男は黙って投げるだけ

Last-modified: 2022-06-13 (月) 02:14:03

エドウィン・エスコバー(日本ハム→DeNA)が放った至言。


【目次】


概要

エスコバーは最速163kmの速球とタフネスを武器に日本ハムからDeNAに途中加入した2017年からハイペースで登板。場面を問わず投げさせられることも多く、酷使が心配されることも多かった。

そんな中で2019年6月25日のあるコラムでエスコバーが取り上げられる。

交流戦で獅子奮迅、DeNAブルペンを支えるエスキー
https://column.sp.baseball.findfriends.jp/?pid=column_detail&id=097-20190625


 まさに獅子奮迅の働きだった。交流戦18試合中、リリーフで12試合に登板し、3勝1敗7ホールド、防御率2.53。6月22日の楽天戦(横浜)では、前日までの5連投を考慮され、20日にリリーフで4イニングを投げた国吉佑樹とともに休養日を与えられるほどのフル回転で、5年ぶりの交流戦勝ち越し(10勝7敗1分)に貢献した。
 
 印象深かったのが19日の日本ハム戦(横浜)だ。同点の9回にマウンドに上がり四球と安打で無死一、二塁とすると、ラミレス監督から直接発破をかけられた。そこから遊飛、空振三振、空振三振でピンチを脱出。一死で迎えた六番・渡邉諒は160キロの直球でねじ伏せた。
 
 交流戦終了後、ラミレス監督が打率3割をマークした神里和毅と並んで、投打のMVPに「多くの試合で投げてくれた。ブルペンに彼がいたのが非常に大きかった」とエスコバーの名前を挙げたのも当然と言えた。本人も「自分では“このイニングが役割だ”というのがないタイプ。どんな状況でもマウンドに上がることができるし、それが強みだと思っている」と力強く語る。
 
 試合前にはズシリと重い約2キロのトレーニングボールを用いて、ウォーミングアップ。ブルペンでは同僚パットンが用意するハイチュウを頬張り、口癖は山崎康晃に教えてもらった「オトコハ ダマッテ ナゲルダケ」。
 
 チームメートからは「エスキー」と呼ばれ愛される剛腕左腕の存在は、とてつもなく大きい。

酷使にもめげず淡々と投げるというその言葉はたちまち話題となり、8月3日のヒーローインタビューでは本人がファンの前でこの発言をしたため、更に拡散した*1
このフレーズには球団も反応しており、公式でタオルやTシャツなどのグッズが発売されたり、シーズン最終戦セレモニーのPVにもキャッチフレーズとしてビジョンに大きく映されるなど、エスコバーの代名詞となりつつある。
果ては同年のファンフェスタでの投手陣によるトークショーのタイトルにまで(本人不在にも関わらず)用いられている。
なお、公式のキャッチフレーズ表記は前述のコラムの表記と同じ「全部カタカナ」が採用されている。


余談

2019年シーズン前にエスコバーは「70登板を目標」と掲げており、実際に達成してしまった*2
また、連投すればするほど何故か調子が上がるという規格外のタフネスさもファンを驚かせたが、さすがに限度はあったようでクライマックスシリーズ・ファーストステージで回跨ぎ+三連投を任された際は計6失点で2敗という悲惨な成績*3を残してしまった。ただ、一部のファンからは「CSまで隙間が開いた(CS決定後休養のため一度二軍落ちし、シーズン最後の登板から中10日)のが悪かったのでは」という声もあった。

また、その山﨑康晃にネタにされたときの「ハゲテネーシ!」も度々ネタにされている。


その後のエスコバー

2020年、春キャンプを迎えると 右膝を負傷。流石のエスコバーも前年の登板過多に「今期絶望」「早くても夏以降」とファンの大半が予想していた。しかしここから驚異の回復力を見せ、なんと3月下旬には二軍で登板し最速152km/hも記録。逆にファンをドン引きさせた。
結局コロナウィルスの影響で開幕延期も重なり、なんと開幕前に怪我は完治。開幕一軍こそ逃したものの、開幕から10日程で昇格し、貴重な左腕リリーフとして貢献。外国人枠の都合はあっても、相変わらずセ・リーグでの登板数2位*4という状況に*5。都合の付くときは当然のように連投・回跨ぎさせられる状況は変わってないどころか、監督直々に「連投するほどパフォーマンスが上がる」と明言されてしまった*6


関連項目



Tag: 横浜


*1 事実、当時のTwitterにおいてもトレンド入りを果たした。
*2 結果としてシーズン74登板(NPB歴代15位、セリーグ1位、12球団でも2位)を記録。なお、登板ペースだけで言えば後にシーズン76登板相当に更新している(2021年は来日遅れおよび早期帰国により、一軍帯同が116試合にとどまったが、その中で61登板を記録したため)。
*3 元々日本ハム時代から阪神とは相性が良くないという部分もある。
*4 10月26日に家族の健康上の理由でシーズン中の帰国となったものの、それでも120試合中半分近くの56登板を果たしている。
*5 コロナ特例により外国人選手の一軍登録は5人となったが試合で使えるのは4人のままであるため、野手3人(ネフタリ・ソトタイラー・オースティン、ホセ・ロペス)を起用すると、エスコバーまたはスペンサー・パットンのどちらかがベンチを外れなくてはいけないため、必然的に休養日が出来る。なお、そのパットンがエスコバーを1試合上回る57登板を果たし、同年の登板数セ1位となった。
*6 しかも、酷使の状況下でもチームに対する貢献面は尋常ではない。事実、本拠地ハマスタで24試合連続自責点0、防御率1点台(共に10月18日現在)という文句のつけようが無い成績を残している。