【SS】拳闘機メガケンサー

Last-modified: 2023-05-28 (日) 08:36:33
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このSSページは打ち切り状態です。

概要

西暦1000年、チャイン王国という国が存在した。
チャイン王国の拳法家アイゴ・イクサーは20年間の修行により「光拳」を編み出し、それを王国の平和のため弟子達に伝授させていた。
しかし、イクサーの元で光拳を習得した拳法家ダクラ・サイガは、自身の王国征服の野望を叶えるべく光拳を元にした「邪拳」を編み出し、デリンサー軍を結成後王国への侵攻を開始した。
デリンサー軍の圧倒的な力にイクサーとその弟子達は敗れ、地下牢に幽閉されてしまう。
そこでイクサーは己の全エネルギーを使い五体の闘機獣を生み出し、その五体が合体した機人*1メガケンサー」でデリンサー軍とサイガを撃退するも、エネルギーを使い果たしたイクサーは息を引き取る。
イクサーの弟子達はサイガ達と闘機獣を封印し、イクサーの子供を育てつつ、王国を復興させていった...


それから1099年後、2099年のチャイン王国。国民達は平和に過ごしていた。
しかし、とある事がきっかけでデリンサー軍が復活してしまう。
その事を察知したイクサーの末裔アイゴ・ハイサーは闘機獣達の封印を解く。
王国を守るべく、闘機獣に選ばれた五人の少年少女達は闘機獣に乗り込み、光拳を駆使しデリンサー軍と戦う...

注意

  • 基本的に明るいストーリーで書く予定です。
  • 文章が不可解な場面がある可能性があります。ご了承ください。
  • このSSを勝手に編集するのはご遠慮ください。
  • 物語の感想等をコメントしていただけると幸いです。

登場キャラ

闘拳隊

  • トウキ・ネツ
    本作の主人公。18歳。
    身体能力の高い熱血漢で、やや無鉄砲な性格。
    闘機獣・リュウヘッダーのパイロット。
  • ヘサカ・ダイサク
    18歳。
    チーム一の巨漢で、ドジな面もある。
    闘機獣・ゲンブトランガーのパイロット。
  • ヤカイ・ダイゴ
    19歳。
    キザな性格で、冷静に物事を考える。
    闘機獣・カイチェンガーのパイロット。
  • ナマタ・イチロウ
    15歳。
    頭脳明晰で、仲間からも頼りにされている。
    闘機獣・コウレッガーのパイロット。
  • キヨカワ・カレン
    18歳。
    チームの紅一点で、おしとやかな性格。
    闘機獣・スザククローのパイロット。
  • アイゴ・ハイサー
    70歳。
    アイゴ・イクサーの末裔で、イクサー隊の司令官。
    ネツ達に光拳を伝授した。

デリンサー軍

  • ダクラ・サイガ
    70歳。封印中の期間を含めると1169歳となる。
    イクサーの弟子達に封印されるも、とある理由で復活。
    イクサーの末裔であるハイサーを恨んでいる。
  • カナズ・ジェイナ
    19歳。サイガの部下。
    サイガに好意を寄せている。
  • ワズギ・ハジャ
    18歳。サイガの部下。
    自分の為なら他人の命を何とも思わない冷酷な男。

