概要
この項目では、【モンスター】の行動パターンについて記述する。
リンクを貼ってある行動パターンは、そちらに詳細を記述するので、併読を推奨する。
これらのパターンについては、裏設定であるため【公式ガイドブック】や普通の攻略サイトには載ってないことが多い。
だがある程度詳しいサイト(当wikiやいわゆるやり込み系のサイト)には、詳細が書いてあることも。
主にバランス調整のためのシステムなのだが、ローテーション行動などは知っていると次の手が読めるため、逆にバランスブレイカーにもなり得る。
そのため、素のゲームバランスを楽しみたいのなら閲覧を控えることを推奨する。
逆に、低レベルクリアやタイムアタックなどを目指しているプレイヤー達にとっては、まずこれについてよく知ることが勝利への第一歩となっている。
また、DQMSLなどのソーシャルゲームでは、行動パターン(ローテーションやパート移行の条件など)をある程度覚えないと勝つのが困難なボスが多数登場している。
コンシューマー作品でもDQ11で遂にそのようなボスが登場した(一応、無印版ではこの戦いで全滅してもゴールドが減らないという配慮がされている。DQ11Sではゴールドが減るようになったもののこのボス自体が弱体化し、行動パターンを覚えなくてもレベルを上げれば勝てるようになった)。
基礎的な部分・用語について
まず最初に、DQに登場する全てのモンスターは、作品ごとに一定の数の行動が割り振られている。
FC版DQ1ではモンスターごとに設定された3種類の行動にそれぞれに設定された確率で使い分けるというもの。
DQ2以降では、モンスターごとの行動スロットに行動が振り分けられ、設定された条件や確率に従って行動が決定される仕様になっている。
モンスターの行動スロットの数はDQ2~DQ3およびリメイク版DQ1では8個、DQ4以降では6個になっている。
ただし、DQ4以降では2セット以上の行動スロットを使い分けられるようになっているパターンも登場する。
例えば、DQ2の【スライム】と【おおナメクジ】はどちらも通常攻撃しかしてこないように見えるが、
実際にはスライムの場合は、通常攻撃×6・【逃げる】×2 という設定になっており、
おおナメクジの場合は、通常攻撃×8 と全ての行動が「通常攻撃」という設定になっている。
また、【メタルスライム】の場合、逃げる×4・【ギラ】×3・【ラリホー】×1なので、1/2という高確率で逃げる。
「行動パターン」とは、これら6~8個の行動スロットに設定された行動をどういった形で選択するのかということを表したもの。
大きく分けて確率で選択される「ランダムタイプ」と、一定の順番で選択される「ローテーションタイプ」が存在する。
さらにそれに【判断力】と【制限行動】が加わって、実際のモンスターの行動が決定されることになる。
「判断力」は、モンスターの頭の良さのこと。詳しくはこちら。
簡単に言うと、これが高い場合は不要な行動や効果が無い行動は選択肢に含まれなくなる。
(【呪文】を封じられたら呪文を使わない、【守備力】が高くてダメージが与えられないキャラへの通常攻撃は控える、こちらが弱いうちは逃げない、など)
「制限行動」は、同一グループ内での選択回数が制限されている行動のこと。詳しくはこちら。
要約すると、【ターン】の内にそのグループ内で既にその行動を取った者がいる場合は、その行動は選択肢に含まれなくなる。
これらの要素によって全ての行動ができなくなった場合は、仕方なく通常攻撃を行う。
判断力が高く、かつ普段は絶対に通常攻撃を行わない敵であっても、
全ての行動を無意味にしてしまえば、通常攻撃をする姿を見ることもできる。
実際の行動パターンの例
以下ではDQ6に登場する【じごくのたまねぎ】を例に挙げて詳しい解説を行う。
前述の通りDQ6のモンスターには6種類の行動が設定されているため、それぞれAc1~Ac6と表記する。
じごくのたまねぎの行動パターンは「完全ランダム」というタイプのもので、全ての行動が1/6の確率で選択される。
じごくのたまねぎに設定されている行動は以下の通り。
Ac1:通常攻撃
Ac2:ルカナン(制限行動)
