設定/【召喚壁】

Last-modified: 2020-08-11 (火) 12:09:42

FF9

召喚士一族の集落マダイン・サリ内にある召喚獣に祈りをささげる巨大な壁画。
エーコや召喚士一族が代々守ってきたとモリスンは語る。
マダイン・サリに初めて訪れた際にエーコおもてなし料理が出来上がるまで時間を持て余していたジタンはこのモリスンに導かれ、ダガーを呼んだ後に中へ案内される。

再びイベントで訪れるのはイーファの樹の調査に出発し出口へ出たところでモコに村の宝珠が盗まれたとの報を知らされた後。
大事に隠していた宝珠が無くなったショックで泣きべそをかくエーコはジタンに励まされ召喚壁へ向かうが、宝珠を盗んだ犯人のラニに出くわし、ダガーが城から持ち出したアレクサンドリアの国宝を奪う取り引きの人質にされてしまう。
そこへ突然乱入したサラマンダーに因縁を振り掛けられたジタンは一対一の勝負を持ちかけられる。(実際は逆で後にサラマンダーの口から語られる話を辿ると時系列的にはジタンのほうが先にサラマンダーへ因縁を振り掛けている。が、本人は気付いていない上にサラマンダーからも忘れている事自体への深追いはしない)
この時だけ作中唯一召喚壁内での戦闘が展開されるが、敵や味方が背景を利用し戦闘を繰り広げるのはFF9の場合この時のみ。

その後ジタンが勝利し宝珠を奪い返して騒動が静まると、エーコの家のリビングの下にある畔で小舟に乗ったダガーが記憶に残る名も知らぬ歌を口遊んでいる。
暫く二人で語り合った後、風に乗って動き出した舟が召喚壁を見上げる地点まで流されるとダガーが自分と瓜二つの歌声で同じ歌を歌う声を召喚壁から聴きつける。次いでジタンもその歌声に気付く。その直後、夕日を受けて燃えるように輝く召喚壁を見てダガーは自身の本当の出自を思い出すのだった。

召喚壁が見える位置に小舟が流されダガーが「ねぇ、歌が……聴こえない……?」と尋ねた後にジタンも「これはあの歌じゃないか……!?」と返している。ということはダガーだけしか聴こえない幻聴ではないのだろう。
これは後に記憶の場所でダガーの体験に基づくインビンシブルの襲撃時のマダイン・サリの光景をその場にいて体験しなかったはずのジタンが見れた時と同じ原理だと思われる。

  • 小舟に乗っているときに聴こえてきた歌はエーコが歌っているんじゃなかったのか?歌声もダガーより幼いかんじだし。
    ダガーが自分しか知らないと思っていたその歌をエーコが歌っている=マダイン・サリに伝わる歌だった=ダガーは自身がマダイン・サリの召喚士一族であったと知る(思い出す)…という流れだったと思っていたが。

モリスン曰く
・壁の側面には召喚士たちが召喚魔法を研究し、発見された召喚獣の姿が描かれている召喚士の聖地。
・中心には召喚塚というものがありエーコは毎日ここで香を炊き、先祖への祈りをささげている。(ラニ襲来時はこの上に乗っかりエーコの羽飾りを摘まみあげている)
とのこと。
召喚塚というワードが出てくるがまーるいあいつとの関係性は不明。
FF9では石or宝石と召喚獣は深い関係性があることが本編中の随所で見受けられる。ガイアの研究家の中でも聡明なトット先生もDisc2のダガーと再開した際の回想でさりげなく世界の核心にかなり近付いた仮説を述べている。


Disc4以降、とある手順を踏むとアレクサンダーリヴァイアサン前しか読めなかった壁画の文章の内容が全て読めるようになる

全ての壁画の内容を読むための手順

  1. 【Disc3以降で可能】パーティー内にダガーがいる状態でエーコの家の台所にいるラニに近寄る。するとすぐにマップ外へ逃げ出すが、これを見送ることが第一の工程になる。(完全に逃げていく様子を見送らずにマップを切り替えると工程を踏んだことにならないので注意)
  2. 【Disc4のみで可能】パーティー内でダガーおよびサラマンダーがいない状態で先程と同じマップに行くとラニが逃げずに話しかけることができる。
    この際に2回話しかけると「そこの小さな部屋でいわれのありそうな言葉を見た」と話す。ラニの背後の追憶のイヤリングがあった部屋を調べると下記の「いわれのありそうな言葉」を見れる。
  3. 召喚壁に行き「いわれのありそうな言葉」通りの手順を行う。

    時の歩みがひとつ → 時計回り(カーバンクル側)に一周する
    時の戻りがひとつ → 反時計周り(アトモス側)に一周する
    ここのつは終わりの数 → これを9回くり返す
    そして始まりの数 → HPとMPとステータスが全回復