コメント

  • 執筆者です。
    当初はリアル路線で行く予定でしたが、自分の好みを詰め込んだ結果スーパーロボット路線になりました。(「鋼鉄の星」と話が被るというのもありますが)
    楽しんでいただけると幸いです! -- 超合金のスープ 2023-02-24 (金) 18:43:37
  • 皆にとってこのssは面白いのだろうか... -- 超合金のスープ 2023-02-26 (日) 11:26:55
  • えーとこれて 介入自由とかはありますかね?後ストーリー系ですか? -- 2023-02-26 (日) 15:02:15
  • ストーリー系でしたねすいません -- 2023-02-26 (日) 15:02:27
    • 一体どんな展開を書こうとしていたんだ(困惑) -- 超合金のスープ 2023-02-26 (日) 16:30:18
  • まるでスーパー戦隊みたいだぁ...(直球)がんばれ♡ -- 2023-02-26 (日) 20:56:16
    • 実際戦隊モノをパロってる所もあるからなぁ -- 超合金のスープ 2023-02-26 (日) 21:11:01
  • 第六話では、あの荒らしを題材にしようと思います。問題あれば消去します。 -- 超合金のスープ 2023-02-27 (月) 18:43:20
    • 察せてしまったんだが… -- ドードー鳥? 2023-02-27 (月) 18:54:45
    • 一応あいつを擁護する為に書く訳ではない。
      荒らしの危険性を皆に考えてもらいたくてさ。 -- 超合金のスープ 2023-02-27 (月) 18:58:47
    • おばかやろう。で吹いた まんまやんけ -- きつね太郎 2023-02-27 (月) 19:30:08
      • なるほどねえ… いい題材だね。 -- ドードー鳥? 2023-02-27 (月) 19:33:22
    • 関係ないけど、生きてて良かった... -- 超合金のスープ 2023-02-27 (月) 19:34:27
      • みんたせか書庫で俺を呼べばすぐ来るよ() -- きつね太郎 2023-02-27 (月) 19:37:46
  • うーん、第七話は少し迷走してしまったかな... -- 超合金のスープ 2023-02-28 (火) 20:48:13
    • いつか再執筆したいな。前後編に分けたのが失敗だったか... -- 超合金のスープ 2023-02-28 (火) 21:19:54
  • 家庭の事情で執筆遅れます。すいません。 -- 超合金のスープ 2023-03-02 (木) 07:56:35
  • 申し訳ないけど、僕にとっては完全に黒歴史なんですよね。
    一応僕の処女作なので、復活させましたが...
    ...うん、恥ずかしい。 -- 超合金のスープ 2023-05-28 (日) 08:36:33

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次回予告風構文集

第一話

来週からは、新SS「拳闘機メガケンサー」がスタート!
突如として現れる謎の敵、それに立ち向かう五人の若者達!
古の獣が目覚める時、最強のロボットが君臨する!
第一話「復活! 光と邪悪」
常識なんて、ぶっ壊しちまえ!
(ナレーション:ネツ)

第二話

俺達は謎の獣の中に吸い込まれてしまった!
しかも、俺達の脳に変な奴が語りかけてくるんだ!
ちくしょう!一体どうすりゃいいんだ!
次回、「機人合身」
戦う以外に方法はないらしいぜ!
(ナレーション:ネツ)

第三話

謎の声により、ワシらはメガケンサーへの合体を成功させた。
どうやらメガケンサーはネツの動きとシンクロするらしい。
さぁ、ここから反撃や!
次回、「激突! 二体の機人」
何としてでも、戦いに勝つで!
(ナレーション:ダイサク)

第四話

謎の声の主は、アイゴ・ハイサーという爺さんだった。
こんな山中に家なんて建てて、何が面白いんだか。
おっと、そんな事はどうでもいい!
次回、「古代の超秘密」
俺達に聞かせてくれよ、古代の秘密とやらを。
(ナレーション:ダイゴ)

第五話

コスケ君が買ったおもちゃをデリンサー軍が巨大化させてしまいました!
人の大切な物を悪用するなんて、許せません!
私達で止めましょう!ガンマ...何でしたっけ?
次回、「恐怖! おもちゃが敵になる」
貴方の宝物は、何ですか?
(ナレーション:カレン)

第六話

百科事典サイト「自由百科」で荒らし行動をする少年、ハタニ・シュウタロウ。
彼は自分の妹に酷い事をするんだ!
妹の気持ち、ちゃんと考えなよ!
次回、「インターネット兄ちゃん(前編)」
こんな事して、何が面白いんだろう...
(ナレーション:イチロウ)

第七話

シュウタロウはジェイナの誘いに乗り、機人として街を破壊し尽くす!
サラちゃんを殴っておいて、謝罪もないなんて!
こうなったら、俺達が相手だ!
次回、「インターネット兄ちゃん(後編)」
お前なんか、兄の風上にも置けねぇ!
(ナレーション:ネツ)

