Enseigne Gabolde

Last-modified: 2024-03-19 (火) 17:56:04

アンセーニュ・ガボルド級駆逐艦 アンセーニュ・ガボルド

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性能諸元

編集時 ver.5.0.1

基本性能

※アップグレード済み、装備、迷彩、エリートなし

Tier2
生存性継戦能力7303
抗堪性・防郭防御5%
・火災浸水耐性10%
・装甲防御3%
・魚雷防御3%
主砲射程6.72km
機動性最大速力30.56ノット[kt]
最大出力への到着時間10.45秒
転舵速度9度/秒
転舵所要時間2.73秒
隠蔽性5.40km



・派生艦船

派生元Bougainville
派生先Fusilier



・兵装

主兵装口径,搭載基数×門数装填時間ダメージ(火災率)(防郭率)砲塔旋回速度
100mm L/45 Mle 1921, 3基×1門5.20秒HE弾 262(2%)
AP弾 273(150%)
9度/秒


魚雷口径,搭載基数×門数(片舷指向門数)装填時間ダメージ射程雷速浸水率魚雷管旋回速度
550mm tube lance-torpilles, 2基×2門(4門)24秒18535.40km58.35kt8%15度/秒



・艦艇スキル

種類効果持続時間クールタイム使用可能回数
エンジンブーストⅠ最大航行速度+8%25秒間75秒2回

ゲーム内説明

アンセーニュ・ガボルドは、新種のタービンを搭載した実験的な駆逐艦であり、一次大戦の開戦前に起工され、終戦後に竣工しました。戦時中の戦訓を活かして兵装の強化が図られており、恐るべき550mm魚雷を装備していました。

解説

やぁ、ゲームを始めたての諸君ようこそフランス駆逐艦ツリーへ!
本艦はフランス駆逐艦ツリーのスタートを飾る艦艇である。

・主砲
同格最小口径の100mm砲を単装で3基3門搭載*1。結果から述べるとかなり貧弱で扱いにくい。小口径故に単発火力が低いのだが、かといって装填が早いわけでもなく門数も普通なので、DPMがかなり低くなる。加えて弾速が遅く、弾道は迫撃砲の如き高弾道である(所謂「ゆるふわ弾道」)。しかも精度が駆逐艦の主砲としては劣悪であり、駆逐艦の様な機動性の高い艦艇や超旋回のbotなどにはまともに当たらない。特筆すべきは砲塔旋回の遅さで、船体の旋回に余裕で追従しない…これが砲の扱いづらさに拍車を掛けている*2。フランス駆逐艦ツリーは基本的に砲駆であるが、肝心の主砲がまだまだ頼りにならないので主砲メインで戦うとかなり弱い。

・魚雷
こちらも弱い。低威力かつ本数も4本と少ない。辛うじて射程が5.4kmと最低限にあるので(ただし短い方ではある)、こちらを主武装とした方が良いだろう。唯一の長所としては装填が24秒と駆逐艦の中では装填速度が最もはやく、駆逐艦とのドッグファイトなどで一度外しても直ぐに次発を撃つことが出来る。この装填速度はいい意味でいえば戦艦の主砲の装填速度と同じレベル。しかし魚雷発射管旋回速度はやや遅め。

・装甲
無いに等しい。このTierの駆逐艦の装甲は皆ほとんど変わらず、本艦もその例に漏れない。

・機動性
最高速度は30ノット台と他国同格内では最も遅い。他国同格は32~35ノット台が多く、速度面では一歩遅れている。さらに加速も優れているわけでは無く、モッサリしている。舵についても同格最低という程ではないがやや劣悪である。

・隠蔽性
同格最低であるが、このTierでは気にするほどの事でもない。

・生存性
HPは7303と高めであるが、動きがモッサリしているため巡洋艦や戦艦の砲撃を回避できずでゴッソリ削られやすい。生存性は微妙と言えるだろう。

・装備
 ・兵装 射撃システム改良
 ・防御 兵装改良Ⅱ(修理時間短縮)
 ・適正 推力改良Ⅱ(速力)

・エリート特性
 ・駆逐艦近代化改修 HP+2%、最高速度+3%、魚雷管旋回速度+7%
 ・エリート砲術員 主砲装填速度-3%、主砲旋回速度+7%
 ・功績 EXPアップ+10%

・総論
劣悪な機動性、当て辛い上に当てたところで弱い主砲、低威力で装填の早い魚雷を兼ね備えた駆逐艦。ぶっちゃけかなり弱いので、さっさと開発して先へ進もう。Tier4のブーラスクからはDPMが上がり高速装填も使えるようになるので、それなりの火力が出るようになるので、それまで雌伏の時である。

史実

格納

 本艦は「アンセーニュ・ルー」級駆逐艦の1隻であり、フランス海軍が自国の通商保護のために建造した航洋水雷艇である。
 かつて高速水雷艇を多数抱えていたフランス海軍も、その後の水雷艇駆逐艦の発達と大型化により時代に取り残され…旧式の小型水雷艇ばかりを装備するという悲惨な状況に陥っていた。このため1912年にフランス海軍は海軍法を制定、他国海軍に負けないだけの艦隊を整備すべく「海軍近代化拡張計画」を立案した。この計画によれば、1920年までに「戦艦28隻、偵察巡洋艦10隻、水雷艇52隻、潜水艦94隻、植民地警備艦10隻」を建造するというもので、このままでは実現は難しいものの内容を見直して規模を縮小すれば実現は可能である…と考えられていた。
 この計画案に基づき「アンセーニュ・ガボルド」はノルマン社のル・アーブル造船所で1914年6月に起工、ところが起工から2か月で第1次世界大戦が勃発(1914年8月)。フランス全土が戦場となった結果、陸戦兵器の製造が第一とされ本艦建造用の資源も全てそのために振り分けられた結果、実質的な建造中止となってしまった。
 第1次世界大戦が終結(1918年11月)し、国内の混乱が収まるとようやく本艦の建造再開が計画される。この時、再設計によりフランスの国産水雷艇として初めてギヤード・タービンを搭載する艦となった。ギヤード・タービンの試験艦も兼ねた本艦は1921年4月に進水、1923年に竣工・就役。公試では最大出力26,000馬力で速力33.0ノットと言う俊足を発揮。1938年に除籍後解体処分となったため、第2次世界大戦には参加していない。

