このゲームには計40種類以上の機関車が登場しますが、その一部をご紹介。
※少ない英語の資料をかき集めているので大いに誤りがある可能性があります。ご了承ください。
1830年代
- グラスホッパー 0-4-0
1830年にボルチモア&オハイオ鉄道のコンテストで優勝した1号機および、1832年に導入された2号機アトランティック号がモデル。グラスホッパーは愛称。
最初期のアメリカ製にして高性能な機関車で、同様の設計で20両以上は作られたらしいが、プロトタイプのものは僅か数年のうちに廃車された模様。
- ジョン・ハンコック 0-4-0
1836年にボルチモア&オハイオ鉄道の8号として製造された強化型のグラスホッパー。
実に1892年まで入換用として現役だった模様。
- ジョン・ブル 0-4-0
カムデン&アンボイ鉄道向けとしてイギリスで製造された機関車。鉄道開業後は1号機として活躍。
- 北アメリカ 2-4-0
イギリス仕様であり、当時のアメリカでは脱線しやすく使いにくかったジョン・ブル号の改造後の姿。
前方に機関車本体をレールに沿うように案内する先輪とカウキャッチャ(の原型)を取り付け、ガタガタの線路でも安定して走行できるようにした。
その際に前方の1軸が駆動しないように変更されたため本当は4-2-0なのだが、ゲーム内では意図的か誤植か2-4-0になっている。
- G&Mアメリカン 4-4-0
1839年にフィラデルフィア&レディング鉄道に導入された貨物機関車。
画期的なサスペンションの採用により当時のアメリカのガタガタな線路でも圧倒的なパワーを発揮。
その気になれば100両、400トン超の石炭車を低速ではあるが牽引することができた。
フィラデルフィア号と同じく模型が作られ、その姿を後世に残している。
G&Mは、ゴーワン&マルクスの略。
1850年代
- フィラデルフィア 0-6-0
大多数のプレイヤーが最初に走らせるであろう機関車。
1844年にフィラデルフィア&レディング鉄道のリッチモンド号として製造されたものの、
1ヶ月持たずに爆発してしまい大破、その後使える部品を再生して作られたのがこの機関車。
その後も改造に失敗したりとあまり運には恵まれなかったが、模型として後世にその姿を残すことには成功している。
- No.51 ドラゴン 0-8-0
残念ながらこの機関車についての詳細は、資料が乏しくはっきりとしない。
しかしながら、ボルチモア&オハイオ鉄道のほぼ同型の機関車No.57 メムノンが現存、No.54 ヒーローの写真が残ることから、これの仲間と推測される。
ただし、メムノン号は1848年製造であり、ゲームで使用できる年代と少しズレが生じている。
- タイソン十輪式機関車4-6-0
比較的初期の「10輪」機関車。タイソンは当時ボルチモア&オハイオ鉄道に在籍していた技術者の名前。
当時のものは現存しないが、似た形状の10輪車であるサッチャー・パーキンス号が保存されている。
- ロジャーズ モーグル 2-6-0
このモーグル(モーガルとも)タイプはさらに前からあったが、大手機関車メーカーロジャーズ社の技術者が新たに特許を取った先台車により、当時のガタガタの線路でもより安定して走れるようになった。
ユナイテッド・ニュージャージー鉄道運河39号が最初とのこと。
- コンソリデーション 2-8-0
1866年にリーハイ&マハノイ鉄道に導入された機関車そのものがモデルのようです。
直後にリーハイ・バレー鉄道に吸収合併されたため統合を意味するコンソリデーションと名づけられた。
- ボールドウィン十輪式機関車4-6-0
蒸気ドームが2つという地味に見えて非常に特徴的な機関車。
どうやらボールドウィン社は蒸気ドーム2つの機関車を1870年代にそこそこの台数を作ったようで、4-4-0タイプが遠くフィンランドへ輸出され、保存されていたりもする。
ゲームのモデルとなったのはおそらく写真の残っているエヴァンスビル・ヘンダーソンビル&ナッシュビル鉄道のもの。
- デカポッド 2-10-0
1867年にノリスロコモティブワークスで作られ、リーハイ・バレー鉄道に就役した「ハチとアリ」Bee号とAnt号と言いたいのだが....やっぱりゲーム中のモデルは違い、1886年にノーザン・パシフィック鉄道が、カスケード山脈にあるスタンピード峠のトンネルが完成するまで、暫定的に作られた激烈な超急勾配区間をゴリ押しする為に2両製造したMクラス(500、501号)と思われる。
そのため、1850~70年代のシナリオで使用した場合、数年では収まらない年代のズレが生じ、いささか不自然になってしまう。
1870年代当時の機関車と比較するとボイラーも太く、明らかに大型。
ちなみにモデルモードの100年プレイでは、しっかりと1886年の表示になっている。
1870年代
- リノ 4-4-0
バージニア&トラッキー鉄道の11番として1872年に製造され、主に急行に使用された模様。
その後インヨーと同じく映画会社に売られて多数の西部劇に出演。1995年に火災で大ダメージを負ったものの復元された。
長きに渡りオールドツーソンスタジオで展示されていたが、2021年にバージニア&トラッキー鉄道*1に買い取られ、動態での復活を目指すとのこと!