第八話

近頃、「幽霊の居る館」ってのが流行っているらしい。
その館に行った人々はほとんどが行方不明になっているんだとか。
幽霊なんて、ただのおとぎ話だろ?
次回、「怖いこわ~いお化け」
またデリンサーが絡んでそうだぜ...
(ナレーション:ダイゴ)

本編

第一話「復活! 光と邪悪」

2099年、チャイン王国の鉱山。
採掘員B「いやぁ、ここ最近よく鉄が取れますね、先輩。」
採掘員A「ああ。これが「シルバーラッシュ」ってヤツだ。」
二人の笑い声が響く中、一人の採掘員が走ってきた。
採掘員C「おい、あっちに妙なモノがあるぜ!」
採掘員A・B「何ぃ?」
三人は妙な物が発見されたという場所に向かう。そこには、古代文字が書かれた扉が閉ざされていた。
採掘員A「何だ、こんなチンプンカンプンな物でガキみたいに騒いでんのか?」
採掘員B「でも、ひょっとすりゃ金銀財宝があるかもしれませんぜ。」
採掘員A「ようし、ちょっくら試してみるか」
一人が扉に手をかざしたその時、扉が粉々に崩れ落ちた。
その先には何も無く、金銀財宝への夢も崩れ落ちた。
採掘員A「けっ、つまんねぇの!お前がこんなんで騒ぐから、10分ほど無駄にしたじゃねえか!」
採掘員C「何だとぉ?」
その時!
採掘員B「う、うわぁ!」
採掘員A「おい、どうし...ぐわぁぁぁ...」


扉があった空洞から紫色の衝撃波が放たれ、
三人は衝撃波の熱で溶けてしまった...
そして、空洞の中から三つの何かが現れた。
???「う...我々は生きているのか...」
???「そのようですね」
???「ここは...チャイン王国かしら?」
謎の人物達は、生身で飛行し始めた。
飛行中の彼らの目には、無数の建物が建ち並んだチャイン王国の風景が映っていた。

???「ふむ...我々が封印されている間に王国も復興していたとは、想定外だ」
???「イクサーの金魚のフンどもの仕業でしょう」
???「私達デリンサー軍の復活を祝って、プレゼントを差し上げましょうよ。ねぇ、サイガ様?」
サイガ「賛成だ。ハジャ、機人は召喚できるか?」
ハジャ「可能です。封印中にエネルギーは溢れるほど貯めたので。」
ジェイナ「人々が苦しむ姿をまた見れる...想像するだけで嬉しくなるわ」
ハジャ「出でよジャーシャダー!全て破壊し尽くせ!


一方、王国の首都・ターナルは大きな賑わいを見せていた。
ターナルのスーパーには、ある五人の若者が買い出しに来ていた。
ネツ「えっと、買う物は卵と魚と肉と塩と...こんなもんか」
ダイゴ「全部で1123チェイだな」
ダイサク「へへっ、今夜は宴だ、たらふく食べさせてもらうたい」
イチロウ「ダイサクは食事の話になるとすぐ食いつくなぁ」
カレン「まぁまぁ、たくさん食べる事は良い事ですよ」
ネツ「さぁて、俺らの家に帰るとしますか」
「ゴウオオオオオオ!」
謎の叫び声と同時に、大きな振動が起こる。
ネツ「何だ!?」
五人はスーパーの外へ出た。
そこには、正体不明の巨大な物体が街を破壊し尽くす光景が広がっていた。
ハジャ「良いぞジャーシャダー!もっとやってしまえ!」
ジャーシャダー「ゴウオオオオオオ!」


ダイサク「ば、化け物じゃぁっ!」
イチロウ「推定でも20mはあるよ!」
ネツ「くそっ、皆逃げるぞ!」
しかし、ジャーシャダーはネツ達を狙いビームを放つ!
カレン「きゃあっ!」
ネツ「何!?」
イチロウ「も、もうダメだぁぁぁっ!」
彼らが諦めかけたその時!