Ac3:甘い息(制限行動)
Ac4:甘い息(制限行動)
Ac5:ルカナン(制限行動)
Ac6:通常攻撃
上記の通り、じごくのたまねぎは【ルカナン】と【甘い息】が「制限行動」になっている。
6匹が1グループで出現したとして、ある1匹がAc2を選択し、ルカナンを唱えたとしよう。
すると、次に行動するじごくのたまねぎは「制限行動」であるAc2のルカナンが選択肢から外される。
しかし、まだAc5にルカナンがあるため、もう1匹ルカナンを唱えることができる。
つまりじごくのたまねぎの場合、同一ターン内かつ同じグループ内では2匹までルカナンを使える、ということになる。
甘い息も同様だ。
そして、先に行動した4匹がルカナンと甘い息を2回ずつ使用した場合、残りの2匹は必ず通常攻撃を行うことになる。
また、通常攻撃は「制限行動」になっていないため、同一グループ内の全員が通常攻撃をする可能性もある。
行動パターンの種類
例として以下にDQ8で設定されている敵の行動パターンをベースに、各作品について解説する。
ランダム系
行動が確率で管理されているもの。
大きく分けるとすべてが等確率の「均等型」と傾斜が与えられた「偏向型」にわけられる。
ローテーション系よりも分かりづらいため、かなり詳しく分析したサイトでないと知ることができない。
FC版DQ1のころから存在する最古参の行動パターンで、上述の通り当時は3種類の行動に1/16単位で確率が設定されてモンスターの個性を表していた。
より正確には、「『ギラ・ベギラマ・2種類の炎』から1種」「『ホイミ・ベホイミ・ラリホー・マホトーン』から1種」の2スロットにそれぞれ0を含む確率が設定され、余りの確率で通常攻撃を行うアルゴリズムで、逃げる判定はこれらの確率計算とは独立して行われていた。
DQ2では行動スロットが8個に増え、モンスターごとに最大で8種類の行動を設定できるようになった。ただし、実際には複数のスロットに同じ行動が設定されているモンスターがほとんどで、8種類設定されることは稀。
DQ2ではモンスターの判断力(4段階)によって行動スロットの選択率が異なる。判断力0なら完全ランダムで、判断力が高ければ高いほど偏りが大きくなっていく。
DQ3以降は判断力と行動パターンは別管理されるようになった。
さらに、多くのスロットに同じ行動をセットすれば、その行動を取る確率は上がる(例:【グール】で「ギラ選択を増やすべく8つの選択肢のうち7つがギラ」など)。
DQ2とのカップリングでリメイクされることが多いDQ1も、戦闘システムの共通化の意味もあって現行のリメイクではこのアルゴリズムが採用されている。
基本的には選択されたスロットの行動が使用条件を満たさない(例えばホイミが選択されたが回復すべき相手がいない)場合は行動がキャンセルされ、再抽選される。
再抽選の方法については、下記の2パターンが確認されている。
- そのまま再抽選してキャンセルされなくなるまで繰り返す
- キャンセルされた行動を除いた形で元の行動の比率を使って再抽選
内部の処理速度以外では導き出される結果にプレイヤーの体感的な差はあまりないが、SFC版DQ5では再抽選時の乱数の再調整の仕様の関係で、最後のスロットが当たる確率が非常に低いままになる。
一方、DQ8では上記とは異なる処理が行われているという説があるが確率テーブルなどの情報も含めて詳細は不明。
全体としてはランダム系、ローテーション系などの基本的な枠では大きな変更はない。
内部データ上はこの順番になっていない作品(DQ3、DQ5など)もあるが、混乱を避けるのと見やすさを重視してAc1が高確率になるように並べる。
ネット上で公開されているロムデータなどと照らし合わせる場合は注意されたし。
- DQ2(FC版)
行動番号 Ac1 Ac2 Ac3 Ac4 Ac5 Ac6 Ac7 Ac8 判断力
0分数 32/256 32/256 32/256 32/256 32/256 32/256 32/256 32/256 % 12.50% 12.50% 12.50% 12.50% 12.50% 12.50% 12.50% 12.50% 判断力