- インヨー 4-4-0
バージニア&トラッキー鉄道の22番として1875年に製造され、50年以上活躍し引退。
その後映画会社に売られて多数の西部劇に出演した。現在はネバダ州の鉄道博物館に保存。自走可能!
- マストドン 4-8-0
この、4-8-0タイプの始まりは1855年、ボルチモア&オハイオ鉄道が製造したのが最初。
マストドンの名前の由来は1882年にセントラルパシフィック鉄道が自社工場で1両だけ製造したこのタイプ(229号)につけられた愛称に由来。
しかしながら、ゲームに登場するのはそのどちらでもなく、1890年代初期ごろに製造されたグレートノーザン鉄道G1型と推測される。
そのため僅かではあるが年代にズレが生じている。
1890年代
- NYCアメリカン 4-4-0
1893年、ライバルのペンシルバニア鉄道と戦うためにニューヨークセントラル&ハドソンリバー鉄道が製造した超高速機関車。999号の名はあまりにも有名。
速度試験では(疑いもあるが)180km/h超を出し、特急牽引に使われた。現在はシカゴの化学産業博物館に保存されている。
- オールド・モーデ 0-6-6-0
1904年にボルチモア&オハイオ鉄道の2400号として登場した、アメリカ初のマレー式機関車。当初は最初の機関車だけありあまり評判がよくなかったが、すぐに圧倒的な牽引力が認められた。
なお、本ゲームではかなり底上げされているが、実際にはかなりの低速しか出せなかった模様。
- ロジャーズ十輪式機関車 4-6-0
イリノイ・セントラル鉄道の382号として1898年に製造。1900年に特急を牽引して高速走行中、本線を塞いでしまっていた貨物列車に追突する大事故に遭遇、この時382号の機関士ケイシー・ジョーンズは助士を飛び降りさせ、自分は最期まで列車を停止させるべく奮闘し殉職した。
ケイシージョーンズは英雄として後世に語り継がれたが、382号は呪われた機関車となってしまったようで、関連する死亡事故がたびたび起き、1930年代にひっそりと廃車、スクラップにされた。奇しくも、ケイシージョーンズ死亡時と同じ年齢(車齢)で....
1910年代
- スーパーハドソン 4-6-4
近未来的なデザインが非常に特徴的な大型機関車。ゲームやアニメなど、数々の作品でこの機関車をモデルにした(と思われる)列車が登場するほど。
1920年代から30年代にニューヨーク・セントラル鉄道がもっと強い機関車を欲した結果生まれたハドソン型のうち、最終進化形となるJ3型がモデル。
残念なことに、急速なディーゼル化と保存に消極的な上層部のため、アメリカを代表するような花形機関車にもかかわらず全車スクラップにされ、現存しない。
- EMD Eシリーズ ディーゼル
1937年よりエレクトロ・モーティブ・ディーゼル社が製造を開始した旅客用電気式ディーゼル機関車のベストセラー。
実に1963年まで改良を続けながら製造され、多数のバリエーションがある。
現在でも多数が保存され、そのうち保存鉄道などで現役で働いているものも。