グオオオオオオッ!
咆哮の衝撃でビームは消滅した。
ネツ達が目を開くと、五体の獣がネツ達の目の前に立ち並んでいた。
ネツ「こ、これは...」
竜のような獣は、もう一度咆哮を放った。
グオオオオオオッ!

第二話「機人合身」

ハジャ「な...何故あの化け物どもがここに!?」
カレン「ド...ドラゴン?」
ダイゴ「俺達は夢でも見ているのか...?」
次の瞬間、ネツ達はそれぞれ五体の獣の中に吸い込まれていった!
五人「うわぁぁぁっ!」


???「...聞こえるか若者達よ...」
ネツ「...誰だ!」
???「説明は後だ...」
???「今、お前達は五体の闘機獣の中に居る...」
ダイサク「闘機獣?何じゃそれは?」
???「遥か昔、一人の拳法家が生み出した機械の獣...それが闘機獣」
???「トウキ・ネツが乗り込んでいるのはリュウヘッダー
???「ヘサカ・ダイサクはゲンブトランガー
???「ヤカイ・ダイゴはカイチェンガー
???「ナマタ・イチロウはコウレッガー
???「キヨカワ・カレンはスザククロー
???「以上が五体の闘機獣の名前だ」
???「そして、五体の闘機獣が一つになる事であの巨大機人を倒す事ができる...」
ネツ「本当か!?」
???「しかし、搭乗者には大きな負担がかかる...それでもやるか?」
五人「...」


沈黙を破るように、ネツが叫んだ。
ネツ「...やるしかないだろ!」
ダイゴ「正気か!?」
カレン「ネツさんがやるなら、私も!」
イチロウ「カレンさん!?」
ダイサク「...ワシも覚悟を決めた!やってやる!」
ダイゴ「...へっ、俺もやってやるか!」
イチロウ「攻撃は最大の防御!僕もやります!」
???「...よし、では叫べ!「機人合身」と!」
五人「機人合身!」


五人が同時に叫んだ瞬間、闘機獣が凄まじい速度で空へ舞い上がった。
その衝撃でジャーシャダーとサイガ達は吹き飛ばされる。
ジャーシャダー「ゴウオオオッ!」
ハジャ「ま...まずい!」
ダイゴ「す、凄まじいスピードだ!」
ネツ「負けてられるかぁっっ!」
それぞれの闘機獣は高速回転しながら変形。
そして、合体する事により機人の各部位となる。
機人は激しい閃光を放ちながら、地上に降り立つ!
ネツ「メェェェガッ!!ケンサァァァァァッ!!」


今ここに、最強最高の機人が復活したのである。

第三話「激突! 二体の機人」

サイガ「何という事だ...あの化け物がまだ存在しているとは...」
メガケンサーはジャーシャダーに接近すべく歩行していく。
ジャーシャダーがメガケンサーにビームを放つ。
ビームが当たる。しかし、かすり傷も着かない。
???「メガケンサーの動きはネツの動きとシンクロする。それを生かし戦ってくれ。」
ネツ「分かった!」


ネツが右手を握り突き出す。次の瞬間、ジャーシャダーの体は宙を舞った。メガケンサーの拳が直撃したのだ。
ネツ「今度はこいつ!」
ネツが左足を振り上げる。同時にメガケンサーの蹴りもジャーシャダーに炸裂する。
倒れるジャーシャダー。
???「他の者はメガケンサーの武装を操ってくれ」
カレン「了解です!」
ネツ「カレン、ジェットナックルだ!」
カレン「はい!」
立ち上がろうとするジャーシャダーに、メガケンサーが両拳を飛ばす。
ジャーシャダーの胴体に穴が開く。ジェットナックルが胴体を貫いたのだ。
イチロウ「ネツ、とどめだ!」
ネツ「ようし!皆、行くぞ!」
五人「メェェェガッ、ウェェェェイブ!」
そう叫ぶと同時に、メガケンサーが右手を開き前に突き出す。
ジャーシャダーはメガケンサーに引き寄せられていく。
ネツ「でやぁぁぁぁぁっっ!」
メガケンサーがジャーシャダーの頭部に鉄拳を決める。
ジャーシャダーは倒れる。次の瞬間だった。