1分数 38/256 39/256 33/256 34/256 30/256 30/256 26/256 26/256 % 14.84% 15.23% 12.89% 13.28% 11.72% 11.72% 10.16% 10.16% 判断力
2分数 46/256 42/256 38/256 34/256 30/256 26/256 22/256 18/256 % 17.97% 16.40% 14.84% 13.28% 11.72% 10.16% 8.59% 7.03% 判断力
3分数 100/256 50/256 28/256 24/256 19/256 15/256 12/256 8/256 % 39.06% 19.53% 10.94% 9.38% 7.42% 5.86% 4.69% 3.13% - DQ1・2(リメイク版)
行動番号 Ac1 Ac2 Ac3 Ac4 Ac5 Ac6 Ac7 Ac8 タイプ1 分数 32/256 32/256 32/256 32/256 32/256 32/256 32/256 32/256 % 12.50% 12.50% 12.50% 12.50% 12.50% 12.50% 12.50% 12.50% タイプ2 分数 38/256 38/256 34/256 34/256 30/256 30/256 26/256 26/256 % 14.84% 14.84% 13.28% 13.28% 11.72% 11.72% 10.16% 10.16% タイプ3 分数 46/256 42/256 38/256 34/256 30/256 26/256 22/256 18/256 % 17.97% 16.40% 14.84% 13.28% 11.72% 10.16% 8.59% 7.03% タイプ4 分数 100/256 50/256 25/256 20/256 15/256 10/256 6/256 30/256 % 39.06% 19.53% 9.77% 7.81% 5.86% 3.90% 2.34% 11.72% タイプ5 分数 64/256 64/256 64/256 13/256 13/256 13/256 13/256 12/256 % 25.05% 25.00% 25.00% 5.08% 5.08% 5.08% 5.08% 4.69% - DQ3
行動番号 Ac1 Ac2 Ac3 Ac4 Ac5 Ac6 Ac7 Ac8 タイプ1 分数 32/256 32/256 32/256 32/256 32/256 32/256 32/256 32/256 % 12.50% 12.50% 12.50% 12.50% 12.50% 12.50% 12.50% 12.50% タイプ2 分数 46/256 42/256 38/256 34/256 30/256 26/256 22/256 18/256 % 17.97% 16.40% 14.84% 13.28% 11.72% 10.16% 8.59% 7.03% タイプ3 分数 200/256 14/256 12/256 10/256 8/256 6/256 4/256 2/256 % 78.16% 5.47% 4.69% 3.90% 3.13% 2.34% 1.56% 0.78% - DQ4(FC版)
行動番号 Ac1 Ac2 Ac3 Ac4 Ac5 Ac6 タイプ1 分数 44/256 43/256 43/256 42/256 42/256 42/256 % 17.19% 16.86% 16.86% 16.47% 16.47% 16.47% タイプ2 分数 68/256 57/256 47/256 37/256 28/256 19/256 % 26.56% 22.35% 18.43% 14.51% 10.98% 7.45% タイプ3 分数 210/256 29/256 10/256 4/256 2/256 1/256 % 82.03% 11.33% 3.90% 1.56% 0.78% 0.39% - DQ5(SFC版)
