接触。ページをめくり始める] 02:33:55・[職員Aが突如として極度の興奮状態に陥る。監視カメラにノイズが混ざり始める] 02:34:25・[職員Aが未知の言語を喋り始める。*4ノイズが酷くなる] 02:35:48・[警備員数十名が愚者の書の保管場所に到着。警備員の死体を確認した後職員Aに発砲] 02:36:27・[職員Aは撃たれながらも未知の言語を喋り続ける。数発が致命傷となる位置に命中している筈だが、出血は見られない] 02:36:44・[職員Aそのものにノイズが走る] 02:37:51・[職員Aが四肢を切断した警備員を掴み、愚者の書を掲げ未知の言語で何かを唱える] 02:38:44・[一際大きなノイズが走り職員Aと四肢を切断された警備員、愚者の書が消失。監視カメラが故障し映像が切断] | ||||
追記 | ||||
…全面的な私のミスです。異常性を過小評価していました、この本は愚かなんかじゃない。事件記録-2の際に職員Aが警備員を躱した時に気付くべきでした。職員Aは何一つとして訓練を受けていません。身辺調査の際にも従軍経験などはなかった…あの本は何か進んだ知識を見せている。 この件で5名の死者と2名の行方不明者を出した件、及び当該DCOの紛失の責任を取り、50年の再出現警戒監視を行った上で終了後に辞職します。 ■■■■・■■■博士 |
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・まだ実感が湧かないが、流れ込むのは感じる
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・そこに居るのは…ああ…全部理解した……
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個体名 | 愚者の書 | 記録日 | 20●●年●月●日 | |
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クラス | セーフ | |||
記録者 | ■■■■・■■■博士 | 使用職員 | 17人 | |
記録 | 愚者の書と名付けられていた本は、監視施設■■■■■■で起こった別件の記録事件-0発生時に発見された推定●●●●ページの革表紙の本です。発見者の■■■博士と当時博士に同行していた警備員2名が本を数ページ読み、その異常性を私に報告した事で収容が行われました。 本の異常性は確認出来ない範囲の物も含めて複数あると思われます。この本のページを開くと一つ以上の何かしらの知識がページ内に書かれる(知識の内容は非常に正確な架空の物や創作とみられる、現実とは大きくかけ離れた知識)、正確な発生原因が不明の興奮作用、異常な状況把握能力、物質に対して未知の作用をもたらす異常な能力等。 当該本が事件記録-3によって消失した後、50年の監視期間を設けましたが本及び職員Aと警備員は現れなかった為、両名を死亡扱いとした上でクラスはセーフクラスとします。 |
愚かにも博士は知る事が出来なかった。俺は全てを知った。知り得ない知識、隠された知識、既に無い知識。この本は愚かなんかじゃなかった。俺は全てを知った。
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Tag: DCO
博士には感謝してるよ。いつか博士にも教えてやるさ。本物の「知識」を。