2008年の任天堂NEWS8

Last-modified: 2010-10-31 (日) 05:48:18

「ソニーやマイクロソフトと同じ事をするつもりはない」任天堂・岩田社長―WSJ

http://www.inside-games.jp/article/2008/08/06/30611.html
The Wall Street Journalは「Keeping Up Nintendo's Momentum」と題して任天堂の岩田社長へのインタビューを掲載しています。その中で興味深い部分がありましたので一部紹介します。

まず、任天堂はWiiで「Wiiハンドル」や「Wiiザッパー」などの様々なアクセサリを発売してきましたが、今後もあるのか? という質問に対しては、「最初の段階で出たアイデアはほとんどリリースした」とした上で、今後もまだ出てくる可能性はあるが、そんなに沢山出す計画はない、としました。

先日のE3で発表された「Wii MotionPlus」の価格については「手頃な価格になる」という見解を示しています。製造コスト自体はそれほど高くはならないということです。岩田氏は「Wii MotionPlusがなければ遊べないゲームも、あることで遊びが向上するゲームもあるでしょう。4つコントローラーがあれば4つが必要になりますが、できるだけ少なくて済むようにしたいと思っています」としています。

最後にソニーやマイクロソフトがゲーム機から動画をダウンロードして視聴するサービスを打ち出したことについて岩田氏は「任天堂は自分たちの強みを生かしたり、ビデオゲームの幅を広げるという方向を選ぶでしょう。映画スタジオを持ってるソニーや、沢山のお金を持ってるマイクロソフトの既存サービスに対抗するようなつもりはありません」と述べています。

Wiiと名付けられた男の25年間

http://www.inside-games.jp/article/2008/08/15/30698.html
コードネーム"Revolution"と呼ばれていた新型ゲーム機の正式名称を"Wii"とすることを任天堂が発表したのは2006年の4月のこと。今までのゲーム機には考えられない名前に世界中が戸惑いましたが、騒ぎの裏で、一人の男性の運命を変えていたそうです。

男性の名前はWii Yatani。ニューヨークのマンハッタンでグラフィックデザイナーの仕事に就く26歳です。母親が日本人のハーフだそうです。

平凡な少年でしたが、イヤーな事も多かったそうです。自己紹介をしても誰も正確に自分の名前を書けない(よくあるのは"Will"との間違い)し、「任天堂がWiiを発表した時にみんなが言ったジョーク―――Wee(おしっこの俗語)と掛けるような、は全部体験してきたよ」と彼は言います。でも、良い事もあったそうです。「珍しい名前で覚えやすいから、他のアジア人のようにジョンやマークみたいなニックネームは必要なかったね」

"Wii Yatani"の"Wii"は日本語で"宇意"と書くそうです。彼が生まれる頃、両親はいくつかのアイデアを持っていたものの、決定打に欠け、そんな時、まさに生まれるという日の朝日の美しさに感銘を受け、宇宙を表す"宇"と、意志の強い子にという意味で"意"を組み合わせたそうです。OoieやWe、Wheeといったスペルにならなかったのは「そこは母のクリエイティブなとこじゃないかな」と話しています。

運命が少し変わったのは任天堂が新型ゲーム機を"Wii"と名付けた時です。彼は日本に居る弟からのメールでその事を知ったそうです。もともとゲーマーで、その名前もヘンに思ったそうですが、お陰で苦手だった自己紹介でも「僕が本物のWiiです」とジョークを言えるようになったり、友達にも「今からお前で遊ぼうぜ」とフレンドリーになれたとか。

まだ任天堂から声をかけてもらったことはないそうですが、「求められれば宣伝マンになるよ」と話しています。

ちなみに2か月前にWiiを購入したとのこと(クレジットカードの名前欄を見て店員さんは噴き出してしまったとか)。

任天堂、中南米市場でも積極展開する方針

http://www.inside-games.jp/article/2008/08/16/30706.html
任天堂オブアメリカのReggie Fils-Aime社長兼COOは、パナマのプラヤボニータにて開催された業界向けカンファレンスで講演し、成長の続くラテンアメリカ市場で積極的にマーケティングを実施していく方針を明らかにしました。

長い目で見て経済的な大きな可能性を秘めているだけでなく、過去数年間の任天堂製品の伸びを見ても、米国を上回る成績を上げているそうです。「長期的な経済の可能性を考えると、ラテンアメリカはゲーム産業にとって非常に重要な市場です」とReggie氏はロイター通信に対して述べています。