小ネタ

艦名の由来

 本艦の艦名はどうやら人名由来らしいが、日本語と英語の資料をざっと調べた限りでは残念ながらそれらしい人物を特定できなかった。このためそれらしい人物をご存じの方が居られたら、情報のご提供をお願いしたい。

アンセーニュ・ルー級駆逐艦

 本艦の元となった「アンセーニュ・ルー」級駆逐艦は、2隻とも1913年にロッシュフォート造船所にて起工。1915年に進水、1916年に竣工・就役している。命名規約は竣工順と思われるため、ネームシップとなった「アンセーニュ・ルー」が1番艦、続く「メシャシェン・プリンシバル・レスティン」が2番艦という事になる*3
 なお1番艦である「アンセーニュ・ルー」の名前の由来は1907年3月にトゥーロンのドックで発生した戦艦「イエナ」の弾薬庫爆発事件*4においてドックの水門を開いて火災を鎮火させた「ヴィクトール・ジャン・アントワーヌ・ルー」の名に因んでいる。彼はドックの水門を開くことに成功したものの、その後の船の爆発に巻き込まれて死亡。彼の勇気ある行動を記念する石碑はサン・ミッシェル大学内に置かれている。
 1番艦「アンセーニュ・ルー」と2番艦「メシャシェン・プリンシバル・レスティン」は起工が速かった事もあり、第1次世界大戦中に竣工・就役できた…しかし嵐のような混乱が収まり3番艦ともいうべき「アンセーニュ・ガボルド」の建造再開が行われる頃には第1次世界大戦前の設計は既に時代遅れとなっており、初のギヤード・タービンを組み込んだ艦として改設計された本艦は1・2番艦のサブクラスというよりは全く新しい艦級と考える事もできる。

本艦の主砲

 本艦に初めて乗った艦長を困惑させるであろう本艦の主砲。この砲は1度扱ってみれば判るが…初速が他国同格に比べて非常に遅く「同格内ワースト」となっている。その癖に射程距離は「同格内最長」であり、最大射程への飛翔時間が4秒を超えるのは本艦のみである。これらの特徴がどういった結果をもたらすかというと…砲弾がゆっくりふわふわと上昇し、高い軌跡を描いて遠くに落ちる、つまりかなりの「ゆるふわ弾道」になるのだ。

参考までに、同じゆるふわ弾道を持つ米駆と比較を行ってみよう。

艦名射程初速減退最大飛翔時間
アンセーニュ6.72km215.12m/s2.82m/s24.04秒
サンプソン6.6km271.5m/s11.13m/s23.28秒

どうであろうか?一般的には同じ「ゆるふわ砲」という一言で纏められてしまうこれらの砲であるが、数値で観るとその特性が異なって居る事が判る。本艦の砲は「初速が遅いが減退が非常に小さいため、目標まで速度はあまり変わらずに到達する」のに対して、米駆砲は「初速は速いが減退が大きく、目標までに速度が落ちてしまう」という事になる。これらの相違が前者の「スポンジボール弾道(仮称)」と後者の「ソフトボール弾道」という相違を生み出しているのだ。ただし、どちらも扱いにくい事に変わりは無いのだが。

編集用コメント

編集用のコメントはこちら
  • 解説を書きました。一応乗ってみた感想を基に書きましたが、修正していただいても一向に構いません。 -- Holy_Roman_Empire? 2022-02-26 (土) 03:47:09
  • 小ネタを追記 -- 2023-07-23 (日) 16:23:04

コメント欄

  • 明確にゴミ!!道理で全く見かけないと思ったら!!!間違ってもランダム戦に出してはいけない別の意味で害悪な艦艇。こいつがいたチームは確実に負けるのでフリー経験値で飛ばすかコープで開発すべし。それ以外の選択肢は絶対にとってはいけない -- 2022-04-13 (水) 01:12:53
  • 明らかな初心者に狩られるレベルで難しい。玄人向き。 -- 2022-12-24 (土) 13:06:19

過去ログ

過去ログ一覧

*1 フランス駆逐艦と言えば139mm砲をイメージするだろうが、139mm砲を採用するのはTier6「ゲパール」からである。
*2 ついでに言うと、この砲旋回の遅さはティア9まで改善されない。仏駆は速度が自慢のツリーであるが、速度向上と共にこのミスマッチが響いてくる。よってこのため今後もこのツリーを進める場合、この砲旋回の速度には慣れて貰う必要がある。
*3 ただし各艦の名前をよく見ると、最初に命名されたのはメシャシェンのような気がする。
*4 爆発の原因はニトロセルロースを元にしたB火薬(白い粉末故にブランシェ火薬、もしくは発明者の名を採ってビエーユ火薬とも)の不安定さとされ、実際この火薬は古くなると自然発火する事があった。この爆発では120人が死亡し「火薬スキャンダル」と呼ばれる責任問題に発展。当時の海軍大臣が辞任に追い込込まれる事になった。