英雄王を継ぐ者/会話

Last-modified: 2020-11-20 (金) 23:17:54
ネタバレ注意
1:魔王軍防衛線:東の国
1:開始時

???

(──東の国にて、
『破滅の力』をめぐる戦端は開かれた)
( 物質界に生きる者達と、
全てを魔界で塗り潰さんとする者達)
( この地に刻まれる最初の戦い、
東の国に集いし者達は──)

鬼刃衆

──鬼刃姫様、水路より魚人の軍勢が侵入とのこと。
セツナと妖怪就農が防衛にあたっておりまする。

鬼刃姫

大丈夫、シズカの想定通りだよ。
そのまま天守に『破滅の力』があるように思わせて、
被害を抑えながら戦ってね。

シズカ

元より『破滅の力』を分散させたのは、
こうして時間を稼ぐためだものね。
このまま力の在り処を隠して防衛を続けましょう。

ミコト

とはいえ、陰陽と呪術を束ねても、
『破滅の力』の波動を隠し続けるのは難しいでしょう。
遊撃隊たる王子達に連絡は……?

オロチヒメ

大丈夫よお、ミコトちゃん。
ほぉら、今ちょうど、王子達が駆けつけてくれたわぁ。

アンナ

──お待たせしました!
皆さん、ご無事ですか?

鬼刃姫

『破滅の力』は 無事だよ。
でも、天守が隠し場所じゃないってバレちゃうのも、
そろそろ時間の問題かな……。

シズカ

王子、魔王軍はふたりの幹部を送り込んできたわ。
デシウスとクラールフの軍勢が、
同時に東の国へ侵攻してきたの。

アトナテス

だが、ここで幹部ふたり同時に抑えれば、
他の連中が守る地に向かう敵が減るってわけだ。
王子、一発ぶちかましてやろうぜ?

王子

…………(こくり)

デシウス

──ヌゥゥッ!?
あれに見えるは王子たちか!
初戦で相見えるとは僥倖だ!
行くぞ、騎士たちよ。
この世界最後の闘争は、我輩達のものだ!!

鬼刃姫

東の国も!『 破滅の力』も!
絶対に渡さないんだから!
あてこそがぁ!悪逆非道の魔王軍を誅すべく、姫侍と並び立つ、茨木童子──鬼刃姫だぁ!!

シズカ

えぇ。かつて一度は奪われたこの祖国、
もう二度と奪わせはしません!
──姫侍、シズカ! 推して参るッ!!
1:戦闘中

デシウス

──そろそろクラールフ殿が
天守より『 破滅の力』を奪取した頃か?

クラールフ

──否だ、 暗黒なる者よ。
溺れる民め、どうやら悪知恵だけは働くらしい。
天守に『破滅の力』は隠されていなかった。

デシウス

まさか初めから、
別の場所に隠していたというのか!?

クラールフ

しかし所詮は浅知恵よ。
少々手間ではあるが、この地の全てを蹂躙すれば、
自ずと隠し場所は暴かれよう。

アンナ

王子、天守よりクラールフが現れました。
『豪雨』を招く力にご注意を!

カズハ

『豪雨』の中では遠距離からの攻撃は狙いにくくなります。
的確な指示をお願いします!
1-1:クラールフ撃破時

クラールフ

……ほう、 我を討つか溺れる地上の民よ。
良いだろう、初戦の勝利はそちらへ譲ろう。
だが、限られた戦力でいつまで、
魔界の軍勢に抗うことができるのか……。
此度の千年戦争の結末、楽しみにしているぞ。
1-2:デシウス撃破時

デシウス

まだだ……まだ戦えるぞ!
我輩の鎧は砕けず、剣も折れてはいないっ!!

暗黒騎士の手下

指揮官が死に急いでどうするのですか。
デシウス様、物質界侵略は未だ第一段階。
魔王様への報告の方が優先でしょう。

デシウス

ヌゥゥッ!!
王子よ、死ぬなよ!絶対に死ぬな!!
生きて我輩との闘争に決着をつけるのだぞ!!
1:終了時

アンナ

クラールフ、デシウス、撤退していきます。
王子、この地の『破滅の力』は守られました。

ユージェン

まずは一勝か。
だがあいつらを逃す手はないぞ王子。
結局最後には激突するんだ、ここで──

フローガ

──『 あーあー、聞こえますか?
こちら魔術師ギルド、フローガです!』

シャディア

魔術師ギルドからの通信魔法か。
どうしたフローガ? 緊急事態か?

フローガ

『 北の大国より、魔王軍幹部が現れたと報告が!
確認されたのはメカゴブリンクイーンと
ガオレオン率いる軍勢です!』

鬼刃姫

王子、東の国はあてたちで支えるよ。
北の大国を助けに行ってあげて!

テンマ

うむ。魔王軍が何するものぞ。
増援が来ようとも、
根こそぎ甲破りの錆としてくれよ。

シズカ

王子、シビラ達をお願いね。
東の国の『破滅の力』は、絶対に奪わせないから。

ボリス

王子、 飛空船はいつでも離陸できるぜ。
あんたがいないと飛び立てないからな、
早く指示を出してくれよ!

アンナ

それでは王子、北の大国へ向かいましょう。
シビラさん達が待っているはずです!

???

(── 大地の記憶が、流れ込んでくる。
私の知らないどこかの記憶が、刻まれる)
( これはきっと、いつもの夢じゃない。
どこかで、誰かが戦っている記憶……)
(次の地は……北の大国……)

ソラス

( おや……? 誰かに見られているような……?)
( これはもしや、あの子でしょうか。
まだ目が覚めていないのなら、
早く居場所を見つけてあげなくては……)
2:魔王軍防衛線:北の大国
2:開始時

???

