【精素】/幻装体

Last-modified: 2023-10-30 (月) 04:03:36

アルファベット表記:Eidlonium
読み:げんそうたい
分類:精素構築物
発案者:tocoma110
Tag: 精素 精素現象 精素ネットワーク 幻装体 発案:tocoma110


概要

精素によって編みこまれた疑似物質の一種。
精粒類精素結晶とは似て非なるもので、精素が集い形を成すことは同様だが、その実態はむしろ実体精素現象で発生する幻影体に近しいとされる。そのため、本質はともかく顕現形態は多種多様で、またある程度外見と特性が紐づいたものとなっている。


幻『装』体と名がつく通り、基本的には何かを核として姿を成すものである。
そのため、術者あるいは起点となる存在なしで現れることはまずない、きわめて特殊な現象の一つである。

  • 精素の持つ精神感応性が強く関連するという。

 

特徴

状態としては「精素を纏う」というより、「精素とつながっている」と言った方が適切。
血肉と精素が溶けあったものを再度成形したもの、と考えるとわかりやすいだろう。
半融合的な形で肉体と精素とつながることで、形成された幻装体は意に沿って動く。そのため、幻装体の内部は本来の肉体構造とは、厳密には異なる形で構成されている。

  • 故に、術者あるいは核者が不可欠。

幻装体を展開している間、核となる者はあらゆる面で強化される。
肉体は本来のそれを凌駕する力・強度を発揮し、さらに知識に乏しくともある程度の精術的な精素活用を可能とさせる。
その様はまさに超人・魔人の如くで、たった一人で擬竜類と渡り合うことも可能となる。多くの武芸者退獣士が修練の末に至る境地に、容易く辿り着けるのである。
真っ向から対抗するには、身型鎧級の身体強化が不可欠である。

  • 言うなれば、精華生得的精術を一気に習得するようなもの。
    これによって獲得出来る行動幅の広がりはすさまじい。
  • また、同じ術者でもその『構成』を変えることで変化をつけられる。
    幻装体の構成が変わることで、強度に特化したもの、運動機能強化を底上げしたもの、武装部位を大量に形成したものなど、様々なバリエーションを作成可能。

極めて強力な状態であるが、同時に難点やリスクも大きい。
常に精素と連結することから精素汚染を招きやすく、長時間の展開は命に係わる。そうでなくとも、常用は心身への負荷が激しい。
当然、体力の消耗も大きい。
加えて、その可動範囲や出力は核となる者の能力・素養にも依存する。
また、多量の精素を利用するため、それを確保出来る状態も不可欠。
誰もが容易く力を手に入れられる可能性はあるが、だからと言って万能になれるわけではない。

  • その中で最も高い適性を持つのは、開拓の民であるとされる。
    理由はいまだ不明だが、古来より残る記録の中でそれと思しいものの割合は、開拓の民が圧倒的に多い。

顕現する形態は多種多様。
元の存在のフォルムを踏襲することが多いが、その上で形状は異形化する傾向が強い。
実体精素現象の幻影体同様に、神話の存在を模倣したようなものも少なくない。中には元の姿から大幅にかけ離れたものも珍しくなく、まったく別種の生物・存在としか思えない形状も。

  • 一説には展開者の思想・理想・深層心理などが反映される、などとも言われるが、真偽は不詳のまま。
    また、ある程度までのサイズならば、大きな疲労・負荷をかけることなく大型化・小型可能だという。その場合の質量問題は不明。

なお、幻装体が術者の意図によってではなく無理矢理解除(破壊)された場合、精素が霧散せず共鳴暴走し、爆発を起こすことがある。
その場合、術者の生命は保証されない。

 

展開方法

大陸秘境開拓時代において、普及した技術とは言えない。
多くの場合は超古代文明に基づいた技術・物品によるもの、あるいは特定精術精武術流派の奥義など、ごくごくわずか。
そのため『幻装体』という言葉・概念は知っていても、実際に見たことのある人間は存外少ない。


実際、前述のリスクを考えると、身型鎧強化装着装甲などの方がはるかに使い勝手がいい。

幻装具

げんそうぐ。Eidlonizer。
幻装体を形成する機能を備えた精具あるいは精素結晶などの総称。
精術の習得や知識に関係なく幻装体を形成出来る、特筆すべき品物の類。当然、そこいらに出回るようなものではなく、ほとんどは秘匿あるいは厳重に管理されているものばかり。
大抵、古い信仰におけるご神体・聖遺物などとして扱われ、その真価を発揮することはない。


