2008年の任天堂NEWS6

Last-modified: 2010-10-31 (日) 05:50:58

欧州も任天堂が制する歴史的事態、と調査会社DFC Intelligence

http://www.inside-games.jp/article/2008/06/02/29380.html
市場調査会社のDFC Intelligenceは、今後数年の欧州市場は任天堂中心に展開するだろうというレポートを発表しました。DFCは2007年の業界動向として2つの注目トピックがあったとして (1)引き続きオンラインPCゲームが好調 (2)任天堂が世界規模で成功を収めた の2点を挙げました。その上で、欧州は任天堂が唯一不得意としていたソニーのテリトリーであり、それが覆ったのは世界全体で見ても大きな地殻変動であったと述べています。

前世代のPS2は世界的に大きなシェアを確保しましたが、欧州では特に80%を超えるシェアを獲得するなど圧倒的でした。特にそのシェアを背景に『SingStar』やEyeToyのカメラなどカジュアル路線が大きく成功していて(それらは今年2月にSCEを去ったフィル・ハリスン氏が指揮していた)、それに代わって任天堂が同じようなカジュアル路線で欧州での成功を収めているのは皮肉な現象だとレポートはしています。

DFCでは既に圧倒的な地位を占めているDSのみならず、Wiiも今後5年間はPS3やXbox360を上回るペースで普及すると予測しています。

1つの象徴としてレポートではKONAMIの『ウイニングイレブン2008』(現地ではPro Evolution Soccer 2008)が挙げられていています。世界一フットボールが愛されている欧州で、マルチプラットフォームの中でWii版が、ゲームのメタスコアを提供するMetacriticやGamerankings.comでトップのレーティングを獲得したことを触れています。

ただし、欧州でもWiiが前世代のPS2のような圧倒的なシェアを占めることは考え辛く、DFCでもシェアは50%を上回らないだろうとしています(『WoW』や『GTA4』をやりたい人もいっぱい居ると)。また、カジュアル市場を強く意識したハードということから、タイレシオはPS3やXbox360を下回るのではないかとしています。ただ、それでも伝統的に弱かった欧州で強さを発揮しているのは歴史的な出来事と言えるのではないでしょうか。

ニュージーランドで任天堂の販売代理店がなくなる?

http://www.inside-games.jp/article/2008/06/03/29398.html
geekpulpによれば、ニュージーランドにおける任天堂の販売代理店で、アクティビジョンのそれも務めていたSoftprint Interactiveが破産し、管財人の管理下に置かれたということです。また、既にニュージーランドではWiiの在庫はなく、少なくとも今後は任天堂製品をSoftprint Interactiveが扱うことも無さそうです。

任天堂オーストラリアが管理するwww.nintendo.co.nzは現在も接続することができます。販売代理店が無くなった形ですが、今後は近接する任天堂オーストラリアが管轄することになりそうです。

米国任天堂のWii発売時のマーケティングが第40回The Effie Awardsグランプリを獲得

http://www.inside-games.jp/article/2008/06/06/29482.html
マーケティング分野で顕著な成績を収めた企業などに贈られる、世界的なアワード、第40回The Effie Awardsが発表され、任天堂オブアメリカが広告代理店レオ・バーネットなどと組んでWiiの発売時に展開した「Wii Would Like to Play」キャンペーンがグランプリを受賞しました。

「Wii Would Like to Play」はティーンエイジャーをメインターゲットとしていた今までのゲーム機の構造から離れ、その母親や父親、祖父母の世代までを対象とした点で革新的で、その結果として全世界で非常に大きな成功を収めたことが評価されました。「レオ・バーネットの戦略はゲーム業界のマーケティング手法を永遠に変えたでしょう」と審査員を率いたクライスラーのCMO(チーフマーケティングオフィサー)のDeborah Meyer氏は話しています。

The Effie Awardsは一般的な広告分野のアワードと異なり、そのクリエイティブのみを評価するものではなく、クライアント企業、広告代理店、広報代理店といった全ての関係者の総体的な取り組みを評価するもので、審査会もクライアント側、マーケティング側の両方で構成されます。

また「Wii Would Like to Play」は新製品&サービスの分野の部門賞も獲得しています。

任天堂がワイヤレスヌンチャクのメーカーを提訴

http://www.inside-games.jp/article/2008/06/13/29627.html
Bloombergの報道によれば、任天堂オブアメリカは周辺機器メーカーのNyko Technologiesを西ワシントン連邦地方裁判所に提訴したということです。Nykoが販売しているワイヤレスタイプのWii向けヌンチャクコントローラー「Kama Nunchuk」が、デザインや名称、パッケージなどで任天堂の特許や商標権を侵害しているという主張です。

任天堂の純正のヌンチャクコントローラーはリモコンとヌンチャクの間を有線で繋いでいますが、非純正のサードパーティ製で、これをワイヤレス化する商品が幾つか発売されていて、Nykoの製品もこの一つです。

Nyko広報担当のC.C. Winey氏は「私達は故意に誰かの権利を侵害したことはありません。本件については現在調査中です」というコメントをしています。

任天堂がWii向けの周辺機器でサードパーティを提訴したのは今回が初のようです。

任天堂オブアメリカのマーケティング&コーポレートアフェアーズ担当副社長のDenise Kaigler氏は「任天堂は私達のゲーム機で実現される革新的なゲームや製品をサポートしますが、サードパーティが私達の権利を侵害するのを許容することはできません」とコメントしています。

