第46回 宝塚記念
(THE TAKARAZUKA KINEN (GI))
2005年6月26日 (日)
芝・右 2200m 3歳上 国際 指定 定量 (4歳上牡58.0kg 4歳上牝56.0kg 3歳牡53.0kg 3歳牝51.0kg)
展望
登録頭数は16頭であったが、スズノマーチが回避し15頭の出走となった。
一番人気が予想されるタップダンスシチーは大外8枠15番、ゼンノロブロイは絶好の4枠6番を引き当てた。
| 姐御 | えあ | 枠 | 馬番 | 馬 名 | 騎手 | 斤量 | 性齢 | ファン投票順位 |
| △ | △ | 1 | 1 | シルクフェイマス | 四位洋文 | 58.0 | 牡6 | 8位 |
| △ | 2 | 2 | ビッグゴールド | 和田竜二 | 58.0 | 牡7 | 24位 | |
| ▲ | △ | 2 | 3 | トウショウナイト | 武士沢友 | 58.0 | 牡4 | 38位 |
| 3 | 4 | ハーツクライ | 横山典弘 | 58.0 | 牡4 | 13位 | ||
| 3 | 5 | ボーンキング | 武幸四郎 | 58.0 | 牡7 | 88位 | ||
| ○ | ○ | 4 | 6 | ゼンノロブロイ | K.デザーモ | 58.0 | 牡5 | 1位 |
| 4 | 7 | コスモバルク | 千葉津代 | 58.0 | 牡4 | 地方 | ||
| ☆ | ▲ | 5 | 8 | サンライズペガサス | 松永幹夫 | 58.0 | 牡7 | 18位 |
| 5 | 9 | リンカーン | 福永祐一 | 58.0 | 牡5 | 5位 | ||
| 6 | 10 | ヴィータローザ | 小牧太 | 58.0 | 牡5 | 42位 | ||
| 注 | 6 | 11 | スイープトウショウ | 池添謙一 | 56.0 | 牝4 | 21位 | |
| 7 | 12 | アドマイヤグルーヴ | 武豊 | 56.0 | 牝5 | 4位 | ||
| × | 7 | 13 | サイレントディール | 渡辺薫彦 | 58.0 | 牡5 | 33位 | |
| 8 | 14 | スティルインラブ | 幸英明 | 56.0 | 牝5 | 25位 | ||
| ◎ | ◎ | 8 | 15 | タップダンスシチー | 佐藤哲三 | 58.0 | 牡8 | 3位 |
東の王者ゼンノロブロイと西の王者タップダンスシチー、両雄一騎打ちの様相。
ゼンノロブロイは昨年秋の天皇賞→ジャパンC→有馬記念のGIを3連勝で一躍日本最強に伸し上がった。
今年初戦のレースという懸念もあるがこの中では一枚上手。敵はタップダンスシチーのみか。
西の王者タップダンスシチーが3年連続金鯱賞制覇というおまけつきで今年一戦目を鮮やかに勝利、
ゼンノロブロイに完封された昨年の有馬記念は遠征明けで好調時の70%程度のデキであったが、
今回は100%かそれ以上と言う話、今回は直前の争いでタップダンスシチーに分がある。
昨年の有馬記念のようにこの王者2頭で別次元の争いを演じるのであろうか。
宝塚記念という舞台が最も似合うのはシルクフェイマス。
過去に何度もこの阪神仁川宝塚記念で悲願のGI制覇を見てきた。
古くは「ライアン!」メジロライアンから始まり、隠れた素質馬ダンツシアトル(京都開催)、
韋駄天サイレンススズカ、覇王を仕留めたメイショウドトウ、そしてダンツフレーム。
悲願を達成するとなれば最も在り得るのはこのシルクフェイマスのような気がする。
とにかく雨、雨さえなければ十分に上位を脅かせる存在だがどうか。
更にもう1頭悲願達成といえばサンライズペガサスを忘れてはならないだろう。
7歳、2度の屈腱炎とマイナス要素が多いながら18位にランクインしている。