が、超古代文明の遺産などとして発見されたものが、冒険者あるいは黒竜商会などの手によって流通することがあり、それを用いての犯罪が起こることがある。
さらに、秘境開拓時代終盤では何者かによってそれらが大量に流通し、各地で幻装体による犯罪・テロ活動などが活発化する事態も発生している。

 

応用・発展例

いずれもその規模や形成において、通常の幻装体を超えたものとするものの例。

巨大幻装体

最もわかりやすい応用系。
文字通り、出力・形成・展開規模を拡大したもの。
その強さは通常のそれをはるかに凌駕する。使用する精素の量やその幻装体の構成にもよるが、規模によってはそれこそ亜竜類真竜類戴冠種とすら渡り合うことさえ可能とされる。


当然ながら、それに伴う消耗は通常の幻装体の比ではない。
精素汚染の危険度もすさまじく、理論上は可能でも実際に行なうことはほぼ不可能に近い。

暴走幻装体

巨大幻装体に次ぐ、解りやすい事例。
何らかの理由で精神的あるいは術式的制御が崩壊し、暴走状態に陥ったことを指す。
時にその形態・出力は巨大幻装体級になることもあり、またそれらとかねて起こることも多い。


基本的にこの状態に陥ると、姿も能力も極端化する。
形状は制御状態にあるものから大幅に拡大あるいは極端化したものとなり、多くは原形をとどめなくなる。加えて、有する能力も基本値から激しく増大し、大抵は小型の巨大幻装体と同等程度にまで到る。
巨大状態で暴走に陥れば、周囲へもたらす影響はすさまじいものとなる。


とはいえ、これはあくまで暴走状態であり、決して有用なものとは言えない。
精神的には極端な感情に突き動かされ、理性的な判断を下すことは難しくなり、また術式的にも術者への負荷などを考慮しない状態となる。故に、暴走状態は術者の心身双方を蝕み、やがて短時間で死へ至らせるものでしかない。

纏延幻装体

自身が持っている道具などにまで、幻装体を延長する技能。
多くの場合、手にした道具なども本体側の性質・形状の影響を大幅に受けた幻装体を展開する。当然、基礎能力を超えた能力を発揮するようになるうえ、本体幻装体と連動した能力や特性を獲得することも多い。
故に、戦術幅を広げる心強い武器となる。
後述の独立幻装体との中間的な立ち位置にある。

独立型幻装体

幻装体の固定観念を破る、きわめて特殊な事例。
いずれも被術者の核を用意し術士的に運用するという、独自のもの。
これまで以上により実体精素現象に近く、さらに言えば神召きの畏魏畏技方式召喚獣?に極めて類似している。共に自律詠唱連鎖核ではなく術者による形成あるいは制御を必要とし、その上で仮層物質的実体を用意するなどの点が特徴。


記録として存在し、またそれを示唆する文献も存在するが、実態は不明瞭な点が多い。

 

余談

要するに変身形態とかのアレです。

 

関連するもの

 

その実態

その実態は、精華した肉体の中で疑似的な精素ネットワークを構築し、意思・術式を反映した疑似物質構成体。
真精へ至る前段階の精素構成体の一種。
喩えるなら、「実用性を備えた着ぐるみ」のようなもの。

  • 独立幻装体は、術者の代替となるほど細やかな思考パターンを織り込んだ、AI制御のアニマトロニクスに近い。

精素ネットワーク内に「術者/核者」という情報を走らせることで、真精のような固有の精神性・自我を形成することなく、疑似精素ネットワーク構築体を利用することが出来る状態と言える。
とはいえ、真精のような真正の精素ネットワーク構築体には、まるで及ばない中途半端な代物。自然界では実体精素現象の幻影体のほか、一部の生得的精術による精華が起きた際、僅かに構成される現象などでしか見られない。
精武術でも奥義の類でしか確認されないのも、本来成立させる条件が難しいため。

  • 在り様として、半自律的に動く独立型幻装体の方が、より本来のものに近い。

現象としては精素現象よりも存在変換の一種に近く、それを精素を媒介とする形で一部を短縮させているような状態と言える。
そのため、本来の存在変換と比べて容易く変化を起こせるが、精素に依存した形でしか展開出来ない。

 

根本に関連するもの

 


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