欧州任天堂、ゲーム販売店で「Nintendo DS Centre」を開始

http://www.inside-games.jp/article/2008/06/13/29620.html
任天堂オブヨーロッパはゲーム販売店で、ニンテンドーDSに関する各種情報の入手や、ゲームのデモプレイ、体験版のダウンロード、Wi-Fiコネクションへの接続のできる筐体、「Nintendo DS Centre」の展開をスタートしました。日本でも1000店舗以上に設置されているDSステーションと同様のサービスとなります。

現在ダウンロードできる体験版は『脳を鍛える大人のDSトレーニング』『テトリスDS』『眼力トレーニング』『マリオカートDS』『ぼくとシムのまち』『ハイスクールミュージカル』などとなっています。任天堂以外に参加しているメーカーはエレクトロニック・アーツ、ユービーアイソフト、ディズニー、Majesco、Vivendiです。

現在のところ英国内の32店舗での展開だということです。

デジペン工科大学が2つのカリキュラムを追加、WiiとDSでの教育も9月よりスタート

http://www.inside-games.jp/article/2008/06/16/29667.html
ゲーム開発者の育成学校として名高いDigiPen Institute of Technologyは、ゲームデザインに関する2つの学士課程を2008年秋より導入すると発表しました。現在第一回の入学者の募集が行われています。DigiPenは任天堂などが出資して設立した学校で、高レベルな教育が行われていることで知られます。

「2つの課程はレベルデザイン(ステージ設計)とゲームデザインに関する教育を提供するものです。また、両方の課程はプログラミングとアートの双方をカバーします。私達はプログラマーや環境アーティストの分野もカバーする事の出来る素晴らしいレベルデザイナーを育成するつもりで、これらの能力を兼ね備えた人材はこの産業でも最も必要とされています」とDigiPenのJen Sward氏はコメントしています。

また、DigiPenでは9月から、任天堂の提供により教育にWiiとニンテンドーDSの開発機材を取り入れるということです。

外付けHDDはないが、解決には取り組んでいる―Wii内蔵メモリの容量不足で

http://www.inside-games.jp/article/2008/06/18/29708.html

バーチャルコンソールやWiiウェアでコンスタントに新作がリリースされていく中で、512MBという内蔵フラッシュメモリの容量に不安を覚える方も増えているかもしれませんが、任天堂オブヨーロッパのマーケティング担当であるLaurent Fischer氏はGameIndustry.bizに対して、外付ハードディスクを発売する予定はないものの、容量不足の解決には取り組んでいる事を明らかにしています。

「私達は皆さんが深刻に思っていていることを認識していますし、問題があるとも思っていますので、解決に取り組んでいます。ただ、外付のハードディスクをリリースする予定はありません。この部分は日本の開発チームが管轄している問題で、全体の戦略にも密接に関わってきます」

とのこと。ただし、Fischer氏はこれ以上の詳細は明らかにできないとしています。どのような解決があるのでしょうか、楽しみですね。

ちなみに、Fischer氏は先日のイベントの席で「512MBが容量不足になるのは"ギーグがオタク"くらいじゃないか」と話したとされる件で、「自分やその場に居たプレス関係者に向けたジョークで、任天堂ユーザーをオタクと言ったわけではない」と釈明しています

台湾でのWii発売日が7月12日に決定、価格は約3万円

http://www.inside-games.jp/article/2008/06/26/29880.html
台湾の任天堂の現地法人である任天堂溥天股紛(実際にはにんべん)有限公司は、台湾におけるWii本体の発売日を7月12日に決定したと発表しました。本体にはローカライズされた『Wii Sports』やWiiリモコンなど一式が含まれ、価格は8500台湾ドル(約3万円)と、平行輸入品に対して競争力のある価格付けとなりました。

ゲームソフトでは第一弾として『はじめてのWii』が、Wiiリモコン同梱で発売されます。価格は1500台湾ドル(約5300円)。

周辺機器では、Wiiリモコンが1050台湾ドル(約3700円)、ヌンチャクが525台湾ドル(約1800円)となりました。

Anascape裁判、任天堂の主張は認められず

http://www.inside-games.jp/article/2008/06/30/29940.html
任天堂オブアメリカは先月、ゲームキューブコントローラー、ウェイブバード、Wiiクラシックコントローラー、WiiリモコンがAnascape Ltd.の特許を侵害しているとしてイーストテキサスの連邦裁判所で2100万ドルの支払いを命じる判決を受け、これに対して任天堂は「減額される道を探る」としていましたが、ロン・クラーク判事は5月14日の判決を支持する決定をしました。

ただ、任天堂はNextGenerationに対して今後も行動を続けると述べています。

「任天堂は予備法廷で減額について争う必要があるとは思っていません。任天堂は連邦巡回控訴裁判所で本件を争いたいと考えています」とPR担当のCharlie Scibetta氏はコメントしています。

任天堂、投資単位の引下げについての見解を発表

http://www.inside-games.jp/article/2008/06/30/29954.html
任天堂株は一時期の熱はないものの、30日の終値で59900円と高い水準で推移しています。任天堂は単元株を100株と定めていて、1株が59900円の場合、取引をする場合には約600万円近い資金が必要となります。このため、投資単位を引き下げ、一般投資家の参加を容易にすることを求める声があります。

これについて任天堂は本日見解を発表し、投資単位を引下げることは、「投資家層の拡大ならびに株式の流動性を高めるための有効な施策のひとつであると認識しています」としているものの、現状で引下げると多額の費用が発生すること、平成21年6月までに株券不発行制度が導入されることが決定していることから、「現時点では引下げは予定していない」としました。

ただし、任天堂はこれまでも同様の見解を示していて、従来通りと変わらない姿勢ということになります。