ShukaSho05

Last-modified: 2006-05-31 (水) 15:47:56

第10回 秋華賞

THE SHUKA SHO (GI)
2005年10月16日 (日)
芝・右・内 2000m 3歳 牝 混合 指定 定量(55.0kg)

展望

浮動の本命と思われたオークス馬シーザリオが故障で戦線離脱。
桜花賞馬vsオークス2着馬の対決に注目が集まるか。
 
桜花賞馬ラインクラフトは本質的にマイラー、能力は一枚抜けているが距離的不安あり。
前哨戦ローズSはその距離を試す絶好の機会だったのだが、
距離云々より掛かって敗北した感があり、何とも判断しづらい状況。
斬れる末脚が身上で桜花賞まではブチ切れ気味な末脚だったが、
桜花賞以降どちらかといえば先行抜け出しに変化しつつある。
同父スイープトウショウのような距離的な自在さを見せるようであれば、2000Mは許容範囲。
掛かって阪神2000Mを2着なら京都内回り2000Mは十分こなせそうでもある。
 
オークス2着馬エアメサイアは中距離で活きるが能力ではラインクラフトに劣るか。
ローズS優勝は出来すぎの嫌いもあり、相手が掛かり自爆した感。
阪神2000Mから京都2000Mに舞台が変わる今回はプラスになるかどうか疑問。
母が果たせなかったGI制覇を、名手を背に、前哨戦で本命桜花賞馬を下し優勝と、
本番のこの舞台で人気を被ることは避けられずマークされる側になることも不安。
オークス2着のパフォーマンスが出来れば勝利は十分ありうる。
 
この2頭に続く3番手評価に数頭ピックアップしてみる。
・・・どれも上に割って入れるかといえば・・・正直しんどい。
 
クイーンS4着デアリングハートは3番手評価だが勝ち鞍が未勝利戦の1勝のみ。
G12着を2回などの実績こそあれ、距離的な話はラインクラフトと似た感じ。
渋い粘りが持ち味だが距離が伸びる今回はどこまで通用するか。
 
ローズS3着ライラプスは距離より能力か、前哨戦で明らかな力差を見せつけられた。
あれを引っくり返すにはかなりの上積みかよっぽどの運を要する。連下候補。
 
エイシンテンダーのローズS7着は中間調教が順調でなかった為、度外視してよい。
距離の不安は最後まで引き摺ることになるが、曲りなりにもオークス4着。
順調に本番を迎えるようなら3番手評価の中では一番妙味がある。
とは言えデビューからチューリップ賞までの3連勝から勝ち星に遠ざかっている。早熟?
 
2歳女王ショウナンパントルがようやく紫苑S2着と復調を予感させる。
クイーンC・桜花賞・オークスと悉く惨敗を喫してきただけにこの2着は嬉しい限り。復権なるか。
とは言え信頼出来るかと問われればやはり首を傾げざるを得ない。
マイル以上の実績はこの紫苑Sだけと言ってよい、過去の栄光だけで信頼は出来ず。
 
紫苑S1着コスモマーベラスは曲者、どう評価していいのかかなり難しい。
勝った2歳新馬・3歳500万条件はどちらもローカル芝1200Mで紫苑Sは芝1800M。
小回り巧者かと思わせておいてスイートピーS(東京芝1800M)で2着。
忘れな草賞(2000M)が3着、スイートピーS(1800M)が2着、紫苑S(1800M)優勝から中距離馬か。
じゃ新馬と500万はなんなんだ・・・。エイシンテンダー同様妙味は十分。
 
穴候補に挙がりそうなのはこの辺りか。
中間は順調もオークスからぶっつけ、クロフネの妹レースパイロット。
ゴールドアリュールの妹でこちらも良血オリエントチャーム。
間隔を空けて万全を期す燻し銀、ジェダイト。
不本意な成績も京都実績は意外と高いエリモファイナル。
出走すら危うい、実力を測る機会が無かった3戦2勝サンレイジャスパー。
1600万条件勝ち上がり、意外と注目が集まるニシノナースコール。
 
荒れる要素はあまりないような気もしないでもない。
 

予想

姐御

◎ラインクラフト ○エイシンテンダー ▲エアメサイヤ △デアリングハート
注ニシノナースコール ライラプス
 
牝馬3着馬の流れ 桜花~オークス~秋華賞
2003年
桜花7枠14番3着
オークス7枠14番3着
秋華7枠14番3着
2004年
桜花3枠6番3着
オークス3枠6番3着
秋華3枠5番3着
2005年
桜花5枠9番3着
オークス5枠9番3着
秋華5枠9or10番○着?
 
ラインクラフトとエイシンテンダーを2軸に3連単でながす・・・
血の呪いがある信じて3着はエアメサイヤで
注の ライラプスは重馬場じゃないので展開次第かな 前に行く馬優先

えあ

◎エイシンテンダー ○ラインクラフト ▲デアリングハート
注コスモマーベラス・レースパイロット
 
二強が強い事は認めるんだけどちょっと冒険してみようと思う。
ここに来て俄然体調が上向いてきたエイシンテンダー、内枠を引いて前につけるならと本命に。
それを見るように進めるだろうラインクラフトを素直に対抗、堅実なデアリングも注目。
エアメサイアは血統の呪いから開放される事が無いと予想してバッサリ。
よく分かんないコスモマーベラスに、やたらと気になるレースパイロットを注意。
 