( 王国と共に歩みし、北の大国)
( 此方、答えをもたらす剣の担い手が率いる者達。
彼方、ゴブリンの女王と、獣の王)
( そして空より来る船、
王国を率いる王子の仲間達──)

メカゴブリンクイーン

健気なものねぇ……。
東の国へ向かった王子達が、
助けに来てくれると信じているのかしら。

シビラ

…… 王子は、必ず来てくれる。
だからそれまで、膝をつくわけにはいかないの。

ガオレオン

その意気や良しッ!!
流石は王国に並び立つ、北の大国の姫君よッ!!

メカゴブリンクイーン

でも、もう時間切れじゃないかしら。
さあ『破滅の力』の隠し場所、
そろそろ教えてもらうわよ。

ユージェン

── そこまでだ!
王子、早くシビラのもとへ!

メカゴブリンクイーン

なっ…… どうして王子達がここにいるのよ!?
東の国へ向かったのではないの!?

ガオレオン

なるほど、帝国の飛空船を使ったなッ!
だがこれも好機、我が闘志を
振り下ろす先に困っていたところだからなッ!!

ユリアン

いつまで軽口を叩いていられるかな。
城壁内の魔物は駆逐中だ。
それから王子、市民の避難誘導も順調だぜ!

クレイブ

……ふふ、 兵士長ぶりが板についてきましたね。
避難民の警護は我々にお任せを。
王子はシビラ様の方へ!

シビラ

── 王子、来てくれるって信じてた。
これで、私達に敗北はなくなった。
かつて王国の危機に私達が駆けつけたように、王子はこうして、私の国を助けにきてくれた。
絶対に勝ちましょう。
もう誰も、泣かなくて済むように。

王子

…………!!
2:戦闘中

アンナ

王子、ガオレオンが前線に現れました!

ガオレオン

フハハハッ!! 良いぞ、心が踊るッ!!
だが、覇者たる我を差し置いて、
ファイナルマッチは始まらぬッ!!
卑怯なる遠距離の凶器は我が引きつけてやろうッ!
鍛え抜かれし肉体にて、
百獣のチャンピオンたる我に挑んでくるが良いッ!!

マンモン

がおがおちゃん、相変わらずですね……。
でも真正面から足止めすれば、戦いに夢中になって
遠距離攻撃の妨害は、してこなくなるはずですよ!
2-1:ガオレオン撃破時

ガオレオン

くぅぅッ!! やるではないかッ!!
我を打ち破るとは、何たる蛮勇かッ!!
まさかこれ程の抵抗を見せてくるとは……ッ!!
このマッチの勝利は、お前に譲るとしようッ!!
良き戦いであったぞッ! フハハハハッ!!
2-2:メカゴブリンクイーン撃破時

メカゴブリンクイーン

ウフフッ、 やっぱり王子率いる軍勢は、
一筋縄ではいかないわねぇ……っ!!
ここは一度退かせてもらうわ。
また会いましょう王子、ウフフフッ!
2:終了時

アンナ

メカゴブリンクイーン、
ガオレオン、撤退していきます!

カタラ

この感じ……そうか、魔界の亀裂を使って、
別の場所へ移動していったのね。

アンナ

とはいえ、こちらにも
追撃するだけの余力はありません。
何しろ飛空船による遊撃部隊ですからね。

フローガ

──『……こえますか? 聞こえますか!?
こちら魔術師ギルドです! 聞こえますかー!?』

ケイティ

フローガさん、大丈夫です、聞こえています。
また魔王軍が現れたましたか?

フローガ

『はいっ、そ、それも予想外の所に!
現在、帝国が魔王軍幹部の襲撃を受けています!』

イングリッド

魔王軍め、あっちこっちと
引っ掻き回してきますね……。

シビラ

王子、白の皇帝を助けに行ってあげて。
大事な戦友、なんでしょう?

王子

…………(こくり)

シビラ

ふふっ、さぁ、いってらっしゃい。
ここは私達に任せてね。

???

(……だめ、ついていってあげて。
この先に待つのは……嗚呼……)
(世界が……終わってしまう……。
大地の嘆きが……世界の歪みが……)
(……物質界が、終わりを迎えてしまう)

ソラス

(いったいどこに居るのですか?
──いえ、この力の流れは……。
そう、そこにいるのですね、サナラ!)
(とても嫌な予感がするんです。
きっと、あなたの力が必要になります。
だから、今叩き起こしに行きますからね……!!)
3:魔王軍防衛線:白の帝国
3:開始時

???

きゃぁっ!?
な、なんですか、あの虫は……っ!?

白の皇帝

── 逃げ遅れた市民か。
……俺から離れるな、分かったか?

???

は、はい……。
うぅぅ、 どうして、どうしてこんなことに……。

異界召喚師

キヒヒッ! 尻尾を巻いて逃げれば良いものを、
そんな小娘を守って死ぬ気とは!

クロコ

愚かナ。ダガ、その武人としてのあり方、
私の記憶に刻んでオコウ。

白の皇帝

……その必要はない。
お前達はここで終わりだ。

異界召喚師

キヒッ? 何を言っている?
増援を待っているなら見当違いだ。

クロコ

東の国、北の大国デハ、他の幹部が
随分と苦戦させられたようダガ、
北の大国からここマデ、どれだけの距離がアルと──

白の皇帝

──だから、帝国の船を貸したのだ。
遅いぞ王子。待ちくたびれた。

王子

…………!!

ルーテ

陛下、遊撃隊と連携し、
市街の魔物の掃討を開始しました。
市民の被害は軽微です!

クロコ

ホウ、 国民に矛先が向かヌよう、
皇帝自ら私達を引きつけていたというノカ……。

異界召喚師

キヒィー!! それがどうした!?
所詮は小規模な遊撃部隊。
クロコよ、ここで潰してしまえェ!!

クロコ

私ニ命令するナ……。
ソシテ魔王様の理想のタメ、お前も戦うのダ。

異界召喚師

致し方ない……。
覚悟せよ、王子共め……!!

