第57回 阪神ジュベナイルフィリーズ
THE HANSHIN JUVENILE FILLIES (GI)
2005年12月4日 (日)
芝・右 1600m 2歳 牝 混合 指定 馬齢(2歳54.0kg)
展望
2歳戦開始は夏だが競走馬のデビューは早熟な馬であれば、このレースが行われる半年前の2歳夏。
晩成傾向の馬であればこのレースの終わった後~3歳夏であったりと、バラバラ。
また若い馬という事で些細な事に気を奪われたり、能力を発揮できるかどうかという点もあり、
現時点での実績が即ち能力の高さに結びつかない難しさがある。
2歳馬というだけで予想は困難を極めるだろう。
とはいえ現時点での中心は間違いなくこの馬、アルーリングボイス。
既に5戦4勝とかなりの実績に色々な展開を経験している強み。
前走ファンタジーSでは直線で34.1の末脚を繰り出して優勝
父フレンチデュピティに母父エンドスウィープを見ると、
直線でゴボウ抜きにする卓越したスピードにも納得。
それまでの4戦は大体逃げ・先行だった事もあり、
どんな展開にも対応できそうな柔軟さを垣間見た。
阪神1400mききょうSを経験しており坂は大丈夫だろうが、
意外にもマイル戦は初めて、距離1600mがどう出るかが焦点。
ファンタジーS2着はラッシュライフ。3戦1勝だが重賞2着2回。
函館2歳Sではモエレジーニアスに敗れたものの連闘で2着。
ファンタジーSでもアルーリングボイスにこそ敗れたが、
3着以下には大きく差をつけており、能力は上位。
サクラバクシンオー産駒なだけに初のマイル戦は不安。
更に阪神の坂と不安材料もあるが、ここでも上位か。
ファンタジーS5着、デビュー戦から3連勝したコスモミール。
新潟2歳Sの3着はショウナンタキオンに大きく差をつけられた。
しかし流石に相手が相手だけにしょうがない印象も。
ファンタジーSも上記2頭が居たがこちらは少し物足りない結果。
とは言えまだまだ馬体に良化が見込めるのはポイントか。
新潟でマイルを経験しているものの、坂は初となる。
目標としていた京王杯2歳Sで、ハナ+ハナ差の3着だったコイウタ。
層の薄い牡馬面々を相手にしてのこの内容、どう評価するか。
マイル戦への不安もあるが府中の1400m経験ならなんとか。
全くもってどーでもいい話なんだけどもオーナーは(有)前川企画。
演歌歌手"前川清"(57)と社台Fの吉田代表が共有、命名は吉田代表。
由来は恐らく前川氏の持ち歌"恋唄"からだろう。予想とは全く関係ない。
抽選馬は11頭中6頭が出走可能、中でも出てくればと思わせるのは、
1800mのデビュー戦で6馬身差好タイムで圧勝、弩級フサイチパンドラ。
距離短縮やこれが2戦目などの懸念もあるが実力は一級品。
既にクラシック級との評価もされており、出てくれば一気に上位人気。
他には抽選馬であるなし問わずこのような感じ
クロフネ産駒でデビュー当時話題となったプラチナローズ。
しかし5戦して勝ち距離が1200mの2勝というのが気掛かり。
グレイスティアラ、前走エーデルワイス賞(門別)を快勝、3戦2勝。
デビュー戦と前走がダート1200m、芝は新潟2歳Sの4着がある。
2戦2勝で挑むのはテイエムプリキュア。
勝因に距離的なものと展開的なもの、そのどちらにも恵まれた感はある。
注目度は低いがなかなかの逸材は3戦2勝アイスドール。
赤松賞の34.1は低評価をあざ笑うような鋭いものだった。
エイシンワシントン産駒の快速娘エイシンアモーレ。
小倉2歳Sからの久々となるが阪神1400m経験済み。
380kgと小柄ながら夏場に善戦を続けたセントルイスガール。
4勝馬、重賞馬、1勝馬、キャリア1戦馬、実にさまざまなメンバーで、