行動番号 Ac1 Ac2 Ac3 Ac4 Ac5 Ac6 タイプ1 分数 44/256 43/256 43/256 42/256 42/256 42/256 % 17.19% 16.86% 16.86% 16.47% 16.47% 16.47% タイプ2 分数 68/256 57/256 47/256 37/256 28/256 19/256 % 26.56% 22.35% 18.43% 14.51% 10.98% 7.45% タイプ3 分数 210/256 29/256 10/256 4/256 2/256 1/256 % 82.03% 11.33% 3.90% 1.56% 0.78% 0.39% タイプ4 分数 71/256 70/256 70/256 15/256 15/256 15/256 % 27.73% 27.34% 27.34% 5.86% 5.86% 5.86% - DQ6~DQ7
行動番号 Ac1 Ac2 Ac3 Ac4 Ac5 Ac6 タイプ1 分数 43/256 42/256 43/256 43/256 42/256 43/256 % 16.80% 16.40% 16.80% 16.80% 16.40% 16.80% タイプ2 分数 68/256 58/256 48/256 38/256 27/256 17/256 % 26.56% 22.66% 18.75% 14.84% 10.55% 6.64% タイプ3 分数 200/256 40/256 8/256 4/256 3/256 1/256 % 78.13% 15.63% 3.13% 1.56% 1.17% 0.39% タイプ4 分数 70/256 70/256 70/256 16/256 15/256 15/256 % 27.34% 27.34% 27.34% 6.25% 5.86% 5.86% - DQ8以降未調査
均等型
どの行動をする確率も、およそ等確率になっている行動パターン。
DQ2、DQ3およびリメイク版DQ1では行動スロットが8個なので、それぞれのスロット選択率は約1/8、それ以外の作品はそれぞれのスロット選択率は約1/6になっている。
偏向型
行動選択の確率に偏りが与えられているパターン。
偏向性ランダムと呼ばれることもある。
偏り方は作品によって異なり、DQ3以降では【ミミック】が異様な高確率で【ザラキ】を唱えるなど、1個のスロットが極端に高確率になっているパターン(優先行動と呼ばれることもある)が恒例となっている。
1スロットを優先する確率パターンは、回復や蘇生を使えるモンスターに設定されていることが多い。
判断の切り替えができないと意味がないため、このタイプのモンスターはほぼ確実に【判断力】が高く設定されている。
上記の例外でも【ばくだんいわ】のHPが減った時にメガンテを優先する思考もこれに該当する。
HP条件を満たせば確実に唱えると勘違いされがちだが、実は2割ほどの確率でメガンテを唱えないこともある。
また、DQ5以降では高確率スロットと低確率スロットの2グループにわかれているパターンも登場した。これは2確率ランダムなどと呼ばれることがある。
さらにDQ8からは高・中・低確率の3段階にわかれた3確率ランダムも登場した。
以下に3種のモンスターの例をあげて偏向型の使用例の解説をする。
- ミミック
- まずはミミックのザラキ優先思考について。
DQ3のミミックの行動パターンを覗いてみるとザラキ(78.16%)>メラミ(5.47%)>ラリホー(4.69%)>マホトラ(3.90%)>マホトラ(3.13%)>マホトラ(2.34%)>通常攻撃(1.56%)>通常攻撃(0.78%)
となっており、1個目のスロットだけが極端に高い。つまり、初手は8割近い確率でザラキが選ばれる。
しかし、ミミックはザラキ1発分のMPしか持たないため、そのあとMP切れを認識すると前半3スロットがキャンセルされ、続く3スロットにマホトラが設定されているため、合計で24/30(80%)の確率でマホトラを選択するようになる。
これが「まずザラキ 切れてマホトラ またザラキ」のカラクリである。
- ブラックマージ
- もう一つの例としてDQ4の【ブラックマージ】について。
