【追憶のゼシカ】

Last-modified: 2025-10-30 (木) 22:57:44

DQ8(3DS版)

クリア後の第2追加ダンジョンである【追憶の回廊】の11番目の試練。
【呪われしゼシカ】の強化バージョン。
 
HPは8850。攻撃力480、守備力138、素早さ192。
完全2回行動で、【ベギラゴン】【マヒャド】【イオナズン】【メラゾーマ】【マダンテ】【いのり】【ゆうわく】【空間をきりさく】を使う。
「空間を切り裂く」を使用することで強化版の【追憶のシャドー】3体が、お供として登場する。
通常攻撃や痛恨を使用しないため、攻撃力は実質的に死にステータスである。
 
行動パターンは以下の通り。

AパートBパート
タイプ偏向型ランダム完全ローテーション
【判断力】2
Ac1空間を切り裂くベギラゴン
Ac2ゆうわくマダンテ
Ac3イオナズンいのり
Ac4Bへ移行ゆうわく
Ac5マヒャドマヒャド
Ac6メラゾーマAへ移行

※移行行動以外はすべて【制限行動】として扱われている。
 
戦闘開始時にどのパートのどのAcから始まるかはランダムであり、制限行動のスロットが選択されると同一ターン中は同じAcの技を選ばなくなる。
例えば、2回行動の1回目がAパートAc1の空間を切り裂く、2回目がAパートAc4のパート移行だとすると、『空間を切り裂く→ベギラゴン』といった形になりそうだが、実際は制限行動の影響によりBパートAc1のベギラゴンをスキップし、『空間を切り裂く→マダンテ』という行動をとる。
ただし、自身の行動が制限されている時はこの限りではない(後述参照)。
原典と同様、追憶のシャドーの最大出現数はゼシカの左側に3体・右側に3体の合計6体まで。
左右それぞれの枠内に1体でもシャドーが残っている場合、その枠には新たに呼び出すことはない。
その他、A・B両パターンでの判断力は最高であるため、マホカンタ状態のキャラクターに対しては呪文を使用してこない。
 
追憶の回廊のボスは元となった敵の行動パターンを流用しつつ、行動内容を最上級呪文などに変更したり既存行動の威力を引き上げることで結果としてボスを強化している傾向が強い。
が、この追憶のゼシカに関してはほとんど例外的と言ってもいいほどに、原典ボスである呪われしゼシカの行動パターンからかなりの変更を施されている。
 
まず目を引くのが、専用行動の「ゆうわく」。
これは原典ボスが使用しない完全オリジナルの行動で、後述の超スペックにより、本戦闘の難易度を大きく引き上げている。
無対策で使われたが最後、全滅は避けられないだろう。
さらに、「マダンテ」まで使用するようになっており、マダンテ使用後はお馴染みの「いのり」でMP回復を図ってくるのも大きな変更点である。
 
加えて、行動パターンにも変化が見られる。
顕著なのがBパートで、原典だと3段階ローテーションで「通常攻撃→ベギラゴンorマヒャド→Aパターンに戻る」といったものが、こちらでは完全ローテーションとなっている。
そのため、マダンテの後には必ずいのりとゆうわく、そしてマヒャドを挟み、Aパターンに戻っていく。
加えて、Aパート・Bパート共に通常攻撃が設定されておらず、代わりに呪文攻撃が組み込まれているのも大きな特徴。
追憶ボスの定番とも言える破壊的な威力の打撃や痛恨をまったく出してこないため、追憶のゼシカ単騎のダメージレースは明らかに他のボスよりもヌルい。
一応、マダンテは無耐性だと300くらいダメージを食らうものの、ここまで来ているレベルでの300ダメージなど慌てるほどの威力ではないだろう。
しかもその後祈ってMPを回復する無駄ターンが挟まるので、実質的な脅威度としては大して変わらない。
ただ、割合軽減を装備していなければお供共の攻撃が重なってピンチになることは時々あるのでやっぱり用心に越したことはないと言える。
この空間をきりさいて呼ばれるお供はやっぱり強化版シャドーであり、集団で来ると大きな脅威なのだが、通常攻撃で160程度、痛恨で430程度のダメージと、【かがやくいき】を吐くか程度なので、1匹や2匹ならそこまで脅威ではない。
総じて、攻撃面に関して言えば、追憶ボスの中でワーストレベル。それほどまでにダメージを与える能力が弱いボスと言っても過言ではない。
  
