M-1GrandPrix06

Last-modified: 2006-12-27 (水) 02:05:21

AUTOBACS M-1グランプリ 2006

2006年12月24日(日) 18:30~20:54
ABCテレビ・テレビ朝日系全国24局ネット生放送(テレビ朝日内スタジオ)


ルール

番組を見れば分かるよね…。
参加資格は結成10年以内、それさえ守られていれば(実際守られてないけど)国籍すら問われない。
実際のところ漫才以外、コントやトーク、歌やモノマネなども認められていたはず。
ただしセットを伴うものはご法度、スタンドマイクの前でと言うスタイルが求められる。
テツandトモやザ・プラン9、オリエンタルラジオなどもネタで困るわけではない。
ネタは4分以内、それを越えると得点から減点されていくシステム。

出場メンバー

名称メンバー所属M-1キャッチコピー結成年
1POISON GIRL BAND阿部智則・吉田大吾吉本興業 東京暴走する異次元漫才2000年
2フットボールアワー岩尾望・後藤輝基吉本興業 東京帰ってきた王者1999年
3ザ・プラン9浅越ゴエ・鈴木つかさ・ヤナギブソン吉本興業 大阪5人の漫才革命児2002年
なだぎ武・お~い!久馬
4麒麟田村裕・川島明吉本興業 大阪空腹のファンタジスタ1999年
5トータルテンボス藤田憲右・大村朋宏吉本興業 東京ハンパねぇ渋谷系漫才1998年
6チュートリアル徳井義実・福田充徳吉本興業 大阪華麗なる妄想族1998年
7変ホ長調彼方さとみ・小田ひとみアマチュア史上最強のアマチュア2005年
8笑い飯西田幸治・哲夫吉本興業 大阪予測不能のWボケ2000年
9敗者復活枠敗者復活戦勝者12/24決定

暴走する異次元漫才 POISON GIRL BAND

鷹揚の無いどちらかと言うとまったりしたテンポで流れるボソボソ漫才。
ロンゲ阿部のとんでもない天然ボケな香りと、ノッポ吉田のどこかピントのずれたツッコミは、
派手さはないものの独特の世界観の中にしっかり漫才らしさを創りあげている。
東京芸人の中において珍しく漫才メインで関係者から高い評価と将来性を買われている。
不利なトップバッターだが、力を出し切れなかった04年のリベンジに燃えているはずだ。

帰ってきた王者 フットボールアワー

コンビ結成後瞬く間に関西若手漫才師の賞と言える賞をを総なめ、03年にはM-1優勝。
結成5年内での上方お笑い大賞受賞はあの「やすきよ」以来の快挙と、まさにトップクラスの実績。
それに相応しい実力を誇り、ノンちゃんこと岩尾の「奇跡のブサイク」に頼ることなく、
シュールなボケと明快なツッコミで王道を行く正統派漫才は若手とは思えない堂々たる物。
史上初の2大会制覇に笑いの神が2番枠という試練を与えた、王者の挙動に注目したい。

5人の漫才革命児 ザ・プラン9

5人漫才という珍しいジャンルを開拓、各々がピンでも活動するなど異色派。
全国的には03年R-1ぐらんぷり優勝の浅越ゴエ(眼鏡のアナウンサー)が目立つものの、
久馬の分かりやすいボケ、鈴木のマニアックなモノマネ、なだぎの奇妙な動き、
それを一手にツッコむヤナギブソンの簡潔なツッコミなど見るものは多い。
如何に飽きさせず5人が5人のカラーを出し切るか、難題は多いが前評価は高い一組だろう。

空腹のファンタジスタ 麒麟

第1回大会で吉本関係者すら知らない無名のダークホースとして決勝に駒を進め、
以来無名コンビの決勝進出は「麒麟枠」と称されるほどにM-1に衝撃を与えた、麒麟です。
「茶色い貧乏」田村を徹底的にいじりたおす川島のボケは不釣合いな位に「えぇ声」。
そしてそのボケに必死で抵抗する田村のツッコミはやっぱり「茶色い貧乏」そのもの。
6回中5回決勝進出のM-1チルドレンが麒麟枠から本命に繰り上がり悲願の戴冠へ向けて動き出す。

