!!!ここに書いてある情報はゲーム用であり、実機の操縦には使えません!!!
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離陸直前
ATC(Ground)からの指示が「RW32L前での待機、準備ができたらTowerと交信」でした。
それに従って停止し、離陸準備を整えましょう。
- 滑走路手前で待機
許可が得られるまで滑走路に入ってはいけません。画像の位置(滑走路を表す黄色い線より前)で停止してください。
パーキングブレーキをONにしてください
- テイクオフ・クリアランスを得る
ATCメニューから[REQUEST TAKEOFF CLEARANCE IFR FROM TOWER]を選択し、離陸許可を得てください。- 他の機体が当該滑走路に離着陸中の場合、待機(HOLD)を命じられることもあります。
その場合は、滑走路への進入を命じられるまで待ってください。
- 他の機体が当該滑走路に離着陸中の場合、待機(HOLD)を命じられることもあります。
- トランスポンダーをONに
以下のスイッチがそれぞれ正しい位置になっていることを確認してください。
なっていない場合、セットしてください。
- 画像の右側のスイッチが「TA/RA」位置
- 画像の左側のスイッチが「ON」位置
- ランディングライトを点灯させる
- LANDと書かれているトグルスイッチを全部「ON」位置に。RETRACT-OFF-ONの3段階あるので注意。
- NOSEと書かれているトグルスイッチを「T.O」位置に。
- ランディングライトではないですが、STORBEスイッチを「AUTO」位置に。
ストロボライトは点滅する白色灯です。
- T.O.CONFIGボタンを押す(INOP)
これはFS2020のデフォルト機では未実装。無視してください。
離陸前のブリーフィング
離陸~上昇までは非常に忙しくなります。先に離陸直後のルートと離陸時のV速度について確認しておきましょう。
※この手順は本来もっと前に行っておくべきですが、今回は説明上このタイミングで実施します。
- SIDのルート確認
今回使うSIDはTIGER2というものでした。TIGER2で飛行するルートを確認しましょう。
TIGER2のチャートをお持ちの方は一緒にご覧になると理解が深まります。- NDでルート確認
北西へ離陸すると、最初にD0なるウェイポイントに到達し、それからすぐに左旋回して南に向かいます。
- FMGSでルート確認
FMGSのPLANボタンを押すとフライトプランの最初の部分が表示されます。- RJOO32Lは今回我々が利用する滑走路です。
- D0は離陸後最初のウェイポイントです。隣に「2」とあるのは滑走路からD0までの距離(nm)です。
- R301の隣にも「10(改行)2000A」とあります。D0からR301まで距離10nm、
R301での高度は「2000ft以上(at 2000ft or Above)」でなければならないという意味です。 - TIGER2のSIDでは最終的にTIGER(トランジション含めるとWASYU)まで飛行しますが、
この間の高度制限の指示は「ウェイポイントxxまでに高度yy以上まで上昇せよ」というものばかりです。
今回のフライトでは、解説通りに飛行すればその高度制限は満たせますので安心してください。
(ルートや高度制限などはすべてチャートに記載されています。)
- NDでルート確認
- V1, VR, V2を再確認
以前の手順でFMGSに表示されたV速度を覚えているでしょうか。ここから先の手順で必要です。
FMGSのPERFボタンを押すと表示できますので、V1, VR, V2の3種類の数値を覚えておいてください。
※V速度は場合によって異なるので、画像の値ではなくご自分の画面に表示された値を覚えてください。
(画像は以前出した時の値と違いますが、撮り直しのためです。その間にデフォルト機もVer.Upしたので、算出方法も変わっているのかもしれません)V1 離陸決心速度 この速度に達したら、もう離陸中止できない VR ローテーション速度 この速度に達したら、離陸のため機首を上げる V2 離陸安全速度 この速度に達したら、安全に離陸が続けられる
離陸
手順が多いので、ざっと読んでから試されることをお勧めします。
- 滑走路にラインナップ
離陸許可が出ているので、滑走路中央に移動してください。機首方位は滑走路方位(今回の322°)に合わせてください。
あまり前に行き過ぎると、滑走に使える距離が短くなってしまうのでほどほどにしてください。
- (オートブレーキをMAXに再セット)
(前の手順で行ったはずですが、外れている場合は再セットしてください。)
- スロットルレバーを"50% N1"位まで進める
問題ないなら、次にレバーを"FLX"の位置まで進める - FMAで確認
PFDの上部の領域がFMAです。以下のような表示になっていることが確認できます。
