死の秘宝/36~終章

Last-modified: 2021-10-02 (土) 20:08:33


36章

裏目に出る

■日本語版 36章 p.534
「いいかリドル。ダンブルドアの最後の計画が失敗した事は僕にとって裏目に出たわけじゃない。お前にとって裏目に出ただけだ」

■US版 p.
"because Dumbledore's last plan hasn't backfired on me at all. It's backfired on you, Riddle."

■試訳

  • 「いいかリドル。ダンブルドアの最後の計画が失敗して困るのは僕じゃない、お前だ」

■備考

  • ヴォルデモートの「ダンブルドアの最後の謀は、ハリー・ポッター、失敗に終わったのだ!」に対するハリーの反論。
  • 「裏目に出る」という言葉は、「よかれと思ってしたことが悪い結果になる」ことを言うんだよ。
    「失敗したことが裏目に出る」なんて日本語はない。
    こういうひどい文が多すぎる。常識のある読者は皆呆れてるんだよ。
  • 意訳になるが、「いいかリドル。ダンブルドアの最後の計画が失敗して困るのは僕じゃない、お前だ」はどう?


杖をピクピク動かした

■日本語版 36章 p.536
ハリーはサンザシの杖をピクピク動かした。大広間の目という目が、その杖に注がれるのをハリーは感じた。

■UK版 p.595
Harry twitched the hawthorn wand, and he felt the eyes of everyone in the Hall upon it.

■試訳

  1. ハリーはサンザシの杖をグッと引き寄せた。(略)
  2. ハリーはサンザシの杖をぐいっと動かした。(略)

■備考

  • ハリーの武装解除とヴォルデモートのアバダ・ケダブラがぶつかる直前の緊迫の場面。
  • twitchは「(身体の一部を)ピクピク動く(動かす)、痙攣する」って意味もあるけど
    物に使うときは「ぐいっと(ちょんと)引く」という感じ。
    「ハリーはサンザシの杖をグッと引き寄せた。」とかそんなとこかな。
  • 擬態語とか擬音が多すぎて幼稚なだけじゃなく、
    それが実際の情景と合ってないことがものすごく多いよね。


終章

悪文

■日本語版 終章 p.551
「それじゃ、車は無事駐車させたんだな?」
ロンがハリーに聞いた。
「僕はちゃんとやったよ。ハーマイオニーは、僕がマグルの運転試験に受かるとは思っていなかったんだ。だろ?僕が試験官に『錯乱の呪文』をかける羽目になるんじゃないかって予測してたのさ」

■UK版 p.827 (PB)
“Parked all right, then?”Ron asked Harry.“I did. Hermione didn't believe I could pass a Muggle driving test, did you? She thought I'd have to Confund the examiner.”

■備考

  • 邦訳では1行目と3行目のセリフの主が違うようにも読める。
    もしかすると「僕はちゃんと~」以下がハリーと思ってしまった人がいるのかも。
    (ちなみにその次のハーマイオニーのセリフは女性言葉なのでロンやハリーと間違いにくいのに一行で書かれている)
  • 誰のセリフかわかるように ~asked, ~said を訳してるのかと思ったら、気まぐれな改行でますますわかりにくくしてる。
  • 英文だとセリフを分割するけど、こういう時翻訳では結合するのが定石なのに。
  • ロンの最初の問いかけの訳が悪すぎる。
    「無事に駐車させられただろ?」って
    ハリーに確認してるニュアンスじゃなくなってるのが一番問題だな。


悪文 その2

■日本語版 終章 p.551(※原文は改行なし)
プラットフォームに戻ると、リリーとローズの弟のヒューゴが、
晴れてホグワーツに行く日が来たらどの寮に組分けされるかについてさかんに話し合っていた。

■UK版 p.604(※原文は改行なし)
Back on the platform, they found Lily and Hugo, Rose's younger brother,
having an animated discussion about which house they would be sorted into when they finally went to Hogwarts.

■試訳

  1. ホームに戻ると、リリーのそばにローズの弟、ヒューゴーがいた。
    二人は晴れて(略)について盛んに話している。
  2. ホームに戻ってみると、リリーがローズの弟ヒューゴと熱心にしゃべっていた。
    晴れてホグワーツに(略)

■備考

  • 最初、ヒューゴはリリーとローズの弟だと勘違いしてしまいました。
    この前までの文章で、リリーはハリーの子、ローズはロンの子だろうっていうのが
    分かっていたので、矛盾を感じて思わず何度も読み返してしまいました。
    何度か読み返した後に、リリーとヒューゴが話してたんだと理解しましたが、
    間際らしい書き方をしてるなぁって思いました。
    「ローズの弟であるヒューゴとリリーが」としてくれたらすっきり読めるのに。
  • あと、今気づいたんですが「プラットフォーム」って書かれてましたが、
    正しくは「プラットホーム」ではないでしょうか?
  • こういうの難しいと思うけど、流れとしてはリリーはもう紹介されているから先に出し、
    一緒にいるのはヒューゴ―、この子はローズの弟だよ、という感じで紹介するのが自然。
    だから作者もその順番で書いているので、できたら変えたくないところ。
    「ホームに戻ると、リリーのそばにローズの弟、ヒューゴーがいた。」
    という感じで文を切り、「ふたりは~について盛んに話している」みたいに
    つなげるのがベターかもしれないね。



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