第86回 凱旋門賞
Prix de l'Arc de Triomphe ぷりっくす ど らるくどとりおんふ
(多分「ぷりっくす ど」 で~~賞って意味だと思う)
現地時間10月1日(日) 17:35発走予定(日本時間:24:35)
フランス・ロンシャン競馬場 3歳上牡牝 芝2400m
負担重量 3歳56.0kg、4歳上59.5kg(牝1.5kg減)
@当初の予定時間より5分遅れての発走になりました。
凱旋門賞(Prix de l'Arc de Triomphe)とは
毎年10月の第1日曜、フランスはロンシャン競馬場で開催されるレースの一つ。
1920年第一次世界大戦の後衰退を辿っていたフランス競馬が、
その再興を掲げ欧州最強馬決定戦という位置付けで創設した国際レース。
現在ではフランスやヨーロッパは勿論の事、世界中のホースマンが憧れ、
その舞台で勝利する事を夢見る世界最高峰のレースの1つに位置づけられている。
今年で86回を数えるこのレース、過去に6頭の日本所属競走馬が挑戦している。
いずれも当時の日本最強馬と目された面々であったが、
エルコンドルパサーの2着以外、残りの5頭は10着以下と惨敗している。
今年は日本最強馬、近代日本競馬の結晶とも評価されるディープインパクトが挑む。
枠順
| 枠 | 表記名(所属国) | 馬名 | 性齢 | 負担重量 | 調教師 | 騎手 |
| 1 | HURRICANE RUN (IRE) | ハリケーンラン | 牡4 | 59.5 | A.ファーブル | K.ファロン |
| 2 | DEEP IMPACT (JPN) | ディープインパクト | 牡4 | 59.5 | 池江 泰郎 | 武 豊 |
| 3 | BEST NAME (GB) | ベストネーム | 牡3 | 56 | R.コレ | O.ペリエ |
| 4 | RAIL LINK (GB) | レイルリンク | 牡3 | 56 | A.ファーブル | S.パスキエ |
| 5 | PRIDE (FR) | プライド | 牝6 | 58 | A.ドゥロワイエデュプレ | C.ルメール |
| 6 | SHIROCCO (GER) | シロッコ | 牡5 | 59.5 | A.ファーブル | C.スミヨン |
| 7 | IRISH WELLS (FR) | アイリッシュウェルズ | 牡3 | 56 | F.ロオー | D.ブフ |
| 8 | SIXTIES ICON (GB) | シックスティーズアイコン | 牡3 | 56 | J.ノスィーダ | L.デットーリ |
有力馬紹介
HURRICANE RUN (IRE)
史上6頭目の連覇を目指す欧州の暴風 ハリケーンラン(牡4歳、11戦8勝)
本命視されているのは昨年の覇者ハリケーンラン。
現在、欧州は元より世界でもNo.1の評価を受けているトップホース。
夏にはハーツクライの挑戦したキングジョージ(英GI)で直線豪快に伸び優勝している。
前哨戦となるフォア賞(仏GII)では後述するシロッコの2着と敗れてはいるが、
本番に向けてと捉えればこの2着は十分な結果だと言える。
父(モンジュー)が挑んだ2連覇への夢はその初年度産駒に託された。
Shirocco
4連勝で勢いに乗り昨年逃した栄光を シロッコ(牡5歳 12戦7勝)
対抗にはそのハリケーンランをフォア賞で破ったシロッコ。
昨年の凱旋門賞はハリケーンランの4着と敗れたがその後ブリーダーズCターフ(米GI)を快勝、
今年5月のジョッキークラブS(英GII)、6月のコロネーションC(英GI)、9月のフォワ賞(仏GII)と4連勝中。
特にフォア賞はハリケーンランをクビ差の2着にくだしており勢いに乗っている。
DEEP IMPACT (JPN)