(FS2020のバージョンによっては表示が異なるかもしれませんが、悪しからず)
- テイクオフロール(離陸滑走)
N1が上がったので機体は加速していきます。 - IASがV1(決心速度)に達するまでに、離陸するか決める
速度がV1に達するころ、滑走路の中頃に来ていることでしょう。
こうなると最早ブレーキを掛けても止まれませんから、たとえ次の瞬間にエンジンが1機停止したとしてもそのまま離陸するしかありません。
(V1までに問題が起こって離陸を中止する場合(Rejected Takeoff; RTO)は、スロットルレバーをリバース位置に入れてください。オートブレーキとスポイラーが作動します)
- IASがVR(ローテーション速度)に達したら操縦桿を手前に引き、ピッチを約9°まで上げる
- 昇降計が正の値を示したら、ピッチ角を15°にして、ギアを上げる
初期上昇(Initial Climb)
はじめに
説明上、操縦部分の解説とATCとの交信との解説を分けて行うことにしました。
実際は、操縦と同時にATCとの交信を同時に行う必要があります。
- 機長が操縦している間に副操縦士が交信してくれれば良いものの、ゲームではそうもいきません。
一人では両方こなすのはなかなか難しいですね。最初は操縦に注力するのが良いでしょう。 - 一応FS2020のATCシステムでは単にメニューの数字を押せば良いだけ、に簡略化されてはいます。
- ATCに返答を求められている時に無視して放置しておくと、その内IFRが打ち切られてしまいます。参考までに。
操縦
ここからの操縦はマネージド・フライトの範疇になります。
- A/T(オートスロットル)により、自動で推力が指示されます。
- ピッチ角の上下のみで航空機の速度を調節します。失速しないように気を付けてください。
ピッチ角はフライトディレクター(F/D)の指示に合わせてください。
フライトディレクターの意味が分からない方はこちら - コースに沿って飛行するよう、必要に応じて旋回してください(多少左右にズレてもかまいません)
- 初期上昇(Initial Climb)
- スロットルレバーは、対地高度(AGL)が1500ftに到達するまでFLX位置のままです。
※もしFS2020デフォルト機のF/Dがバグで明らかに変なピッチ角(0°など)を示している場合、それには従わないでください
その場合は、170~200kt程度を保つようにピッチを動かしてください。
- スロットルレバーは、対地高度(AGL)が1500ftに到達するまでFLX位置のままです。
- 最初のウェイポイントに到達したらコース通りに旋回する
- 今回の「TIGER2」というSIDの場合、RW32Lから離陸するとすぐ最初のウェイポイントD0に達し、左旋回するルートになっています。
ND右上のターゲットウェイポイントの表示がD0の次の「R301」に遷移したことを確認したら、左旋回を始めてください。
(なお、実際のSIDでは高度計500ftに達したら旋回を開始するよう指定されています) - 旅客機の最大バンク角は、通常25°~30°程度です。
フライトディレクターも左旋回を指示してくると思うので、それに従ってバンクしてください。
※旅客機では、基本的には着陸時以外はラダーペダルを踏む必要はありません。
ラダーの操作はヨーダンパーがやってくれます。
- 今回の「TIGER2」というSIDの場合、RW32Lから離陸するとすぐ最初のウェイポイントD0に達し、左旋回するルートになっています。
- 加速高度(Acceleration Altitude)でスロットルレバーをCLに戻す
対地高度(AGL)が1500ftに達したらPFDに以下の画像のような表示が出ます。
スロットルを「CL」位置のツメまで一段階戻してください。
CLモードでは自動で推力が指示されます。一旦CL位置にしたら、着陸時までずっとその位置です。- マネージド・フライトにおいては、MCPの設定通りの速度を実現するようにA/Tモードが変化します。
FMAの左端は現在のA/Tモードを表示しています。CL位置ではそのA/Tモードに従って推力が設定されます。 - 加速高度はFMGSによりデフォルトで1500ft AGLに設定されています。
- 高度、スロットル、PFDの表示の関係性について説明。左から順に、
- 1500ft AGL未満(対地高度計が1420)のとき、スロットルはFLX位置
- 1500ft AGL以上(対地高度計が1650)のとき、スロットルがFLX位置のままなのでFMAに「LVR CLB」と警告が表示
- 1500ft AGL以上(対地高度計が1740)のとき、スロットルをCL位置にしたのでA/Tモードが「THR CLB」に変化
- マネージド・フライトにおいては、MCPの設定通りの速度を実現するようにA/Tモードが変化します。
- 日本では、タービン機は3000ft MSL未満は200kt IAS以下の速度制限があります。これを守るようにピッチ角を調整してください。
