AUTOBACS M-1グランプリ 2007
2007年12月23日(日) 18:30~20:54
ABCテレビ・テレビ朝日系全国24局ネット生放送(テレビ朝日内スタジオ)
ルール
番組を見れば分かるよね…。
参加資格は結成10年以内、それさえ守られていれば(実際のところ逃げ道が多数あって守られていないが)、
国籍すら問われず、漫才以外でも、コントやトーク・歌やモノマネなども認められている。
ただしセットを伴うものはご法度とされ、必ずスタンドマイクの前で立ってというスタイルは厳守。
ネタは4分以内、それを越えると得点から減点されていくシステム。
審査員(12/19現在)
企画から携わっている島田紳介・松本人志の両名の他、
週刊誌やワイドショーの報道どおり「なにわのカリスマおばはん」上沼恵美子、
芸と仕事には妥協と甘えを一切許さない「マッチョなスパルタ」オール巨人、が確定している。
ピンでトークが中心の上沼はともかく(と言っても彼女も漫才師を経験しているが)、
芸に対して相当ストイックなオール巨人が審査員に加わった事は、大きなターニングポイントになりそうだ。
出場メンバー
| 順 | 名称 | メンバー | 所属 | M-1キャッチコピー | 結成年 |
| 1 | 笑い飯 | 西田幸治・哲夫 | 大阪吉本興業 | 予測不能のWボケ | 2000年 |
| 2 | POISON GIRL BAND | 阿部智則・吉田大吾 | 東京吉本興業 | 屈辱からの脱出 | 2000年 |
| 3 | ザブングル | 松尾陽介・加藤歩 | ワタナベエンターテインメント | 奇跡の顔面 | 1999年 |
| 4 | 千鳥 | 大吾・ノブ | 大阪吉本興業 | オレ流漫才 | 2000年 |
| 5 | トータルテンボス | 藤田憲右・大村朋宏 | 東京吉本興業 | ハンパねぇラストチャンス | 1998年(4月) |
| 6 | キングコング | 西野亮廣・梶原雄太 | 東京吉本興業 | 帰ってきたスーパールーキー | 1999年 |
| 7 | ハリセンボン | 近藤春菜・箕輪はるか | 東京吉本興業 | (デブ+ヤセ)×ブサイク=爆笑 | 2004年 |
| 8 | ダイアン | 西澤裕介・津田篤宏 | 大阪吉本興業 | お笑い月見草 | 2000年 |
| 9 | 敗者復活枠 | 敗者復活戦勝者 | 12/23当日決定 | - | - |
予測不能のWボケ 笑い飯
このメンバーからすると恐らくキングコングと共に頭1つ抜けた本命に祭り上げられそうだが、
Wボケに新たなスパイスが加わらない限りビッグタイトルを奪取する事は不可能だという予測は昨年と同様。
関東圏ではメディア露出の関係上まだまだやれるだろうが、名古屋以西はかなり飽き気味である。
そして優勝まず無理だろうという最悪の1番枠を引いた、優勝よりまず決勝ラウンド3組に残る事が最優先。
屈辱からの脱出 POISON GIRL BAND
関西圏では見られないスタイルなためまだ余地は残されているがクリエイトの部分で弱いのか、
今ひとつ進化が見られないのは気懸かり。また、大一番、大舞台に弱いタイプなのはキャッチコピーにあるとおり。
食傷気味なのは笑い飯と同じだが、彼らの場合それ以上にくじ運の悪さが致命的、とことん運が無いコンビだ。
1つ出番が遅れた分昨年より順位を上げる事が出来るだろうか…進化したところを見たい。
奇跡の顔面 ザブングル
敗者復活枠を除けば、唯一吉本興業以外からの決勝進出、同時に、数少ない関東芸人でもある。
注目度は薄いが個人的に麒麟枠、フットボールアワーと同じキャッチコピーから分かるとおり岩尾級のミラクルフェイス。
東京芸人にありがちなコントメインのコンビだったが、2004年M-1準決勝進出辺りから漫才にシフトし始める。
未知数の魅力は今年のランナップでは強力な武器、とは言えスタイル的には審査員受けしづらさそうだが。
オレ流漫才 千鳥
ベタな関西スタイルでありながら、随所で見られる「岡山」テイストが良いアクセントに。
とは言えそのベタさや岡山テイストも関東圏においてさほど大きな武器にならず、M-1では苦戦をしられている。
ノブのツッコミよrは大吾の岡山ボケがどこまで通用するかが鍵になるだろう。
個人的に善戦どまりの印象を受ける、関西の中堅どころはちょっと味が濃すぎるんだよね。
ハンパねぇラストチャンス トータルテンボス
早いもので今年が結成10年目のラストチャンス、ハンパネェ渋谷系、ハンパネェあふろ。