ハンパねぇ渋谷系漫才 トータルテンボス

ハンパねぇ程に今時の若者が使ってそうな渋谷系ワードを使いまくる一方、
明らかに時代錯誤な古風なワードを穏やかじゃない頻度で繰り出す異色漫才。。
アフロと今時の若者、絶妙に織り交ぜる独特のスタイルは彼らにしか出来ない芸。
ネタのラスト、スローモーションで行われる「今日のネタのハイライト!」。
今年4月にコンビ同時結婚を発表、結婚式の資金を得るため夫2名が妻のために優勝を誓う。

華麗なる妄想族 チュートリアル

いつでも顔がテッカテカなツッコミ福田を舞台上で笑わせるほどにイケメン徳井のボケが暴走。
何でもないような事にいちいち食いつき、そこから異様な妄想を膨らませていく徳井に、
はじめは福田も突っ込むものの、いつの間にかそのペースにはまる漫才は見るものを引き込む。
第1回大会で10組中8組(著名人審査員のみでは10位)の低評価から4年の歳月を経た昨年、
松本人志に「面白い」と言わせた執念が実を結んだか、今年の上昇が目立つ優勝候補の1組。

史上最強のアマチュア 変ホ長調

年齢非公開ながら明らかに40を越えたおばちゃんと30台半ばのやはりおばちゃんが、
主婦の井戸端会議でもしてるかのようなトークを繰り広げるアマチュアコンビ(らしい)。
M-1に出るためだけにコンビを結成、昨年初出場で準決勝敗退も2年目の今年は決勝進出。
おばちゃんOLのアマチュアコンビながら名立たる漫才師を破ってここまで進出してきた。
今年の麒麟枠ながら俄然注目が集まる大穴コンビ、その実力や如何に。

予測不能のWボケ 笑い飯

ボケとツッコミが随時入れ替わる変幻自在のダブルボケで、第2回大会から安定して決勝進出。
ノンストップで繰り出されるボケ倒しは予測不能で行きつく暇も与えない。
異端でありながらスタンドマイクを挟んでの喋りは漫才のそれであり、
その事からも「意外性」「基本」の両方を兼ね備えた漫才が関係者の評価を集めている。
麒麟と共に決勝出場回数5回の重鎮が絶好の8番枠を引いて、悲願の戴冠へ一歩前進。

展望

M-1のMはMANZAIのM、やはり漫才に重きを置くのであろうか。
コント芸人や(良い意味での)ヨゴレ芸人、或いは企画物で有名な人気先行のお笑い芸人よりも、
日ごろから漫才を叩き込まれているいわゆる漫才師が決勝に残るのは当然と言えば当然だろう。
とは言え吉本主催で9組中7組が吉本所属(残り2組はアマチュアと参加未定の敗者復活枠)は若干偏りが見られる。
全国的なことで言うと「思っていたより面白くないかも」という結果になることも有り得ないとは言い切れない。
漫才No.1決定戦でありコントではない、と言うことを予め知っておいた上で観賞した方が良いのかもしれない。
と言う意味では漫才のメッカは関西にあるといってよく、関西勢に優位性を見る。
1回(中川家)・3回(フットボールアワー)・5回(ブラックマヨネーズ)の3大会で大阪吉本所属漫才師が、
2回大会も松竹ではあるものの関西が地元の「ますだおかだ」、例外はアンタッチャブルのみである。
 
ここ2年ほど影に隠れていたフットボールアワーは実力と実績共にNo.1クラスだろう。
正統派漫才を関西上方お笑い界で数年積み重ねた実績に加え、神から与えられた岩尾の見た目、
それを上手くいなしていく後藤の的確なツッコミは大きな武器、本命に相応しい。
惜しむらくは枠順、2番目は大きなマイナスポイントになる、ここがどう転ぶか。
 
