ひじきラー

Last-modified: 2023-09-04 (月) 16:14:49

ひじきラー.jpg

第一次ザイクロリア調査隊の隊員が記憶を元に描いたひじきラーのイラスト
 
住処ザイクロリア島
属性

ザイクロリア島に生息する、恐らくは生物と思しき謎の存在。かつてこの島に存在した亡国ザイクロリアを滅ぼした張本人であるとされる。

形態・生態

その姿はひじきに酷似している。長さはおよそ8mに及び、その根元からは四本の脚が放射状に伸びる。また体の中程に二本の腕のような器官を備えている。体の上端部には穴が確認でき、恐らくここが口であると思われる。
性格は極めて獰猛であり、人間を見つけ次第殺しにかかる。どれだけ深い傷を負っても決して逃走することはなく、死の間際まで人間に対する攻撃を止めようとしない。後述する通り戦闘力も高く、極めて危険な存在と言えるが、ザイクロリアには1haあたり1体ほどの密度で生息しており、遭遇を避けることは不可能に近い。
その体は鋼鉄のごとく硬く、葉は刃のごとく鋭い。大抵の生物はその体に触れるだけでズタズタに切り裂かれてしまう。また体を振り回して葉を発射して攻撃することがあり、弾丸に匹敵する速度で発射されるそれは鋼鉄の盾をも容易に貫く。
脚はその華奢な見た目に反し、高い性能を誇る。凄まじい速力を持ち、その速度は時速280kmにまで達する。また跳躍力もずば抜けており、高低差80m程の崖を一跳びで登ったという記録が残っている。
腕の先端から、通称ひじき魔弾と呼ばれる、緑色の淡い光を放つ黒い物体を発射する。魔弾は重力の影響を無視するかのように標的に向かって真っ直ぐ飛び、着弾時に爆発を起こす。その射程距離はおよそ200mにも及び、射程限界からでも正確に敵を狙撃する。さらに左右の腕から交互に魔弾を発射することで、秒間四発ほどでの連射が可能である。これはひじきラーの体液、人間でいえば血液に相当する液体を発射しているものと思われ、それ相応の体力を消費する技である。しかしその分、破壊力は格別であり、この魔弾による攻撃を防いだ装甲は存在しない。
このように極めて高い戦闘力を誇るひじきラーだが、大きな弱点として、腕の付け根辺りにある瘤状の器官、通称コアを傷つけられると呆気なく死亡する。これにより、ある程度腕の立つ者であれば、通常兵器でも十分彼らに太刀打ちできる。
ひじきラーは殺した人間を捕食する姿が確認されている。この行為は通常の生物の食事と異なり、エネルギーを補給することが目的でないと考えられている。ザイクロリアにはひじきラー以外の動植物が一切存在せず、ひじきラーが食事からエネルギーを得ているとすれば、普段は何を食べているのかという問題が生じるためである。
その他、ひじきラーの繁殖や排泄行動、生活史、及び一切の生態は不明である。そもそも、この存在を通常の生物と同列に扱うべきかどうかすら、未だ我々は知らないのである。

出現の経緯

ザイクロリアは滅亡の直前まで鎖国体制をとっていたこと、また既に滅亡してしまっていることから、ひじきラー出現時の当地の状況を記した資料はほとんど現存していないと思われる。しかし、第一次ザイクロリア調査によって発見された一遍の手記の内容から、以下のような経緯でひじきラーが出現したと分かっている。
ある時、ザイクロリア東岸の名もなき漁村に隕石が落下した。隕石自体はごく小さいもので、これによる直接的な被害はなかったが、不可解なことに、隕石の落下地点をいくら調べても隕石そのものを発見することができなかった。まるで隕石が忽然と消滅したかのようであった。
その数週間後、さらに不可解なことに、陸上であるにも関わらず、隕石落下地点の周囲にひじきが生えてきた。このひじきは通常のひじきと異なり猛毒を持つようで、これを齧った羊はその僅か数秒後に意識を失い、そのまま死んだ。また、体の小さなハエやカなどは、ただひじきに触れるだけで死んだ。村人はこのひじきを軒先などに吊るして虫除けとして利用した。
やがてこのひじきの虫除けとしての有用さが噂となってザイクロリア全土に広まると、当時の事実上の国家元首であるグドロ・サザルタンはひじきの量産体制の確保を命じ、ひじきを全土に普及させた。これにより、長年国民を悩ませていた、蚊の媒介する疫病の脅威は完全に消え去った。
しかしその頃、隕石が落下した例の村において、村人全員が突如として怪死を遂げるという事件が発生した。遺体を調べたところ、原因はひじきの毒にあると判明した。ひじきを扱う中で、知らず知らずのうちに徐々に毒が体に蓄積されていき、ついに許容量を超え死亡したのだ。そして驚くべきことに、安置されていた村人の遺体が次々に巨大な怪物へと姿を変え、人々を襲い始めた。この怪物こそひじきラーであった。この時出現した合計27体のひじきラーは、多大な犠牲を出しながらも、ザイクロリア軍の奮闘によりなんとか駆除された。この事件は、今後もひじきを使用し続けた場合、更なるひじきラーの出現という事態を招く可能性を示唆した。
この事件を受け、国は全国民に対し、所有するひじきを全て処分するよう命じた。しかし時既に遅く、国民の体に蓄積された毒はとうに許容量を超えており、ひじきラー化するのは時間の問題だった。
その三日後、ついに国民のひじきラー化が始まった。ひじきラー化はひじきをより重用していた者から順に起こり、ひじきラー化していない人間を次々と殺害していった。それに追い打ちをかけるがごとく、他の個体と比較して明らかに強力なひじきラー、通称ひじきングが各地に現れ、蹂躙は更に加速した。
グドロ・サザルタンは急遽鎖国を解除し、他国から援軍を呼ぶため、ひじきを利用していなかった者のみからなる師団を結成したが、出港前に全てひじきラーに殺害された。
かくしてザイクロリアの人間は全てひじきラーになるかひじきラーに殺害され、国は完全に滅亡した。隕石の落下からわずか二ヶ月後の出来事であった。
手記は、ひじきラーによって包囲された筆者が生存の道を諦め、自害を決意したことが述べられたところで終わっている。
以上はあくまで一遍の手記から得られた情報であり、事実に反する内容が含まれている可能性を否定できないことには留意されたい。また、手記の中で言及されている「ひじきング」なる存在に関しては、現在まで二度行われた現地調査では確認されていない。

ひじきエネルギー

ひじきエネルギーとは、ひじきラーの体液に含まれる莫大なエネルギーである。第二次ザイクロリア調査団によって回収されたひじきラーの死骸を調査することで初めて確認された。
ひじきエネルギーは、ひじきラーの体液に行う操作の内容に応じて、熱エネルギーや電気エネルギーなど、様々な形で取り出すことが可能である。このエネルギーは発生時に温室効果ガスを生じず、また極めて効率が高いことから、世界を変える新たなエネルギーになるのではないかと注目されている。しかしひじきラーそのものの全容すら把握できていない現状、ひじきエネルギーの使用により予想外の問題が発生する可能性は否定できず、ひじきエネルギーの利用には慎重になるべきだという意見が根強い。

コメント

  • ネタキャラかと思ったら結構怖かった -- もんつく 2023-05-31 (水) 22:02:28
  • 理想的な記事過ぎて泣く(感動) -- やっこさん 2023-06-01 (木) 18:21:53

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