ぴょんぴょんウサウサ帝国/会話

――竜将クロコによる、
工業都市襲撃から数日後。

ヘカティエ

――あなたたち、全員休暇を取りなさい。

レオナ

……いえ、まだ大丈夫です。
私よりも民の方が苦しんでいるのですから、
まだ立ち止まるわけにはいきません。

ヘカティエ

…………そんな状態で？

イルマ

……きゃぁっ！？
す、すみません、書類がばらばらに……。

リーザ

くっ……手当てはもういいわ。
今すぐ訓練を再開しなくちゃ！

ルーテ

……エレオノーラ様、
目の下に特大のクマができてますよ。

エレオノーラ

あなたの方こそ、寝不足で顔真っ青ですよ……？

ヘカティエ

――本当に、こんな、状態、で？

レオナ

…………。

白の皇帝

冥神殿の言うことは、正しい。
貴様らが民の為に無理をしているのは分かるが、
いざという時、戦えないのでは意味がない。

ヘカティエ

そういうあなたが！
一番休暇が必要だと自覚なさい！

白の皇帝

…………むぅ。

ヘカティエ

全員が一度に休むわけにはいかない、
というのは分かっているわ。
でも交代で休むくらいはできるでしょう？

レオナ

しかし……。

レオラ

――それじゃあ、強制的にやっちゃいましょう。

ヘカティエ様？
打ち合わせどおりお願いできるかしら。

ヘカティエ

はぁ……本当は、
こういう無理やりな手段は嫌いなのだけれど……。

手を貸した人間たちが、
過労で冥界の世話になるような事態は避けたいし……。
――オルフィー、やってしまいなさい。

オルフィー

……では。
皆さまに、愉快で穏やかなひとときの夢を……。

レオナ

なっ……これは眠りの魔術……！？
くっ……私たちを眠らせて、どうする、つもり――

ヘカティエ

……じゃ、こんな感じで皆眠らせるから。
休暇交代の順番と、人員配置は全部任せるわね。

レオラ

ふふっ、お任せあれ。

ヘカティエ

あなたもちゃんと休むのよ？
皆寝ないから、強制的に睡眠とらせよう作戦、
発案者はあなたなんだから。

レオラ

ふぁ……あふ……。
えぇ、そろそろ限界だったしね……。

オルフィー

――んっ、おや？

ヘカティエ

どうしたの？
って、あら……これは……。

夢が、混線してるわね……。
大規模な戦闘に巻きまれる夢かしら。
一応注意事項だけ伝えておくべきね……。

いい？
たぶん夢の中では『大討伐ミッション』が始まるわ。

拠点のライフが0になっても、
それまでの討伐数が記録として残るの。
倒れる事を恐れず、敵に立ち向かってね。

夢の中だから、普段のような補給はできないわ。
出撃コストが時間経過で回復しないということよ。

スキル『援軍要請』を持つメンバーや、
ワルキューレを編成に入れておきなさい。

当然だけど、夢の中で敵を倒しても
EXPやゴールドは手に入らないからね。

あとは……そうね……。
夢の中だから、何が起きてもおかしくないわ。
……お祭りだと思って楽しんでくるといいわ。

白の皇帝

――っ。
ここは……世界樹か？

エレオノーラ

夢の中、みたいですね……？
って、おや？　この衣装は？

イルマ

今度開かれるエッグパーティ用にと、
世界樹から私たちに贈られたものと同じですね。

リーザ

これ可愛くて好きなのよね……って、
夢の中なのに、私たち会話できてる！？

ジェニー