後を追うのは(個人的に)チュートリアルと見る。
分かりやすいながらも独特の漫才が万人受けしやすく良い線行きそう。
特に徳井の異質なキャラクターは一度嵌ると本当に病み付きに、相方福田をも笑わせる程の入り込み様。
また出場回数の多さが即ち実力や実績に繋がるかと言えばそうでもなく、
昨年見たようなネタが数年続く可能性がある笑い飯やパンチ力のない麒麟と比べ、
今回で3回目の(第1回大会に至っては汚点であり存在感すらなかった)彼らは有利。
 
麒麟と笑い飯は決勝進出5回の豊富なキャリアがどちらに作用するか。
麒麟は目下売り出し中で全国的な知名度が高く前評判では一番人気。
川島の「えぇ声」も田村の「貧乏幼少時代」と、個々の存在感も十二分にある。
スタイルが固定されない分笑い飯よりも上位に取る事が可能で、
進化していれば確かに優勝も狙える存在だろう。
 
ダブルボケという単一武器しか持っていない笑い飯は5年連続決勝進出が仇になりかねない。
この手のタイプは飽きが早く来てしまう、ダブルボケと言う束縛が進化を妨げるのも痛い。
とにかくテンポ、ボケとツッコミのサイクルをどこまで単純化できるかが勝負を決めそう。
やはり、毎年同じような事をやっていては優勝は狙えまい、両者はここが試金石だと言える。
 
東京所属ながら漫才という舞台においてはPOISON GIRL BANDがかなり進出しそう。
○ンタの神様では契約上なのか構成上なのか、うだつの上がらないコントを強いられているが、
やはり彼らは漫才があっており、トップバッターながらインパクト次第ではと思わせる。
同じく東京トータルテンボスはその口調が高年齢層に若干不利に働きそうだが…。
喋りである以上は聞き取り理解できないと内容を吟味するところに至れない。
若さと勢いはあるが、場数を踏む事で得られる経験や知識が、
彼らの漫才にどこまでそれに付随しているかで大きく左右されるだろう。
 
問題はザ・プラン9。
4分に5人の個性を集約するのは非常に困難を極めそうだ。
5人漫才となるとコンビよりも息の合わせ方や話題の中心の据え方など工夫が必要になってくる。
持ちネタを純化しプラン9らしさを見せれば優勝も狙える素材だが果たして。
 
変ホ長調は昨年準決勝のあのスローテンポと棒読みからどこまで素人脱却を図れているか。
勢いは認めるが流石に去年のあれを見る限りでは厳しそうな印象を受ける。
 
話題を集める敗者復活枠だが、現時点でのリストを見る限りやはり関西吉本有利か。
アジアン・ジャリズム・千鳥・とろサーモン・NON STYLEなど有名どころがひしめいている。
そんな吉本に待ったを掛けるのは、なすなかしに(松竹)やキャン×キャン(ヴィジョン・ファクトリー)辺りか。
ここから決勝に進出してもそのまま最終ラウンドまで進めそうな名前は見当たらない。
しかしそんなところから意外な超新星が頭角を現し、それがアンタッチャブルII世となる事は十分にありうる。
 
一番の決め手は決勝ラウンドに残る決勝1回戦のネタのインパクト、
そしてそれを持続(或いはそれを上回る)2回目のネタの斬れ味と存在感。
つまり客を笑わせる得意ネタを2つ以上持っている組が有利となる。
やはり場慣れしたフットボールアワーは評判以上のものを持っていることは間違いなさそうだ。

予想

えあ

◎:チュートリアル ○:フットボールアワー ▲:麒麟
穴:ザ・プラン9・POISON GIRL BAND
うーん。チュートリアルとフットボールアワーは出場順序の関係から互角と見る。
麒麟がどう化けるか、笑い飯は徐々に退化している印象を受けるため外した。
プラン9は文字通り大穴というか予測が付きづらい、PGBはトップバッターじゃなけりゃなぁ・・・。

結果 (録画の人ネタバレ注意)

1位:チュートリアル  2位:フットボールアワー  3位:麒麟
4位:笑い飯 5位:トータルテンボス 6位:ライセンス(敗者復活)
7位:ザ・プラン9 8位:変ホ長調 9位:POISON GIRL BANB
 
