ノエル
はあっ、はあっ、盗人め……! どこに逃げたのじゃ!
それにしても暑い! 日の光とはこんなにも暑いものか?
地下暮らしには堪えるな。
魔物
グルル……。 ニンゲンのこどもミつけた。
ノエル
だれが子供じゃ。だれが
アンナ
王子、子供が魔物に襲われています! 早く助けましょう!
ノエル
だれが子供だといっておる!
ノエル
一応、助けてくれたことには礼を言おう。 じゃが、ワシは子供ではない。
ワシはドワーフのビショップノエルじゃ。 これでも最高位の神官である。 頭が高いぞ?
……まあ、助けてもらったからの。 無礼は許そう。 こちらも非常時ゆえ。
お前らと会ったのも縁じゃ。 ワシを助けてくれぬか?
ノエル(初回の場合)
実は先日、わが神殿に盗人が入り、 神殿に保管していた大切な神器が奪われた。 犯人は魔物じゃ。
ノエル(復刻 / 初回未読の場合)
実は先日、わが神殿に盗人が入り、 神殿に保管していた大切な神器と 刻水晶が奪われた。犯人は魔物じゃ。
刻水晶のことはお前らも知っておるようじゃし、 ワシからの説明は必要ないじゃろ。
ノエル
神器は豊穣の杖といって 作物の収穫を増やすことができる ありがたいものじゃ。
地下深くに暮らすドワーフにとって、 とても重要なものなのじゃ。
じゃが、使い道を誤ればとても 危険なものじゃ。
増やすものが作物ならば害はない。 じゃが、危険な魔物を増やすことが できたとしたら……。
さあ、もうわかったじゃろう。 ならばつべこべ言わず、ワシに力を貸すのじゃ。
ノエル
さあ、奪われた神器を取り戻すのじゃ。 いくぞ!
ノエル
おのれ、盗人め……。 どこまで逃げるのじゃ!
兵士
報告します! 敵に周りを包囲されています!
アンナ
どうやら追ってくることが 分かっていて、待ち伏せしていたようですね。
ノエル
神器の力を感じる……。 ついに追い詰めたぞ!
暗黒騎士
ふふふ、この神器の力があれば 我々の力は強大となる。
暗黒騎士
なんだと……!? なぜこんなに脆いのだ!
ノエル
愚かな……。 神器の力の使いすぎじゃ。 蓄えた力を使い果たしておる。
頭数だけは増えたようじゃが、 見た目だけのハリボテじゃの。
暗黒騎士
おのれ……戦いは数だ! それを証明してやる!
ノエル
なんじゃ、この怪しい雰囲気は……。 神器からあふれた力が渦巻いている!?
何が起きるかわからんぞ! 気をつけるのじゃ!
カグラ
この近くに神器の力を感じる……。 早く取り戻さなくては!
魔物
ニンゲンみつけた!
カグラ
くっ、魔物……! こんなところで足止めされるわけには……!
アンナ
王子、巨大な魔物が出現しているという 場所はここです。
カグラ
助かった、この国の軍隊ね。 あのー! 助けてくださーい!
アンナ
女の人が襲われているようです! 王子、助けましょう!
カグラ
本当にありがとうございます。 助かりました……。
アンナ
あなたは何故、あのようなところに?
カグラ
はい……。実は、代々護ってきた神器が 何者かに盗まれてしまったんです。
あれは念じるだけで、生き物の大きさを 変えることができる強力なもの。
アンナ
念じるだけで大きくなるなんて……。 そんなものがあれば、魔物との戦いで どれだけ助けになるか……。
カグラ
いえ、そんなに都合よくはいきません。 大きくなる代わりに自我を失ってしまう……。 欠陥品……いわば呪われた神器なのです。
かつて魔物に追い詰められた私の先祖が 生み出してしまった、過ちの一つなのです……。
私は神器の力を感じ、追うことができます。 お願いです。どうか私と共に、神器の捜索を 手伝っていただけませんか!?
アンナ
確かに危険な道具のようですね。 王子、彼女に力を貸してさしあげましょう!
カグラ
この辺りで神器の力を感じます……。
アンナ
王子! 巨大な兵士達が こちらに向かっているという 報告が……。
カグラ
まさか人間に神器を……!? そんなことをすれば正気を失ってしまいます!
アンナ
すぐそこまで迫ってきています! 迎え撃ちましょう!
カグラ
神器の反応はこの洞窟です。 恐らく、周辺の魔物に神器を使って 待ち構えているはずです。
……あ! あそこにいます! 盗んだのはあの男です!
暗黒騎士
ふふふ、これは強力な道具を手に入れたぞ……。 大きくするだけではなく……。
これさえあれば、 我が軍の力をもっと強大にする事ができる……!
カグラ
やめなさい! それは呪われた神器。 周りだけじゃない、あなた自身も不幸に するものです!
暗黒騎士
知った事か! さぁ、我が同胞達よ! 人間共を殲滅するのだ……!
アンナ
この地鳴りは……! 王子、神器の力を得た魔物達が こちらに向かってくるようです。
戦いの準備を!
暗黒騎士
くっ……。ここまで追いかけてきたか。
もう後には引けぬ。 かくなる上は私自身が巨大化して……!
さぁ、神器よ! 私に力を貸すのだ! ふぅううんっっ!!
ふふふ、巨大になったぞ……! さぁ、お前達を踏みつぶ………む?
なんだ……!? なぜこんなに身体が重いのだ! これでは戦いにくいではないか!
カグラ
愚かな……。
暗黒騎士
おのれ……! しかし力自体は上がっているはず! 戦いはパワーだ! それを証明してやる!