ブラックマージの行動パターンを覗いてみると世界樹の葉(82.03%)>世界樹の葉(11.33%)>ベギラゴン(3.90%)>ベギラゴン(1.56%)>通常攻撃(0.78%)>焼けつく息(0.39%)
DQ3よりも2スロット目以降の傾きが急になっており、さらに高確率の2スロットに世界樹の葉があるので、死者がいると9割以上の高確率でこれを使用する。
また、判断力は2で行動直前に決定できるので死者がいなければキャンセルして、今度は約8割の確率でベギラゴンを連発してくる。
MPが尽きると今度は2:1の割合で通常攻撃と焼けつく息を繰り返すようになる。
高確率のスロットがキャンセルされると他の行動選択率が全体的に引き上げられ、めったに見られない最低確率の行動も見られるようになっていく。
このせいで、最大2匹のFCでは無駄に時間がかかる敵だったのが、3~4匹で現れるリメイク版ではベギラゴンとやけつく息でこちらをガチで焼き殺そうとする危ない敵へと変貌してしまった。
- デススタッフ
- 最後に、DQ5以降から登場した【制限行動】を組み合わせたパターンについて。
例えばDQ6の【デススタッフ】のパターンを覗いてみるとメガザルダンス(78.13%)>凍える吹雪(15.63%)>ルカナン(3.13%)>通常攻撃(1.56%)>凍える吹雪(1.17%)メダパニ(0.39%)
となっており、【メガザルダンス】を最優先する思考になっている(赤字は制限行動)。
しかし、必要に迫られない限りメガザルダンスは使われないため、再抽選の結果【凍える吹雪】が約8割(43/56)、【ルカナン】が約14%、打撃が約7%、1.8%の確率でメダパニという内訳になる。
しかし、【ルカナン】と【メダパニ】が制限行動であるため、同一ターン内かつ同じグループ内ですでに使ってしまった者がいた場合、凍える吹雪を使う確率は更に高まる。そっちじゃないだろと。
さらに攻撃力が188とこの時期にしては異様に低く、馬車外メンバー全員の守備力が400ぐらいあると通常攻撃もキャンセルされてしまう。
優先行動
本編シリーズで上述の「行動スロットのうち1つを優先的に使う」という行動をとるモンスターに対して、こう呼ばれる場合があるが、実際のシステムは上記の偏向型であり、「最初に優先行動のスロットを選択する抽選がある」などという解説は誤りである。
モンスターズシリーズでは、「使える状況であれば100%の確率でその行動が選ばれる」という極端な優先行動をする敵も存在する。
- GB版DQM2の【旅人の世界】の中ボスの【ピクシー】(【メダパニダンス】、【イオラ】、【フバーハ】を習得している設定だが、封じ状態やMP切れなどで使えない状況でない限りは絶対にメダパニダンスを使う)
- キャラバンハートの【かぼちゃのきし】と【ドラゴンライダー】(絶対に【かえんぎり】を使う)
- テリワン3Dの【めぐりあいの扉】に出現するモンスター(封じ状態やMP切れなどで使えない状況でない限りは毎ターン同じ特技を使う。必ずしも持っている特技の中で最も強いものが優先されているとは限らない)
- ジョーカー3/3プロフェッショナルの【ばくだんいわ】(【黒い霧】や制限行動などで使えない状況でない限りは絶対にメガンテを使う)
- ジョーカー3プロフェッショナルの【キラーパンサー】(通常攻撃、テンションアップ、【やいばくだき】の3つの行動が設定されているが、【赤い霧】で使えない状況でない限りは絶対にやいばくだきを使う)
などが該当する。
ローテーション系
行動が順番によって管理されているもの。
こちらは比較的分かりやすいため、ある程度詳しいサイトであれば書いてあることが多い。
DQ3の【おどるほうせき】、DQ6の【サタンジェネラル】、DQ11(無印版)の【とらおとこ】など、ザコ敵のくせにローテーションを持っている者もいる。
回ってきた行動が効果の無い行動だったり、または制限行動に引っ掛かったりした場合、その番号を飛ばして次の番号の行動を選択する。
完全ローテーション
行動順 | Ac1→Ac2→Ac3→Ac4→Ac5→Ac6→… |
---|
DQ3以降の作品に登場。ボスに多い。
その名の通りランダム性が無いローテーションのこと。一番見破りやすく、一番対策を立てやすい。