白の皇帝

──行くぞ王子、お前の力を見せてやれ。
3:戦闘中

異界召喚師

(キヒィーッ!? なんじゃこの強さは!
王子め、さらに強くなりおったな!?)
( こうなれば、魔王様の手を煩わせてしまうが、
例の作戦を実行するしかあるまい……っ!!)
キヒィーッ!
魔王様のお力の欠片をお借りしますぞ!
いでよ、御姿の映し身よぉ……!!

アンナ

王子、異界召喚師が魔王の影を召喚しました!
3-1:クロコ撃破時

ゴライア

ウオオオオォォッ!!
喰らいやがレ!クロコォ!!

クロコ

──ゴライア、カ。
そんナ不意打ちデ、私ヲ倒せると思わぬコトダ。

ゴライア

グァァァァッ!? ──なんてなァ!
やれッ、ベルナァ!!

ベルナ

油断するとこ、全然学習してないね!
喰らえぇぇぇっ!!

クロコ

グッ……!?
私に傷を負わせるトハ……。
良いだロウ、この勝負はお前タチに譲ろウ……。
3-2:異界召喚士撃破時

異界召喚師

キヒィッ!?
ワシは逃げるぞ! 弟子っ、付いてこい!!

異界召喚師の弟子

……はぁ。
はいはい、また逃げるんですね。
3:終了時

レオナ

── 何が起きた?
魔王軍が退いていくぞ……。

ディルク

ぐっ……レオナ、様……っ!
伝令です……『破滅の力』が……っ!

レオナ

報告は正確にしろ。
『破滅の力』がどうしたと言うんだ。

ディルク

城内に、魔王ガリウスが出現……っ!
護衛部隊の被害甚大、『破滅の力』も
ガリウスの手に渡ってしまいました……っ!

白の皇帝

…………なるほどな。
連中、 撤退を装って俺達をここに引きつけたのか。

メフィスト

とはいえ『破滅の力』は七つ揃って、
初めてその効果を発揮するのだろう?
ならば他の場所さえ守っていれば──

ラピス

……メフィスト、 甘いぞ。
感じないのか、この禍々しい魔力を。

異界召喚師

──キヒ。
魔神共はさすがに気付くか……。
だが、もはや手遅れというものよ。
さあ弟子よ、お前はこの時の為に育ててきたのじゃ。
その有り余る魔力の泉を、
ワシに捧げ、魔王様の礎になるのじゃ……!!

異界召喚師の弟子

……えっ?し、師匠?
なにを……あっ、いやっ、いやぁぁぁぁぁッ!?

異界召喚師

キヒィ! 魔力量だけがお前の取り柄じゃからな!
存分に絞り尽くし、同時召喚の贄にしてやろう!

ユージェン

や、やめろっ! その子が死んでしまうっ!

異界召喚師

知ったことかぁぁぁぁっ!!
さあ魔王様、あなた様の手足となって動く、
無数の映し身を世界中に放ちましたぞ!!

フローガ

『 王子殿下! 『破滅の力』の護衛にあたっている
各地の部隊から、魔王の影の出現報告が!』
『殿下? 王子殿下!
このままでは魔王軍に
『破滅の力』が奪われてしまいます……っ!!』

バルバストラフ

フローガよ……。
手遅れやもしれぬぞ……。
王子、今この場に近付いてくる魔力の波動は──

シャディア

──魔王ガリウス。
全てお前の狙い通りということか。

ガリウス

──何度お前達の力を試したと思っている。
この物質界において、
予に抗しうるのは王国、帝国の戦力のみ……。
なれば、お前達をここに釘付けにすれば、
後は有象無象が蔓延るのみ……。
王子よ、かつてお前は予に、
この世界が予の物ではないと言ったな。

王子

…………。

ガリウス

残念だったな。
この世界は、もはや予の物だ。
我が臣下共よ『破滅の力』を掲げよ。
これより物質界は消滅し、
全てが魔界によって上書きされるのだ。

???

……ぁ……あぁ……。

ソラス

(サナラ! 何を怖がっているんですか!
このままじゃ王子君達まで全滅しちゃいますよ!?)

サナラ?

(……えっ? あ、あなたは? 誰ですか?
いったい何を言って……)

ソラス

( 私が英傑の塔に自らを封じたように、
あなたも羅盤に己の記憶を封じているだけ)
(魔界化なんて、 星の力だけでは耐えきれません!
早く目を覚ましてくださいよぉ!
それでも大地を紡ぐと謳われた英傑ですかっ!?)

サナラ?

(き、記憶……? 私の、記憶……。
あっ、あぁぁぁっ!! わ、私は──)

ガリウス

──さぁ、物質界の諸君、終焉の時だ。
4:英雄が灯す希望
4:開始時

???

未編集
4:戦闘中

???

未編集
4:終了時

???

未編集
4:終了後

アンナ

--結論から言って、世界各地の被害は甚大です。
天馬騎士団、及び帝国所属の飛空艇にて、
地上の様相を観測しましたが--

エスタ

--およそ考えうる限りの、
あらゆる天変地異が起きていると言うべきでしょう。

ジーニア

火山地帯は絶え間なく噴火し、森は枯れ、
大地には無数の亀裂が走り……。
人が住めない地になるのも時間の問題ですね……。

レオナ

目に見える被害だけではない。
おそらく『破滅の力』を発生源に、
瘴気の濃度も急速に増加している。

レオラ

このまま瘴気濃度が上昇したら、
物質界の人々は耐えきれないわねぇ。

アンナ

ソラスさん、サナラさん、
何か打つ手はないのでしょうか……?

サナラ

ないわけではありません。
つまりは魔界化の根源、
『破滅の力』による瘴気の拡散を止めればいいんです。
発生源さえ停止できれば、大地の自浄作用で、
徐々に地上は元に戻っていくはずですから。

ジーニア

平たく言えば、ガリウスを倒せ、ということですか……。

アンナ

ですが、本来の力を取り戻した魔王ガリウスは、
かつて戦った折にも強力な障壁を纏っていました。
それを打ち破らなければ、
『破滅の力』を止めることも、
ガリウスを滅ぼすことも出来ないのでは……?

