Shinano

効果：

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④計画(第四次海軍軍備充実計画)に則り、大和、武蔵に次ぎ第110号艦(信濃)、第111号艦の2隻の建造が決定。しかし大和、武蔵を建造する呉、長崎で建造するのでは排水量7万トン近い戦艦の建造において順番待ちが発生する。そのため新たに横須賀に全長336mの巨大なドック(第6船渠*3)を作ることとなった。110号艦はドックの完成と同時に起工が行われ、1945年3月の完成を目指した。しかし途中で艦底部の設計変更や1941年11月の大型艦建造の見直しにより、111号艦は建造中止後に解体、110号艦も戦艦としての工事が中止され資材も他の艦艇に回されることとなった。さらに1942年4月にはドゥーリトル空襲*4もあり一層工事は進まなかった。6月のミッドウェー海戦で日本軍は赤城、加賀、飛龍、蒼龍の開戦から日本軍を支えた主力空母4隻を一挙に失うという大敗を喫し、雲龍型や改大鳳型の建造を優先的に進めることとなった。この時点で船体は70%まで完成していたが、9月には大和型戦艦専用の主砲塔運搬船である樫野が沈没し、戦艦として完成させるのはほぼ不可能となってしまった。そして信濃を空母として改装し、1944年末までの完成を目指し改装が始まったのだった。

空母4隻の穴を埋めるため、またもうすぐ完成する新型空母大鳳および雲龍型との空母機動部隊再編成に向け、改装は急ピッチで行われた。しかし先のガダルカナル島の戦いの勃発で多くの艦を喪失したほか、雲龍型や松型など新規艦艇の建造、既存艦の修理などのため工事は幾度と中断された。しかし悲劇は続いた。3月のマリアナ沖海戦で、空母翔鶴、大鳳、飛鷹の3隻を失ってしまい、虎の子の航空部隊も壊滅的打撃を受けてしまい、サイパンからの本土空襲を許す事態になってしまったのである。特に新造空母であり機動部隊の中核を期待された大鳳が、たった魚雷1本で大爆発を起こし沈没したことは大きな衝撃であった*5。大鳳の喪失を受け、信濃は更に工期を早めることとなり、初期の竣工時期からは約5ヶ月も短縮する事態となった。また大鳳の教訓から航空燃料タンク付近にコンクリートを流し込むなどの作業が行われたが、武蔵に19ヶ月を要した艤装をわずか3ヶ月で行ったため、気密試験や水密試験を最低限しか行わなかった。10名の殉職者を出しながら何とか1944年10月には進水できたのだが…

10月5日、ドックに注水を開始し進水を始める所だったが、注水開始後にドックの扉船が外れる事態が発生。これによりドック内に海水が流入、船が動き出してしまい甲板上の作業員が海中へ放り出され、ワイヤーロープは破断し、艦首のバルバス・バウとドックの壁に何度も衝突するという事故が起きる。これにより水中ソナーやプロペラ翼端が破損してしまった。バラストタンクへの注入忘れという人為ミスによるものとされる。

予定より遅れて10月8日に命名式は行われた。正式に「信濃」と命名され、ドックへ再び入渠すると修理を行った。正式に竣工したのは11月19日であったが、その間に零戦をはじめ、紫電改や流星、彩雲による発着艦試験が行われた。またこの時期に行われたレイテ沖海戦では参加した空母の瑞鶴、瑞鳳、千歳、千代田の4隻を囮作戦ではあったものの喪失、さらに栗田艦隊のUターンにより作戦は失敗、連合艦隊は事実上消滅している。しかし横須賀での空襲による被害を免れるため、信濃は呉へと回航し呉にて艤装や兵装の搭載が行われることとなった。しかし肝心の対空兵装は搭載されておらずボイラーも2/3しか稼働できないという有様で、最高速度も20-21ノット程度だったと言われる。この速度が信濃の運命を左右することとなる。