故障し離脱した2度とも不死鳥の如く甦り、今年は産経大阪杯を制しており、
データからも阪神5戦4勝と大の阪神巧者が窺える。
距離もベストの中距離2200Mとあれば、上位2頭と勝負付けが済んでいないこの馬も魅力十分。
それ以外に注目はやはりコスモバルクか。
判官贔屓がこれほど当てはまる馬も珍しい、善戦マンや努力家という印象も無い。
取り巻く人的環境は最悪と言ってよく、人に恵まれていればというある種の判官贔屓が働く。
乗るべき人が乗り、鍛えるべき人が鍛え、出るべきレースに出ていれば、
ここでも本命や対抗に抜擢されていたのだろうが・・・。
タップダンスシチーの位置取り次第では逃げや好位など色々想定しているようだが、果たして。
ファン投票では4位に選出されたアドマイヤグルーヴだが、
牡馬一級相手となると勝ち負けまで期待するのは酷かもしれない。
上位2頭が居なければ十分に勝負になるのだろうが、2頭ともコケるとは思えず・・・。
ただ昨年秋の天皇賞のような形になる事は十分にありうる。
本命・対抗を除けばトップクラス。
リンカーンはスランプ真っ只中、とは言え昨年も天皇賞で破れ宝塚記念で巻き返してきた。
5位と言う評価が妥当かどうかはさておき、侮れない存在である。
こちらも阪神は得意な方、3200Mで懸念された折り合いも2200Mであれば心配ないだろう。
直前の動きも好調ということで、是非挽回してもらいたいところだ。
ハーツクライもこの2戦で持ち前の鋭い末脚が戻ってきており、
展開に大きく左右されるものの末に確実な脚を持つ魅力は決して小さくない。
こういったタイプの馬に横山典弘JKが跨ると大負けか大駈けのどちらかだろうか。
えあ個人の注目は底が見えないトウショウナイト。
馬場が渋れば3番手くらいまで評価を上げて良いのではないかと思う。
渋らないにしても今年に入っての安定度には目を見張るものがあり注目したい。
スイープトウショウはハイペースで差しが届く展開であればハーツクライ以上に怖い存在。
ビッグゴールドやコスモバルク・タップダンスシチー次第で差しが届く展開になれば一番恐ろしいのはこの女傑。
一方一昨年の牝三冠馬スティルインラブはこのメンバーに混じると決め手不足か、復調の兆しもなく・・・。
ヴィータローザは前走金鯱賞2着も、鞍上安藤勝JKが騎乗停止中で大きなマイナス。
ビッグゴールドは3度の好走もあるがそれでもまだ試金石と言われる可哀想な存在。
それ程スローにはならないだろう(タップ・バルク)こともあり致し方なし。
サイレントディールやスズノマーチもこの舞台で主役となるには苦しい。
ボーンキングは休養明け2戦目だが、期待するなら秋以降か。
予想
姉御
金鯱賞での勝ちっぷりをみれば
タップダンスシチーを押すしか言えない しかも8歳馬、旧齢で9歳馬ですよ
こういうなのは2度と無いかもしれない
調教の動きを見ていると去年の年末に比べればかなりいいかもしれない
宝塚のジンクスを破るのはこの馬かもと期待を込めて
ロブロイはえあさんの意見と全く同じです そして鉄砲成績からして押せません
強いのは強いんですが・・・勝てば弔い合戦に花を添えれるんだけど
気になるのはビック、トウショウかな
和田=ビックコンビは穴馬党の方にはご存知のはず
春天皇賞の時みたいにスムーズに逃げれないのがどう出るか
ライバルが強いんだよな・・・
トウショウは阪神では初コースになるけど相変わらずの調子なら入線いけそうかな
シルクは晴れ馬場みたいなので候補ですね
サイレントディールは岩田君だったら押したいけど薫彦君だしね
大穴ってことで
ワイドで1-3 2-3 着狙いが美味しいかな
あと3連複 3連単
もちろん2強のどちらかを1着固定で流せば 夢もある
えあ