ソラス

そこで、神を滅ぼすための手段が必要になるのです。
そもそも、魔王ガリウスはかつて、
アイギス様に並ぶ、神の一柱だったのですから。

ネフティ

か、神様だったんですか……!?
って、あ、あれ……? それなら……。
ケラウノスを倒した聖槍グングニル……。
あの槍に、神を滅ぼす力は殆ど残っていませんが、
障壁を破ることくらいは出来るのでは……?

ソラス

なるほど、聖槍グングニル……!
確かにそれなら、障壁の突破も可能ですね。

シャディア

だが、障壁を突破しても、
『破滅の力』を手にしたガリウスを、
倒せる者はいるのか……?
以前ケラウノスを倒した時には、
聖槍の力をほぼ使い果たす程の力が必要だった。
それだけの力を、いったいどこから……?

サナラ

シャディアちゃん、私の力で地脈を束ね、
一人の戦士に大地の力を注ぎ込んだらどうでしょう?

ソラス

確かにサナラの、地脈を導く力は強力ですが、
神殺しにはまだ届かないでしょう。
せめて同格の神の力を借りられれば……まだ……。

レオナ

だが、アダマス様はようやく復活したばかり、
アイギス様は、実体を得ることすらままならない。
力を借りられる状況ではあるまい。

依り代の少女

--では、私が二柱の女神の依り代になりましょう。

ソーマ

す、すみません王子っ!
軍議中だからだめですよって止めたんですけど……。

アンナ

今はとにかく多くの意見が
欲しいところですから大丈夫ですよ。
--ところで、女神の依り代になる、とは……?

依り代の少女

文字通り、以前ケラウノスの依り代だった頃のように、
私の身体にアイギス様、
アダマス様を宿らせるということです。

サナラ

い、いえっ、それは駄目ですよー!!
神を人間が宿す行為は、
その人の死を意味しているんですよ!?

依り代の少女

ふふ、それは問題ないかと。
ケラウノスを宿した折にも、
私の身体は無事だったのですから。

レーヴ

経験則だけでなく、
記録の上でも彼女の言うことは正しいです。
神殿の古文書に、神々を宿した上で生存したという、
特殊な体質を持つ人物の記録があったんです。
おそらく、彼女はその血を継いでいるのではないかと。

依り代の少女

ですから、私にも戦わせてください。
剣も魔法も使えませんが、
私にしか出来ない戦いを。

アンナ

……わかりました。
あなたの力、お借りしますね。

サナラ

……グングニルで障壁を破り、
二柱の女神の力を借りて、私が地脈を束ね、
それを魔王を討つ戦士に全て注ぎ込む……。

ソラス

……なんとも、綱渡りな計画ですね。
本当ならこんな、
勝算の低すぎる作戦を選ぶべきではないのですが……。

アトナテス

勝算が低いってもんじゃないぜ。
仮定に仮定を重ねた、机上の空論の塊だ。

アンナ

けれど、迷っている暇はありません。
たとえ成功が絶望的であったとしても、
唯一残された、物質界を救う方法だというのなら。
王子、戦いの結果がどうなったとしても、
私達はあなたに、最後まで付いていきます。
この世界の未来を、王子に託させてください。
5:魔王城へ
5:開始時

フローガ

──王子、各地の魔術師ギルドからの連絡です。
各地の神殿への、避難民の収容は順調とのことです。

ケイティ

とはいえ、神殿が瘴気に沈むのも時間の問題でしょう。
私達に残された時間は、限りなく少ないかと……。

ボリス

だから飛空船をかっ飛ばしてるんだろ?
目的地の城は目前だ。機関は悲鳴を上げてるが、
あと少しだけ保たせてやるさ。

アトナテス

──魔王城、だっけか。
まったく、そんな愉快な名前を付けたのは誰だよ。
まるでお伽噺の英雄譚みたいだぜ?

ユージェン

……わ、悪いか。私がつけたんだ!
でもこの戦いは、きっと後世まで残る英雄譚になる。
だから間違いじゃないはずだ。

ジェローム

えぇ、後世の吟遊詩人が喜ぶでしょうとも。
何しろ英雄譚の登場人物本人が、
それらしい名前を付けてくれたわけですからね。

ヴァレリー

となれば、何としてでもこの戦いを、
後の世に伝えられるように、
僕らは勝利しなくてはならないわけだ。

パレス

……大丈夫です。絶対に勝てます。
これまでだって、勝ってきたじゃないですか。

レアン

そうだな。
昔からずっと、やることは変わらない。
王子が戦うって言うんだから支えてやらないとな。

バルバストラフ

──む?サイラスよ、何か感じぬか?
魔力の乱れ……いや、これは……。

サイラス

……間違いない、門が開こうとしているぞ!
異界召喚師の物に似ているが、
より精度の高い術式が読み取れる……!

???

 ──捕まえた。
ようやく……見つけました……。

メーリス

あなたは、異界召喚師の……。
酷い……全身の魔力がぼろぼろじゃない……!

???

あなた達のせいです……。
師匠が私に酷いことをしたのは、
きっとあなた達のせい……。
あなた達を倒せば……きっと師匠は、
昔みたいに、一緒に実験をしてくれます……。

アリサ

……強い精神支配の力を感じます。
きっと異界召喚師が時間稼ぎのために……。

シャルロット

捨て駒ってわけですのね……。
そういうやり口、気に入りませんわ……!!

???

師匠から教わった異界召喚で、
あなた達を……ここで倒します……。
ぜんぶ、全部あなた達のせいなのですから……!!

アンナ

王子、魔界の門から魔物が出てきます!
急ぎ戦闘の準備をお願いします!
5:終了時

???

あ…あぁ……。
師匠……わたし……あぁぁああぁあッ!!