任天堂で中南米地域を統括するBill van Zyll氏によればこの市場は約20億ドルの規模となっているそうです。

既存の主要市場で「ゲーム人口の拡大」を掲げ、成長を実現すると同時に、シェアの奪還も果たした任天堂ですが、更なる成長を目指して、これまで小さかった市場の開拓も進めていくということでしょう。

任天堂、パナマでイベント「Nintendo Experience 2008」を開催

http://www.inside-games.jp/article/2008/08/19/30748.html
任天堂オブアメリカと現地代理店は、パナマのプラヤボニータにて中南米の業界関係者を集めた任天堂主催のイベント「Nintendo Experience 2008」(NEX 2008)を8月12日〜15日に開催し、ブラジル・ベネズエラ・アルゼンチン・メキシコ・リチ・パナマ・コロンビアなどスペイン/ポルトガル語圏に積極展開していく方針を明らかにしました。

「私たちの使命は世界を笑顔にし続けることです。そしてそれは成功を納めています」と任天堂オブアメリカ社長兼COOのReggie Fils-Aime氏は述べました。「私たちは任天堂の近年の商品は広大なヒスパニックマーケットでも成功するチャンスがあると確信しています」

任天堂で中南米地域を統括するBill van Zyll氏によれば、良好な経済に支えられて近年の任天堂製品の伸びは中南米が米国を上回っていているそうです。特に言語対応の面で努力していて、複数言語、今後のWiiタイトルにはスペイン語のオプションを用意するということです。『スーパーマリオベースボール』『ワリオランドシェイク』『Wii Music』などが今後の作品として挙げられています。

世界的なヒットになっている『Wii Fit』も投入予定で、ケーブルチャンネルで大規模なプロモーションを打つ計画だそうです。

サードパーティも続くようで、アクティビジョン・ブリザードは『スパイダーマン』『Call of Duty』『ギターヒーロー』、EAは『FIFA 09 All Play』『フェイスブレイカー』、ユービーアイは『レイマンTVパーティ』といった主要作品を投入していく予定だとのこと。

会場では任天堂やサードパーティの新作を体験できるコーナーも設けられたようです。

「コアファンも大事に。『ピクミン』もあるし」―米国任天堂副社長

http://www.inside-games.jp/article/2008/08/20/30762.html
VGChart.comは、任天堂がパナマで開催した「Nintendo Experience 2008」(NEX)の会場で実施した、任天堂オブアメリカ上級副社長セールス&マーケティングのCammie Dunaway氏へのインタビューを紹介しています。

まずE3について、驚きが無かったという批判があることに対しては、

「E3での我々のパフォーマンスは残念な結果だったかもしれません。『ワリオランドシェイク』のような面白いゲームがありましたし、宮本氏が新しい『ピクミン』に取り組んでいると約束したのは我々にとっても刺激的なことでした。そういった事をステージの上で言えば良かったかもしれません。しかし任天堂はいま注力している新しいユーザーだけでなく、旧来からのコアなファンも大切にしているということをぜひ記憶しておいて欲しいと思っています。」

また、次世代機についての考え方については、

「任天堂はイノベーションを止めることはできません。新しいハードを無事リリースできれば、開発チームは直ぐに次の製品に取り組みます。もし現行世代のサプライズが解ける時間が来るとすれば、その時には既に次の準備は完了しているでしょう。」

という風に述べています。

最後に、任天堂は中南米市場を開拓する意向を示していますが、海賊版対策が非常に重要だという考え方を述べています。任天堂は20年以上に渡って当地で海賊版対策を行っていて、現地政府と協力して法の制定や施行まで今後も緊密に協力して行っていく一方で、海賊版を使わないという教育も重要であるとして、今後は強く取り組んでいくとしています。

NESの全700作品のコレクションがeBayで競売中―家庭の事情で泣く泣く・・・

http://www.inside-games.jp/article/2008/08/20/30767.html

米社がWiiの輸入停止を求めて提訴―特許侵害で

http://www.inside-games.jp/article/2008/08/21/30779.html
米ヒルクレスト・ラボラトリーズ(Hillcrest Laboratories Inc.)は、任天堂がWiiで自社の特許を侵害したとして、ワシントンの米国際貿易委員会(ITC)にWii本体とWiiリモコンの輸入停止を求めて提訴したと発表しました。また、メリーランド州連邦地裁でも民事訴訟を起こしています。

ヒルクレストの主張によればWiiは、同社が保有する3次元空間におけるモーションコントロールを使用したポインティングデバインスに関する3つの特許、および、テレビ上のインターフェイスに関する1件の特許を侵害しているということです。同社の「Freespace」と呼ばれるモーションコントロール技術はロジテックなどにもライセンスされているということです。