姐御の法則で言うとエアメサイアが該当かな、よもやフェリシアは無いだr

結果

着順馬番馬名姐御えあ性齢斤量騎手タイム着差馬体重人気
1510エアメサイア 牝355.0武豊1:59.2 468 +62
235ラインクラフト牝355.0福永祐一1:59.2クビ466 +81
3611ニシノナースコール注  牝355.0横山典弘1:59.73馬身426 +45
436オリエントチャーム  牝355.0赤木高太郎1:59.91 1/2馬身440 -1611
5818ライラプス 牝355.0松永幹夫2:00.0クビ442 +87
623(父)モンローブロンド  牝355.0秋山真一郎2:00.0クビ442 +213
711(父)エイシンテンダー牝355.0武幸四郎2:00.42 1/2馬身490 +106
8612ショウナンパントル  牝355.0吉田豊2:00.51/2馬身452 +24
9817トウカイルナ  牝355.0北村浩平2:00.61/2馬身414 018
10714(父)(市)コスモマーベラス 牝355.0柴田善臣2:00.7クビ428 012
1159フェリシア  牝355.0小牧太2:01.01 3/4馬身460 +414
1248デアリングハート牝355.0後藤浩輝2:01.13/4馬身416 -83
1312ジェダイト  牝355.0池添謙一2:01.31 1/4馬身474 09
14713(父)シールビーバック  牝355.0松岡正海2:01.3クビ474 +816
1547レースパイロット 牝355.0安藤勝己2:01.4クビ458 -48
16816エリモファイナル  牝355.0四位洋文2:01.53/4馬身450 -410
17715スルーレート  牝355.0渡辺薫彦2:02.56馬身456 +1017
1824テイエムメダリスト  牝355.0橋本美純2:04.7大差490 -215

エイシンテンダーをはじめ、テイエムメダリスト・モンローブロンド・ラインクラフトなど、
先行勢が揃って内枠に入りペースは速くならないと予想され、実際そうなった。
気分良くマイペースを刻むエイシンテンダー、前目につけたラインクラフト。
このペースでは後ろに居る馬には厳しい展開となっていた、はずだったのだが・・・。
終始掛かり加減のラインクラフトが4コーナーで早くもエイシンテンダーを捉える。
直線に入りラインクラフトが抜け出しエイシンテンダーは粘るも伸びない。
外から一気にエアメサイア、最内に切れ込んだ横山典とニシノナースコールが物凄い斬味で追い込んでくる。
先頭ラインクラフトが完全にリードを保つが外から伸びたエアメサイアがそれを捉える。
ゴール直前にエアメサイアがラインクラフトをクビ差押さえたところがゴール。
3着ニシノナースコールに3馬身差と、二強対決に相応しい見事な勝負となった

短評

1着:エアメサイア
ときに秋華賞は差しが決まるがここまで来ると完勝と言ってよい、鞍上の言うように一つのミスも無かった。
秋の充実著しい。ローズSより差は縮まったが京都2000Mは先行有利。
あの位置からきっちり差し切ったメサイアと武豊の恐るべき能力にただただ脱帽。
ニシノナースコールを差し置いてメンバー最速の末脚を繰り出し、最後の一冠をecぎ取った。
7年前、母が果たせなかったGIの勲章を孝行娘がガッチリ掴み取った。
少し小さなスケールのアドマイヤグルーヴと言ったところか、直接対決に要注目。
内容的に全て出尽くした感もあり、これ以上何を記せば良いか分からんのだけd
2着:ラインクラフト
負けて尚強しなのだが、終始手綱をガッチリ抑えられ特に2コーナー付近は完全に掛かっていた。
それが無ければと思わせる内容であっただけにやや後悔も残るが、致し方ない。
気性の悪さはエンドスイープ産駒の宿命なのだろうか、昨年のスイープトウショウもゲート難だったし。
古馬との対決にエリザベス女王杯、牡馬との対決にマイルチャンピオンシップ、
どちらを選ぶにしてもそれなりの苦労を伴うが、切味はトップクラスだけにまだまだやれる。
3着:ニシノナースコール
ふざけた名前だが鞍上の好判断もあり、直線で有り得ないほどの末脚を見せた。
32秒の斬味は伊達ではなかったが、上位2頭との差が3馬身はやはり決定的。
5番人気とファンは能力を高く買ったが、毎回こう上手く行くかと言えばやはり首を傾げざるを得ない。
まずは条件突破が前提、古馬重賞で改めて真価を問う。
5着:ライラプス
まぁ・・・こんなもんじゃないかなと。
GIで始めて安定した成績を収められたのは収穫。
上位陣との差はやはり大きかったが、悪くない伸びだった。
7着;エイシンテンダー
10kg増は前走のマイナスを考えれば馬体が戻っただけ、重かったわけではない。
掛かり気味に走ったラインクラフトが早めに先頭に立った事で厳しい競馬になったか。
とは言え追い抜かれてからが案外。買い被りすぎたか。
10着:コスモマーベラス
トライアルに勝ったとは言え12番人気とは・・・(苦笑)
ファンは良い眼をしている。
12着:デアリングハート
やはり距離だろうか・・・。
15着:レースパイロット
血統だけで競馬は出来ない。

総括

二強対決がここまで"二強の二強による二強の為のレース"になるのは珍しい。
牝馬三冠の締めくくりに相応しい名勝負だった。
惜しむらくはシーザリオが居なかった事か・・・。
さぁ、最優秀3歳牝馬の選定が難しくなってきたぞー。