日本近代競馬の結晶、天翔ける衝撃欧州で ディープインパクト (牡4歳 11戦10勝)
差のない3番手、ここに来て評価を上げているのがディープインパクト。
今や日本でその名を知らない人は居ない競馬界を超えたアイドルホース。
世界的な評価でもトップ3に数えられ、海外実績はともかく潜在能力ではNo.1との声もある。
休み明け4ヶ月という不安点もあるが、何よりの焦点は「海外競馬」に対応できるかどうか。
日本での競馬と何ら変わらないレース振りを発揮出来るなら好走はおろか優勝も見えてくる。
RAIL LINK (GB)
セオリー重視の絶対有利な3歳馬 レイルリンク (牡3歳 6戦4勝)
3歳56kg、4歳上59.5kgの斤量からここ10年で3歳馬は8勝と有利な条件。
そこで浮上してきたのが3歳馬による前哨戦ニエル賞(仏GII)を勝ったレイルリンク。
今年の欧州3歳勢は小粒の印象を否めなず、ニエル賞のタイムも平凡ではあるが、
そこは例年凱旋門賞最有力クラスの馬を輩出するこのレース、評価が下がる事はない。
PRIDE (FR)
最大の伏兵は名門出身の淑女 プライド (牝6歳 23戦7勝)
サンクルー大賞でハリケーンランを頭差抑え優勝したことで一躍時の馬となったプライド。
過去2回の凱旋門賞ではいずれも惨敗しているが晩成の血統が目覚めた今なら。
血統を遡れば父パントレセレブル(97年)、母の父アレッシド(77・78年連覇)、
母母父ヴェイグリーノーブル(68年)と凱旋門賞優勝に縁のある名前が並ぶ。
遅咲きの淑女が3度目の挑戦でその栄誉を掴む事が出来るか。
展望
ディープインパクトを含めた三強に対する評価、
日本報道陣の加熱っぷりも相まってか本番を迎えるにつれ高まり、
早々と回避を表明した欧州勢が目に付いた。
近年の凱旋門賞にしては珍しく過去2番目に少ない8頭立てでのレースとなるが、
今年の質は決して低くなく、勝利する見込みのない馬が早々に撤退しただけ。
その8頭立ての凱旋門賞だが、
戦前の評価通りハリケーンラン、シロッコ、ディープインパクトの三つ巴。
海外の2頭は前哨戦フォア賞で直接対決、シロッコに軍配が上がった。
ハリケーンラン絶対視の雰囲気は払拭されたものの、
当然ながら目標はあくまでも凱旋門賞、抜かりはなさそうだ。
シロッコも当然凱旋門賞を勝つためのローテーションでフォア賞は叩き台。
こちらも本番に向けての良いレースだったのではないだろうか。
一方、日本が送り出すディープインパクトだが幾分不利な面がある。
「海外初出走」「欧州所属以外から勝ち馬なし」辺りの不安材料をどう乗り越えるか。
ただ、上記の通り、日本で見せたパフォーマンスをここでも100%見せられるのであれば、
ハリケーンランに見劣りするものは何もないはずだ。
4番手以下はこの三強から大きく離されている。
一角を崩す可能性を秘めているとされたのはプライドとレイルリンク。
紅一点のプライドはサンクルー大賞で本命ハリケーンランを破っており、
ここでも番狂わせを起こしうる貴重な存在だろう。
注目された3歳勢からはレイルリンクが面白い存在か。
とは言えやはり三強が崩れる事は考えにくい。
直線の追い比べはキングジョージ以上のものが期待出来そうだ。
各人予想
姐御
◎ディープインパクト
○ハリケーンラン
▲シロッコ
この3強できまりじゃないかな
日本の競馬ではサインがでたぐらいだし
ここはディープインパクト期待を背負ってもらおう
ぜひともモンジュー産駒に勝ってほしいね
えあ
◎:ディープインパクト
私は日本の競馬ファンなので、これ以上の予想もこれ以下の予想も出来ません。
とにかく頑張れ!
そして日本にいる私に、2分半の夢を見せて!
その夢を現実のものとする姿を見せてっ!