ロブロイかタップか、どちらが勝つかと言う問いにはタップダンスシチーを推す。
弔い合戦となるロブロイだが、休み明けに強いとはとても思える成績ではなく、むしろマイナス。
陣営も過去シンボリクリスエスで同様の失敗をしており、教訓として活かすにしても相手がタップではなぁ。
とは言えそれ以外と比べるとロブロイも十分抜けた存在かな。
これがラストチャンスになるだろうサンライズペガサスに大注目。
阪神5戦4勝と相性もよく、たまにやらかす大敗はいつも京都と決まっている。
天皇賞の成績は度外視して良く、距離も開催も絶好の条件、ここは是が非でもというところ。
あとは上に書いたとおりトウショウナイトとかに注目したいかな。
晴れれば一躍第三の男になるシルクフェイマスもお天気次第で。
ビッグゴールド・コスモバルクとタップが絡んでハイペースになれば、
驚異的な脚を持ったハーツクライ・スイープトウショウも怖いが、
それでもタップダンスシチーが崩れると思えないのであまり重視しない事にしまつ。
結果
| 着順 | 枠 | 馬番 | 馬名 | 姐御 | えあ | 性齢 | 斤量 | 騎手 | タイム | 着差 | 馬体重 | 人気 |
| 1 | 6 | 11 | スイープトウショウ | 注 | 牝4 | 56.0 | 池添謙一 | 2:11.5 | 460 +6 | 11 | ||
| 2 | 3 | 4 | ハーツクライ | 牡4 | 58.0 | 横山典弘 | 2:11.5 | クビ | 496 +4 | 3 | ||
| 3 | 4 | 6 | ゼンノロブロイ | ○ | ○ | 牡5 | 58.0 | K.デザーモ | 2:11.7 | 1 1/4馬身 | 500 -8 | 2 |
| 4 | 5 | 9 | リンカーン | 牡5 | 58.0 | 福永祐一 | 2:11.8 | 1/2馬身 | 474 -4 | 4 | ||
| 5 | 5 | 8 | サンライズペガサス | ☆ | ▲ | 牡7 | 58.0 | 松永幹夫 | 2:12.2 | 2 1/2馬身 | 492 0 | 7 |
| 6 | 2 | 3 | トウショウナイト | ▲ | △ | 牡4 | 58.0 | 武士沢友治 | 2:12.6 | 2 1/2馬身 | 480 +2 | 6 |
| 7 | 8 | 15 | (外)タップダンスシチー | ◎ | ◎ | 牡8 | 58.0 | 佐藤哲三 | 2:12.7 | クビ | 512 +2 | 1 |
| 8 | 7 | 12 | (市)アドマイヤグルーヴ | 牝5 | 56.0 | 武豊 | 2:12.7 | ハナ | 474 +2 | 8 | ||
| 9 | 8 | 14 | スティルインラブ | 牝5 | 56.0 | 幸英明 | 2:12.7 | クビ | 456 -8 | 14 | ||
| 10 | 3 | 5 | ボーンキング | 牡7 | 58.0 | 武幸四郎 | 2:12.9 | 3/4馬身 | 506 -4 | 13 | ||
| 11 | 6 | 10 | ヴィータローザ | 牡5 | 58.0 | 小牧太 | 2:13.0 | 3/4馬身 | 486 -2 | 12 | ||
| 12 | 4 | 7 | [地]コスモバルク | 牡4 | 58.0 | 千葉津代士 | 2:13.0 | ハナ | 482 -16 | 5 | ||
| 13 | 2 | 2 | ビッグゴールド | △ | 牡7 | 58.0 | 和田竜二 | 2:13.3 | 2馬身 | 458 -8 | 9 | |
| 14 | 7 | 13 | (市)サイレントディール | 牡5 | 58.0 | 渡辺薫彦 | 2:13.4 | 1/2馬身 | 524 -8 | 15 | ||