喋る言葉から分かるように関東芸人だが、関西での活躍も目立ち、漫才スタイルは確立しつつある。
パンチ不足が否めなかった過去2回の決勝だったが今年はラストチャンスと言う事もあり、
背水の陣で挑んでくる事は間違いない、最後の最後でどこまで脱皮できるか。
帰ってきたスーパールーキー キングコング
周知の通り、ポストナインティナインの最右翼候補。第一回M-1グランプリ以来の6年ぶりの出場。
6年ぶりの影には恐らく梶原(猿顔)の怪我や病気が絡んでいたのだろう、本人達もM-1に掛ける想いはひとしおだったはず。
あっという間に舞台からブラウン管に活躍の場を移したが、当時漫才のレベルは脅威の新人と評されたキンコン。
バラエティ界のネクストジェネレーションリーダーが結成8年目にして見せる漫才は如何に。
(デブ+ヤセ)×ブサイク=爆笑 ハリセンボン
全国的なメディア露出と知名度はメンバーでも屈指、8組中紅一点の女性コンビだがそこには女性らしさなど微塵も見られない。
モノマネや顔ネタばかりが先行しており、時折見られるトークもそれほど上手い印象はなく、漫才は未知数。
それが逆に不気味なオーラを醸し出している、何かしら未知の武器を隠し持っているのだろうか。
キャッチコピーから分かるとおり、顔やスタイル以外で笑いを取れなければとても寒い思いをするだろう。
お笑い月見草 ダイアン
同期や近い世代の麒麟・笑い飯・レギュラーの影に隠れ、彼らに後塵を拝してきた文字通りの月見草的コンビ。
公式での本年麒麟枠、漫才はそれなりにオーソドックスでボケの斬れこそ微妙だがスベる事はあまりないだろう。
ボケのローテンションさが仇にならなければ、漫才スタイル的に上位進出は可能、
しかし致命的ともいえる知名度がネックにならなければ良いのだが……。
敗者復活枠
ある意味決勝8組よりも豪華、本命だった麒麟やオリラジの他にも、
躍進目覚しいNON STYLEやアジアン、関西では有名ななすなかにし、とろサーモン、
昨年旋風を巻き起こしたザ・プラン9、既に中堅レベルのスピードワゴンや東京ダイナマイトなど。
敗者復活枠からの優勝も十分に狙える今年、ラストの9番枠はこれ以上無い有利な枠になりそうだ。
プラン9は浅越ゴエの急性肝炎により準決勝を辞退した事情がありここに懸ける思いは他者と一味違う。
麒麟は07年下半期のプライベートの順調さに反するように下馬評を大きく裏切った手前、何が何でも。
オリエンタルラジオは散々持て囃されたものの期待外れに終わったレギュラー番組が数知れず、
このままでは来年以降全国ネットの番組から降ろされる事が予想され、是が非でも大きな勲章がほしい。
展望
(個人的に、と前置きした上で)思うに・・・・・・・・ハリセンボンはねーわwwwwww
PGBとトータルテンボスはワンパンチ足りない、関東圏だからとかそういうんじゃなくて。
関西圏でも千鳥とダイアンにはどうしてもパンチ不足を感じる現状、
食傷気味でも笑い飯が本命に据えられるのは仕方ない事か。
対抗にはキングコング・敗者枠辺りが挙げられよう、
特に敗者枠はそのまま優勝を掻っ攫うところまで期待されている。
麒麟枠ダイアン、唯一吉本以外からの参戦ザブングル辺りがそれを追う展開。
本命の笑い飯だがトップバッター以上に食傷気味のダブルボケへ危機感を感じる。
一発で優勝者を決めるシステムであったならば、トップバッターの笑い飯に優勝はなかっただったろうが、
M-1は1回目で上位3組を決めるシステム、自分達のネタのあと残り8組のうちで2組までなら抜かれても大丈夫なのだから。
更に、1組目で高いハードルを作っておけば後の組はかなりのプレッシャーにもなり、決して悲観材料とはならない。
前半4組はほぼ完封できる実績を持っている笑い飯、怖いのは後半のキングコング・ダイアン・敗者復活枠だろう。
バラエティ先行でネームバリューが評価されただけだ、blogででかい口を叩き過ぎだ、
などとひたすら酷評を受けるキングコングも第1回大会ファイナリスト、
2~4回準決勝進出と実力は決して低くない、でもまぁ・・・バラエティに傾向しすぎの嫌いは確かにある。
漫才師かどうかと問われると評価が分かれるのはその辺りが原因か。
とは言え小粒な今年のメンバーの中では比較的実力を持った組だと思われる。
ダイアンはボケの鷹揚の無さに一抹の不安を感じさせるが、関西ローカルっぽい正統派漫才、
観衆と審査員の間の温度差はあれど一定の評価はされるはず、今年は違うぜ!という感じは受けないが・・・。
