AsahiHaiFS05

Last-modified: 2006-06-04 (日) 14:35:29

第57回 朝日杯フューチュリティステークス

THE ASAHI HAI FUTURITY STAKES (GI)
2005年12月11日 (日)
芝・右 1600m 2歳 牡 牝 混合 指定 定量(2歳牡55.0kg 2歳牝54.0kg)


展望

若駒の夢舞台2戦目は牡馬による祭典朝日杯フューチュリティーS。
いや、別に牝馬も出走して構わないが、後数年は出走してこないだろう、
前週に阪神JF(阪神 2歳牝 GI 1600m)があるし、明確な棲み分けはまだ出来ていない。
そんな事はさておき、今年は3強+数頭という勢力図、
とはいえ何せまだまだ馬が若い2歳戦、素直に3強と捉えても、
その3頭のどれが抜けているかは、先週の牝馬戦での例もあり、
本命があっさりと言う形もありうるだけに判断しづらい。
こちら先週と同様、或いはより一層に、難解な予想を強いられそうだ。
 
初年度産駒ながら早くもアグネスタキオン最高傑作との噂の、
新潟2歳S優勝の2戦2勝馬ショウナンタキオン。
どちらも新潟戦で出遅れ後直線ゴボウ抜きと言う派手なレースだった。
休養明けにGI120連敗中の田中勝春騎手、出遅れ癖もあり、
不安材料は山積みなものの、それを圧して尚魅力を感じる。
 
初年度産駒クロフネの中で最高傑作のフサイチリシャール。
新馬戦こそ4着と敗れたが、未勝利→萩S→東スポ2歳Sと3連勝。
5走目で多少疲れも気になるが、こちらも逸材であることは確か。
クロフネ×フサイチエアデールの馴染みある名前で人気を集めそう。
半姉ライラプスの無念を晴らす事ができるか。
 
3強最後の一角が、ファンタスティックライト産駒と言うのもまた一興。
2戦2勝、アグネスデジタルの半弟、ジャリスコライト。
特に2走目は直線での不利を跳ね返して圧勝しており食指が伸びる。
半兄アグネスデジタルのようになるか半兄シェルゲームのようになるか、
強い相手を迎えての朝日杯、賢弟に注目が集まる。
 
重賞を勝っていながら3強に食い込めなかった馬もいる。
京王杯2歳Sの勝者デンシャミチがその例だろう。
5戦して2勝ではあるが5戦とも3着以内という安定感もある。
サクラバクシンオー産駒で1600mに一抹の不安もあるが、
実績面では引けをとらず、3強崩しの可能性も十分にある。
 
札幌2歳S2着の5戦2勝、タイキシャトル産駒ディープエアー。
前走から多少の期間は開いているが臨戦態勢だろう。
問題は1200mを3戦と1800mを2戦と言う距離実績か、非常に悩む実績。
 
武豊はこの馬、デイリー杯2着で2戦1勝ダイアモンドヘッド。
今は亡きサンデーサイレンスの最終年度産駒で扱いがこの位置、
時代の経過を感じてしまうのだが、まだまだSS旋風が衰えるとも思えず。
切れよりしぶとさを生かすタイプで前残りも十分に考えられる。
 
4戦2勝ながら何かと取り上げられるのはエムエスワールド。
よもやあのステイゴールド産駒が2歳GIに出走するなど、
誰が予想しただろうか・・・、しかもこれまた初年度産駒。
能力云々より父同様何かしでかしそうな気配を感じずにはいられない。
 
12月デビューのニルヴァーナ・トーセンジュビリー(両サンデーサイレンス)、
3戦3勝でラジオたんぱ杯へ進むアドマイヤムーン(エンドスイープ)、
3戦3勝も無念の故障離脱マルカシェンク(サンデーサイレンス)、
ディープインパクトの全弟オンファイア(サンデーサイレンス)、
初年度の新種牡馬産駒が派手な活躍に見えるものの、
こう見るとサンデー旋風も例年通り、エンドスイープも何時もどおり。
果たして新種牡馬と2歳王者、更にはクラシックの関連性は・・・。