しかし、ある意味他のボスよりも頭を使って徹底的に対策しなければならない攻撃がある。それが先述した「ゆうわく」という攻撃。
これは「男性キャラ(スカウトモンスターも含む)を」「耐性無視で」「100%確実に混乱させる」チートじみた攻撃で、従来のステータス異常付与攻撃とは一線を画す極めて凶悪な内容となっているのだ。
【スーパーリング】【たいようのかんむり】を装備していても防げない上、ほとんど毎ターンのように使用してくるため、男性陣たちは全員こぞって追憶のゼシカに手も足も出ないのが実情。
普通の誘惑系の攻撃と違い「1ターン休み」ではなく、しばらく持続してかつ味方に損害を与える「混乱」なあたり、このダンジョンの難易度設定の高さが窺える。
女性であれば無効だが、女性はゼシカとゲルダの2人しかいないため、パーティ中少なくとも2人は戦闘の半分くらいを混乱しっぱなしで戦う事になる。
主人公は外すことができないのでひたすら惑わされる醜態をさらすことに…。
よって、必然的に主力となるのはこの2人で主人公のベホマズンは使えないと思っていい。そのため、マダンテを半減させるほのおの盾、ゼシカ以外に輝く息対策のためにこおりの盾を持たせたりしておくのもあり。【せかいじゅのしずく】も女性2人にありったけ持たせた方がいい。
更に追憶のゼシカは通常攻撃をせず、混乱の解除を行ってくれない。実質的にバトルメンバーが女性2人になる影響も相まって戦闘が長引き、彼女たちが倒されてしまうリスクを常に抱えることになるのが辛いところ。
万一女性2人が倒されると、その時点で打つ手がなくなる。たとえ男性メンバー全員が【超万能ぐすり】を持っていたとしても、ゆうわくによって1人残らず使用不可能に追い込まれるのが関の山。いずれはシャドーと共に嬲り殺されるのがオチだろう。
 
以上の点から、追憶ボスの中でも全滅報告が多い部類のボスであり、難易度はかなり高い方である。
攻撃面の弱さを恐るべき状態異常攻撃による搦め手と仲間のシャドーの手数によって見事にカバーしているのが、実に嫌らしい。見方によっては、追憶ボス屈指の技巧派とも言えるだろう。
無対策で挑めば、男性陣は全員混乱させられて足止めを食うわ仲間を攻撃しだすわであっという間にペースを乱され、それをカバーするために女性陣を駆り出しても、耐久力の低さからシャドーらによって仕留められ、気づいた時は集団でじわじわと嬲られ削られ蹂躙され……のげに恐ろしき地獄絵図になりかねない。
そのため、これらに対してどのように対処するかが極めて肝要である。
何度でも混乱を治療できる【てんしのすず】がこの上なく恋しく思ったプレイヤーも居るのではないだろうか?
ちなみに混乱状態のキャラはテンションが上がらないようになっているが、既に上がっているテンションは混乱状態になってもリセットされることはない。
実は、混乱状態のキャラがタンバリンの効果を受けるとテンションがリセットされるのだが、それより前に混乱したキャラ(特に攻撃力の高い主人公)がとんでもない威力の味方攻撃をする可能性が高い。そのため、初ターンタンバリンは避けた方が無難だろう。
 
相手の攻撃の手数を減らしダメージレースを有利にするために追憶のシャドーはできる限り始末しておきたいが、一応コイツに殴ってもらって回復する荒療治もないではない。だが混乱回復のためにシャドーを残すやり方は運の要素が強く、被害が大きくなるだけなのでやっぱりやめた方がいいかも。
そもそもゆうわくの使用頻度が非常に高いため、超万能ぐすりでその都度回復させようとしても無意味になりやすい。男キャラ二人は武器を外した上で放置しておくのが吉。ゼシカとゲルダで短期決戦に臨もう。
 
女性かつ火力が出せる【ゲルダ】を主力にしたいところだが、彼女の最大火力である【キラージャグリング】はシャドーを幾らか残す前提だと役に立ちづらい。
掃除を兼ねて適度にぶっ放していくのは十分有効だが、多少火力を落としてでもムチ(エレメント系特効の【カルベロビュート】がベスト)を持たせて【ツインウェーブ】(まだ覚えてないなら【双竜打ち】)を使うか、混乱で面倒くさい事になるのを覚悟で【モリー】などを使うかしよう。タンバリン+【アゲハ乱舞】でシャドーごとなぎ払うのも有効。
ゼシカがマダンテを使えるなら満場一致で活用すべき。ただしスーパーハイテンションマダンテでも一撃では倒せないので、【エルフののみぐすり】でMPを再チャージしよう。
 