(FMGSにはこの情報は入力されていませんので、F/Dは機体を加速させるため低いピッチ角を指示してきますが、この間は無視して構いません)
- フラップの格納
旋回が終わるころには高度が3000ftくらいになり、フラップの格納速度まで加速しているはずです。
PFDのスピードテープにある「S」がスラット格納速度なので、これが近づいたら展開してください。
(今回は最初の旋回が終わってから格納することにしました)
- PFDのスピードテープにて「S」と紫△(現在のターゲット速度)が重なってほぼ同じ速度を示しているはずです。
フラップには展開中の速度制限があり、これを超える速度で飛行すると損傷するため、ターゲット速度が格納速度付近で制限されているのです。
フラップを展開したままだと空気抵抗が大きい上に加速もできず、効率が悪いということになりますね。速度が上がるに従ってフラップは上げてください。
- PFDのスピードテープにて「S」と紫△(現在のターゲット速度)が重なってほぼ同じ速度を示しているはずです。
- FMGSのターゲット速度まで加速
フラップを格納したらF/Dにより250ktまでの加速が指示されるはずです。F/Dに従ってピッチ角を調整してください。
PFDのスピードテープのターゲット速度も250になっているはずです。
日本を含め多くの地域では10000ft未満は250kt IAS以下の速度制限がありますので、それを守るように飛行します。
ATCとの交信
※ATCシステムを使用されていない方は無視してください
FS2020のATCシステムではATCメニューからクリックするだけで全ての交信を完結させることができます。
周波数も自動で変更されます。但し、ATCからの返答を無視しているとIFRを打ち切られることがあるので注意してください。
ATCの使い方はこちら→ATC
- D0からR301に向けての旋回中、以下のような通信移管(ハンドオフ)が行われます。
- 現在交信中の大阪タワーから関西デパーチャーに周波数を変更するよう指示が来ます。
航空機側は復唱後、関西デパーチャーに周波数を変更して交信してください。また、高度計規正値(QNH)も合わせてください。
- OSAKA INTL: <コールサイン>, Contact Kansai Departure on 119.5.
- You: 119.5, <コールサイン>.
- You: Kansai Departure, <コールサイン> is at <現在高度>ft climibing <上昇先の高度>ft.
- KANSAI: Kansai Departure, continue to R301 as planned. Altimeter <高度計規正値>.
- 現在交信中の大阪タワーから関西デパーチャーに周波数を変更するよう指示が来ます。
上昇
ATCからの高度指示の如何によっては、下記の手順が前後する場合があります。
当然ですが高度が低い時に起こったイベントからこなしてください。
このフェーズは巡航高度―今回はFL240(約24,000ft)に到達するまでが目的です。
※なお、ここでIFRのフライトレベルという概念が登場します。ご存じない方は先に読んでおいてください。
高度10,000ftに到達したとき
FMGS(と世界中の規則)では高度10,000ft以下は250kt以下という規則があるのでした。
しかし10,000ftを越えてしまえばこの制限は撤廃されます。
ターゲットスピードが250から320等(コストインデックスに依存)に変わり、航空機が加速していきます。
スロットルは相変わらず一定なので、F/Dはピッチ角を下げて上昇率を抑えることで加速するように指示することが分かります。
オートパイロットの使用
航空機が安定したら、操縦桿から手を放し、オートパイロット(A/P)をONに(エンゲージ)してください。
これはMCPの「AP 1」または「AP 2」のどちらかのボタンを押すことで行います(故障に備えて2系統のコンピュータが搭載されています)。
航空機が自動で制御されることに気づくはずです。
オートパイロットの記事にある通り、A/PはF/Dの指示通りに操縦翼面を動かしてくれるだけです。
我々はMCPを介してF/Dにどう飛ぶかを設定し、F/Dが姿勢を算出できるようにしなければなりません。
今はMCPにマネージド・フライト・モードが設定されているので、高度設定以外は変更しないでください。
※モードを変更してしまった場合は、各ボタンを前に押し込むことで「dash ball dash ball ball dash」の状態に戻してください。
※操縦桿やトリムスイッチを操作するとA/PがOFFになってしまうことがあります。その際はもう一度ONにしてください。
ランディングライトをOFFにする
ランディングライトをOFFにし格納してください。オーバーヘッドパネルのスイッチをEXTRACTの位置にすることで行います。