ITCは米国特許を侵害していることが判明した製品の輸入停止を命じる権限があります。ただし、審理には1年近くを要するということです。

ヒルクレストは「我々は任天堂を尊敬していて、彼らは特許侵害に対して適切な対処を取ると確信している」とプレスリリースの中で述べています。任天堂広報室の皆川氏はブルームバーグの取材に対して「訴状を受け取っておらず、コメントする立場にない」としています。

Wiiに20万ポンドを入札した少年

http://www.inside-games.jp/article/2008/08/21/30791.html

データが証明するWiiが実現した「ゲーム人口の拡大」

http://www.inside-games.jp/article/2008/08/22/30801.html
米調査会社のFrank N. Magid AssociatesとGameDaily.bizは、家庭でWiiをプレイしているのはどのような人か、という調査結果を発表しました。

まず、家庭の中で最もWiiをプレイしている人の性別と年代を聞いたところ、性別では男性が73%、女性が27%という結果になりました。世代別では、男性12歳以下が15%、男性12-17歳が19%、男性18-24歳が19%と、この世代だけで全体の半数を超えるという、一般的なゲーム機とさほど変わらない印象です。(続いて多いのは男性25-34歳で11%)

その一方で、2番目にWiiをプレイしている人の性別と年代を聞くと結果は一変します。性別では男性が55%、女性が45%とほぼ拮抗します。さらに世代別でも満遍なく分布するという結果になります。まずは男性は12歳以下が12%、12-17が9%、18-24が10%、25-34が8%、35-44が8%、45-54が6%。55-64が3%です。女性は12歳以下が10%、12-17が9%、18-24が9%、25-34が6%、35-44が6%、45-54が3%。55-64が2%です。

また、3番目のプレイヤーに「一年前と今とで、もっとWiiをプレイしたくなりましたか?」という質問を行ったところ、「はい」が34%、「同じくらい」が56%という結果だったそうです。

任天堂は「Wiiは一家に一台。取り巻く人々を笑顔にするマシン」と位置付けていますが、2番目のプレイヤーがこのように性別、世代を問わず分布しているという調査結果は、従来のゲームのみでなく、実用系を含めた「Wiiチャンネル」など、幅広いユーザーを獲得しようという努力が実っている結果と言えるのではないでしょうか。

ユビキタス、DSにも採用の「UbiquitousTCP/IP」の出荷数が1億本を突破

http://www.inside-games.jp/article/2008/08/25/30850.html
通信モジュールを提供するユビキタスは、同社の基幹製品である「UbiquitousTCP/IP」の累計出荷ライセンス数が全世界で1億本を突破したと発表しました。本モジュールをベースにカスタマイズされたものは、ニンテンドーDSの通信ライブラリとしても使用されており、1億本のうち大きな部分を占めると推測されます。

ユビキタスは2001年5月の創業で、「小さく」「軽く」「速い」をテーマに組み込み向けのTCP/IPをはじめとするネットワーク関連のソフトウェアの開発を行ってきました。2001年11月に最初の製品である「Ubiquitous TCP/IP-OS for Z80」をリリース、2003年8月から本格的な量産向け出荷を開始しました。多くの機器メーカーや半導体メーカーに採用されると共に、ニンテンドーDSの通信ライブラリとして同社の開発した通信プロトコルスタックが採用されています。

富士経済が「エンベデットシステムマーケット 2008」にて行った発表によれば、ユビキタスの「UbiquitousTCP/IP」が国内トップシェアになっているとのことです。

カナダでWiiが100万台突破―次世代機では初めて

http://www.inside-games.jp/article/2008/08/26/30873.html
The Canadian Pressによれば、Wiiの販売台数がカナダで100万台を突破したということです。Wiiは一番最後に発売された次世代機でしたが、100万台を突破する最初の次世代機になりました。Wiiは2008年7月の時点で106万台、対してXbox360は87万台、PS3は52万台だそうです。

カナダは人口もあり、市場規模としては日米欧と比較すると小さくなりますが、ビデオゲームはブームになっているそうで、中でも任天堂ハードが市場を牽引しているそうです。7月のチャートではトップ10のうち8タイトルがWiiとDSタイトルだったそうです。

7月は前年同期と比べると+50%の販売規模だそうで、ゲーム開発やツールメーカーの拠点が多いことで知られるカナダですが、今後は重要な市場としても注目を集めるかもしれませんね。

韓国任天堂:海賊版ソフトを助長する「マジコン」に対して更なる動き

http://www.inside-games.jp/article/2008/08/27/30892.html
韓国任天堂(Nintendo of Korea)がコピーソフトに対する新たな動きに出ました。