ドガァァァァン!!
ジャーシャダーは爆発し、辺りに爆風が立ち込める。
ネツ達は勝利を確信した。
ダイサク「は...ははは...やった、ワシらの勝ちや!」
ネツ「よっしゃぁっ!」
???「喜ぶのは早い...」
ダイゴ「何?」
???「お前達五人はダイケンサーを動かせる唯一の人間だ。しかし、戦術もまだまだ未熟...私がお前達を鍛えてやろう」
???「明日、私の下へ来ると良い。お前達に今起きている事の全容を把握してもらう為にもな」
ネツ「...分かった」


これが、王国の運命をかけた戦いのプロローグである。

第四話「古代の超秘密」

ネツ達は、自分達にダイケンサーの事を教えた謎の人物の下へ向かっていた。
ダイゴ「にしても、こんな山奥に家建ててるのか。なかなか渋い爺さんだな」
ネツ「お、建物があるぜ」
神社のような木造建築の建物の中から、一人の白髪の老人が現れた。
ハイサー「良く来たな若者達よ。私の名前はアイゴ・ハイサー。さぁ、入りたまえ。」
五人は家に入り、ハイサーの話を聞く事にした。
ネツ「昨日の声の主はあんたなのか?」
ハイサー「いかにも。機闘獣の封印を解いたのも私だ。」
カレン「なるほど。では、今起きている事の全容を教えていただけないでしょうか。」
ハイサー「勿論。話せば長くなるが...」
(ハイサーは概要にも書かれている戦いの様子を五人に話した)


ダイサク「へぇ...昔にはそんなに激しい戦いが行われていたんやな」
ハイサー「戦いの後、イクサーの弟子達はこの事を人々に話す事はなかった。私自身も、この事を知ったのは父が死ぬ直前だった」
イチロウ「それで、今になってデリンサー軍が復活したという事ですよね」
ハイサー「ああ。奴らは封印されている間に莫大なエネルギーを溜め込んでいたに違いない。お前達が倒した機人を操るのにも、そこまでエネルギーを使ってはいないだろう。」
ダイゴ「何だって!?」
ネツ「デリンサーの奴らに勝つには、一体どうすりゃいいんだ?」
ハイサー「お前達が「光拳」を覚える以外に手段は無いだろう。」
ハイサー「光拳を使う事により、ダイケンサーの力も格段に上昇する。」
ネツ「なら、俺達にその光拳とやらを教えてくれ!頼む!」
ハイサー「その言葉、待っていたぞ。よし、今日から光拳習得の為修行を行う!
ネツ「おう!


その頃、デリンサー軍は鉱山にある空洞を基地として使用していた。
ハジャ「くそっ!くそぉぉぉ!」
ジェイナ「メガケンサーがまだ残っていたなんて...信じたくもないわ...」
サイガ「案ずる事はない。我々がメガケンサーを上回る機人を生み出せばいい話だ」
ジェイナ「サイガ様...」
サイガ「諸君!我々は王国征服の二度目のチャンスを得たのだ!今度こそあの化け物どもを蹴散らしてしまおうではないか!」
兵士達「オオーッ!」

果たして、ネツ達は平和を守る事ができるのだろうか?

第五話「恐怖! おもちゃが敵になる」

ここは、王国のテパスという地域の小さな玩具屋。
そこにはとある親子が玩具を買いに来ていた。
店員「DXγスター、全部で3098チェイになります」
コスケ母「ほら、コスケ。誕生日プレゼントよ」
コスケ「ありがとう、お母さん!」
コスケ母「大切にするのよ」