SFC版5の【イブール】や6の【ドグマ】が有名(後者は対策どころの話ではないが)。
ここでは8の【オセアーノン】を例に挙げる。
- Ac1:火炎の息
- Ac2:通常攻撃
- Ac3:なぎ払い
- Ac4:通常攻撃
- Ac5:なぎ払い
- Ac6:通常攻撃
完全1回行動であるため、1ターン目は【火炎の息】、2ターン目は通常攻撃、3ターン目は【なぎ払い】…といった具合である。
6ターン目の通常攻撃の後は、再び火炎の息に戻るのだ。
ただし、見破りにくい場合も時々存在する。
DQ4の【ギガデーモン】のように行動種類の少なさから見破りにくかったり、
DQ6の【あんこくまどう】は無駄な行動をカットする性質があり、グループ内で【制限行動】に指定されているため見破りにくいこともあるのだ。
DQMJ2Pの【邪獣ヒヒュルデ】は2~3回行動とローテーションに同じ行動が3個もあり、
さらに同一ターンで同じ攻撃が選択されると通常攻撃におきかえる仕様、
1回しか行動しない特技と交互に配置されている仕様が全て重なった結果、パっと見は後述の2段階ローテーションの亜種にしか見えない。
また【複数回行動】するタイプのモンスターでは、1~2回行動のように行動回数が変化する場合や、
完全2回行動でもDQ4の【エスターク】のように行動開始がランダムだったりする場合だと、
実際の同一ターンにまとめてくる攻撃の種類や順序が変わってしまうことがある(下記参照)ので、
完全ローテーションなのに戦況が運任せになる場合もある。
- 例
- 【バラモス】(SFC版以後・FCは完全2回行動)
- 【エスターク】(DQ4版)
- 目覚めた後は【凍える吹雪】→通常攻撃→【きあいため】→通常攻撃→(【凍てつく波動】→)通常攻撃…で1周。
(こちらに補助呪文がないと凍てつく波動キャンセル) - 通常攻撃とその他の行動を交互に出すので、眠っているターン1回目の行動で目覚めると2回目で凍える吹雪。
2回目の行動で目覚めるとそのまま行動終了し、次のターンで凍える吹雪→通常攻撃となる。
一見前者の方が目覚めてすぐ行動されて不利に思えるが、実際はエスタークの【攻撃力】が高いことから、
【スクルト】を解除した直後に打撃が来る後者の方がはるかに危険である。
完全ローテーションの変則例として、SFC版DQ5の【ミルドラース】 (第二形態)のみに存在する「3つある行動ローテーションパターンのうちからランダムに1つを決定」というものがある。
後述の移行型との違いは「ローテーションが移行しない」ことで、選ばなかったローテーションパターンはその回の戦闘では最後まで使用しない。正確に言えば単純に同じ姿のモンスターが3種類用意されていて、ローテーションを選んでいるというよりモンスターの個体そのものを最初に抽選しているからである。
(なお、リメイク版ではHP減少で別パターンに移行するように変えられている。)
- 目覚めた後は【凍える吹雪】→通常攻撃→【きあいため】→通常攻撃→(【凍てつく波動】→)通常攻撃…で1周。
グループローテーション
グループ内共有 | Ac1→Ac2→Ac3→Ac4→Ac5→Ac6→…… |
DQ5以降の作品に登場した。
先述の完全ローテーションをグループ内で共有したもの。
ローテーション行動のモンスターのすべてのスロットが【制限行動】になっていれば自動的にこれになる。
シリーズ初のグループローテーションモンスターは【おおきづち】。
完全ローテーションは見抜きやすいが、これは案外盲点であり、気付かなかったプレイヤーも多いのでは?
ここではDQ6の【ポイズンゾンビ】を例に挙げる。
Ac1:通常攻撃
Ac2:猛毒の霧
Ac3:わしづかみ
Ac4:毒攻撃
Ac5:通常攻撃
Ac6:ホイミ
ポイズンゾンビA,B,Cがどの順番で行動しようと、1ターン目は「通常攻撃→【猛毒の霧】→わしづかみ」となる。
同様に2ターン目は「【毒攻撃】→通常攻撃→【ホイミ】」となり、3ターン目以降もその繰り返し。
当然ながらモンスター自身の【判断力】も左右される。
ここではDQ6の【ブースカ】を例に挙げる。
Ac1:イオナズン
Ac2:マジックバリア
Ac3:通常攻撃