ミーシャ

だ、だめですっ! ここは空の上ですよ!?
そっちに行ったら飛空船から落ちて──

リカルド

──いや、どうやら大丈夫そうだ。
あの子が召喚したガーゴイルが、
召喚主たる彼女を助けたようだな。

ソーマ

ともかく、飛空船に被害がなくて何よりですね。
魔王城に乗り込む前に
撃墜されなくて良かったです……。

バシラ

ここで撃墜されたら、空から乗り込む作戦が
無駄になってしまいますからね。

シャディア

だが、魔王軍の目がこちらへ向いたのは僥倖だ。
聖槍の回収へ向かった白の帝国を、
連中に発見されるわけにはいかないからな。

フローガ

── 今、その白の帝国から、
通信魔法で定時連絡がありましたよ。
聖槍の回収は順調とのことです!

サナラ

勝算の低い作戦だったのに、
皆さんと一緒にいると、
不思議と上手くいくような気がしますね。

アリシア

これまでだって、
不可能に思えた作戦はいくつもありましたからね。
それでも勝利を掴んできたから、ここにいるんです。

アンナ

王子、決戦は目前です。
これまでの戦いの結末が、ここにあります。
必ず、魔王の手から世界を取り戻しましょう!

王子

…………(こくり)

ボリス

気合は十分なようだな。
このまま魔王城に突っ込むからな。
振り落とされるんじゃないぞ!
6:魔王城の決戦
6:開始時

ナナリー

--あ、あれ……? ここは……?

ディーナ

飛空船で城に突っ込んだところまでは
覚えてるけど、
この風景はいったいどういうことだ?

クリッサ

果ての見えない暗闇に、
支えもなく浮いている構造物……。
もしかして、ここが魔王城……?

異界召喚師

--キヒ。
お前達が侵攻してくることは既に知っておった。
ならば出迎えてやるのが当然じゃろう。

クロコ

お前達ハ罠に掛かっタということダ。
物質界最後ノ戦力たる王子タチよ。

メカゴブリンクイーン

あらぁ……?
でも白の皇帝ちゃんが見えないわね……。
まさか尻尾を巻いて逃げ出したのかしら?

ガオレオン

リングに上がらぬ者に勝利はないッ!
だがあの猛者が逃げるとも思えぬ、
おそらくは策を弄しているのだろうッ!

クラールフ

……然様。溺れる者は母なる海を忘れたが、
それと引き換えに多くの智慧を得た。
各々、油断するではないぞ。

デシウス

……だが、邪魔が入らぬのは実に良い。
元より王子達こそが、魔王様に反抗する最後の灯火。
ならば、ここでその火を消すことが、
魔王様が道行を正しく果たすための、
最大の武功となることだろう!

ディーナ

……魔王軍幹部が勢揃いとは。
どうやら本気で、
ここで決着をつけるつもりみたいだな。

クロコ

覚悟はデキテいるようダナ。
魔王様の手を煩わセるまでもナイ。
ここデ、物質界最後の戦力を刈り取ルとしヨウ。

イリス

そんなことは、絶対にさせません。
私達はここへ、死ぬために来たのではなく、
世界を救うために来たのですから。

メカゴブリンクイーン

ウフフッ、この戦力を見て、
まだそんな口が利けるのかしら?
蛮勇を超えて、もはや無謀と言うべきね。

シビラ

無謀な戦いを、いつも塗り替えてきたのは誰なのか。
幾度も刃を交えてきた、
あなた達ならよく知っているはず。
絶対に乗り越えられない壁を、
常に打ち破り、答えを導き出してきたのが、
果たして誰だったのかを。

デシウス

……知っているとも。だが!
我輩がこの生の最後に望むのは王子との闘争。
生きた証を焼き尽くす戦いのみだ!!

アンナ

王子、魔王軍幹部の連合軍が来ます!
おそらくは総力戦となります。
どうか、物質界の為に勝利を!
6:戦闘中
6-1:異界召喚士登場時

異界召喚師

キヒィ! 所詮は悪あがき、
行くぞ物質界最後の抵抗勢力どもよ!

デスピア

いくつもの世界を引っ掻き回しただけでなく、
自分の弟子にあんな酷いことをするなんて。
異界召喚師、同じ魔の道を歩む者として、
あなたを許すわけにはいきません。

異界召喚師

大口を叩けるのもここまでじゃ!
異界より来たれ、我が配下よ……っ!!
6-2:メカゴブリンクイーン登場時

メカゴブリンクイーン

--ここまで、何度戦ってきたのかしらね。
王国は何度も私達の邪魔をして……。

レヴィ

……そうだね。
でも、それもここで終わりだよ。

メカゴブリンクイーン

お前は……そう、私に復讐をしにきたのね。
でもそれは決して叶わない。
王子諸共、ここでトドメを刺してあげるわぁ!

レヴィ

トドメを刺されるのは、あなたの方。
わたしはもう、絶対に負けない。
わたしには王子がいるんだから。
--行くよ、ママ。
6-3:ガオレオン登場時

ガオレオン

フハハハッ! とうとうこの時が来たッ!
この世界のファイナルマッチであるッ!

マンモン

さぁて、それはどうかしらぁ?
人はどこまでも強欲なものよ。
滅びを前にして、諦めることなどできるかしら?

ガオレオン

笑止ッ! 諦めぬというのなら、
チャンピオンたる我が自ら引導を渡すのみよッ!!

マンモン

それなら、かかっていらっしゃい。
どこまでも栄光と勝利に強欲ながおがおちゃん!
6-4:クラールフ登場時

クラールフ

--ずっと、考えていたのだ。
真に守るべきものが何なのか。

シャディア

……クラールフ殿。
その答えは出たのですか。

クラールフ

--否。かつて守ったこの世界が、
こうして滅びゆく様を見てもなお、
どちらが正解なのか分からぬままだ。

シャディア

では何故、私達と相対しているのですか。

クラールフ

--気付いたから、だとも。
ガリウスめが神の一柱である以上、
溺れる民たるお前達が手を伸ばした物にな。

シャディア

--ッ!
あなたはこちらの秘策に気付いて……!!