深層心理では夢は繋がっている、という説もあるけど……。
たぶんこれは、オルフィーの魔術のせいだね。

エレオノーラ

私たちを眠らせ、
一緒にひとつの夢へ導いたということですね。

それも、エッグパーティ中の世界樹の夢とは、
気が利いているではありませんか♪

レオナ

確かに、我々には休息が足りていなかった。
しばらくゆっくりして行くとしようか。

ラタトスク

…………んぁ？
なっ、なんじゃー！？　どこから入ってきたー！？

エレオノーラ

って、あらラタトスク様。
お久しぶりです……？

ラタトスク

おうおう、久しいのー。
じゃなくて！　我輩の瞑想に
勝手に介入してきてどういうつもりじゃ！？

リーザ

（瞑想……？）

イルマ

（マリレーヌさんに隠れて居眠り中、
みたいな意味ではないかと？）

オルフィー

おや……。
世界樹の祝祭の夢を見せようとしたせいで、
ラタトスク様の夢に繋がってしまったようですね。

やはり王国の書記官さんのようにはいかないようです。
この調子だと、他にも
意図せぬ人と接続してしまった可能性が……。

ヘカティエ

あなたにも無理をさせていたものね。
たぶん疲れが出たのよ。

ついでにあなたも、
この夢でゆっくり羽を伸ばして――

リーザ

……ん？　何か聞こえない？
動物が群れで駆けてくるような……。

ラタトスク

はぁ……。
我輩はな、最近世界樹を騒がせておる、
野生の魔物対策を練るために瞑想しておったんじゃ。

そんなところに大勢で詰めかけてきて、
大騒ぎをすればどうなるか……。

白の皇帝

……総員、戦闘準備。
居眠りを邪魔してしまった詫びをするぞ。

樹液から生まれた
スライムがいる間、
全ての味方ユニットは
継続ダメージを受けます。

ルチアは倒されると
その場で復活します。
復活は2回まで行われます。

仮装したベラートがいる間は、
敵の帝国兵の攻撃力と
防御力がアップします。

フォレストボアは拠点に向かわず、
倒さなくても★の評価には
影響しません。

イルマがいる間は、
全ての味方ユニットの
魔法耐性が
30%ダウンします。

樹液から生まれた
スライムと
マイコニドがいる間、
全ての味方ユニットは
継続ダメージを受けます。

トゥーダは
一定範囲内のユニットに
継続してダメージを与えます。

茨の女王は拠点に向かわず、
倒さなくても★の評価には
影響しません。

エレオノーラがいる間は、
全ての敵のHPが徐々に回復します。

レオラがいる間は、
全ての敵ユニットの
攻撃と防御がアップします。

アレイダがいる間は、
全ての敵ユニットの
攻撃と防御がアップします。

レオナがいる間は、
全ての敵ユニットの
攻撃力と防御力がアップします。

サンダーバードは
ダメージを受けると反撃を行います。
拠点には向かわず、しばらくすると
戦場からいなくなります。
　
倒さなくても★の評価には
影響しません。

メスのサンダーバードの
一定範囲内のユニットは
継続ダメージを受けます。
　
また、HPが99%を下回ると
継続ダメージの威力がアップします。
　　　　　　（1/2）

メスのサンダーバードは
ダメージを受けると反撃を行います。
拠点には向かわず、しばらくすると
戦場からいなくなります。
　
倒さなくても★の評価には
影響しません。
　　　　　　（2/2）

