JapanCupDirt05

Last-modified: 2006-05-31 (水) 15:56:34

第6回 ジャパンカップダート

THE JAPAN CUP DIRT (GI)
2005年11月26日 (土)
ダート・左 2100m 3歳以上 国際 指定 定量(4歳上牡57.0kg 4歳上牝55.0kg 3歳牡55.0kg 3歳牝53.0kg)

日本の大将格はタイムパラドックスだろう。
何といっても2000mを超えるレースでは抜群の実績を残しており、
死角らしい死角はJBCクラシックまで見当たらなかった。
見当たらなかったという過去形にせざるを得ないのは乗り代わり。
主戦武豊が新星カネヒキリを選んだことはやはりマイナスといわざるを得ない。
しかしまぁ、能力的なものより将来性を見た感もあり、
大きなマイナスとは言えない、しかも乗り替わっても名手O.ペリエにだし。
先週のハットトリックを見る限り、不調はもう過去のものだろう。
2連覇の期待、古馬大将格としてのメンツ、中距離王者、
色んな重圧はあるもののあっさり勝たれてもおかしくない。
 
そして対抗には未知の魅力十分なカネヒキリが挙がろう。
武豊は将来性を買っての選択だというのが大方の見解だが、
果たして真意はどうなのか、それは本番まで分からないかもしれない。
前走武蔵野Sは勝ち馬サンライズバッカスとは3kgの差で57kgの酷量、
そこにに出遅れが響いての2着だが、新たな走りを見出したのは収穫。
負けて尚強しといった感じで、まだまだ3歳No.1は揺ぎないといえる。
王者の2連覇を阻む最有力候補、少なくとも来年以降を見据え大敗は許されず。
 
サカラートはGIで今ひとつの成績だが、東海Sからの3連勝は目を引く。
旭川ブリーダーズGCではタイムパラドックスを破っており、
距離が長くなればなるほど良い(ように見える)、東京の2100mは歓迎か。
また、鞍上にL.デットーリを迎えるのは大きなプラス材料。
イーグルカフェをテン乗りで優勝に導いた名手の力添えは決して無視できない。
 
パーソナルラッシュはこのところ出遅ればかり。
能力は決して上位と引けを取らないのだが・・・、広い府中がプラスになるか。
まともにスタートすれば上位を脅かすどころか勝ちまでさらっていく可能性も十分。
シーキングザダイヤは前走JBCクラシックが案外で2000m前後よりはマイルか。
しかし川崎記念2着の距離実績と、フェブラリーS2着のコース適正もあり、
あまり軽視しすぎると痛い目にあいそうで取捨選択が難しい。
サンライズバッカスはカネヒキリを破ったが距離が1600mではあまり収穫とも言えず。
キャリア面での不安が大きいが、能力がないわけではない、一発はある。
アジュディミツオーは前走武蔵野Sで府中の感触を確かめて本番へ挑む。
59kgから2kg減り、距離も伸びて更に上昇が期待できるだろう。
昨年の東京大賞典の再現、そしてJCDの地方馬初優勝を目論む。
ユートピアは大事なところで後退していく癖がどんどん酷くなっている。
直線長い府中ならフォローも出来そうな気はするが、
その分相手も相当なメンバーが揃っており、やはり悪癖は減点。
 
ハイアーゲーム・ストーミーカフェの両馬はダート実績を語る事ができず。
勝たれたら勝たれた時と割り切るか、或いは心中する勇気が必要。
出走は未定だがヒシアトラス・ジンクライシスの両馬。
出走の可能性が残るヒシアトラスは堅実だがワンパンチ足りない印象。
それよりも除外っぽいジンクライシスに魅力がある。
昇級出来ないじれったさとは裏腹に、GIでも十分やれる能力を持っている。
 