クラールフ

はて、何のことだろうか……。
さぁ、世界の担い手たるは何れか、
その実力をもって示すが良い!
6-5:クロコ登場時

クロコ

--ホウ、未ダ諦めナイのか。
だが、ここデその抵抗も終わりダ。

ゴライア

ケッ、竜人族ノ恥晒しが良く吠えるゼ!

クロコ

--ゴライア。
その不屈の闘志ダケは認めてヤロウ。
ダガ、此度の戦いは最早児戯ではナイ。

ゴライア

ウルセェ! テメェと会話スルつもりはねェんだよ!
今日は決着ヲつけに来たんだからナァ!!
人間もなァ、悪いヤツばかりじゃねェ。
物質界だってそういうもんダ。
行くぞベルナ、この馬鹿に理解させてヤレ!

ベルナ

もっちろん!
行くよゴライア、勝利を盗んであげるから!
6-6:デシウス登場時

デシウス

--とうとう、この時が来たか。
随分と、遠回りをしてきた気がするものだ。
王子軍には、我輩が迷惑をかけた者もいたな。
今はただ、済まなく思っている。
そしてヘイオス、ミーティア、シャディアよ。
我輩の勝手に付き合わせて、済まなかった。

ヘイオス

デシウス、望んだ道は貫けましたか?

デシウス

うむ。回り道ではあったがな。
我らの故郷の仇を討ち、
そして今は、望んでこの場所に至った。

ミーティア

……星の声は、聞こえるようになった?

デシウス

ヌゥ、それが皆目聞こえぬままだ。
師には顔向けできぬなぁ。

シャディア

短き間ではあったが、かけがえなき友よ。
--どうか、お前にとって悔いなき戦いを。

デシウス

うむ。これ以上は、どれだけ待ってもありえまい。
シャディアよ、どうか友として、
我輩の最後の戦いを見届けてほしい。

王子

--来い、デシウス。
俺達の戦いに、ここで決着をつけよう。

デシウス

--応ッ!!
6:終了時

異界召喚師

キ、キヒィッ!?
何故だ!? なぜこれ程の力をぉ!?
こうなれば魔力を注ぎ込んで、
新たな異界の門を……弟子よ! どこにおる!?

エマ

--あの子は来ませんよ。
あなたに待っているのは、暗き死後の旅路のみ。

異界召喚師

ヒッ!?
や、やめ--ぎぃやぁあぁあぁぁぁぁッ!?

クロコ

……惨めなものダ。
ソウカ……これが、敗北カ……。

ガオレオン

そうか……我は、とうとう負けたのだな……。

ゴライア

ケッ、出直しテきやがれ!
テメェらの戯言に付き合ってル暇はねェんだよ!

メカゴブリンクイーン

まだよ……まだ……私は……。

クラールフ

……やめておけ、ゴブリン族が女王よ。
そして行くが良い、溺れる者達よ。
母なる海を忘れた、地上に生きる者達よ。
この者らに、未だ忠義があるようであれば、
我が足止めをしておこう。

シャディア

クラールフ殿……!

クラールフ

シャディアよ、ゆめゆめ忘れるなかれ。
これはこやつらに恥を重ねさせぬためだ。
溺れる者らの味方をするわけではない。

デシウス

おぉ……我輩の鎧が、砕けていく……。
これが……全てを焼き尽くし
歩み続けてきた、我輩の最期か……。
王子よ、嗚呼、我が終生の好敵手よッ!!
聖槍を担い、魔王を名乗る神を討て!
我輩の生きた証をッ! お前が歴史に刻んでくれッ!!

王子

……ああ。
お前が守りたかった世界は、必ず俺が守り続けていく。

アンナ

王子、先を急ぎましょう。
白の帝国も、そろそろ合流するはずです。
魔王を倒し、千年戦争を終わらせましょう。
私達の長きに渡る戦いを。

デシウス

--嗚呼、星の声が聞こえる。
何と美しい、調べなのだろうか……。
…………。
………………。
……………………。
ム……?
7:この世界、全ての願い
7:開始時

魔王ガリウス

--来たのか。
無駄なあがきをするものだ。

ソラス

無駄ではありません。
魔王よ、千年戦争を終わらせる時です。

魔王ガリウス

……神殺しの聖槍、か。
無粋なものを持ち出すものだ……。
定命の者よ、物質界に蔓延る人の王子よ。
お前の願いは、決して届くことはない。

ユージェン

どういうことだ。
一体何を言って--

フローガ

ーーッ! お、王子殿下っ!
白の帝国との通信魔法が途絶えました!

アトナテス

てめぇ、知ってやがったな……?
俺達を嘲笑うために見過ごしてたってのか。

サナラ

……な、なに思いつめた顔してるんですか!
元から可能性の低い作戦だったんですよ!
いまさら鍵が一個無くなったからって何ですか!
そう言って私に、皆に力を与えたのは、
王子、 あなたじゃないですか!

王子

…………(こくり)

サナラ

そうそう、その顔です!
白の皇帝は必ず来ます。
それまでに、私達ができることをしましょう!

依り代の少女

--えぇ、そうでした。
王子様は、決して諦めない方。
だから私は、ここに来たのですから。
サナラさん、始めましょう。
私達に出来ることを、私達にしかできないことを。

サナラ

えぇ! もちろんです!
--あまねくこの星の全てよ、
大地を紡ぐサナラの声に応えよ……!!

依り代の少女

--アイギス様、アダマス様、
私の声にお応えください……。

魔王ガリウス

ほう……地脈を束ねるその術、見覚えがある。
あの時、あの男と共に予に抗った者のひとりか。
だが、たかが大地の気の流れに、
女神どもの力を注いだとて、
予に傷ひとつ付けることはできまい。
思い上がった人の子らよ、
ここでお前達の歴史を終わらせてやろう。

アンナ

……王子、魔王ガリウスが来ます。
必ず、勝機はあるはずです。
どうか、どうかご武運を……!!
7:戦闘中

白の皇帝

--まったく、世話が焼ける。
まさか飛空船が圧潰するとは思わなかったぞ。

アンナ

白の皇帝……!
無事だったのですね……!