予想

姐御

◎ジャリスコライト ○フサイチリシャール ▲ダイアモンドヘッド
△ショウナンタキオン デンシャミチ ディープエアー スーパーホーネット 

えあ

◎ジャリスコライト ○フサイチリシャール ▲ダノンブリエ
△ショウナンタキオン・ダイアモンドヘッド・アポロノサトリ
穴フェイクフェイス
 
あんまり理由は無い…。

結果

着順馬番馬名姐御えあ性齢斤量騎手タイム着差馬体重人気
1612(市)フサイチリシャール  牡255.0福永祐一1:33.7 480 02
235スーパーホーネット  牡255.0内田博幸1:33.7クビ456 -45
347(外)ジャリスコライト  牡255.0K.デザーモ1:34.01 3/4馬身482 +61
412(父)ショウナンタキオン  牡255.0田中勝春1:34.21 1/2馬身470 +83
511(市)ダイアモンドヘッド  牡255.0武豊1:34.31/2馬身496 +24
659ディープエアー  牡255.0池添謙一1:34.51 1/2馬身476 +66
736(外)ダノンブリエ  牡255.0江田照男1:34.71 1/4馬身486 09
824(外)アポロノサトリ  牡255.0蛯名正義1:35.12 1/2馬身440 -47
9815(父)(市)エムエスワールド  牡255.0松永幹夫1:35.41 3/4馬身462 +810
10611(市)レソナル  牡255.0北村宏司1:35.53/4馬身464 +1011
11816コマノルカン  牡255.0木幡初広1:35.61/2馬身500 -413
1248(父)デンシャミチ  牡255.0柴田善臣1:35.73/4馬身466 +28
13714フィールドカイザー  牡255.0D.ボニヤ1:35.7クビ484 -212
14713(父)(市)タニオブゴールド  牡255.0松岡正海1:36.12 1/2馬身468 -214
取消23(地)フェイクフェイス  牡255.0和田竜二   取消
取消510スロクハイネス  牝254.0丹内祐次   取消

短評

1着:フサイチリシャール
逃げずに2番手以下に控える競馬、スローペースが更に後押し。
直線で危なげなく抜け出しあとはスーパーホーネットの強襲を食らうも、
リード十分で余裕の押し切り横綱相撲。危なげなく勝ったという印象。
3強中の他2頭が不甲斐ないだけかもしれないが・・・。
とは言えクラシックへ向けては賞金面のみクリア、距離と成長に関してはまだ分からない。
成長度を考えるとこの時期に高いパフォーマンスを見せる馬を魅力的と取りづらく。
ここ10年を振り返ればこの朝日杯というレースは縁が無いと言っていいだけに、
勝った事で来年へ向けての期待以上に不安が生まれたような・・・。
案外マイル路線の方が似合うのかも。まぁ4ヶ月後ハッキリするだろう。
父クロフネ母フサイチエアデール、息子のリシャールと松田国厩舎縁の血統。
フサイチジャンクを取らずこちらを選んだ調教師の眼は確かだったようだ。
2着:スーパーホーネット
中団から直線で弾けてあわやの2着、末脚の鋭さはメンバー中髄一といっていい。
ショウナンタキオンのように"不器用ながら最後斬れる"のではなく、
"しっかり中団につけて直線のあの末脚"は将来性を感じさせる。
内容を見る限りでは3強を完全に崩したといってよく、クラシックでも期待。
距離が伸びてどうかという不安はあるが、来年の候補生を堂々名乗れる内容。
3着:ジャリスコライト
多少掛かったのもあったのか、直線それほど伸びなかった。
4角から直線に入る辺りの不甲斐なさにはホトホトげんなりだが、
何だかんだ言っても3着、メンバーの中では能力は幾らか抜けていた。
もう少しスムーズな競馬が出来ればという印象、もう一度見てみたい。
4着:ショウナンタキオン
まぁ中山の1600mじゃこんなもんだべさ。
出遅れ癖が治らない限り微妙感が付きまといそうな印象。
能力はあるんだがなぁ・・・、如何せん不器用すぎる。
やはりカッチーの呪いなんだろうか。
5着:ダイアモンドヘッド
位置取りといいスムーズさといい、武豊の腕が騎手の中で1枚抜けているのは確実。
今回は馬がそれに追いつけなかったという感。
馬の評価としては、現状じゃこんなもんなんだろうなぁ・・・。
6着:ディープエアー
勝負どころでスムーズに上がりたかったという感じ。
バテず伸びず・・・。
7着:ダノンブリエ
スタート直後の不利でレース終了、7着に追い上げただけ立派。
来年に期待してみよう。
8着:アポロノサトリ
まぁこんなもんでしょ・・・。
9着:エムエスワールド
ステイゴールド産駒に2歳GIを獲れというほうが無理なのかも。
今後の成長に目を向けたいが、現状では過度の期待はできまい。
12着:デンシャミチ
ジリ脚なのにスローで1分33秒台の決着では出番が無い。
時計のかかる馬場or展開なら活きてくるんだがなぁ・・・。
重賞ウィナーもこうなると形無し。

総括

何度も言うけども、このレースに勝ったからっつって、
将来が約束されるって事はなく、クラシックに限れば明らかに不向きだし。
とは言えグラスワンダー・エイシンプレストンの例もある。
フサイチリシャールがグラスワンダーやエイシンプレストン、
或いは一頓挫あったとしてもアドマイヤコジーンになれるか、
エイシンチャンプ・マイネルマックスに留まるか、来年に注目したい。
競走馬としてはフジキセキにさえならなければそれでいい。