どの馬が勝っても可笑しくないだけに予想しづらいレースだろう。
(ちなみにこのレース、勝っても将来的に有望というわけではないから性質が悪い。)
予想
姐御
◎アールリングボイス ○コイウタ ▲フサイチパンドラ
△セントルイスガール エイシンアモーレ アイスドール
注プラチナローズ テイエムプリキュア
勝ちっぷりを重視
えあ
◎フサイチパンドラ
○エイシンアモーレ
▲アイスドール
△コイウタ・シークレットコード・アルーリングボイス
注グレイスティアラ
基本的に好き嫌いでしか選ばないのが2歳戦。アルーリングボイス以外はほぼ好みで。
不動の本命に見えるアルーリングボイス、過去同様惜敗してきた先輩に敬意を評しこの評価。
ダート馬で終わりそうだけど一応、グレイスティアラを引っ掛けておくことにする。
結果
| 着順 | 枠 | 馬番 | 馬名 | 姐御 | えあ | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 馬体重 | 人気 |
| 1 | 6 | 12 | (市)テイエムプリキュア | 牝2 | 54.0 | 熊沢重文 | 1:37.3 | 478 -2 | 8 | |||
| 2 | 3 | 5 | シークレットコード | 牝2 | 54.0 | 藤田伸二 | 1:37.5 | 1 1/2馬身 | 480 -18 | 9 | ||
| 3 | 8 | 16 | (市)フサイチパンドラ | 牝2 | 54.0 | 角田晃一 | 1:37.6 | 1/2馬身 | 486 -8 | 2 | ||
| 4 | 2 | 4 | エイシンアモーレ | 牝2 | 54.0 | 福永祐一 | 1:37.6 | クビ | 454 +4 | 4 | ||
| 5 | 5 | 9 | (父)アサヒライジング | 牝2 | 54.0 | 小林淳一 | 1:37.8 | 1 1/2馬身 | 514 +8 | 6 | ||
| 6 | 1 | 1 | (父)コイウタ | 牝2 | 54.0 | 横山典弘 | 1:37.9 | 1/2馬身 | 460 -2 | 3 | ||
| 7 | 8 | 18 | アイスドール | 牝2 | 54.0 | 藤岡佑介 | 1:38.0 | 1/2馬身 | 434 +4 | 5 | ||
| 8 | 4 | 7 | (市)コスモミール | 牝2 | 54.0 | 木幡初広 | 1:38.1 | 1/2馬身 | 448 +4 | 10 | ||
| 9 | 4 | 8 | シェルズレイ | 牝2 | 54.0 | 松永幹夫 | 1:38.2 | クビ | 460 +8 | 14 | ||
| 10 | 8 | 17 | (父)ベストストーリー | 牝2 | 54.0 | 渡辺薫彦 | 1:38.4 | 1 1/4馬身 | 436 -8 | 16 | ||
| 11 | 2 | 3 | ブラックチーター | 牝2 | 54.0 | 安藤勝己 | 1:38.4 | ハナ | 420 -10 | 7 | ||
| 12 | 3 | 6 | (父)(市)クリノスペシャル | 牝2 | 54.0 | 上村洋行 | 1:38.4 | アタマ | 470 +4 | 15 | ||
| 13 | 5 | 10 | (父)サチノスイーティー | 牝2 | 54.0 | 中舘英二 | 1:38.5 | クビ | 432 -8 | 17 | ||
| 14 | 7 | 14 | アルーリングボイス | 牝2 | 54.0 | 武豊 | 1:38.7 | 1馬身 | 440 -6 | 1 | ||