白の皇帝

後はお前の仕事だ、王子。
聖槍を振るうのも、
世界を救うのも、俺には荷が重すぎる。

王子

…………(こくり)

ソラス

…………。
これは……この槍では……。

アトナテス

どうしたソラス、早くその槍を王子に渡せ!

ソラス

駄目なんです!
この聖槍に残された力だけでは、
魔王ガリウスの障壁には届きません!!

アンナ

そんな……。
何か、何か打つ手は……。

気弱な魔物

--ギャギャ!
ウツテ! アル! ウツテ! アル!!

冒険者

だぁぁぁああぁぁぁッ!!
ポーションがもう無いぞ!
飲み尽くしちまったぞ!!

アリシア

あ、あなた方は!?
どうしてこんな所まで……!

冒険者

持ってきてやったんだよ!
物質界中から! ありったけの力ってやつをよ!
俺達の冒険の成果を喰らいやがれ!

気弱な魔物

ギャギャ! 常闇ノ聖霊モ!
チカラ! カシテクレタ!

ポーラ

こんな貴重なものを……って、
癒しの至宝まで入ってるです。
こっそりくすねてたですか。

冒険者

おかげで世界の危機を救う足しになるだろう?
おっと、それから、
もうひとり王子に会いたいって奴を護衛してきたぜ。

ダークアンナ

…………お久しぶりです。
言葉を重ねるつもりはありません。
ただ、あの御方より伝言を預かっております。
『眩く輝く、蒼空と、緑に満ちた世界を、
俺が憧れたこの世界を、失うことは決して許さない』
--以上です。意味は、お分かりですね?

ソーマ

…………!!
ダーク王子さんの剣から、聖槍に光が……!

アンナ

王子、勝ちましょう。
この世界の皆が、力を貸してくれています……!!

王子

--ああ。
この聖槍には、今やこの世界全ての願いが宿っている。
魔王ガリウスよ、お前を守る盾は、
この世界の願いによって砕かれる……!!

魔王ガリウス

--ぐぅ……ッ!?
……ほう、予の障壁を消滅させたか……!
良いだろう。
ようやくこの世界に興味がわいた。
予が自ら、お前達の相手をしてやろう……!!

アンナ

王子、魔王ガリウスの障壁が破られました!
ここで、全ての戦いを終わらせましょう!
7-2:魔王第2形態に変身時

魔王ガリウス

--なるほど、これまでとは違うようだ。
ならば予の次なる姿を見せてやろう。
人の身で、神にして魔王たる予の力に、
どこまで付いてこられるか、抗ってみせろ。

ソラス

この魔力の波動……くっ……!
王子君、今の魔王に魔法は殆ど効きません!
おびただしい魔力が放出され続けています!
7-3:魔王第3形態に変身時

魔王ガリウス

ハハハハハハハハッ!!
そうか! 予に匹敵するか!!
よかろう、予の真なる姿を見ることを許す!
お前達の力の全て、出し尽くしてみせよ!!

依り代の少女

くっ……ぁあぁッ!!
このままでは、女神様達の力を維持できません……っ!

ケラウノス

(……かつて私の器だった者が、
弱音を吐くことは許しませんよ)

アダマス

……えっ? 姉、様?

ケラウノス

(もはや世界の行く末に興味などありません。
けれど、私の力を一度は宿したものが、
ガリウスに敗れることだけは許しません)
(--我が力、最後のひとかけらまで持っていきなさい)

サナラ

…………!?
地脈が安定しました!
すごい……これが三女神の力……!!

アイギス

王子よ、諦めることなく、剣を掲げ続けた者よ。
三女神全ての力を、あなたに委ねます。
神無き世界を、人の力で、
神々を打ち破り進むのです、人の子よ。

王子

……魔王ガリウス、お前がもたらした悲劇の果てに、
俺は幾度も、お前を倒すと誓い続けた。
--誓いを、果たす時が来た。

魔王ガリウス

やってみせるがいい! 矮小なる人の子よ!
その手がここまで届くのか、
全存在を賭けてかかってこい……!!
7-4:魔王撃破時

魔王ガリウス

……あ、ああ……予の、魂が……。
予の力の形が……崩れ、壊れていく……。
これが……これが人の力だと……?
あの男ですら……予には届かなかったというのに……。
答えよ、お前は、何者なのだ……。

王子

……王国の、王子だ。
ただ仲間と共に、歩み続ける者だ。

魔王ガリウス

そう……か……。
王子よ……もう二度と逢うことはないだろうが、
お前のことは……決して、忘れまい……。
7:終了時

サナラ

--魔王ガリウスの魔力が、崩壊していきます!!

アトナテス

今度は封印なんて半端なものじゃない。
真の滅びってやつだ、魂まで砕けちまえ!

ユージェン

ようやく、終わったんだな……。
さぁ王子、皆に言うことがあるんじゃないか?

王子

…………?

アリシア

ふふっ、皆さん、
王子の勝利宣言を待っているんですよ。

アンナ

王子、千年戦争の終結を。
魔王ガリウスとの長き戦いの終わりを伝えてください。

王子

…………(こくり)
--長い、長い戦いだった。
英雄王の時代から続いた魔王との戦いは、
今ここで、俺達自身の手で終わりを遂げた。
--誓いは果たした。
俺たちの、勝利だ。

ソーマ

うぅっ……ぐすっ……。
やりました! 魔王を倒しましたぁ!

アリサ

やっと……やっと終わったんですね。
魔王との戦いが、ようやく……!