ディープインパクトならそれが出来そうな、そんな気がする。
結果
珍しく絶好のスタートを切ったディープインパクト、
内からすっと2番手を取ると3角で外に持ち出す、ハリケーンランの手応えは悪い。
敵をシロッコに絞り、直線に入ると持ったままシロッコを交わしたディープと豊。
解説の岡部幸雄から「まだまだ(スパートするのは早い)!まだまだ!」と声が。
ディープインパクトが400mを切った辺りでスパートすると、
それを見ていたレイルリンクがディープの外に一気に並びかける。
両雄壮絶な追い比べ、一旦は先頭に出たディープをレイルリンクが交わす。
残り50m、懸命に追い縋るディープインパクトだがその差は広がる。
更には大外から追い込んできたプライドにも交わされたディープインパクト。
そしてゴール。
三強では最優着も結果は3着。
会場からは悲鳴に近いため息が・・・。
レースを終えて(えあ)
ここを見るような人は生粋の競馬ファンだろうからわざわざ書く必要はないのだろうけど。
日本のマスコミ、特に競馬以外の「ワイドショー・一般ニュース」でのマスコミは、
とかくディープインパクトの日本での強さを誇張しすぎた評価で、
その結果「凱旋門賞でも好走必至、てゆーか勝つよ」みたいな、
なんだか妙な空気が流れているけれど、それは大きな間違いなのです。
あくまでディープインパクトはチャレンジャーであって、
欧州から見ればまだまだ日本競馬は田舎競馬でしかないのです。
日本では英雄・近代競馬の申し子なんていわれるディープインパクトも、
欧州ではやっぱり、田舎から来たDeep Impact(JPN)にすぎないのです。
それくらい凱旋門賞って言うのは欧州でも格式や伝統のある一戦なのね。
だからこそその田舎者ディープインパクトが三強に入った事がそれ自体凄い事。
負けて当たり前なんだよね。
それくらい凱旋門賞制覇の大きさ、困難さ、偉大さをまず理解してもらった上で。
とは言え人間、どうしても欲は出るもので、生粋の競馬ファンもやっぱり、
ってゆーか出るからには当然、勝って欲しいって思ってます(笑)
初めての海外、初めてのロンシャン競馬場、相手はそこがホームグラウンドみたいなもの。
アウェーで不利な条件ばっかり。でもそれは日本に居る全ての馬に言えることで、
「ディープなら勝てる!」と言う楽観視じゃなくて多分、
「ディープでダメならもうこの先・・・」みたいな色んな複雑な感情が入り混じってて・・・。
だから、我々競馬ファンに出来ることは応援だけなんだね。
当日はテレビで応援してあげてください、
競馬ファンじゃない人もサッカードイツW杯の時みたいに、
目に見えるくらいに盛り上がらなくても良いから、
心の中でひっそりとでいいので応援してあげてください。
なんて書いて、結局その事が現実になっちゃったかなぁって思うと少し複雑。
斤量だとかローテーションだとか、展開だとか位置取りだとか、
色んな原因があったんだろうと推測されているけれど、
だからと言ってディープインパクト(ハーツクライ)が世界で通用しなかったかって言うと、
決してそうじゃないって思う。
武豊が言う「究極のトップギアに入らなかった」って言葉を信じるなら、
彼の全力が世界に通じなかったのではなく、彼が全力を出し切れなかった。
まだディープインパクトが世界で通用する事を信じて疑わない、
正真正銘バカ丸出しの私が居ます。
日本の馬が海外で全力を出し切る事の難しさを改めて痛感して、
これであと10年は日本馬が世界最高峰のレースで優勝する事はないって、
レースが終わって凄くブルーになってしまったけれど、
でもきっとこの3着が、エルコンドルパサーの2着と相乗効果をもたらして、
遠くない将来、大きな財産になることを信じています。
お疲れさまでした、チームディープインパクト。
当日までずっと指折り数えてわくわくして、
パドックからスタートまでどきどきして、
スタートから4角まで息を呑んで、
最後の直線で夢を見て。
だから競馬は面白いって、
この凱旋門賞で改めて感じました。