海外勢の中でも注目はラヴァマン(LAVA MAN)、
ハリウッドゴールドカップH2000mが1.59.63、8 3/4馬身差は脅威。
その後8月のパシフィッククラシック2000mを3着、
10月のジョッキークラブGC2000mが7着と今ひとつ。
ハリウッドGC時のパフォーマンスを発揮できればここも十分照準内だが…。
タップデイ(TAP DAY)はいわゆる上がり馬で初重賞制覇が10月のGII。
優勝後はBCクラシックとの間隔が短い為、JCDに照準を合わせてきた。
アメリカ重賞戦線でも上位で安定していたが、
一級を避けてこちらに来たって心意気がマイナス(苦笑)
エキセントリック(ECCENTRIC)はイギリス馬という異色の存在。
近年イギリスに導入された全天候型馬場(ポラトリック)のスターホース。
どうやらダートを向こうではそう呼ぶようだ、能力は未知と言って良い。
 
意外と当たり前のようで軽視しているが、
芝に限らず海外と日本ではダート馬場の砂の質が違う。
ダートでも馬場適性は重要であるという事を頭に入れておきたい。

予想

姐御

◎サカラート ○タイムパラドックス ▲ラヴァマン △カネヒキリ
 
枠で勝負で

えあ

◎:タイムパラドックス ○:カネヒキリ ▲:パーソナルラッシュ
△:ラヴァマン・ジンクライシス 注:サンライズバッカス

結果

着順馬番馬名姐御えあ性齢斤量騎手タイム着差馬体重人気
1510(父)(市)カネヒキリ  牡355.0武豊2:08.0レコード514 +41
247(外)シーキングザダイヤ  牡457.0横山典弘2:08.0ハナ484 -1111
336(外)スターキングマン  牡657.0K.デザーモ2:08.0クビ462 -613
435タイムパラドックス  牡757.0O.ペリエ2:08.21 1/4馬身462 -33
523サンライズバッカス  牡355.0佐藤哲三2:08.2ハナ470 +65
611(父)シロキタゴッドラン  牡657.0吉田豊2:09.05馬身478 -816
7611サカラート  牡557.0L.デットーリ2:09.21 1/4馬身472 +12
824(市)ユートピア  牡557.0安藤勝己2:09.41 1/2馬身476 -48
959ハイアーゲーム  牡457.0田中勝春2:10.46馬身508 +1010
10714[地]アジュディミツオー  牡457.0内田博幸2:10.5クビ538 +64
1112[外]ラヴァマン  せん457.0C.ナカタニ2:10.81 3/4馬身502 ?6
12713(外)ジンクライシス  牡457.0柴田善臣2:11.75馬身490 +614
1348[外]タップデイ  牡457.0E.コア2:11.8クビ564 ?9
14612(外)パーソナルラッシュ  牡457.0藤田伸二2:12.22 1/2馬身486 +47
15816(市)ヒシアトラス  牡557.0蛯名正義2:12.31/2馬身548 +812
16815[外]エキセントリック  せん457.0D.ホランド2:14.0大差484 ?15

ばらついたスタート、外綺麗なスタートのシーキングザダイヤ。
それを内から交わしてまずはユートピアがハナを奪う。
大外からアジュディミツオーも早めの競馬、
パーソナルラッシュも今日は綺麗なスタート、その内にサカラート。
タイムパラドックスは中団に、後ろにカネヒキリが控える。
海外勢は中団から後方まで、思ったより前に来ない。
ユートピアが引っ張り淀みの無いペース、どの馬にもチャンスがある。
3角を過ぎでユートピアをシーキングザダイヤが捉えかかる。
直線に入る頃にはユートピアの外にシーキングザダイヤが半馬身並んで、
そこから史上稀に見る直線450Mの壮絶な叩き合いがスタート。
まずは内ユートピア、外シーキングザダイヤが叩き合い。
外からタイムパラドックスの脚色がいい、そしてその外にカネヒキリも伸びてくる。
シーキングザダイヤがユートピアを競り落としたところに、
外からカネヒキリ・間タイムパラドックスがぐんぐんと前に。
最内からなんとスターキングマンまでやってくる。
タイムパラドックスが伸びずにここで落ちる。
残り200mを切って内からK.デザーモの鞭に応えてスターキングマン。
間に2着続きの横山典弘渾身の追いでシーキングザダイヤが粘る。
そして外には3歳の勇者カネヒキリと天才武豊。
内から一瞬スターキングマン、しかし外カネヒキリが伸びる。
残り100mで一杯かと思われたシーキングザダイヤが脅威の差し返し。
残り30m、わずかにスターキングマンが後退、残り2頭が叩き合い。
シーキングザダイヤ・カネヒキリの首の上げ下げでゴール。
 