クレイブ

……長く世界を蝕み続けた魔王という暗闇を、
王子という輝きが、打ち払ったのですね。

ユリアン

おいおい、クレイブさん泣いてんのか?
今は笑って喜ぶところだぜ!

モーティマ

しみったれた顔してんじゃねぇよ。
おら、派手に凱旋して勝利を伝えてやろうぜ!

エレイン

そうよ、世界中で戦っていた仲間に、
ちゃんと勝ったぞって報告しなくちゃ!

アイギス

--王子よ、そして人の子らよ。
これより先は、人の力で歩んでいくのですよ。

アダマス

私達は力を使い果たしてしまいましたから、
もう、こうして力を貸すことは難しくなるでしょう。

アイギス

ですが、あなた達ならば、
きっとその手で未来を切り拓いて行けるはずです。

王子

…………(こくり)

アンナ

……王子、きっと世界中の皆さんが、
王子の言葉を待っているはずです。
さぁ、王国へ帰還しましょう!!
7:終了後

サナラ

--報告は以上です。
各地の瘴気も急速に低減、
もうしばらくすれば元通りになるかと!

アンナ

しかし、各地の戦闘の爪痕の修復には、
まだまだ時間がかかりそうですね……。

ドリー

なぁに、街も建物も、
職人総出ですぐに直してやるよ!

ティニー

ドワーフ族が復興に協力してるんだから、
あっという間に元通りに決まってるでしょ?

アンナ

ふふっ、頼りにしていますね。
--ドロテアさん、魔界の様子は如何ですか?

ドロテア

魔王が消滅した影響だろう、
魔界から物質界への干渉は極端に減少している。

ラピス

魔界の力自体も大きく衰えている。
今後はそう簡単に魔界の門が開きはしまい。

リーゼロッテ

地上に取り残された魔物も多いが、
これまでのように
頻繁に都市が襲撃されることもないだろう。

アンナ

……本当に、物質界は守られたんですね。

レオナ

やれやれ、いまさら実感したのか?
王国の政務官には困ったものだな。

レオラ

あら? レオナちゃんも
嬉しくて泣きそうな顔をしていたのに、
アンナちゃんの事は言えないんじゃない?

ミレイユ

長きにわたる戦いが終結したのです。
今くらいは、誰だって
泣く権利があっても良いかと。

レーヴ

ところで知っていますか?
城下では王子のことを
英雄王の再来だって噂しているんです。

コーネリア

王子が、英雄王……?
ふふ、いい響きじゃないか。

ディエーラ

誇張でも何でもなく、
本当に物質界全てを救ったのですから、
英雄王の名を継いでも良いと思いますよ?

アンナ

『英雄王を継ぐ者』ですか……。
確かに、王子にこそふさわしい称号だと思います。
王子、物質界を救ったその偉業を示す名です。
英雄王としての力を振るう際には、
称号を『英雄王を継ぐ者』に変更してくださいね。

一般兵A

--お、王子っ! 伝令です!
城門の前に市民が押し寄せて、
あ、あのっ、どうすれば……!?

白の皇帝

……王子、民を待たせ過ぎるのも考えものだぞ。

シビラ

皆、王子の言葉を待っているのよ。
新たな英雄王の言葉を、
未来がここから始まることを告げる言葉を。

アンナ

王子、千年戦争の終結を告げに行きましょう。
本当に、本当にお疲れさまでした!
8:戦いの後⋯⋯それから
8:開始時

???

未編集
8:戦闘中

???

未編集
8:終了時

???

未編集
9:燃ゆる世界樹
9:開始時

???

未編集
9:戦闘中

???

未編集
9:終了時

???

未編集
9:終了後

料理人

--あの、助けていただいて、ありがとうございましたっ。

アンナ

……あなたが、天界へ続く門から
現れたというのは、本当ですか?

料理人

は、はいっ、あの場所が
天界だったのかどうかは分かりませんが、
ケラウノス様にお仕えしていたのは事実ですっ!

サナラ

ケ、ケラウノス様に仕えていた、ですかぁ!?

料理人

は、はぁ、とても面倒見の良い方で、
私の作る料理をいつも、
美味しい美味しいって食べてくださっていましたよ?
ただ、ここ最近はお姿を見せなくなってしまって、
ずっと心配していたんですが……。
--つい先日のことです。
ずっと均衡が保たれていたはずの天界が、
にわかに騒がしくなったのは……。

アンナ

……天界に、何かが起きていると?

料理人

ケラウノス様以外の方と
お話することはあまりなかったのですが、
ある方が、こう言っていました。
--三女神の力が失われ、
その遺物たる『神の楔』を奪い合う争いが始まった、と。
それで、英雄王さん? の仲間だったという方に
助けてもらいながら、
こうして物質界に逃げてきたんです。

ソラス

……大天使長も『神の楔』のことを話していましたね。
私の知る楔は、アイギス様やアダマス様が、
奇跡を起こす際に使っていたものなのですけれど……。

ロヴィニア

神様が奇跡を起こすために使う力……?
そんな大変なもののひとつが、
世界樹に埋め込まれちゃったってこと?

サナラ

それだけじゃないですよ!
奪い合ってるってことは、
一個や二個じゃないってことですよね?

フィオレ

--王子様、世界樹の様子についてご報告を……っと、
皆さまお揃いだったのですね。

クゥイル

ドルイドの皆さんに世界樹に埋め込まれた、
『神の楔』を調査してもらったのですが……。

フィオレ

……おそらく、このままでは遠くない未来に、
世界樹そのものが巨大な魔物と化してしまいます。

シュシュ

……あんな巨大な樹が、魔物に?
そ、そんなの世界が
ぺっちゃんこにされちゃいますよー!?

アンナ

世界樹すら魔物にしてしまう力を宿した、
『神の楔』を奪い合う戦いが、天界で……。
世界樹の災厄、天界へ続く門、天使の軍勢。
王子、どうやらまだ、戦いは終わらないようですね。
ですが、私達は何があっても、
絶対に王子に付いていきますからね……!

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