嬉しそうに店を出た二人を、ハジャとジェイナが見下ろしていた。
ジェイナ「あんなの何が良いのかしら。ただのプラスチックでしょう?」
ハジャ「...そうだ。あれを機人として巨大化させるのはどうだ」
ジェイナ「どうやって?」
ハジャ「エネルギーの使い方を応用すれば、機人として操る事ができる。プラスチックを別の物質に変化させる事も可能だ」
ジェイナ「貴方にそんな器用な事できるのね!」
ハジャ「...「貴方」は余計だ」
地上に降りたハジャがコスケから玩具を奪い取る。
コスケ母「な、何をするんです!良い大人が!」
ハジャ「いやぁ、お母さん。申し訳ないですがこいつで大暴れさせてもらいます!」
そう言うとハジャは玩具を空へ投げ、紫色の光を玩具へ当てた。
ハジャ「さぁ行け!ジオティックフレーム、γスター!」


次の瞬間、青と黄色の巨大兵器が現れた。γスターである。
γスターはテパスの街へ歩行を開始した。


場所は変わり、ハイサー宅。
ハイサー「まずい事になった。謎の巨大機人がテパスに出現した!」
ダイサク「何じゃと!」
五人は機闘獣で出撃し、γスターの下へ到着した。
ネツはγスターを見た瞬間、大声をあげる。
ネツ「すっげぇ!γスターじゃねぇか!?」
カレン「ガ...γスター、って言うんですか?」
ネツ「そうだよ!最近読んでるSSに登場しててさ!すげぇ格好いいんだぜ!」
イチロウ「は...はぁ...」
ダイゴ「今そんな事はどうでもいい!オタク語りは控えてくれ!」
ネツ「ちぇ、分かったよ...」
γスターは上空の機闘獣を発見し、ビームシューターを機闘獣目掛け発射する。
イチロウ「γスターは僕らに敵意があるみたいだ!」
ネツ「このままじゃ分が悪い!皆、機人合身だ!」
五人「機人合身!」


合体した機闘獣はメガケンサーとなり、地上に着地した。
ネツ「メェェェガッ!ケンサァァァァァッ!!」
γスターは360mmアームバズーカを撃つ。
メガケンサーはそれを回避し、ジェットナックルを飛ばす。
しかし、γスターはナックルを平然と避ける。
互角の戦いの中、γスターがスターロッドを構える。
ネツ「なるほど、武器で戦おうって訳だな!」
ネツ「機闘剣っっっ!」
黄金の剣・機闘剣を構えるメガケンサー。
γスターはロッドを力強く振りかざすも、メガケンサーは剣でそれを受け止める。
当初はγスターが押していたものの、徐々にメガケンサーが押し返し始めた。
メガケンサーがγスターを完全に押し返したその時。


コスケ「やめてくれ!」
ネツ「!?」
コスケが自身の母と共に立っていた。
コスケ「γスターを壊すのはやめてくれ!」
コスケ母「そんな無理を言うのはよしなさい!また新しいのを買ってあげるから!」
コスケ「嫌だ!うまく言えないけど...それは僕の宝物のおもちゃなんだ!母ちゃんが買ってくれたから!」
コスケ母「コスケ...」
ネツ「...分かった。少し待っていてくれよ!」
ネツ「メガウェェェェイブッ!」
右平手を突き出し、γスターを引き寄せるメガケンサー。
ダイゴ「何をするんや!?」
ネツ「メガケンサーでγスターのエネルギーを吸いとれば、γスターは元に戻れるはずだ!ハイサーのおっちゃんからエネルギーの浄化も可能と聞いたし、やってみる価値はあるだろ!」
ネツ「カレン、エネルギー吸収を頼む!」
カレン「了解です!」
メガケンサーはエネルギーを吸収し始める。
カレン「15%、21%、28%...」
数分後、γスターの姿が消えた。
ネツ「!? ...成功したのか...?」
五人が困惑する中、コスケの声が聞こえた。
コスケ「ありがとう!ほら、これ見てよ!」


コスケが持っていたのは、元の玩具に戻ったγスターだった。
コスケ母「本当に、本当にありがとうございます!」
笑顔を浮かべるコスケに向け、グッドサインをするネツ。
それと同時に、メガケンサーもグッドサインをした。