正しい方向に周回できていれば一周ごとに音が鳴る。
全て完了するとHPとMPとステータスが全回復し、壁画の文字が全て解読できるようになる。


壁画の内容全文

【アレクサンダー前】

 自らの技を過信し
 御しきれぬ力を召喚したとき
 聖なる審判はくだされた

 村の宝珠がその戒め
 国を出ることになったこの過ちを
 忘れてはならない

【リヴァイアサン前】

 500年前の過ちを
 我らは繰り返した

 召喚を試みた地が
 イーファの樹のふもとであったため
 周囲への影響は少なかったが
 500年前同様
 災いをなした地に封印することにする

※最初は↑までしか読めないが上記の手順を取ると↓の内容が追加される。

カーバンクル前】

 恐れるべきは
 召喚魔法の強大さではなく
 操る我らにある

 繰り返す過ちが示す
 不安定な精神、つきぬ欲望

 すべてを知れば
 解放されるのだろうか

バハムート前】

 ここは地脈のあつまるところ
 星の息吹を感ずるところ
 呼吸をおさえよ心を静めよ
 記憶のままにすべてをゆだねよ

 瞬間の記憶の重なりは時をつむぎ
 時の重なりが我らの営みとなる
 営みは記憶におきかわり
 記憶が時を形作る

 はてなく続き繰り返される流れ
 この循環を司る存在に近づき
 世界への理解を深める
 それが我ら召喚士一族の目指す境地

ラムウ前】

 世界中に残る召喚獣の伝承

 伝承を元に彼らは召喚獣を
 見つけだしていった

 雷を司るラムウはその代表
 古来より、その存在は語られていた

 だが召喚獣から伝承がうまれたのではなく
 その逆ではないかという考え方もある

シヴァ前】

 最もはやく見つかった召喚獣
 シヴァ

 発見当時は少女の形態をとっていたが
 今は大人の女性の形態となっている

 召喚獣は時、あるいは場所に応じて
 形態を変えるという記録があるが
 そのよき例となる存在

 シヴァは、ある地域では
 雪の妖精として語られていたが
 その伝承は、もはや
 召喚士一族の文献にしか残らない

 人々のあいだでは、シヴァ=氷の精霊
 という印象になっている

 形態が変わる原因は不明

アトモス前】

 確認できたわけではないが
 我らの知らぬ召喚獣
 いるのではないかと思われる

 『エスト・ガザ』にて
 目撃談があった

 伝承にない召喚獣がいるのであれば
 我らの説はくずれてしまう

 あるいは、我らと異なる種が
 いずこかの地にて、我らの知らぬ話を
 語りついでいるのかもしれない

フェニックス前】

 エーコよ、愛しき子よ

 新たな召喚獣がおまえのものとなるまで、
 16歳になり、召喚魔法を自在に
 操れるようになるまで、村に残るのです

 その後、共に生きる仲間をみつけなさい

 おまえが、生きて、幸せになることを
 はるかな地から、願っています

フェンリル前】

 エーコよ
 滅びゆく村にうまれた幼き宝よ

 傷つき死にゆく我らに
 できることはあまりにも少ない

 それゆえ、我らは
 ひとつの願いと共に星に還ろう

 召喚獣から伝承がうまれるのではなく
 伝承から召喚獣がうまれるのであれば

 伝承が人の想いからうまれるのであれば

 新たな召喚獣の伝説を、我らが残そう

 その召喚獣は人の友であり、人を守る

イフリート前】

 嵐の中
 私は生き延びたが
 おまえたちは無事だろうか

 目をとじれば
 いつもおまえたちの笑顔が浮かぶ

 目をひらけば
 おまえたちの幻想が見える

 原因不明の傷があり
 おまえたちの帰りを
 長くは待っていられないようだ

 ふだん無愛想だった自分を
 悔やむよ

 だからここに記そう
 いつかおまえたちが見られるように

 けんかもした
 態度にもあまりあらわさなかった
 だが確かに私はおまえを愛していた
 我が最愛の妻、ジェーン

 おまえがうまれてから
 過ごしたすべての日々が幸せだった
 そのことを伝えたかった
 我が愛しの娘、セーラ

御しきれぬ=ダガーの身体から離れた、ということだろうか。
「繰り返す過ちが示す不安定な精神、つきぬ欲望」が示す、召喚士たちの研究の失敗が生み出した惨事(500年前にアレクサンドリアから迫害され追放される原因となった大勢の犠牲)を恐れる考え方は、クジャが胸に抱く死への恐れと生への渇望のそれと似ている。
文章からアレクサンドリアに齎した被害は召喚士たちの記憶に深い傷痕を残すほどとてつもなく甚大であったことが窺える。ブラネ自分の娘に対し手酷い扱いで接するのはこのためではないかと思われる。(最序盤のスタイナー操作時にアレクサンドリア城内の図書館へ行くとブラネの命令で召喚獣について調べている学者がいる。恐らくこの時点でブラネはクジャの入れ知恵によりの正体に気付いている。)

  • 自らの技を過信し、御しきれぬ力を召喚したとき、聖なる審判(アレクサンダー)はくだされた。ということなので、字面だけ見れば
    「過信した(驕り高ぶった、くらいのニュアンスか)召喚士一族が、御しきれぬ力(アレクサンダーとは別)を召喚し、(後のリヴァイアサンと同じく)制御しきれず、アレクサンダーが審判を下した(甚大な被害をもたらしながらも収拾をつけた)」
    という流れに読める。それを考えると、アレクサンダーは当時のアレクサンドリアがもっていた対召喚士一族用のセーフティ装置だったということだろうか。
    あるいは、当時のアレクサンドリアが相当腐っていて、アレクサンダーを召喚したところ敵に転じて攻撃をしはじめた。ということだろうか。

余談

FF9の召喚獣は人の想い(伝承)から生まれる存在であることがここで明かされる。
この事から本作のラスボス・永遠の闇クジャの死の恐怖や絶望の感情から宝石クリスタルにより召喚された存在ではないかという説がファンの間で有力視されている。
しかし、これらはあくま考察の域で、FF20thアニバーサリーアルティマニアには「死への恐怖が生んだ化け物」「野望達成を目前に余命をわずかと悟ったクジャの、恐怖や絶望、憎悪呼び覚ました存在」とぼかして書かれている。FF9はプレイヤー自身が「考える」ことにゲームとしての面白さの重点に置き公式の攻略本の発売を差し押さえていた経緯があり、あえて正体は不明瞭のままにしているかもしれない。