11月19日信濃は海軍に引き渡され、11月24日には第十七駆逐隊(雪風、浜風、磯風)の護衛を受け呉へと信濃を回航することとなった。しかし第十七駆逐隊の浜風、磯風は先のレイテ沖海戦で被弾、水中聴音機を故障しており、司令艦浦風を帰投時に失うという状況だったため、護衛隊も万全とは言えなかった。この時の呉へ回航する際の航路は昼間沿岸航海ルートと夜間外洋航海ルートで別れた。沿岸部なら敵潜水艦を警戒しやすく、哨戒機も出せるため安全だという意見もあれば、艦載機を搭載していない信濃にとって敵機動部隊に発見され攻撃にあうことも考えられたため夜間に航行するという意見もあった。結果的に夜間に外洋を航行することで決定した。*611月28日午後に横須賀を出港すると、午後7時に敵潜水艦の電波を捉えた。これがおそらくUSSアーチャーフィッシュ(Archerfish SS-311)である。米軍側が元々信濃の存在を把握できていなかったのもあるが、アーチャーフィッシュ乗組員は当初信濃を島と誤認するほど、信濃の巨大さが伺える。信濃の特徴である傾斜煙突と巨大な島型艦橋だが、これは空母隼鷹、飛鷹(マリアナ沖で沈没)、大鳳(マリアナ沖で沈没)しか搭載していない。開放型格納庫であったことも考えると、信濃がどの日本空母の特徴にも当てはまらないのが伺える。アーチャーフィッシュがニミッツ司令からの「バナナはピアノの上」という激励を受け取ると、単独で信濃の特徴追跡を開始。日付が回ったころには浜風、磯風が雪風にペリスコープの確認を依頼したが、雪風側は受信できていなかった。浦風喪失も重なったのであろう。本来の信濃の速度(27kt)の2/3である21ktでもアーチャーフィッシュの19ktは振り切れた筈だったが、信濃のジグザグ走行による速度低下、更には右舷中間軸受の過熱により18ktまで速度を低下させていた。そして11月29日午前3時13分、魚雷を6本発射。そして16分から17分にかけて信濃の右舷に4本が命中した。
信濃、大和型の復原システム、魚雷防御なら、本来4本では沈むことはなかったはずだ。しかし、工事中でもあった信濃はそこかしこにケーブルがある状態、更には度重なる改装で複雑な艦内通路をしており、広大な艦内では迷うほどだった。未熟な作業員も多く試験や訓練もままならずに応急処置を適切に行えなかったのも原因である。また、艦長の「工員飛行甲板」という命令が「総員飛行甲板」との誤報となってしまったこともあり沈没を速めてしまった。左舷への注水システムは開閉弁の故障により不可能となり、駆逐艦の曳航も試みたが信濃の重さに耐えきれずロープが破断するなどした。また7時40分ごろには御真影を移乗させようとしたが、横波に煽られ失敗。10時37分には総員退去命令が出されたがその放送は艦内放送装置の故障もあり多くは伝わらず、複雑な艦内構造と巨大な船体のため多くは逃げ遅れた。10時55分(57分)頃沈没、戦死者791名。

基準排水量　62,000t
満載排水量　72,000t
全長　266m
全幅　38.9ｍ
出力　150,000hp
速力　27kt
兵装　八九式12.7cm連装高角砲8基16門
　　　12cm28連装噴進砲12基
　　　九六式25mm3連装機銃35-37基
　　　同単装機銃40基　計最大151挺
搭載機　常用42機(補用5機※推定)

搭載機数が少なくなっているが、同じ改造空母の赤城や加賀の3段式とは異なり1段のみとなっているためである。空母への改装が決まった時点で既に船体が中甲板あたりまで完成していたことも影響しているが、先述の運用も理由である*7。また日本空母としては珍しく開放型格納庫を採用していた。飛行甲板は大鳳ほどではないが装甲化が図られ、20mmDS鋼板の上に75mmNVNC甲板を装着しており、500㎏爆弾にも耐えうるものとされた。ちなみに大和型の410mm装甲は200mm程度まで減じられているため対巡洋艦砲に耐えられる程度のものだったとされる。

満を持してのTierⅩ航空母艦としての実装となったわけだが、PC版で見られた反張爆撃の代わりにAP絨毯爆撃及び戦術飛行中隊が採用されている。搭載機数は史実よりも多い87機。

　本艦の艦名の由来は旧国名の「信濃国(しなののくに)」から。なお律令制における信濃国は現在の長野県の大部分と、岐阜県中津川市の一部を含んでいた。

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