オリジナリティの新鮮さと完成度、意外性。
常連には新鮮さと意外性がネックで、笑い飯と麒麟は既に大きなハンデ。
毎回新鮮な目で見る事が出来ない我々にも問題はあるだろうけれど、
図らずも常連になってしまった以上、彼ら自身にもその責はあろう。
特に笑い飯は早い段階で自分のスタイルを確立してしまったために、
その狭いスタイルの中で毎回ネタを弄る程度の変化しかさせてもらえない。
そのスタイルの中での彼らを周り(我々)が期待している以上今更変える事も出来ず、
あまりに高いハードルなんじゃないかと思う、でもそれも芸、仕方ない。
 
POISON GIRL BANDと比較され思うほど上に位置取る事が出来なかったフットボールアワー。
前3組の流れを引き継いでしまい笑いたい欲を弾けさせる事が出来なかった麒麟。
そんな指摘を受けたあとCMを挟んだ一発目で爆発させたチュートリアル。
マンネリ化してしまった笑い飯、と明暗が分かれてしまった決勝1回目。
勝負所で噛んでしまった麒麟(しかしそれが致命傷になることなく進ませた手腕は見事だった)。
面白いには面白かったが岩尾の声が聞き取りづらかった事が流れを淀ませてしまったフットボールアワー。
そんな2組のあとに出てきたチュートリアルは、
1回目1位通過の流れを更に昇華させ、圧倒的な笑いを植えつけての完封勝利。
 
徳井の得意な特異ネタが完全に流れを引き込みチュートリアルワールド一色に染めきった。
 

短評

1位:チュートリアル
第1回の酷評から昨年第5回までの不在期間が良かったんじゃないかな。
昨年での大きな進歩で関係者からかなり期待されていたように思う。
そしてそれに真正面から(同じ系統のネタで勝負し)応えた事が評価されたんだと思う。
去年のネタも確かにもう一度見たいと思わせるものだったし。
雑誌のインタビューで答えていたように、彼らはM-1をネタ発表会と捉えている節がある。
いつも通りのびのびMy Styleでやりきれたのは彼らだけだったんじゃないだろうか。
 
2位:フットボールアワー
恐らく岩尾のシャウトが聞き取りづらいネタを選んだ事が敗因、痛恨の極み。
致命的なミスだったのではないだろうか、正統派扱いされていただけに・・・。
決勝1回戦と決勝ラウンドでのギャップがあまりに酷かったように思う。
 
3位:麒麟
決勝1回戦の田村アドリブ「麒麟はお前がしっかりしろ」に神が宿ったものの、
決勝ラウンドでは二人とも噛んでしまい神が再び宿る事はなかった。
気負いすぎたのかね、勿体無いと思わせる内容だった、あと前述の通りマンネリ。
 
4位:笑い飯
昨年の内容が酷かった分、今年はいくらかテンポを上げた事を評価したい。
けれど長年見てきている人にとっては麒麟以上にマンネリ化していることは否めない。
5位:トータルテンボスはネタが熟成されていけば今後飛躍があってもいい、でも現時点では順当かも。
上4組が名立たる賞を相次いで獲得している中、彼らは関東ということもあり無冠。
オリジナリティは高い物があるだけに来年期待、成長株なんじゃないかな。
6位:ライセンスは良かったと思うよ、所謂人気先行型の中ではかなり良い部類だと思うよ。
・・・でも芸暦の割にやっぱ何か足りないんだよね、漫才師でなくお笑い芸人が似合う感じ。
7位:ザ・プラン9は5人という人数の多さが4分では活かしきれなかった感、6分前後は欲しいスタイルかな。
テンポは良かった、舞台の使い方もうまい、けれどコントの方がしっくりくる・・・。
8位:変ホ長調、あのネタをアジアンあたりがやれば上位なのにっていう感じ。
ネタは最高だけどテンポは最悪だった、でも評価できる、これより下に3000組以上いたわけだし。
9位:POISON GIRL BANDは・・・なんつかエンジン掛かるの遅すぎだ。
もっと点火が早けりゃこんな成績で甘んじる事もなかったはず。
相変わらず大舞台で弱いところを見せてしまったって感じ、順番以前の問題。
斬れは前回出たの決勝の方が数段上だと見る、惜しい。