Ac4:ベホマスライムを呼ぶ
Ac5:凍える吹雪
Ac6:通常攻撃
この中で【マジックバリア】と【ベホマスライム】呼びは条件を満たさなければ選択されずにスキップする。
3体で出現したとすると、最初に動いたブースカがAc1:【イオナズン】を唱え、次に動いたブースカはAc3:通常攻撃を行い、最後に動くブースカはAc5:【凍える吹雪】を吐く。
次のターンは、最初に動くブースカはAc6:通常攻撃を行い、次に動くブースカはAc1:イオナズンを唱え、最後に動くブースカはAc3:通常攻撃を行い……
といった感じで進行する。
SFC版のブースカが1ターン目にイオナズンと吹雪を確実に放ってくるのはこれが原因。
完全ローテーションと違って【グループ】が一斉に嫌な行動を連発することはないが、通常の数倍のペースでローテーションが進むため嫌な行動が回ってくるのも早くなる。
逆に言えば、早く数を減らしたり行動不能にさせたりすれば、嫌な攻撃が回ってくる頻度を減らせる。
またあくまで「グループ単位で共有」のため、2匹ずつの2グループで登場した場合、4匹ではなく2匹ずつで共有する。
「にじくじゃく1匹」「にじくじゃく1匹」「にじくじゃく1匹」の場合はもはや完全ローテーションとなる。
たとえばブースカが1体ずつ出現した場合、1ターン目に全員からイオナズンを食らうことになり極めて危険。
こちらはそれを逆手にとって、【アストロン】でスルーしてやろう。
複合系
ランダム系とローテーション系が合わさったもの。
ローテーション系より分かりづらいが、ランダム系よりは分かりやすい。
恐らく、ローテーションを見破られにくくするための策であろう。
やはり、ある程度詳しいサイトであれば書いてあることが多い。
3段階ローテーション
SFC版DQ5から登場した。
行動順 | (Ac1 or Ac2)→(Ac3 or Ac4)→(Ac5 or Ac6)→… |
6つの行動を3段階に分け、それぞれの段階でどちらの行動をとるか選択しながら行動するパターン。
【ムドー】など、ボス級のモンスターにこの行動パターンをとるものが多く、ラスボスや裏ボスの一部にも当てはまる。
ちなみに、SFC版DQ5で3段階ローテーション行動をとるモンスターは、リメイク版ですべて後述の2段階ローテーションに、完全ローテーションのモンスターは、3段階ローテーションに変更されている。
2段階ローテーション
SFC版DQ6以降の作品に登場。
行動順 | Ac1→(Ac2 or Ac3 or Ac4 or Ac5 or Ac6)→… |
Ac1とそれ以外の行動を交互に行う行動パターン。
Ac2~Ac6が選ばれる確率はそれぞれ等しいと言われている。
DQ6の【ミラルゴ】の【マホターン】連発はこの行動パターンであるがゆえ。
Ac1にマホターンが割り当てられているので、マホターンを解くと2ターンに1回はかけ直そうとするのだ。
ほかにも、DQ6の【マッスルアニマル】が必ず力を溜めてから攻撃してくるのも、【しれんその3】がしつこく【ルカナン】を唱えてくるのも、この行動パターンだからである。
Ac1が危険な攻撃だったとしても完全1回or完全2回行動なら使うタイミングを容易に測れるのでそこまで危険はない。
むしろローテーションの関係上気まぐれ1~2回または1~3回行動でAc1が危険な攻撃の方がリスクは高い。
ちなみに、DQ3の【デッドペッカー】や【がいこつけんし】も、同じようにルカナン→攻撃のパターンで攻めてくるが、こちらはただの完全ローテーションである。
当時は、まだ2段階ローテーションが存在しなかったのだ。
また、SFC版DQ5で3段階ローテーションだったモンスターは、リメイクに際してすべて2段階ローテーションに変更されている。
モンスターズシリーズでは、DQMJ3Pの【サウルスロード】(完全2回行動で、通常攻撃→通常攻撃or【はげしい炎】)や追加シナリオのラスボスがこの行動パターンを有する。
移行型
初出はDQ6のデスタムーア全形態。