むにゃむにゃ……
おのれ、おのれ帝国めぇぇ……。

……はっ！？
ここはいったい……。

ベ、ベ、ベラート伯爵！？

ぬぉっ、なぜ夢に憎き帝国軍が！？

う、うさちゃん……。
うさちゃんスーツのベラート伯爵……？

気をしっかり！
エレオノーラ様、あなたもうさちゃんスーツです！

そうか……我が憎しみと悲しみが、
夢の中でも帝国軍と遭遇させたのだな……。

おのれ、白の皇帝！
なぜだ……なぜ戦争に民を巻き込んだ！！

…………！！

このベラート、貴様のことは気に入らぬが、
戦には誇りをもって挑む、
高貴なる血が流れていると勝手に思っていた。

帝国が常備軍を創設したのはなぜだ？
貴族の私兵ではない、
国家騎士団を結成したのはなぜだ？

職業軍人と、非戦闘員を明確に分け、
専門分野を持つ民間人であれば、
軍属として手厚い待遇を用意する……。

そうして民を守る構造を作り上げたこと、
私は貴様の
その誇り高き行いだけは評価していたというのに……！

何を勝手なことを……。
貴様とて裏切り者では――

やめろ、レオナ。

我が領地にて、工業都市の惨劇の報を聞いた時には、
ただただ己の無力を悔いた……。

なぜその場にいなかったのか、
なぜあのクロコの野望を見抜けなかったのか、
この事態の裏に蠢く策謀に気付けなかったのか、と。

答えてみせよ！
我が非才と同じく、何の価値もない皇帝よ！

貴様には、白き大地に生ける民を、
守り抜く義務があるはずだろう！！

……貴様の言葉は、正しい。
俺の無力ゆえに、民には多数の負傷者が出た。

だが、死者は全て、帝国軍兵士であった。
彼らは最後まで、勇敢、に……。

…………いや、
こんな言葉を語る権利はない、か。

……最後まで言っていたら、本当に失望していたぞ。
今はその誇りに免じて赦してやろう。

だが、我が怒りはおさまらぬ！
我が孫娘のデザインしたうさぴょんスーツにて、
貴様への怒りと憎しみ、はらさせてもらう！

ちっ……完全に夢だと思い込んでいるな。
総員、ふざけた格好だが、
ベラート伯爵の実力は本物だ、油断するな！

う、うわぁぁっ！？
得体のしれない生き物が現れたわ！！

あれは……迷いフォレストボアじゃ！
あいつらが世界樹を騒がせるゆえ、
吾輩はふかぁーく瞑想して考えを巡らせておったんじゃ！

フォレストボアは時間が経てば去っていく。
刺激しないように……うーん、
一応刺激しないようにするんじゃぞ！！

う、うわぁぁっ！？
得体のしれない生き物が現れたわ！！

あれは……迷い茨の女王じゃ！
あいつらが世界樹を騒がせるゆえ、
吾輩はふかぁーく瞑想して考えを巡らせておったんじゃ！

茨の女王は時間が経てば去っていく。
刺激しないように……うーん、
一応刺激しないようにするんじゃぞ！！

う、うわぁぁっ！？
得体のしれない生き物が現れたわ！！

あれは……迷いサンダーバードじゃ！
あいつらが世界樹を騒がせるゆえ、
吾輩はふかぁーく瞑想して考えを巡らせておったんじゃ！

サンダーバードは時間が経てば去っていく。
刺激しないように……うーん、
一応刺激しないようにするんじゃぞ！！

ラタトスク

……お疲れじゃ、皇帝よ。

エレオノーラ

陛下……。

白の皇帝

……白の帝国貴族、か。
罵られても仕方ないな。

レオナ

あれが、ベラート伯爵の真意なのでしょうか。
ならばいずれ、我々は手を組むことも――

イルマ

不可能、ではないでしょうか。
彼は本当に、民を大切にしています。

それは無論、己が甘い汁をすするため、
その基盤たる人民を
庇護するという目的ではあるのでしょうが……。

そんな彼が、今の帝政をよしとするはずがありません。

白の皇帝

同じ方向を向いた、決して分かりあえぬ敵、だな。

ラタトスク

――こほん。
うおっほん、けほっ、うぇっほん……！

まーた暗い顔をしおって！
今は夢の中のエッグパーティじゃぞ？

しかも夢からさめた現実では、
エッグパーティの本番も控えておる！

戦士には、休息が必ず必要じゃ。
休まず戦い続けるような者は、
弱き者の気持ちなんぞ分からんもんじゃからな。

しばし休んでいけ。
吾輩の夢も、ちょっとくらいは隙間があるゆえなー。

白の皇帝

恩に着る、聖霊ラタトスク。

皆、しばし休息を。
その後には、また力を貸してほしい。

リーザ

当然よ！

イルマ

えぇ、お任せを。

エレオノーラ

それでは皆さま、よいエッグパーティを。