但しストロボ灯(STORBE)、航法灯(NAV LIGHTS)、ビーコン(BEACON)はONまたはAUTOのままです。
(夜空で流れ星のように飛行機が流れていくのをご存じのはずです )
ベルトサインをOFFにする
飛行ルートや気象状況が安定しており、問題ない場合は、「シートベルトサイン」をOFFにしてください。
オーバーヘッドパネルのスイッチを下げるとポーンと音が鳴ります。雰囲気が出ますね
指示高度まで到達したとき
最初に管制承認をもらった時に指示された初期上昇高度を航空機のMCPにセットしましたね。
ですから、航空機は一旦そこまでしか上昇しません。そこまで上昇するとピッチモードがALT*に変わって、F/Dの指示ピッチ角が下がり、高度を維持を維持しようとします。
(手動操縦中は)F/Dの指示するピッチ角に従い、水平飛行に移ってください。
例えば下図の例では、14000ftを指示されセットし上昇、近づいてきたので、そこで上昇が中断されようとしています。
ATCからの上昇指示
※ATCを使われていない方は、次の手順に移動して巡航高度(今回はFL240)まで上昇してください。
初期上昇高度に到達すると、ATCから更なる上昇指示が出されますので復唱してください。
上昇先の高度は場合によって異なります。以下はあくまで例です。
高度は18,000ft以上ではフライトレベル(FL)で指示されます(FS2020のATCは米国規則に合わせてあります)。フライトレベルについては別項の説明をご覧ください。
- ATC: <コールサイン>, Climb and maintain FL240.
- You: Climb and maintain FL240, <コールサイン>.
航空機のターゲット高度を上げ、上昇指示を出す
- MCPのターゲット高度として上昇先の高度をセットして、高度ボタンを奥に押し込んでください。
マネージド・フライトの範疇で航空機が再度上昇し始めます。
FS2020で高度ボタンを上に押し込むには、下図のようにマウスカーソルが↑(上矢印)になる場所でクリックしてください。
ピッチモードがCLBモードに戻り、FMGSに指定された高度制限、またはMCPのターゲット高度の内、どちらか低い方まで上昇します。
今回の上昇ルートの高度制限は「ウェイポイントxxでは~ft以上」という類のみなので、単にMCPの高度まで上昇します。
高度14,000ftに達したとき―フライトレベルに切り替え
※フライトレベルの説明については下記を参照
日本では転移高度は14,000ftなので、そこに到達したら高度計規正値を29.92hgIn(1013hPa; ISA標準大気)に変更しましょう。
EFISのノブを手前に引っ張ることで、一気に標準へと変更できます。このとき表示は「STD」になります。
(なお、ノブを奥に押すともとに戻ります)
巡航高度 FL240に到達したとき
上昇のフェーズは完了です。おめでとうございます
次のページに遷移してください。
参考までに、筆者の環境ではSETOHとWASYUの間の地点でFL240に到達しましたが、これは気象条件やペイロード、コストインデックス値などによって変わります。上昇が早かったり遅かったりすることもあり得るので、気にしないでください。
なおデフォルト機ではほぼ再現されていませんが、実機では上昇完了の予測地点(Top of Climb, ToC)がFMGSやNDに表示されるようです。
フライトレベルについて
フライトレベル(FL)は主にIFRで用いられる高度表記の一種です。
地域(国)ごとによって異なる転移高度(Transition Altitude; TA)以上の高度ではフライトレベルが適用され、以下のルールに従わなければなりません。
- 高度の下2桁を削除し、先頭にFLを付けて呼びます。22,000ft→FL220
- 海面気圧にかかわらず、高度計規制値を標準大気である29.92HgIn(1013hPa)に一律に合わせます。
- 日本では、転移高度は14,000ft(FL140)です。
- 米国では、転移高度は18,000ft(FL180)です。
何故フライトレベルを使うのか?
他の機体との相対的な高度差を守るためです。これにより、同じ路線の別の高度を飛ぶ航空機同士の高度差が安全に保たれます。
ご存じの通り気圧高度計は気圧を高度に換算するものなので、高度計規正値を正しくセットしなければなりません。
ところが(天気図でも分かる通り)気圧は時間と場所によって異なるため、少なくとも機上において高度計規正値を測定することはできません。
つまり、複数の機体が相異なる高度計規正値を使用していた場合、それぞれの機上の高度計が別々の値を指していても、
実際は同じ海面高度を飛んでいたということがあり得ます。これは衝突につながることを意味します。
それを防ぐために、全機が同じ高度計規正値を使用するのです。
こうすることで高度計の値は海面高度としては信用できなくなりますが、他の機体との相対的な高度差は守られることになります。