関東・吉本以外、と妙な期待を一身に背負わされているザブングル、
ポンと出た新人ではなく4~6回の3大会連続で準決勝まで進出しており実力面でそこまで劣るものではない。
両者とも初のファイナリスト、流石に優勝とは行かないだろうが本命を脅かす台風の目になれるだけの下地はある。
トータルテンボス・POISON GIRL BANDの両者に感じるパンチ不足は、
決勝進出3回目で常連となりつつある現状と相まってかなりのマイナスポイント。
トータルテンボスは今年が10年目で後が無いだけに下馬評以上のものを出してくる可能性はあるが。
POISON GIRL BANDも力不足なのか、ベテランの期待ほど活躍できておらず厳しい。
千鳥は初回のインパクトとは裏腹に何度も見たいと感じさせるものに乏しい、
お茶の間での評価は高そうだが審査員が関西傾向にあるだけに新鮮味は薄い・・・。
ハリセンボンは・・・・・・ないでしょ。
島田紳助分析
なんとなく流れが見えるな。これは後半が盛り上がりそう。
トップの笑い飯は、キツそうやな。お客さんが固くなっていて、
“笑ったらアカンのか”みたいな空気になっているから、温まるまで時間がかかるしね。
6番目のキングコングは会場も温まっているし、知名度からいっても有利。
ただ、観客のハードルは上がってると思うよ。
ハリセンボンも知名度あるしね。
最後のダイアンで“オマエら、誰やねん”となるけど、その分、衝撃は大きい。
予想
えあ
◎:キングコング ○:敗者復活枠 ▲:笑い飯
注:ダイアン
何が勝ってもおかしくない、悪い意味で・・・。
それほど盛り上がらないかもしれないなぁという印象。
自分達を見る目を払拭したいキングコングが乗せる漫才への思いに掛けてみたい。
笑い飯は昨年酷評したように、飽きの問題、今年の彼らを見ていないので何ともいえないが、
6年も経てば流石にWボケに新鮮味が感じられない現状、+αになる新たな何かが無いと厳しいだろうなと。
敗者復活枠は大方の予想通り麒麟だろうか、或いはNON STYLE・なすなかにし・とろサーモンあたり。
今年のメンバーならトリの9番枠がかなり有利に働きそうに感じるし、
そのまま決勝第二ラウンドも勢いでって可能性もあるなぁ。
ダイアンはとにかくボケのダルそーな感じがなんとかなってればってところ。
それ以外でザブングル辺りも気にはなるけど、情報を集めてみた感じだとかなりアクが強い気が。
それならまだ千鳥辺りの方が現実味はあるなぁと思わなくも無い。
結果・回顧
麒麟も笑い飯もいない決勝第2ラウンド。
でも誰もそれに違和感を感じたりはしなかったはず。
出たとこ勝負の1本勝負で決まった決勝第一ラウンド、
大本命に推された笑い飯には深みがなく、トータルテンボスが脅威の進化を遂げ、
キングコングは勢いに乗り、無名を意外性に変えたサンドウィッチマン。
その場にいるに相応しい3組が残ったと感じたが皆さんは如何か。
ちなみに敗者復活戦の麒麟は・・・過去最悪の出来と行っても良いんじゃないかと思われます。
関西芸人ではあるけれどストイックなオール巨人が、
埋もれていたサンドウィッチマンに票を投じた事は納得するとして、
キングコング辺りを贔屓しそうな島田紳助・松本人志、
更には上沼恵美子までもがサンドウィットマンに投票。
躍進目覚しいトータルテンボスにはラサール石井の他にご年配の中田カウスが意外な支持、
シュールな大竹まことがベタなキングコングに。
と、それぞれ決勝票を投じた事はかなり興味深い。
決勝に残った3組にはそれくらい実力差がない僅差の勝負だったと言うことなんだろう。
大会を通してその審査が公平だったかどうかというのはさておいて、
決勝第二ラウンドの審査も、意外にみんな納得できるんじゃないだろうか。
優勝:サンドウィッチマン
大井競馬場の雰囲気から察するに、敗者復活戦の勝利はほぼ満場一致だった、と、そう感じる。
ベタにも斬新にも感じるボケと力強いツッコミのトータルバランスが抜群で、
かなり舞台慣れしていたように見受けられる。隠れた逸材とはまさに彼らの事。
例年のM-1だったら優勝できたろうかという感想も確かに持ったが、レベルの高さは疑いようが無い。
主流から外れた(吉本以外、関東芸人、敗者復活枠からの)漫才師が本戦1位通過で本命を抑え優勝した、
という事実はもう変わらない、燻っている漫才師や芸人の希望の光になったはず。
彼らの偉業は想像以上に大きいものになるかもしれない。
メンバーに恵まれたのはそうだけど、ただただ、勢いというものは凄いと思う。