DQ6、DQ7、リメイク版DQ4では、節目のボスや【ラスボス】、裏ボスでしか使用されず、行動パターンも3パートまでで、パート移行も比較的単純で分かりやすかったが、DQ8ではついに中ボスにも採用され、4パートを切り替えながら攻撃をしてくる敵や、複雑怪奇で多彩なパート移行をする敵も現れた。また、近年ではHPが減るとパート移行して攻撃が激しくなるというタイプも現れた。
DQ11Sの【ニマ大師】はパート移行が特技として組み込まれている。
ここでは、DQ6の【デスタムーア】第2形態を例に挙げる。デスタムーアは、AパートとBパートの2つの行動パターンを持ち合わせている。
- Aパート:完全ランダム、2回行動(50%)
- Ac1:通常攻撃
- Ac2:棘の肩を怒らせ突進
- Ac3:スカラ
- Ac4:大防御
- Ac5:棘の肩を怒らせ突進
- Ac6:Bパートへ移行
- Bパート:3段階ローテーション、2回行動(50%)
- Ac1:ルカナン
- Ac2:バイキルト
- Ac3:回し蹴り
- Ac4:疾風突き
- Ac5:灼熱
- Ac6:Aパートへ移行
パート移行は行動回数に含まれるが、移行すると行動回数はリセットされるため、移行した後更に2回行動することもあり得る。
例えば「通常攻撃→Bパートへ移行(行動回数リセット)→【ルカナン】→【回し蹴り】」といった1ターン3回行動や、「回し蹴り→Aパートへ移行(行動回数リセット)→突進→Bパートへ移行(行動回数リセット)→ルカナン→回し蹴り」といった1ターン4回行動も可能。確率は低いが、運悪く引き当てると大変危険。
ちなみに、DQ6のダークドレアムも、デスタムーア第2形態と同じく理論上4回行動が可能な行動パターンに見えるが、Bパートの【はやわざ】が制限行動で、かつCパートのAパートへの移行と同じ行動枠に当てられており、はやわざを使用したターンはAパートへの移行が選択されないので3回行動までしかしてこない。
DQ7の【神さま】もこのタイプで、Aパート(2回行動)とBパート(50%で2回行動)を持ち、どちらもランダムであるため、理論上は無限回数行動する可能性もある。実際には、大抵の場合多くても3回行動で止まるのだが、それ以上行動する可能性もゼロではない。
DQ8では、1ターンの行動回数が厳密に設定されたため、常識外の行動回数は無くなった。
なお、厳密にはHPを共有した別のモンスターとして扱われているらしい。【おおめだま】の【顔色を変える】に似ている。
また、【ダークドレアム】【チキーラ】【エビルプリースト】など、パートによって耐性や素早さ、【判断力】が異なっている敵もいる。
ジョーカー3・3プロ
上に挙げた内のどの型にも該当しない行動パターンが存在する。
ターン数で行動が変化する
2つのパートを持っており、奇数ターンと偶数ターンでパートが変化するタイプ。
【フレイム】が該当し、奇数ターンのパートは通常攻撃しか設定されていないが、偶数ターンは【はげしい炎】を吐くことがある。
これと優先行動との複合型も存在し、【ザオリク】や【メガザル】を使うモンスター(【プリーストナイト】、【コトブキーノ】、【オークキング】、【ベホマスライム】、【メガザルロック】)が該当する。
これらのモンスターは奇数ターンにしか蘇生呪文を使用しないが、奇数ターンの行動順が回って来た際に死者が出ていた場合は使えない状況でない限り必ず蘇生呪文を唱える。
一部特技使用時のみローテーション
【凶とげジョボー】が該当。
行動パターンは基本的にランダムだが、【遊び人のマイム】を使った次のターンは必ず【テンションシフト】を使う。
行動済みの仲間と同じ行動を選択する
先に行動した個体が選択した行動と同じものを後に行動する個体も選択する。
2体で出現した場合の【ベスキング】が該当。
但し、ベスキングが使用する特技(【火炎竜】、【さそう踊り】、【マホトラ踊り】)の内、火炎竜とさそう踊りは制限行動になっており、先に行動した方が上記2つのいずれかを使用するともう片方はテンションアップを使用する。
これに加えて、同じ行動は2ターン連続で選択されない、自分でない方がテンション上昇状態になっている時は火炎竜とさそう踊りが選択されなくなるといった制限も掛かっている。
また、ベスキング2体の他に【スライムベス】がいる場合は上記の法則から外れた行動を取ることがある。