次の瞬間、メガケンサーは空へ飛んだ。
それを見届けながら、コスケは母と一緒に歩き始めていった。

第六話「インターネット兄ちゃん(前編)」

???「ハハハハハ!」
午後7時。二階建ての家から笑い声が響いた。
笑い声の主はハタニ・シュウタロウ。何故彼が笑っているか、その理由を説明しよう。


インターネットに「自由百科」という百科事典サイトが存在する。そこでは、アニメやゲームなど様々な題材を解説したページを作る事が可能だった。
シュウタロウはそのサイトで「おばかやろう。」を名乗り、他人の作ったページの無断削除や、文字数の少ない低質ページの量産を行っていた。
彼の行動に不満を持つ人々はかなり多く、
「二日かけたページをバックアップごと削除しやがって!」
「低質ページの量産は規約違反だからやめてくれ...量産するのはザクだけにしてくれ」
といった激しい批判コメントが殺到していた。
シュウタロウはそれらに対し
「馬鹿の俺がそんな事知るかよwww これぐらいの事で騒ぐとかこのサイトガキしかいないんだなwwwwww」
などと返信し、人々の反感を買っていた。


今日も、シュウタロウはページ削除を行っていた。
シュウタロウ「さーて、お次はこのページだ...」
そう言ってマウスをクリックした時だった。


「あなたは規約違反となる行為をした為、このサイトでの書き込みを永久的に不可能にしました。
この規制を破った場合、このサイトの閲覧を永久的に不可能にします。
「自由百科」管理人より」
パソコンの画面に広がる文字を見て、動揺を隠せないシュウタロウ。
シュウタロウ「き...規制だと...」
慌ててサイトの様子を確認すると...
「ざまぁみろ!ヴジ虫め!」
「あんな奴、タヒんじまえばいいんだよwww」
シュウタロウは思わずコメントをした。
「俺が荒らしたんじゃない!妹だ!妹が俺のPCを使ったんだ!信じてくれ!」
しかし、その嘘は通用しなかった。
「あっれ~?証拠はあるのかい?」
「嘘松確定www」
シュウタロウ「違う...違う違うっっっ!!」
次の瞬間。


「先ほどの規制を破った為、このサイトの閲覧を永久的に不可能にしました。
ご了承ください。
「自由百科」管理人より」
シュウタロウ「...キェアアアアアッッッッ!
奇声を発するシュウタロウ。
???「ねぇ...お兄ちゃん?」
そう言って部屋のドアを開けたのは、シュウタロウの妹、サラだった。
サラ「も...もう晩ご飯だよ...。」
シュウタロウ「...うるせえっ!」
シュウタロウはサラの頬を殴った。そして階段を降り、家の外へ駆け出していった。
サラ「お兄ちゃん...」
サラは頬を押さえながら、涙を流していた。


シュウタロウ「ハァッ、ハァッ...」
息切れしながら、住宅街を歩くシュウタロウ。
そんな彼に、一人の女性が話しかけてきた。
ジェイナ「お悩みかしら?」
シュウタロウ「誰だ...」

第七話「インターネット兄ちゃん(後編)」

ジェイナのエネルギーでシュウタロウは宙に浮かぶ。
シュウタロウ「なぁっ!?」
ジェイナ「貴方は今、心に激しい怒りを秘めている...」
ジェイナ「その怒り、解放してあげましょうか?」
シュウタロウ「くっ...解放できるなら、やってみろよ...ハハハ...」
ジェイナ「了解。」
そう言い放ち、拳を握り締めるジェイナ。
シュウタロウ「うっ!? うわぁぁぁっっっつ!


ヴヴヴーッ!ヴヴヴーッ!
ハイサー宅にサイレンが鳴り響く。
ネツ「! ...機人か?」
ハイサー「お前達、デリンサーが現れたぞ!出撃だ!」
四人「おう!」 カレン「はい!」


ジェイナ「気分はどうかしら?シュウタロウ...いや、機人・ザライバー!」
ザライバー「こりゃいいぜ!キェッハッハッハー!」
ザライバーは王国の街を次々に破壊していく。
ネツ達はザライバーを発見した。
ダイサク「機人が喋っとる!?」
イチロウ「どうやら人が中に居るみたいだ!」
ネツ「よし、手っ取り早く片付けるぞ!」
五人「機人合身!」


