解説
Diablo2では攻撃や被弾、移動など様々なシチュエーションにおいてアニメーションが用意されているが、このうち「物理攻撃(スキル含む)」「魔法とそれに類する行為」「盾およびWeapon Blockによるブロック」「のけぞり、ノックバックからの復帰」に関しては、関連プロパティを稼ぐことで全体モーションを短縮し、より素早く行動が可能となる。
ただし、それらの計算式には「関連プロパティは『各種行動にかかる所要時間を○%短縮する』のではなく、『各種行動のアニメーション進行速度を○%早くする』効果である」「最終的な計算結果をフレーム単位に均すため、計算途中で小数点以下になった場合、小数点以下を切り上げる処理が入る」仕様となっているため、関連プロパティは目標値まで稼がないと短縮効果が発揮されず無意味になるし、同様に目標値を超過した分もまた無意味となる。
この「各種モーションを○フレーム短縮するには、関連プロパティを○%稼ぐ必要がある」目標値のことを「ブレイクポイント」と呼ぶ。
表の見方
例えばHammerdinの記事の装備例の欄を見ると、「FCRの主要ブレイクポイントは48%, 75%, 125%。ひとまずは75%FCR確保を目標に。」という記載がある。
これと下表のFCRブレイクポイント一覧表を使って例示してみよう。
Frames | 23 | 22 | 21 | 20 | 19 | 18 | 17 | 16 | 15 | 14 | 13 | 12 | 11 | 10 | 9 | 8 | 7 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Paladin | 0 | 9 | 18 | 30 | 48 | 75 | 125 |
「Frames」の欄の横列が「入力から詠唱完了までに必要なモーションフレーム」の値、「Paladin」の欄の横列が「FCRを○%稼ぐとその真上の『Frames』で詠唱可能になる」値を示している。つまりパラディンの場合、「FCRを全く稼いでいない状態では魔法の詠唱に15フレーム(約0.6秒)を要す。同様にFCRを9%稼げば14フレームで、18%稼げば13フレームで…」ということがわかる。
詠唱速度を早めてより短い間隔で攻撃魔法を繰り出すことは、DPSの向上に直結するため非常に重要である。また、Blessed Hammerは独特の軌道を描いて飛んでいくため、モーションフレームが長いとハンマーとハンマーの間隔が開き、攻撃の密度が薄くなって思うように敵を倒せなくなる。その意味でも詠唱速度を早めることは重要となる。
この前提を理解してようやく、「じゃあFCR75%を達成しつつ火力やレジストを維持するためには、どういう装備の組み合わせをすればいいのか?」という次のステップに進めるのだ。
ブレイクポイント一覧表へのリンク
- Faster Block Rate(盾およびWeapon Blockによるブロック)
- Faster Cast Rate(魔法とそれに類する行為)
- Faster Hit Recovery(のけぞり、ノックバックからの復帰)
なお、冒頭で挙げた上記のモーション群のうち、(スキル含む)物理攻撃のモーションとそれに対応したプロパティ「Increased Attack Speed」に関しては関連要素が多岐に渡るため、「ブレイクポイント一覧表」という形でわかりやすく掲示することが困難になっている。
それ以外の3種に関しては、関連要素が「クラス毎の基本値」と「関連プロパティ」の2つのみなので(※若干の例外あり)、ブレイクポイント一覧表が作られている。計算式も判明しているため自力計算で求めることも可能だが、上記リンク先の一覧表を見た方が早い。
出典
http://web.archive.org/web/20100411080918/http://strategy.diabloii.net/news.php?id=551
http://www.freewebs.com/iclanhq/tablesoffcrfhr.htm
http://diablo.incgamers.com/forums/showthread.php?366742-The-Mouldy-Tome-Necromancer-Guides-Tips-and-Tests