| 15 | 1 | 1 | (父)シルクフェイマス | △ | △ | 牡6 | 58.0 | 四位洋文 | 2:13.5 | クビ | 480 0 | 10 |
思ったより速いペースにはならなかったものの、先行勢は揃って敗退。
短評
1着:スイープトウショウ
直線での壮絶な叩き合いを制し、最後は飛んできたハーツクライを抑え、並み居る古馬牡馬を押し退け優勝。
都大路S(OP)5着、安田記念(GI)2着と成績は上向いていたものの、
よもやここで勝利するなど誰が予想していただろうか。
内容も大駆けと言うような運Lvでなく実力で、まさに完封劇だった。
元々距離の不安はなかったし、切味は牡牝交えてもトップクラスだったが、
真に称えるべきは4角のスムーズな上がり、直線での勝負根性だったのではないだろうか。
これで秋のローテーションが難しくなった、嬉しい意味で。
天皇賞プランも浮上してくるのではないだろうか。
2着:ハーツクライ
スイープトウショウ以上に直線だけの勝負で挑んみ、結果追込ワンツーだったが、
決して後ろに有利だったという事もないだろう、まさに"飛んで"きたハーツクライ。
あと50Mあればスイープを破っていただろうが、それが競馬、惜しくも届かず。
しかし勝った馬が強かった、自分の競馬は出来ていたしやむなし。
今年に入りダービー時のような切味が戻ってきた、輸送の関係だろうか。
昨年は菊花賞以降ずっと関東での競馬で崩れてきた。
今年の前半戦は3走とも関西、関西では安定した末脚を見せてくれている。
秋の関東GIで真価が試されるだろう、府中好きなはず。
3着:ゼンノロブロイ
王者は3着死守がやっと、タップダンスシチーを意識したか多少仕掛けが早かったのもあるが、
やはり休み明け初戦は実力を発揮するタイプではないのだろう。
これからの遠征を考え仕上げも完全ではなかっただろうし・・・。
デザーモは不満だったようで、どの辺に敗因があるのか注目の一点。
これにより海外遠征が微妙になると言う事は無いだろうが、負けて尚強しの内容でなかったのは事実。
4着:リンカーン
こちらも早めに動いた割に4着と掲示板確保。
直線入ってすぐにタップダンスシチーを競り落としたのだが、
内2頭、ロブロイとの叩き合いをしている間に外の追込み2頭にバッサリやられた感。
悪くない内容だった、調子は上向いていると見て間違いない。
7着:タップダンスシチー
単勝2倍を切る1番人気に支持され、昨年同様タップの競馬をしたにも拘らず7着。
昨年と大きく違ったところは道中でラチを頼れなかった事だろうか。
元々ラチ好きの馬なだけに、最内に入れたのが直線向いてからだったのが痛い。
負けるときはいつもこんなもんだ、安定感という点では元々それ程でも。展開も予め予想できた。
嘘、私に限らずこの敗退はかなりショックなはず。
12着:コスモバルク
最早コスモバルクの競馬を見失っている。
騎手が誰であれ、行くなら多少ハイペースでも行くべき、1頭になればそれでいいわけでもない。
折り合いの為に敢えて飛ばすといった考えが出来ていた五十嵐冬騎手を外す意図が未だに不明だ。
地方所属で中央競馬のプランを確立する事は決して楽ではないが、
これがダメならこっち、こっちがダメなら海外、では計画性も何もない。
主戦をコロコロ変えて尚且つローテーションははっきりしない、馬が可哀想だ。
陣営に一本筋の通ったプランがない限り、このようなグダグダ競馬が続くのではないか。
15着:シルクフェイマス
私や姐御はいざ知らず、ファンは良く分かっていたようで昨年の実績馬も10番人気。
肉体的なものか精神的なものか、スランプ或いはピークを過ぎた感。
絶頂期のパフォーマンスはもう期待できないかもしれない。