コントを漫才に、漫才をコントに仕立て直すセンスはかなり良いのではないだろうか。
2位:トータルテンボス
M-1は人を育てる、フットボールアワー然り、チュートリアル然り、そしてトータルテンボスもそう。
過去2回の決勝で植えつけた「トータルテンボスにしかない間合いと呼吸」を全面的に押し出しつつ、
最大のネックだったパンチ力のなさをこの一年で克服、その成長力は驚きを通り越して感動すら与える。
10年目のラストチャンスで地力以上のものを出したというのを差っ引いても、本当によく頑張ったと思う。
叶うことなら来年もあの舞台でもう一度見たい、とそう思うくらい。ハンパねぇ底力を感じた。
彼らもまた優勝したサンドウィッチマンに引けを取らない実力を自らの手で示し、
大きな勲章は無いけれど、これからもお茶の間を楽しませてくれる、絶対に。
そう思わずにはいられない2位だろう。
3位:キングコング
去年のフットボールアワーを見ているようだった、勢いが若干空回りチック。
6年越しの想いを、バラエティ界のホープなどと自他共にプレッシャーを掛けた事を考えれば、
更には梶原の相次ぐ心身虚弱も踏まえて、その実力をしっかり見せてくれたと思う。
惜しむらくは意外性のなさだったのかもしれない、後一味、キンコンらしさがあれば頭1つ抜けていたろう。
キンコンじゃないと出来ない、そういうのがなかったのが3位に甘んじた最大の原因だと分析する。
過度の期待は禁物だという典型例、でも、悔しさをバネにきっと来年、今年以上のものを見せてくれるはず。
4位:ハリセンボン
あわや決勝第2ラウンド進出か!? というところまで漕ぎ着けた女芸人の底力にただただ脱帽。
個人的には変ホ長調、南海キャンディーズ、アジアン辺りを物差しにして考えていただけに、
仮に第二ラウンドに残っていたとしても「南海キャンディーズの二の舞だったろう」と言うのは今も変らない感想。
でも、意外と漫才でも食べていけるんじゃないかって、ちょっと見る目が変わったのも事実。
知名度は十分だからあとは実力、ツッコミにもう少しバリエーションが増えて場慣れしてくれば、ね。
大ブレイクして散っていく一発タイプか、細く長く行く漫才師タイプか、来年の売り出し方1つで大きく変化しそうだ。
5位:笑い飯
トップバッターの不利をまともに喰らった感は確かにある、けど、全てをくじ運で片付けるのもちょっと違う気がする。
それだけ第二・三回のインパクトが大きかったんだろう、年々厳しい立場に追いやられている不運さにちょっと同情。
でも決勝第二ラウンドに残れなかった事には納得してるんじゃないかなぁ、そう言うネタだったと思う。
常連にしてはネタのチョイスが今ひとつだった、或いは温存していたのか、M-1の迷路に迷い込んでいる。
6位:ザブングル
期待されていたものを全てサンドウィットマンが掻っ攫って行ったが故に、そこに残るのはただただ虚しさだけ。
って思うくらい個人的にはいまひとつだった。笑いのツボが違うのだろうか。
勢いはあった、ツッコミも上手かった、ボケに何かが足りない、そんな感じ。
故に上沼恵美子の絶賛振りにちょっと引いた。
7位:ダイアン
ザブングルよりよかったと思う。
確かに「いちいち舞台袖まではける必要があるのか」とは思った、場慣れしてないというか4分の使い方がイマイチ。
正統派と思われた彼らが若干コントチックだったのも、正統派で通したハリセンボンとの比較でマイナスになったのか。
全体的に関西芸人に対して厳しい採点であったのは事実だが、でも確かに物足りなさはあったか。
8位:千鳥
大吾の大吾らしさ、ノブのノブらしさ、引いては千鳥の千鳥らしさ、は凄く出ていたって思う。
5~8位の順位付けは日替わり定食並みに変動するだろうくらい肉薄していたゆえ、額面(8位)ほど悲観する必要はない。
ただ、上位3組とは決定的な差がある、4位とも若干離れている、オチの弱さ・・・かなぁ。
あとちょっとプレッシャーもあったのかもしれない、噛んでたし。
9位:POISON GIRL BAND
全国のM-1視聴者が唯一共通して納得してるだろう事が、彼らの順位ではなかろうか。
それくらいダントツで酷い。 テンポの悪さ、ボケの期待はずれ度、鷹揚のなさ。
これがPGBの持ち味なんだ、と言われても舞台がM-1決勝である以上、到底納得はできない。
予選で燃え尽きるタイプなのか、トークが面白いタイプなのか、人気先行なのか。
とにもかくにも2008年に期待、などという感想には至らない。
くじ運も悪いがそれ以前に進化が見られず、大舞台にとことん弱いタイプ。