ハナ差でカネヒキリがダート界の頂点へ。
そして横山典はまたもや2着、シーキングザダイヤも2着続き。
3着にスターキングマンが入り、タイムパラドックスは3頭から1馬身離されての4着。
サンライズバッカスがタイムパラドックスとハナ差の5着となった。

短評

1着:カネヒキリ
勝つには勝ったが辛勝、とはいえ4角で大外を回っての1着であり、
2着3着が経済コースだった事を考えれば内容も申し分ない。
3歳戦では圧勝楽勝一人勝ち、併せてどうかとの懸念も今回の叩き合いを制したことで払拭。
着差はハナだが価値のある一勝、3歳の頂点から日本の頂点へ、来年は世界の頂点へと夢が膨らむ。
現時点ではダート版ディープインパクトの名に恥じない成績。
いや・・・古馬をも倒したカネヒキリこそ、真の英雄なのだろう。
2着:シーキングザダイヤ
驚異的な勝負根性。いつか来るとは思ってたけどもマイル戦ではなくこちらで爆発とは。
4角過ぎてからゴールまで併せ馬が続いた事が良い方向に働いたのかもしれない。
川崎記念・フェブラリーS・マイルCS南部杯、そしてこのジャパンCD、今年だけでGI2着が4回。
何とも形容し難い戦績だが、1番人気で一度は勝ったかと思うほどの走りだったのだ。
落雷で亡くなった母シーキングザパールも天国できっと褒めてくれているはず。
典さんまたしても2着…、でも人気考えると呪いって言うより気迫だなこりゃ。
3着:スターキングマン
正直一番驚かされたのはこの馬でしょ、ほぼノーマークの13番人気だったし。
03年の東京大賞典からはや2年が経とうとしているが、GI馬の意地を垣間見た。
でもやっぱり目を見張ったのはK.デザーモの追う姿だったんじゃないかしら。
武豊・横山典の両日本人騎手とは全く異なるスタイルの追い、
そしてその追いに応えるように最内から伸びてくるスターキングマン。
外国人一流騎手の技量をまざまざと見せ付けられた、そんな3着でした。
4着:タイムパラドックス
普段より前につけた分やはり直線の伸びは無かったか。
しかし後ろにつけて直線一気といけるほど今回のレースは甘くもなく、
4着という結果も致し方ないという気もする、満足はしないが。
5着:サンライズバッカス
後方からの位置で3歳馬ということを考えれば上出来か。
最後タイムパラドックスを交わせる勢いだったのだが、
流石にそこは王者、楽には抜かせてくれなかった、が実りある5着だろう。
7着:サカラート
序盤掛かりやすい馬なだけに抑えたり前に馬を置く必要があって、
どうしても抑えなくてはいけないその分上手く前につけづらい。
斬れる馬でもないし、前で直線粘り込めばって馬なんだろうけどなぁ。
乗り難しそうな感じがする。
11着:ラヴァマン
なんつーか・・・芝よりダートの方が日本・海外の間での馬場の質に、
大きな差があるんじゃないかしら、それを確かなものにする結果。
散水か降雨での湿った馬場なら全然違うんだろうけどなぁ。
12着:ジンクライシス
出遅れ。まぁ距離が若干長い印象はあったから仕方ないかな。
14着:パーソナルラッシュ
ムラ駆け。もう支持しない(苦笑)