17章
死んでいちゃだめだ
■日本語版 17章 p.450
「ジニー! 死んでいちゃだめだ! お願いだから生きていて!」
■UK版 p.226
"Ginny! Don't be dead! Please don't be dead!"
■試訳
「ジニー!死んじゃだめだ!頼むから死なないでくれ!」
■備考
- 「死んでいちゃだめだ」と言うのは日本語として酷く不自然に感じる。
- 携帯版では「ジニー!死んじゃだめだ!お願いだから生きていて!」に訂正されてる。
相撲
■日本語版 17章 p.458
こっそり抜け出して『禁じられた森』に行ってトロールと相撲を取ったり。
■UK版 p.230
sneaking off to the Forbidden Forest to wrestle trolls ...
■試訳
こっそり抜け出して『禁じられた森』に行ってトロールと格闘したり。
■備考
- 相撲は日本の国技で、イギリスで行われているスポーツでは無い。
- wrestle→レスリング→相撲という「格闘技イメージ」に引きずられてるのが、そもそもの間違い。
このwrestleは「立ち向かう、格闘する」と言う動詞。
真芯
■日本語版 17章 p.473
(略)日記帳の真芯にズブリと突き立てた。
■UK版 p.237
(略)plunged it straight into the heart of the book.
■試訳
(略)日記帳の真ん中に牙を突き立てた。
■備考
- 「真芯」でも間違いではないが「真ん中」「中心」の方が分かりやすい。
というか同じページにあるすぐ後の文では「日記帳の真ん中を~」になっている。
悪文
■日本語版 17章 p.475
ロンが、胸の詰まったような歓声をあげるのが聞こえた。二人は次の角を曲がった。崩れ落ちた岩の間にロンが作った、かなり大きな隙間の向こうから、待ちきれないようなロンの顔が覗いていた。
■UK版 p.238
He heard Ron give a strangled cheer and they turned the next bend to see his eager face staring through the sizeable gap he had managed to make in the rock fall.
■試訳
息の詰まるようなロンの叫び声が聞こえた。二人が次の曲がり角を曲がると、落石でできた大きな隙間からロンの真剣な顔が見えた。
■備考
- 「崩れ落ちた岩の間にロンが作った、かなり大きな隙間の向こうから」の部分が分かり辛い。
- あとeager faceは「真剣な顔」という意味では?
- 「胸の詰まったような」は「胸がつまる」と「息の詰まるような」が混ざったのだろうか?
ベトベト
■日本語版 17章 p.478
ハリーは、メガネについた血やベトベトを拭いながら、真顔で言った。
■UK版 p.239
he said grimly, wiping flecks of blood and slime off his glasses.
■試訳
メガネについた血と粘液を拭いながら、ハリーは真顔で言った。
■備考
- ベトベトは口語的で幼稚な印象。
18章
自分が本当に何者かを示すのは
■日本語版 18章 p.489
「(略)ハリー、自分が本当に何者かを示すのは、持っている能力ではなく、自分がどのような選択をするかということなんじゃよ」
■UK版 p.245
"(略)It is our choices, Harry, that show what we truly are, far more than our abilities."
■試訳
「人の本質はな、ハリー、どのような選択をするかに表れる。どのような能力を持っているかより大事なことじゃ」
■備考
- 組分け帽子がハリーをグリフィンドールに入れた理由についてダンブルドアが語ったセリフ。
- 文章として凄く可笑しいよね。
- 意味がちゃんと伝わってないみたいね。
もんどり打つ
■日本語版 18章 p.497
階段を一度に三段ずつ、もんどり打って転げ落ち、下の踊り場に落ちてぺしゃんこになった。
■UK版 p.248
He crashed down the stairs, three at a time, landing in a crumpled heap on the landing below.
■試訳
階段を一度に三段ずつ音を立てて転げ落ち、下の踊り場にみじめに倒れ込んだ。
■備考
- 人がcrumpled heapになると言うのは、伸びる(失神する)んじゃなくて
身体を折り曲げて惨めに倒れ込む様な状態かな。
crashed downは音を立てて落ちる事。
「階段を一度に三段ずつ音を立てて転げ落ち、下の踊り場にみじめに倒れ込んだ。」って感じ?
よく大けがをしなかったねwって感じは原文にも有るけど… - 「もんどり打つ」は宙返りするという意味。さすがに原文じゃそんな落ち方はしてない。
「ぺしゃんこ」というのもアニメキャラが車に轢かれたみたいで可笑しいね。
「転げ落ち~落ちて」と言うのもどうかと思う。
マントを身に巻きつけ
■日本語版 18章 p.497
マントを翻して身に巻きつけ、マルフォイ氏は急いで立ち去った。
■UK版 p.249
he swung his cloak around him and hurried out of sight.
■試訳
マントをふり回し、(略)
■備考
- swung his cloak around himはマントをバサッとふり回した感じかと。
多分乱れたマントを翻して掛け直したんだろうけど巻き付けてはいない。
死ぬ機会が何度もあった
■日本語版 18章 p.502
「正気で言ってるの? 僕がせっかく死ぬ機会が何度もあったのに、死に損なったっていうのに? あの連中はカンカンだよ……」
■UK版 p.251
'Are you mad? All those times I could’ve died, and I didn’t manage it? They’ll be furious ...'
■試訳
「正気で言ってるの?これだけ何度も僕が死にそうになったのに、結局死ななかったんだぜ?あいつらカンカンになるだろうさ。」
■備考
- 「僕がせっかく死ぬ機会が何度もあったのに、死に損なったっていうのに?」って言う表現が引っ掛かる。
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- 全体的に訳がこなれてない文が多い気がするなぁ -- 2022-03-28 (月) 12:15:50
- 変な日本語も多い -- 2023-01-03 (火) 12:23:08
- これが一番致命的 -- 2023-11-05 (日) 02:07:46
- 変な日本語も多い -- 2023-01-03 (火) 12:23:08
- 18章のダンブルドアのセリフは、早稲田大学の入試問題の自由英作文の題材として使われてる(国際教養学部・2019年度)。もちろん英文のままの引用。 -- 2023-11-04 (土) 18:02:58
- へぇすごい -- 2023-11-26 (日) 16:21:21
- イギリスでも相撲あると思ってた -- 2024-04-02 (火) 23:16:10