ネツ「メェェェェガッ!ケェェェンサァァァァァ!」
合身し、地上に降り立つメガケンサー。
ザライバー「メガケンサーか。偽善者ヒーローはこの世から消え失せろよ!」
ネツ「んだとぉっっ!」
二体は同時に走り出した。
火花を散らし、ぶつかり合う二体。
ザライバー「おらぁっっっ!」
ザライバーの打撃がメガケンサーに直撃する。
カレン「きゃぁぁっ!」
ネツ「やってくれたなぁっ!」
メガケンサーの蹴りがザライバーの腹部に炸裂した。
ザライバー「おがぁっ...」
ネツ「次はこいつ!」
ザライバーにメガケンサーの右拳が決まる。
吹っ飛ぶザライバー。
ダイゴ「ネツ、とどめだ!」
ネツ「メェェェェガッ、ウェェェ...」
「お兄ちゃん!」


サラが力いっぱいに叫ぶ。
サラ「もうこんな事よして!お兄ちゃんに何があったかは知らないけど...他の人に八つ当たりするなんて、絶対ダメだよ!
ザライバー「...笑わせるな!お前さえ生まれてなきゃ、俺が規制される事はなかった!...そうだ!俺は悪くない!悪いのは、お前だぁぁっ!」
次の瞬間、ザライバーはサラを目掛け鉄拳を放つ。
サラ「きゃぁぁぁぁぁっっっっ!!!」


ネツ「でやああっ!」
間一髪、メガケンサーがザライバーに激突する。
ザライバー「ぐはぁぁぁぁっ!」
ザライバーは倒れ、動かなくなる。
ザライバーはみるみる小さくなり、元のシュウタロウへと戻っていった。
ジェイナ「...あーあ。つまんないわね...」
ジェイナは上空へと姿を消した。
五人はメガケンサーを降り、シュウタロウの元へ向かった。


シュウタロウ「...ハッハッハ...アッハッハッハッハ!!」
シュウタロウが狂ったような笑い声を上げる。
ネツ「おい、しっかりしろよ!おい!」
サラ「お兄ちゃん...」
ダイサク「でも、何でこんな奴が機人になったんや?」
ハイサー「それに関しては私が説明しよう」
ダイゴ「師匠!」


ハイサーは、ネツ達に自由百科での事件を説明した。
ネツ「...おい、お前。これは本当なのか?」
シュウタロウ「...そうだよ。俺がやったんだ。」
笑みを浮かべながら、シュウタロウはその言葉を発した。
ネツ「こんな事をしておきながら、お前は妹に機人状態で殴りかかったのか?」
シュウタロウ「何が悪い?俺の言っている事に間違いはな...」


次の瞬間、ネツの拳がシュウタロウの顔面に炸裂した。
何度も、何度もネツはシュウタロウの顔面を殴る。
ネツ「...こんな事して何が楽しいんだ!お前は、ネットでの信頼と同時に、人の心まで忘れちまったのかぁっ!」
ありったけの声で叫ぶネツ。
ダイサク「やめんかいネツ!」
ネツを押さえつけるダイサク。
シュウタロウは血を流しながら、その場に倒れ伏す。
サラ「...お兄ちゃん」
シュウタロウを抱き締めるサラ。
サラ「見てよ、今の町を...」
シュウタロウの目に広がったのは、多くの建物が崩壊した街の姿だった。
サラ「...お兄ちゃんのした事は、そう簡単には許されないはず。これからも、この事を気にしてお兄ちゃんをいじめる人もたくさんいると思う。でも、大丈夫だよ。サラはお兄ちゃんの味方だから...。」
シュウタロウ「うっ...ううっ...」
涙を流すシュウタロウ。
ネツ「...」
五人はメガケンサーに乗り込み、空へ飛び上がった。


静かな夜の町に、シュウタロウの泣き声が響いていた。


もし君も、他人を傷つける事をしているならば、その行動を見直してはどうだろうか。
周りの人間の為にも、自分自身の為にも...


*1 この世界の機動兵器みたいな物