Slay the Spireとは

Last-modified: 2024-01-12 (金) 00:13:40

Slay the Spire(スレイ・ザ・スパイア)は、「ローグライクデッキ構築ゲーム」と呼ばれるジャンルのパイオニアとなった1人用ゲームです。

  • 「リソースを管理しながら毎回姿を変えるダンジョン踏破に挑む」=ローグライクゲーム
  • 「自分の戦闘能力を主にカードの束=デッキで表し、カードの追加・差替で強化していく」=デッキ構築ゲーム

いわばランダム生成ダンジョンRPGと対戦カードゲームのいいとこ取りをしたゲームデザインは、2019年にはSteamアワードの「最も革新的なゲームプレイ」にノミネートされるなどの高い評価を受けました。

1回のゲームプレイが1~2時間で終わるミニマルな作りとは裏腹に、遊ぶたびにゲームが見せる新たな一面にもう1度プレイしたくなる無限の奥深さが魅力となっています。
当初はPC版からスタートしましたが、人気によって環境は拡大し今やNintendo Switch/PS4/XBOX ONE/iOS版/Android版などだいたいの現行環境でプレイできます。

毎回異なる展開、異なる選択肢、異なるデッキから最善手を考案・模索し、最終エリアを目指しましょう。挑む度に姿を変える敵・ダンジョンは無限の楽しみ方をあなたに与えてくれるはずです。


補足資料:本作の成り立ちに関わるゲームジャンルのよもやま話

本作のメーカーであるMega Crit社のAnthony GeovannettiはかつてTCG「マジック:ザ・ギャザリング」やボードゲーム「ドミニオン」に熱中し、カード&ボードゲームショップを経営するほどのアナログゲーム好きだった。一方ビデオゲームにおいても「ローグライク」というジャンルを好んでおり、カードのデッキ構築とローグライクの相性に気づいたことが本作の開発の始まりだったという。

  • ローグライクゲーム
    • 1980年のコンピュータRPG黎明期に登場した作品「Rogue」のシステムを模したものであることから「Rogue-like」と呼ばれるRPGのジャンル。日本人に馴染み深いのは本家Rogueよりもグラフィカルに表現され親しみを増した「風来のシレン」などの「不思議のダンジョン」シリーズ作品であろう。
      • マップや手に入るアイテムがランダムでパターン化されにくく、何度プレイしても異なる状況への対応力を試される
      • 厳しい探索リソース管理と進退の判断を強いられ、安直な無限レベル上げなどが許容されにくい
      • 常にゼロからスタートして、死んだ時に救済はなく、すべてを失う
      • ターン制で戦略をじっくり考えることができる見下ろし型のRPGスタイル
    • ……と言ったハードコアな要素に特色があり、独特の中毒性から人気を得てきた。
    • 近年では「ローグライト」と呼ばれる、もはやRogueのシステム自体とは似ても似つかないものの確かにローグライクのハードコアな魅力を部分的に採用しているゲームが人気を博すようになった。
    • ローグライトからは「FTL」「Binding of Isaac」というタイトルなどからの本作の影響が開発者によって語られている。
  • トレーディングカードゲーム(TCG)
    • 1993年に発表された「マジック:ザ・ギャザリング」に端を発する、物理カードのコレクション性と2人対戦を特色とするテーブルゲーム。
    • 他に日本で人気が高いのは「遊☆戯☆王OCG」「デュエル・マスターズ」「ポケモンカードゲーム」など。
    • 基本的に「あらかじめカードの店頭購入や愛好家間の交換などの手段によりデッキを構築し、それを対戦の場に持ち込む」という遊び方が主流であり、1枚が莫大な現金に匹敵する価値を持つと認知される超レアカードが存在したりすることでも有名。
    • 最近はスマートフォンアプリの普及などから物理カードのないデジタルトレーディングカードゲームも増えている。
  • デッキ構築型ボードゲーム
    • 2008年に発表された「ドミニオン」というボードゲームが嚆矢となったテーブルゲームの一種。
    • プレイヤー数人でデッキを構築して対戦カードゲームを遊ぶための大量のカードが全て1つのボックスに収められており、乱暴に言えば上記トレーディングカードゲームの「購入や交換でカードを集めてデッキを構築し……」という部分までもを1回のゲームプレイの一環に含めたのが特徴。
    • 「カード入手や破棄によるデッキ構築と対戦進行をシームレスに行って貧弱なスターターデッキから強化していき、最終的に勝利条件を満たしに行く」というコンセプトは本作に極めて近い。
  • ローグライクデッキ構築ゲーム
    • デッキ構築とローグライトを高度に同居させ遊びやすくまとめた本作は画期的なゲームデザインであったため、本作のヒット以来Steamのインディーズゲームでは次々と類似コンセプトのゲームが出現した。
    • 今やそれは「ローグライクデッキ構築」というタグで括られた一大ジャンルとなっており、本作を遊んだなら他のゲームのノリも大体理解できるレベルとなっている。ほとんどクローンのようなものから、更に別ジャンルの要素を加えたものまで多数存在する。

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