混乱させられたそのターンに正気に戻ってもそのターンは行動できない仕様上、少しでも男性陣が動ける可能性に期待するなら先制できるよう、すばやさはできる限り上げておいた方が良い。
 
ちなみに、男性4人だけで勝つとなると難易度は絶望的。
種強化なしではレベル99でもロクに行動できず、一方的に蹂躙された挙句全滅するのがオチである。運よく、ゆうわくの頻度が少なければまだ希望はあるが…。
勝つつもりなら、まず確実に先制できる程度にまですばやさと、シャドーのかがやくいきの連発や攻撃に一撃でも多く耐え、混乱から立ちなおるチャンスを増やす為のHPをドーピングして挑みたい。
そして、装備以外の持ち物はふしぎなタンバリン1~2個とせかいじゅの葉やしずく、可能な限り超万能ぐすりを持たせたい。全員が先制できれば、それだけ回復した矢先の攻撃につなぎやすいからだ。
 
余談だが、運がいいといつまでたってもシャドーを呼ばないこともある。
追憶のゼシカにはテンションをリセットする手段がないので、ゲルダで削りながらゼシカのテンションを貯め、ある程度削ったらマダンテであっさり決着がつくこともある。
というか、ゆうわくさえなければ戦い方は追憶のモグーラ(仲間を呼ぶ点を踏まえて)と似ており、追憶のゼシカ自体の火力はとても強いというわけではないので低レベルでも余裕で勝てる。
しかし、リブルアーチの呪われしゼシカと同じく判断力が低い(マホカンタでも呪文をかましてくれる)からなのか、戦闘可能な状態がゼシカとゲルダの時だけでもゆうわくをしてくれる時がある。これは言うまでもなくラッキーだが、男性陣をシャドーの攻撃の盾にしたり男性陣が行動できる時もあるので生かしておいたほうが得ではある。
 
なお、以下の状況を発生させた場合、追憶のゼシカの挙動が大幅に変更される。

  • バトルメンバーが3人以下であり、うち1人にゼシカがいる
  • ゼシカは戦闘開始直後にマホカンタを使用し、以降も同状態を維持し続ける
  • シャドーを呼ばれた時は、左右に1体ずつ残してあとは倒す

こうすると追憶のゼシカの行動は一転し、ゆうわくといのりばかり使い始めるようになるのだ。
制限行動の関係上、通常では絶対にありえないゆうわく2連発という行動や、Aパターンには本来組み込まれていないはずのいのりをAパターンで使う状況下すら発生するようになる。
たまにマダンテも使用してくるが、【炎竜のまもり】を装備していればもちろん無効。しかも完全ローテーションのため、ご丁寧にいのり→ゆうわくをしっかりと仕掛けてくる。
原因は【判断力】に起因しており、追憶のゼシカの判断力は最高のため、以下の思考が発生するためだと考えられる。

  • 「生存キャラの30%以上がマホカンタ状態のため、呪文を使わない」という思考ルーチン
  • シャドーを呼ぶにも、呼ぶスペースがないために呼べない
  • マダンテこそ使えるが、頻度が低くてあまり使わない

なお、上記のように徹底的に攻め手を封じても、通常攻撃をまったく使ってこない。
通常、モンスターは「何もできない場合は通常攻撃を行う」と設定されていることが多い(詳細は【しれんその1】【オーガヘッド】参照)が、追憶のゼシカの場合、ゆうわくといのりが「効果がある行動」として見なされているためか、制限行動や行動パターンを無視してひたすらにそれらを使うようになっている模様。
ちなみに、公式攻略本の彼女の「行動」欄に「通常攻撃」は書いていない。よって、追憶のゼシカは通常攻撃は一切使用しないといえる。
  
話しかけられるほど近づくと顔をこちらに向けてくるのでどうやらNPC用の処理を使い回しているらしい。ちなみにマルチェロとドルマゲス第二形態も同様の挙動を取る。
これを見事倒せても次もまた強敵【追憶のマルチェロ】が待ち受けている。