| 15 | 6 | 11 | (外)セントルイスガール | 牝2 | 54.0 | 小牧太 | 1:39.0 | 2馬身 | 398 +2 | 11 | ||
| 16 | 7 | 13 | (父)グレイスティアラ | 牝2 | 54.0 | 田中勝春 | 1:39.8 | 5馬身 | 458 0 | 12 | ||
| 17 | 7 | 15 | プラチナローズ | 牝2 | 54.0 | 岩田康誠 | 1:40.0 | 1 1/2馬身 | 462 -2 | 13 | ||
| 18 | 1 | 2 | キーレター | 牝2 | 54.0 | 太宰啓介 | 1:40.9 | 5馬身 | 454 -8 | 18 |
短評
1着:テイエムプリキュア
フサイチパンドラを競り落とす根性、2歳らしからぬ落ち着き、どちらを取っても非凡。
スピードというよりはパワーと勝負根性という馬か。
8番人気と言えども2戦2勝、中間に外傷のアクシデントこそあったものの良化もあり、
上がりが35秒台のこのレースなら類稀なる根性も相まって、この結果も不思議ではなかった。
阪神特有の時間の掛かる馬場に降雨が加わり、挙句には雷鳴、
落ち着きがあり根性を持つ馬が勝つ、直前でふとこの馬が頭を過ぎった。が後の祭り。
プリキュアってあのプリキュア、はい。こんな名前でGI馬ってどーなの。
熊沢騎手が銀髪、杉本清をして白熊と言わしめる、馬名といい鞍上といい(苦笑)
2着:シークレットコード
馬体重の大幅減は渾身の仕上げか。
逃げ馬と先行数頭を見るようにエイシンアモーレと共に良い位置取り。
直線内にコイウタを置いてまず交わし、次はエイシンアモーレを交わす。
外のテイエムプリキュアには交わされてしまったもののフサイチパンドラを凌ぎ堂々の2着。
まだまだこれが2走目、ここでの賞金上乗せは大きく価値ある2着だろう、来春が楽しみな1頭。
3着:フサイチパンドラ
外目枠というのもあってか、あまり前のほうにはつけられなかった。
また同じような位置にアルーリングボイスやアイスドールなども居てかなり難しい位置となった。
その上大飛びなパンドラにとってはこの馬場状態も向いておらず、
先に挙げたような後方勢が軒並み今ひとつだったことを考えれば、流石と言ったところ。
将来的に考えるとこれくらいの順位で丁度良い。
来春のクラシックへ向けまずは自己条件だが、楽々行くだろう、たのしみ。
4着:エイシンアモーレ
休み明けながら良い仕上がりだったし、それに応えよく走ったと思う。
距離不安もなんのその、マイルは十分カバー範囲。
5着:アサヒライジング
先行して良い粘り。何だかんだでこのコース、差し有利な中悪くない成績だろう。
6着:コイウタ
最内枠が裏目に出た感じ、先行せざるを得ない展開で自分の競馬が出来なかったか。
7着:アイスドール
こちらは大外枠で仕方なく直線に賭ける競馬。やむなし。むしろよく頑張った。
馬場はこなせたのかしら・・・アルーリング見る限りこっちはまだこの馬場でも何とかなったのか。
14着:アルーリングボイス
原因が分からない。・・・。
何て言ったら怒られますよ? 馬場、枠、展開、全てにおいて向いてなかった。
でもアイスドールのそれも同じ条件だと思うと流石に、
仕方ないの一言で片付けるには支持され過ぎだろう、1番人気らしからぬ惨敗。
15着:セントルイスガール
距離か馬場・・・どっちかかその両方か。
外を走らされたのも響いたかも、多少内に入れられたら少しは違ったか。
16着:グレイスティアラ
ダート馬かねぇ・・・。まぁ早い段階で色々試した方がいいんだし、結果おーらい。
17着:プラチナローズ
うーむ・・・、絞りきれなかったってわけでも無いだろうし、疲れもあるのかも。
まぁ距離だと思うんだけどなぁ・・・。