韓国任天堂は、インターネットのショッピングサイトに対し、ニンテンドーDSでコピーソフトを利用する「マジコン」の販売自粛を要求しています。

「マジコン」はニンテンドーDSで不法コピーされたゲームソフトを起動させるための機械。利用者は新しいゲームソフトを買うことなく、不法ダウンロードすることで手に入れてしまえるようになります。

韓国任天堂は、これまでにも「マジコン」を輸入する業者を告訴して罰金刑を確定させ、ゲームソフトを配布する違法サイトを告発するなどコピー問題に対して積極的な取り組みを見せてきました。今回の自粛要請はG-Marketなどを始めとするインターネットのショッピングサイトに対して行われたもので、各サイトが協力するのであれば「マジコン」の販売は更に難しいものとなります。

日本の任天堂が「マジコン」を輸入する業者を告発するほか、PCゲームのコピーに対してイギリスでメーカー5社が訴えを起こすなど各所で同時多発的に不法コピーへの取り組みがスタートしており、今後の展開が注目されるところです。

今度は台湾発、Wiiによく似た「Winner」というゲーム機

http://www.inside-games.jp/article/2008/08/28/30925.html
大ヒットしているWii、ヒットの裏には模倣製品アリということで、中国発の「威力棒 Vii」を紹介したことがありますが、Kotakuによれば、今度はお隣の台湾発で「Winner」というヤツが登場したそうです。

「Winner」を開発したのはENG Electronicというメーカーで、"勝者"という名前が付けられたこのゲーム機は、Wiiのようにモーションコントローラーとヌンチャクスタイルのコントローラーでゲームをプレイすることができるそうです。

また、アーケードの業界紙The Stringer Reportによれば、「Winner」にはアーケードバージョンもあり、こちらは「Action Fun」という名前のようです。台湾のゲームショウであるGame Time InternationalにてENG傘下のSong Yungという会社から公開されたそうです。こちらもWiiライクのコントローラーに、『Wii Sports』ライクのゲームがプレイできたということです。

今のところ台湾以外でのリリースは予定されていないということですが、日本上陸を果たした暁にはまた取り上げたいと思います。

Kotakuではゲーム映像も色々公開されています

任天堂、ニュージーランドを直販体制として攻勢をかける方針

http://www.inside-games.jp/article/2008/08/29/30952.html
任天堂オーストラリアは、9月1日からオーストラリアの隣国ニュージーランドについて、直販体制とし、WiiとニンテンドーDSの双方で強力なマーケティングキャンペーンを実施していくと発表しました。

これはニュージーランドでこれまで任天堂の販売代理店を務めていたSoftprint Interactiveが破産したことに伴う措置で、任天堂製品が他の地域と比較するとやや苦戦している地域で、攻勢に出ることになります。

まず広告では世界的に有名な歌姫Olivia Newton-JohnがDSの『脳を鍛える大人のDSトレーニング』や、Wiiの『Wii Sports』や『Wii Fit』をプレイする広告を展開予定です。また、WiiとニンテンドーDSの両方で、全ての世代でプレイできる人気のタイトルを次々と投入していく方針です。

通期の売上高は2兆円に、任天堂が業績を上方修正

http://www.inside-games.jp/article/2008/08/29/30942.html
任天堂は、足元の業績が好調なことに加えて、想定為替レートを1ドル100円から105円、1ユーロ155円から160円に修正したことから、決算発表時に公表した平成21年3月期(平成20年4月1日〜平成21年3月31日)の業績予想を上方修正しました。また、配当方針、予想の変更も発表しています。

修正後の第2四半期まで(4月1日〜9月30日)の業績予想は、売上高が8300億円(修正前: 7600億円)、営業利益2450億円(2100億円)、経常利益2800億円(2150億円)、純利益1650億円(1250億円)となります。

また通期の業績予想は、売上高2兆円(修正前: 1兆8000億円)、営業利益6500億円(5300億円)、経常利益7000億円(5500億円)、純利益4100億円(3250億円)となり、売上高は初めて2兆円を突破する見込みです。

また配当金について任天堂はこれまで、連結営業利益の33%もしくは配当性向50%のいずれか高い金額を年間配当とし、中間期にそのうち140円を固定で、残りを期末に支払っていました。しかしながら近年の業績好調で、中間期と期末の配当金額に大きな差が出たため、今後は第2四半期の連結営業利益の33%を中間期に支払い、残りを期末に配当する方針に変更するということです。

これにより今期の配当金は、中間期に640円、期末に1040円、年間で1680円の予定となります。